● ● ● ● 大門みきし Daimon Mikishi  ● ● ● ●


■2001年6月7日 国土交通委員会質問
○大門実紀史君 日本共産党の大門実紀史です。
 扇大臣には初めて質問をさせていただきますけれども、どうぞよろしくお願いいたします。
 私の方は二つの柱で質問したいと思いますが、一つはJRの関連事業と財産の譲渡のこと、もう一つは中小企業への配慮義務の二つの柱で質問をさせてもらいたいと思います。
 まず第一に、今回の完全民営化によって本州三社が国の監督規制から基本的に外れることになる、関連事業についても今後この三社は新しい事業分野へ進出することなどを含めて自由にいろいろやれるようになるということだと思います。ただ、この三社が関連事業を行う場合、当然駅などの今まで持っている一等地の資産を活用して事業を展開するということになると思いますが、もともとこの三社が持っているそういう資産というのは、国民の財産といいますか、国民の資産をほぼ無料で承継したものというふうに言えると思います。
 その点で、これからその財産を処分する、いろいろ活用するために処分する場合、今までは大臣の認可が必要だったわけですけれども、今回の改正以降何らそういう認可が必要なくなるのかどうか、教えていただきたいというふうに思います。

○政府参考人(安富正文君) 今、財産の処分について何らかの規制なり認可なりがあるのかという話でございますが、今回の会社法の改正によりまして、いわば従来この本州三社につきましては特殊会社ということで規制を加えておりました。これは人事面とか財務面とかいろんな面で規制を加えておったわけですが、その中に重要財産の処分の認可というのが従来JR会社法の第八条でございまして、これについてはJR各社が重要な財産を譲渡する際には国土交通大臣の認可を受けなければならないということになっておりましたが、今回の法改正によりましてこの規定は当然本州三社については適用が除外されることになりますから、当然この認可の対象からも除外されるということになってまいります。

○大門実紀史君 今、説明していただきましたその八条が設けられた理由ですけれども、もともと国鉄の分割・民営化のときに、この財産の問題でいえば一つは清算事業団、一つはJRというふうに分けられて、清算事業団の方は長期債務、その膨大な借金を返済するために、国民に負担をかけないために売却すると、そちらが持っている資産なり土地は。しかし、JRの方は、今申し上げたとおり、できるだけ国民の借金、負担を減らすために土地は売りたいということがあったものですから、JRの方は必要最低限といいますか、事業に最小限必要なものだけになったというふうに思います。
 その点では、JRが持っている土地をそもそも売却していくということはその分割・民営化の議論ではほとんど想定されていなかったというふうに私記憶しておりますし、承継した金額もほとんど明治、大正時代の帳簿価額のままだったというふうに思います。
 こうした経過からいきますと、当然、万が一、万が一といいますかほとんど売却することを想定していなかったわけですから、特別の場合ということで八条における大臣の認可が必要だった、規定を設けたという経過だったというふうに思いますが、その点の経過といいますか、八条の位置づけについてはそういうことで間違いございませんか。

○政府参考人(安富正文君) 当然、JR会社法ができた経緯からいきまして、国鉄改革の趣旨にのっとって、JR会社が特殊会社として旧国鉄から引き継いだ事業資産をちゃんと管理し運営していかなきゃいけないという責務を負っているわけでございます。
 そういう意味で、これを従来、JR会社法の中では重要財産について、特に省令上では三億円以上の重要財産ということになっておりますが、そういう大きな財産については、国鉄改革の趣旨からいって、当然会社法の中で規制をかけて、それを大臣の認可にかけるということにしてきたわけでございまして、ただ、もともとこの国鉄改革の趣旨からいって、今回新たにJR本州三社については、そういう特殊法人としての規制のいろんな財務面、人事面もございますが、こういう重要財産の処分についても、もはや純民間会社という形でいわば卒業できるという形になりましたので、そういう形になったものについては一々これを認可ということに係らしめないで、いわゆる自主的な経営判断に基づいて実施できるようにしようということで今回の法律改正を出させていただいているところでございます。

○大門実紀史君 私がお尋ねしたのは、この会社法における八条の位置づけについてお伺いしているわけですけれども、ですから、そもそも国鉄からJRに承継された土地というのは、資産といいますのは、その売却を想定していなかったということは言えると思います。
 これは国会答弁でも明らかでして、当時、橋本運輸大臣もこういうふうに答えておられるんですけれども、事業に必要最小限の用地を承継させることにしておりますと、なおかつ、国鉄の長期債務を返済して最終的に残る国民の負担を少しでも減らすためにできるだけ売却したいんだと、だけれども、JRに引き継ぐのはですから事業用、事業に必要な最小限のものなんだと、それで、売却の対象にする予定は全くございませんということを当時の橋本運輸大臣は明確に答弁をされているわけです。
 ところが、実際にはこうした経過を全く無視するといいますか、欺くといいますか、JRは次々と売る対象にしていなかったはずの資産をこの間売却しているのが実態だということなんです。
 ここでお聞きしますけれども、数字だけ簡潔にお答えいただきたいんですが、JR各社がこの五年間でどれだけの資産を売却したか、JR七社それぞれの売却額と承継したときの帳簿額を数字だけで結構ですので、簡潔にお答えいただきたいと思います。

○政府参考人(安富正文君) JR会社全体としての土地売却の内訳については、実は詳細には把握しておりません。もうあくまで先ほどから議論になっております現行法の八条による重要な財産の処分で、大臣の方から認可をしたものについてお答えしたいと思います。
 ちょっと長くなりますが、まず、JR北海道は土地売却面積で三百二十一万平米、売却額が九十五億円、簿価が三十六億円でございます。それからJR東日本、百六十三万平米、売却額四百六十五億円、簿価は百三十七億円でございます。JR東海が一万平米、売却額二十億円、簿価は十七億円でございます。それからJR西日本、二十万平米、売却額三百四十七億円、簿価が五億円でございます。JR四国が一千平米で、売却額七億円、簿価は五十二万でございます。JR九州が七万平米、売却額四十三億円、簿価が二十億円でございます。JR貨物が四十万平米、売却額八百五十九億円、簿価が十三億円という数字になっております。

○大門実紀史君 そうしますと、七社合計でいいますと、面積で五百五十一万四千平米、これは物すごい広大な土地といいますか用地でして、東京ドームでカウントしますと百十八個分なんですね。東京ドーム百十八個分の土地が、売ることを想定していなかったと言われている土地が売られていると。金額が、今おっしゃっていただきましたけれども、合計でいきますと千八百三十五億一千七百万で売却されていると。承継されたときは二百二十八億二千二百九十一万円のものが千八百三十五億一千七百万で売られているわけですから、一千六百七億円もこれでJRはもうけたといいますか、収入を得たということになります。
 先ほど経過で申し上げましたが、これはもともと国民の財産ですから、それをJRが安く手に入れて、売ることを想定していないと言われたにもかかわらず売って大変なもうけの材料にしたと言わざるを得ないというふうに思います。
 これは、もちろん一つ一つは八条に基づいて大臣の認可を得られたかもわかりませんが、そうしますと、その国会答弁、経過からいって、大臣がこれを認可してきた、歴代の運輸大臣が認可してきたそのことも私は非常に問題があるというふうに思います。
 ところが、今回の法改正ではそういう最低限の八条のチェックもないと。さらに、自由にどんどん売っていける、もうけのために、会社の利益のために売れるということになるわけですから、大変この点が今回の改正の重大な問題点だと私は思います。これは大臣、どういうふうにお考えですか。大臣にお聞きしたいと思います。

○政府参考人(安富正文君) 今、先生から御指摘を受けました土地の売却額及びその今までの面積について御説明申しましたけれども、我々がこの八条に基づいて認可を行う際には当然、個別事業ごとに適法性であるとか合理性であるとか妥当性というのを判断してやってきているわけでございます。
 具体的に申しますと、例えば鉄道事業、駅を中心としていろんな鉄道施設を持っておりますが、町づくりと密接に関係しております。そういう関係から、例えば各種の土地区画整理事業であるとか土地再開発事業である、あるいは立体交差化事業といったような点について、そのために必要な土地等についてこれを公共的、公益的な観点から地方自治体等の要請に基づいて売っているというものがございます。
 それからもう一つは、JR各社が従来、経営的に使っていたものを集約化、高度化することによって余ったものというのがございますが、そういう土地の有効活用により生み出された用地について、例えば工場であるとか指令所の集約化、あるいは保養所といったようなものについてこれを売却するといったようなことで、それぞれの合理的な理由がございます。ちなみに、譲渡相手は約九割が地方公共団体であるとか土地開発公社、日本道路公団といったような公的主体になっているところでございます。

○国務大臣(扇千景君) 今、大門先生がおっしゃいましたけれども、これはやっぱり時代の変化に即応したというのが一番適した言葉ではないかと思います。JRといえども時代に即して変わっていかなければならない。そのために、先ほどから、午前中からるる御意見がございましたように、職員も苦しみ、そしてみんなで協力して、より国民に愛される、利用していただく、そういうJRの本体というものの意識改革とあるいは経営改革というものが断行されてきた。
 そういう意味で、みんなの協力があって、ただ必要なく売りさばくわけでもございませんし、何としても私は多くの皆さん方が、それらを売った金額ということとは別に、経営をみずから立て直そうということで今まで国の助成金をもらっていたものを逆に税金を納める側に回ったという、この変わりようというものはあらゆる面で私は時代に即した努力を全員が一致団結してやったという、その結果だというふうに御理解賜りたいと存じます。

○大門実紀史君 JRが経営努力されて、いろいろやっていかれることは何も否定しているわけじゃないんです。私が申し上げているのは、約三十兆円の国民負担が、長期債務が残っているというところで、こういう本来売るべきではない、売ることを想定していなかった土地を売却して会社の利益になっていると。この国民負担とのバランスを考えますと非常に問題があるというふうに申し上げているわけです。
 先ほど、不用になったといいますか、もう使わなくなったところを集約したりして売っているケースもあるというふうにおっしゃいましたけれども、そうしますと、私、ちょっとどうかなと思うんですけれども、橋本運輸大臣が当時、事業に必要な必要最小限のものを承継したんだという答弁でいきますと、そうしたらそのときに既にわずか十何年で不用になることがわかっていた土地まで承継したということになりかねませんから、非常に不用意な発言だなと私は思います。
 もう一つは、自治体という点でいきますと、これは調べてみますと、これこそ非常に問題点があるなというふうに私は思っているんです。なぜかといいますと、自治体にどういう金額で売却しているかというところを調べてみますと、もう結論だけ申し上げますけれども、要するに自治体には市場価格といいますか時価で売っているんですね。手に入れたときは、承継したときはほとんど明治、大正時代の簿価で手に入れたものを、売るときは時価で売っている。もう何百倍の金額で自治体に売っているということなんです。私、これは非常に問題があると思うんです。
 なぜかといいますと、もともと国民の財産だったものをJRが安く手に入れて、自治体には高い金額で売る、市場価格で売ると。自治体というのは当然住民なり国民の税金で賄われるわけですから、つまり国民の財産を安く手に入れてまた国民に高く売りつけているのと同じことになるわけですね、仕組みからいって。そういうことでしょう、どう思われますか。

○国務大臣(扇千景君) 今、大門先生のおっしゃた意味はよくわかりましたけれども、私は、必ずしもそういう感覚では国民も見ていないし、国鉄というものを、先生御存じのとおり、あの当時、再生不能の危機に瀕しているというのは多くの国民の共通した認識だったし、また国会の論議の中でも本当に瀕死の国鉄をどうするかという大事な決断をなすった、この国会論議も覚えていらっしゃると思います。
 そのように、私は、もう再生不能ではないか、国鉄はどうなっちゃうんだろうと、本当に瀕死の国鉄を再度国民の公共の足としてどう利用していくかという、あの当時のせっぱ詰まったあの認識からすれば、こういうものを皆さん方に持てるものをなるべくスリムにするということがなければ、従業員ももっともっと私は多くの皆さんが失業もし、今の再生というものもほど遠かったと。これは隔世の感があると。そういう意味では私はできるだけ、少なくとも職員の保養所などは私は整理されたものは随分あると思います。
 ですから、あの瀕死の国鉄をより国民の公共性のある利用できるものとするための再生を図って、あらゆるものを整理統合し、そしてリストラもしながら今日を迎えたためには、持てるものはなるべく私は時代に即してスリムにしていくというのは、今の時代、どこの企業もすべて、個人個人のうちもやってきていることですから、私はそれは先生がおっしゃるように国民のものをだまって安く受けたものを高く売ったということとはまた話が別だと思います。

○大門実紀史君 大臣、ちょっと混同されてお話しされていると思うんです。JRが経営努力して、例えば運賃収入できちっとした経営に立て直していく、それは何も否定していないわけです。私が言っているのは、資産の問題を土地の問題に絞って言えば、もともと国民の財産だったものを、しかも地方自治体ですよ、公共の目的に使うわけですよ、せめて簿価で、もともとの簿価で譲るぐらいは当たり前のことで、何で高く売らなきゃいけないのか。
 もう一つ申し上げますと、そうしたらJRバスにはどうしているかといいますと、同じ身内のJRバスには簿価で売っているんですよ。自分たちの一〇〇%出資したJRバスには簿価で売って、公共の目的に使う地方自治体には時価で売っていると、これはおかしいじゃありませんか。これだけ判断してちょっと答えてください。

○国務大臣(扇千景君) JRバスにはそれだけの体力がございませんから、これは簿価でなければJRバスは買い得ません。また、地方自治体には時価で売ったとおっしゃいますけれども、地方自治体は一番欲しいものを今の値段で買うということを地方議会できちんと了承されてこれは成り立った商談でございまして、勝手に売り買いしたのではなくて、国民のものだからこそ、より公共に即する地方公共団体に議会を通して交渉して手放すというのは、私は両方の納得がなければトップ同士でできるわけでもないし、国民の財産だからこそ今活用するために地方公共団体に今の値段で議会を通して売買するということは私は全然国民の期待にも反しませんし、より国民の財産だから有効活用するために時代の変化とともに活用方法を変えたという考え方で、私はおかしくないと思います。

○大門実紀史君 私はおかしいと思います。
 これは、例えば住民の皆さんがその事実を知って、うちの何々市はJRから、もともとJRがただ同然で手に入れたものを買わされているということが広がれば、皆さん怒りますよ、住民の皆さん。議会でもどこまでそれが説明されたのか私は知りませんけれども、この事実が明らかになれば、それは住民の皆さんに今こんな話は通用しませんよ。物すごく怒りは広がるというふうに思いますし、体力がないのは今自治体ですよね。地方自治体は赤字を抱えていて大変なわけだから、JRバスどころじゃないわけですよ。そういう点では、そういうことをきちっと判断した、しかも長い経過があるわけですから、明確な経過があるわけですから、やっぱりそういう資産の譲渡をすべきだということを意見として申し上げておきたいと思います。
 いずれにせよ、今回の八条の条項がなくなって、引き続き、もともと国民の資産を安く手に入れたもので、これからはどんどん、もう完全民間会社だということで、さらに何のチェックもなしにやっていけるというところに今回の法改正の重大な問題点の一つがあるということをこの問題では指摘して、次の点に入りたいと思います。
 二つ目は、中小企業への配慮義務ですけれども、午前中に山下議員の質問で、最後のところで答弁がありました。もう一度確認をしたいんですけれども、これは十条ですね、十条が今度は指針になるというところで、文言が若干、いろいろ削られている部分があるわけですが、要するに今までと何も変わらないのか、引き続き中小企業への配慮義務というのは重く置かれているのかどうか、確認のためにもう一度答弁をいただきたいと思います。

○政府参考人(安富正文君) 現在の会社法の第十条の規定でございますが、現在は、「会社は、その営む事業が地域における経済活動に与える影響にかんがみ、その地域において当該会社が営む事業と同種の事業を営む中小企業者の事業活動を不当に妨げ、又はその利益を不当に侵害することのないよう特に配慮しなければならない。」と、こう規定しております。今回、指針制度の中にこれを盛り込むに際しましては、指針に掲げる事項ということで、法案の中にございますように、「中小企業者への配慮に関する事項」ということで、こういう書き方をしておりますけれども、実際上、我々、この新しい改正法の規定に基づいて指針をつくる際には、現在の十条と同等の内容及び効力を有する趣旨ということで指針に盛り込むことを現在検討しております。

○大門実紀史君 では、もう一つ別の角度から確認をしたいと思いますが、八六年の参議院の国鉄問題の特別委員会のときに、中曽根元総理が明確にこの点は非常に力強く答えておられるんです。JRと中小企業との関係は非常に大事な問題だ、だから法律に配慮を示しているんだ、大きな組織や資本の力を持つ者は自制力を持って、みずから抑える自制力を持って地域と密着して良好な関係をつくっていくべきなんだということを答弁されておりますが、そういう国会答弁の趣旨も、今後、この改正によっても、その指針の中にきちんと盛り込んで、変わらないというふうに解釈してよろしいわけですか。

○政府参考人(安富正文君) 当然、十条の趣旨は、先生今おっしゃいましたように、JRが非常に大きな企業であるということ、それから特に駅という非常にお客が、たくさんの利用者が集積する場所を持っているというふうなこと、そういうことを配慮して、やはり大企業であるということから、地元の中小企業者に対して十分配慮して、いわゆる地元地域と共生して、さらには地域経済の発展、活性化に寄与するんだという意気込みでやっていただきたいということで十条の趣旨を盛り込んだわけでございますので、今回の新しい指針の中にも同じような趣旨でこの規定を盛り込むことを考えております。

○大門実紀史君 そうすると、同じだと、今までと同じように重い義務があるというふうに解釈をしたいと思います。
 具体的にお聞きいたしますけれども、JR貨物の小名木川駅というのがございます。ここで今再開発の計画が出ておりまして、時間の関係で私の方からどんな計画かかいつまんで申し上げておきたいと思うんですが、これはJR貨物の小名木川駅を廃止してその後に大規模な開発を行うという計画です。江東区です。敷地面積は十ヘクタール。JR貨物とマイカル、明和地所の共同開発というふうになっております。中身はといいますと、高層マンションをまず一つ建てると。これは、JR貨物が明和地所に五千坪の用地を売って、そこに二十三階建ての六百戸の分譲マンションを建てるという計画が一つです。
 問題になっておりますのは、もう一つの巨大商業施設でして、これはJR貨物が用地売却をして、その費用で巨大店舗を建設して、マイカルとサティに賃貸するというふうな計画です。この巨大商業施設といいますのは、地上七階で、延べ面積が十一万六千平方メートル、駐車場が二千六百台というふうな巨大な商業施設です。
 このほんの歩いて三、四分のところに、五分もかからないところに、御存じの方も多いと思いますが、砂町銀座商店街というのがあるんですね。私も何度も行ったことがありますが、非常に下町らしい、安くておいしい物を売ったりいい物を売っているというようなところで、いつも人がにぎやかに通っているというような、何といいますか、こういう町は本当に東京の宝だというふうに思いますが、そういう地元の商店街がこの巨大開発、大型開発計画に対して今非常に心配といいますか、こんなものができたらもう砂町の商店街はだめになるということで、この間、江東区長あてに陳情も出されております。もう絶対反対と。このJR貨物の開発計画をやめさせてほしいという、江東区長さんあてに地元の商店街振興会の皆さんが陳情を出されたりしているところです。
 まさに今この法改正のときに、先ほどから確認させていただいています中小企業への配慮義務が改めて問われているときに、具体的に今東京の足元で起きているこの問題にどういうふうに対応するかというのが本当に突きつけられていると。JRにとってはこれは試金石で、これからも守っていくのか、中小企業に対する配慮義務を本当に守っていくのかということが問われているような事案だというふうに思います。
 実はこの開発の背景には、私はJR貨物の赤字経営、きょう午前中から指摘されておりますが、赤字経営の問題が背景にあるというふうに思います。これも時間の関係で私の方で幾つか、国土交通省からいただいた資料を含めて申し上げますけれども、JR貨物というのは九二年から七年間連続経常損益赤字ということで大変な状況になっているわけですけれども、そのJR貨物に対する国の補助の実績というのは、これは我が党の方で集計いたしましたけれども、民営化された後、JR貨物にどれぐらい国と地方の補助が出ているかといいますと、幹線鉄道等活性化事業などを合わせて大体数十億円ぐらいになると思います。
 また、税制上、JR貨物にどれぐらい優遇措置がとられているかといいますと、これは国土交通省からいただいた資料をただ合計しただけですが、約百二十六億円JR貨物に対して税制の優遇が行われていると。さらに、きょう最初に御答弁いただきましたが、JR貨物がこの間、売却したのが八百五十九億というふうに先ほど答弁していただきましたけれども、約八百六十億、この五年間で土地を売って、もともと国民のものであった土地を売って収入を得ていると。
 ですから、JR貨物そのものは今でも非常に国民のツケが回っているといいますか、補助を受けたり税制優遇を受けて、しかも土地を売って、それでも赤字で大変だというふうなJR貨物そのものの背景がある中で、さらにこの江東区の小名木川のところでまた土地を売って開発をやって何とか収入を得たいというのがこの問題の背景に私はあるという気がいたしております。
 そこでお尋ねしますけれども、この小名木川駅の用地売却の帳簿価格は十ヘクタールで幾らになりますか。

○政府参考人(安富正文君) 小名木川貨物駅の面積約十万平米、十ヘクタールの帳簿価格でございますが、約七千八百万円でございます。

○大門実紀史君 十ヘクタールで七千八百万ということは、坪にすると二千五百円ぐらいになるんじゃないですか。大体そんなものだと思いますけれども。その十ヘクタール、一坪二千五、六百円だと思うんですが、それを幾らでJR貨物は今売ろうとしているのか、わかりますか。

○政府参考人(安富正文君) 具体的に売ろうとしている場所でございますが、明和地所の第三街区だと思いますが、その部分について幾らで売ろうとしているかということは、まだ私ども具体的にJR貨物の方から正式に聞いておりませんけれども、現在その数字を今持ち合わせておりません。

○大門実紀史君 とにかく、何百倍の金額で売ると。ちょっとその辺の場所わかりませんけれども、坪百万するか七、八十万なのかわかりませんけれども、いずれにせよもう何百倍の数字で売って、またJR貨物が四苦八苦していますから、とにかくそこを売ってというふうなことを今考えていると。
 こういうことが背景にあって、非常に大事な、東京の大事な、非常に活気のある商店街がこれによって壊滅的な打撃を受けるというようなことは私は到底許されないと思うんですね、JRの社会的責任からいっても。この辺について、中小企業に対する配慮義務と、しかもそういう背景を持つJR貨物ということからいって、この開発そのものについてどういうふうな御指導をこれからされるか、お聞きしたいと思います。

○政府参考人(安富正文君) 今、先生の方からいろいろお話がございましたように、小名木川駅、従来コンテナの取り扱いを行っておりましたけれども、隅田川への機能移転に伴いましてことしの三月に駅の廃止をいたしました。その跡地を有効に利用するため、JR貨物において現在再開発事業に取り組んでいるところでございます。この問題につきましては、当然、小名木川貨物駅再開発事業について、現在JR貨物において地元自治体や地元商店街と事業実施についての調整を行っているところでございます。
 具体的に申しますと、ことしの三月十五日に第一回まちづくり協議会というものを発足させまして、さらに個別に北砂一丁目の町会であるとか、先生からもお話しありました砂町銀座の地元の方々でありますとかあるいは北砂二丁目の地元の方々でありますとか、そういう方々と説明会を持って、現在、地元自治体、さらには各商店街の方々とも調整をしているところでございます。
 そういう意味で、我々としてはこのJR法十条の趣旨にのっとりまして、やはり地元中小企業者、さらには地元の自治体と十分調整を図って、何とか再開発事業が円滑に実施されるように我々としても指導していきたいというふうに考えております。

○大門実紀史君 有効利用ということでしたら、何もそんな巨大な商業施設をつくらなくても、地元の皆さんに喜ばれるような公園をつくるとか緑地施設にするとか、いろんなことが考えられるはずなんですね。何で有効利用がすぐ商業施設とかお金になることにばっと行くのか。私は、やっぱりそこが、最初の出発点が間違っているというふうに思います。
 まちづくり協議会等を設けられているのは承知しておりますけれども、十条の趣旨というのはあくまで中小企業ですね。ですから、地元の商店街の皆さん、この人たちとまず、大きいJRの方は自制力を持って、こういう計画があるんだけれどもどうかといって、合意が得られないものはやるべきじゃありませんよね、十条の趣旨からいって。
 ですから、自治体とかいろいろ言われましたけれども、私は、地元の商店街がこれだけ、こんなものができたら困るということで、あれだけ活気のある商店街がなくなってしまうということで不安を感じておられるわけですから、あれこれ自治体とか調整とか言わないで、地元の商店街の皆さんの意見をまず聞いて、尊重して、どこが合意点なのか、見直すなら見直すということも含めて、そういう地元商店街の皆さんを中心として意見を聞くことを十条の趣旨でいくならばまずやられるべきだと思いますが、いかがですか。

○政府参考人(安富正文君) 地元の中小企業者の皆さん、あるいは商店街の皆さんとお話することは当然でございますが、やはりこれだけの再開発をするということになりますと、全体のいわゆるその地域との関係、特に環境問題であるとか道路の問題であるとか、いろんな点で関係してまいりますので、当然地元の自治体とも協議を重ねながらこれは進めていかなきゃいけないというふうに考えております。
 ある意味で、両方ともちゃんとそれぞれ協議しながら、お互いこの再開発事業が、いかに地元にとってプラスになるように円滑に実施できるかということの着地点を見つけていく必要があるのではないかというふうに考えております。

○大門実紀史君 それは違うと思います。JR会社ですからJR会社法にまず拘束されて、まずそれにのっとってやるべきですから、あれこれを先に言わないで、あれとこれとは両方並行とか言わないで、JR会社法にきちっと明記している十条の中小企業に対する配慮義務、これをまず最初にやって、合意が得られなければ余り進めるべきじゃありませんし、先に周辺自治体とかいろんなところとかいう話じゃないと思うんです、これはJR主体の開発でありますので。ちゃんと法にのっとって、いろんな、あれこれ言わないで、まず地元の商店街、中小企業の皆さんと話し合うということを進めてもらいたいというふうに思います。
 最後に、JR貨物の問題点といいますのは、これは既に国鉄の分割・民営化の前から、やっぱり貨物が一番赤字を生むということで既に昔から問題になってきたことであります。そういう点でいきますと、このJR貨物の問題を放置して、非常に企業利潤の上がっている三社だけが独立していくということではありませんで、やっぱりJR各社がこの貨物の問題を協力して解決していくということを求めて、私の質問を終わりたいと思います。
 ありがとうございました。
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