● ● ● ● 大門みきし Daimon Mikishi  ● ● ● ●


■2001年12月6日 財政金融委員会
○大門実紀史君 日本共産党の大門です。
 私は、金融庁の検査は大変よくやっておられる、むしろやり過ぎだという話をしたいというふうに思います。
 今、信用組合あるいは信金をあわせて破綻が大問題になっています。それに、その取引先といいますか、顧客がRCCに大量に送られているという関連できょう質問させていただきたいわけですけれども、今年度に入って、十一月三十日現在で信組がもう二十五も破綻している、信金は七も破綻しているという状況です。十一月に入ってから信組が十三、信金が四つ、十一月だけで破綻しています。
 これだけばたばた破綻しているというのは私は本当にもう異常事態だというふうに思います。私も現地でいろいろ話を聞きましたが、特に、バブルのころのように、問題のある、何かちょっとわけのわからないインサイダーを含めたそういうふうな取引をやって、それが何か隠していたものが表に出て不良債権になって破綻したというようなことではなくて、この不況の中、通常の営業をしていたところがどんどん倒れているというのが実情だというのが大体わかりました。これは、地域の経済といいますか金融システム、地域の金融に非常にはかり知れない影響を与えますし、当然その破綻したところと取引をしていた中小企業の皆さんは今RCCに大量に送られているという状況が続いています。
 よりによってこの不況のときに何でこんなに一遍にたくさん破綻するのか、どうしてそういう中小企業がRCCへ送られて倒産に追い込まれるのか、回収にあって追い込まれるのか、何でこんなことが起こるのだろうかというふうに思います。まさに異常事態だというふうに思っておりますけれども、柳澤大臣の認識をまず伺いたいと思います。

○国務大臣(柳澤伯夫君) 大門委員御承知のとおり、信用組合については従来はこれは都道府県の所管であったわけです。それが昨年の四月から国の所管ということになって、国からの検査も入ることになったわけです。それまでは、実際上は検査の指導を若干させていただいたということでございます。
 そういうようなことを受けて、非常に大きなマンパワーが必要であったわけですけれども、昨年度いっぱいをかけて信用組合の検査を終了したわけです。終了いたしますと、いろいろな問題点も見つかるということで、それに対して報告の徴求というような形で、こういう状況なんだけれども一体どうされるおつもりでしょうかと、経営の改善というような、あるいは財務状況の改善といったようなことについて、どういう手を打つおつもりですかというような御意向を聞いていろいろ御検討願ってきたわけですけれども、最終的にやっぱり事業の継続の見通しが立たないというようなことを判断されて、そうした最終経営判断に基づいて破綻の申し出と申しますか、そういう申し出がなされて、したがって、それに基づいて諸般の処分が行われている、それが表に出てきたと、こういうようなことでございます。
 信用金庫についても、そうした所管がえというようなことはございませんでしたけれども、新しい検査マニュアルに基づいて検査が逐次行われていくということの中で同様のことが生じているということでございます。

○大門実紀史君 そうしますと、要するに金融庁が、都道府県から国に移管された後、一斉検査をやって、その結果でこれだけ破綻がふえているということでよろしいですか。

○国務大臣(柳澤伯夫君) おおむねそういう御理解でよろしゅうございますが、ちょっとだけつけ加えますと、問題があるところの中に、有価証券の運用で、これはなかなか預貸率が高くないものですから、どうしてもそういったところで資金の運用をされるというようなところも結構ございまして、そういうようなものが現今の有価証券の値下がり、あるいは場合によっては、外国債におけるデフォルトというようなことの余波をかぶってしまわれるということの中で、そういったことが財務状況に直接的な影響を及ぼしてそういう結果になるというようなところもございます。

○大門実紀史君 そうすると、物すごい破綻の数が短期的に非常に多く出ていると思うんですけれども、後でマニュアルの問題に触れさせていただきますけれども、今厳格な検査を急いでやってこれだけ破綻を生んでいるというか、どうして厳格な検査を一斉にことし始められているんですか。

○国務大臣(柳澤伯夫君) これはそもそもが、御案内のようにことしの四月からペイオフが始まるという予定であったわけです。それで、そのペイオフを一年おくらせたわけですけれども、その理由は何かというと、信用組合の検査をし、その検査に基づいた措置がとられ終わってからペイオフにするんだということで、ペイオフが来年の四月からになっているわけでございます。そういったことで、私どもとしては、昨年度いっぱいかけて信用組合の検査を一斉に行いまして、それで、さっき言ったようなことで、ことしに入っていろいろな経営者の御判断をいただきながら処理をしていると、こういうことでございます。

○大門実紀史君 つまりペイオフ解禁の前に、言ってしまえば、つぶすところはつぶして、残すところは残すというふうなことですか。

○国務大臣(柳澤伯夫君) ペイオフを延ばした趣旨というのがそうであったというふうに私どもは受けとめて、それで検査は一斉検査をやったわけです。やればそれのいわば善後措置というのは必ず必要なので、それを二年かけ三年かけというのは普通やりません。検査をやればその善後措置というのは当然半年とか一年ぐらい、長くてもその程度の一年内ぐらいには行われるわけですから、こういうタイミングになっているということでございます。

○大門実紀史君 もう少し明確じゃないかなと私は思うんですが、この前の四日のこの委員会で、森金融庁長官がはっきりもうペイオフに向けてやっているんだとおっしゃっているんですよね。
 ちょっと言います。
 信用組合についてはペイオフ解禁が一年延期になった要因でもありましたと。それで検査を始めているんだと。この検査で過少資本になったところ、あるいは債務超過になったところが出てきていると。そういう信用組合については、自力調達の道ということを真剣に考えていただきまして、そして浮き上がるものは浮き上がっていただいて健全になってもらうと。市場からどうしても退出せざるを得ない信用組合は退出していただく。そういうことの選別が夏から今日まで続いているんだ、ペイオフに向けてやっているんだと。しかも金融庁としては、ことし中に、年内に選別をしっかりとして、来年のペイオフには残っているところは残す、そういう努力をしているんだということを金融庁長官は明確におっしゃっていますから、もう少しはっきりと、ペイオフに向けて今一斉にやっているんだということをお答えいただけますか。

○国務大臣(柳澤伯夫君) 先ほど来私が申しているのも、森長官の言ったこととそれほど、若干表現、言葉は人によって違いますから違うところはありますが、基本的に同じだと思います。私はずっと経緯を追ってお答え申し上げておりますので、こういうことでしたということですが、今度は結果の方から、あるいは来年四月の時点から見るとそういうことにも結果としてはなるということじゃないかと思います。

○大門実紀史君 ペイオフに向けてそういうやり方しかないんでしょうかね。つぶすところはつぶすと、整理統廃合といいますかね。しかも、わざわざ検査に入って、後で申し上げますが、非常に実態と合わないマニュアルを使って、おたくはこうだという区分を変えさして引当金を積まして、積めないと、信組とか信金が十億引当金を上乗せするというのは大変ですよ、それを二十億、三十億積めということでつぶしちゃっているんですよね。つぶしているんですよ、破綻させているんですよ、わざわざ行って。追い込んでいるんですよね。破綻の形はみずからそれぞれ表明するのかもしれませんけれども、結果的には検査に入ってその流れで破綻させているわけですよ。
 そういう方法しかないんですか。ペイオフに向けて信組や信金がどうやっていくかという、ほかに何にも考えていないんですか。

○国務大臣(柳澤伯夫君) ペイオフが一年延びたのは、信組の検査をやっぱり一巡しなさいということです。恐らくその意味するところは、実際に検査しないでペイオフの時代に入っちゃって、破綻が起こって預金者に迷惑をかけるというようなことがあってはいけないので、そういうことが頻発してはいけないので、そこでちゃんと検査をして善後措置をとるべきだ、こういうことで我々は一年間のこの日数をいただいた、こういうふうに思っているわけで、その趣旨に沿ってやらせていただいておると、こういうことでございます。

○大門実紀史君 だから、私が申し上げているのは、その善後措置というのが、検査して、金融庁の物差しを当てて、このマニュアルでこの引当金を積みなさい、できなければ債務超過だということで、要するに破綻に追い込んでいると。善後策が破綻に追い込むことしかないんですかとお聞きしているんです。ほかに金融庁として、信組や信金の役割を考えると、何とか生かそうという知恵も何にもないわけですか。

○国務大臣(柳澤伯夫君) ですから、地元の皆さんが寄り寄り協議をして、それじゃ増資をしようとかということがあって、そうしてそういう措置がとられることも、当然善後措置としてはその方が望ましいわけでございまして、私どもとしてはそういうことを働きかけているケースが多いんじゃないかと考えます。

○大門実紀史君 後でそのマニュアル問題をまたちょっとやりますから。
 とんでもないことが起きている。大臣が言われるようなことじゃない、到底積めないような引当金を突きつけられていると。そんな、相談してできませんかという程度じゃないんですよ。物すごい金額を引き当てしろと言われてつぶれているんです。
 私、まずそのペイオフ対策ですけれども、例えば全信連、信金中央金庫がペイオフに向けて四%割れの信組には資本注入する制度をつくったり、あるいは信用組合中央協会もやっぱりそのペイオフが心配だというので資本注入制度を考えたりしているわけですよ。本来、こういうものを行政だったらちゃんと支援するとか何か考えるべきじゃないんですか、つぶすとか、つぶしてしまおうなんてそんな乱暴なことを言わないで。何でそれができないんですか。

○国務大臣(柳澤伯夫君) 最近では、信金中央金庫、それから全国信組連合会ですか、そういうようなところが非常にいろいろペイオフに備えて御努力をいただいておる。今言ったような資本注入のシステムをつくったり、あるいは場合によっては流動性の補完のシステムをつくったりというようなことで、非常に努力をされているということは承知をいたしておりまして、それについては私は大変敬意を払っているものでございます。
 それでも彼らは、例えば全信組連の場合には、一応プラマイゼロのところまでは自力でやってくださいと。それをあと何がしかを積んでその資本金として供給するというようなことはあるというように伺っておりまして、そこはやっぱりある意味で、その金融機関が組合員なりあるいはその地域社会にとってもう必要不可欠なんだと、絶対これを支持していかなきゃいけないんだというような地域社会の支持の体制というのは、やっぱり我々これを見させていただくというのは、それはどこであれ私は正しいことだというように思います。
 穴があいちゃってそれを全部ほかの人たちに埋めろというようなことだけを考えられるというのは、少し自助の精神というか、そういうようなものについて、やっぱりなかなか他の第三者がこれを助けるという気分に障害になるんじゃないでしょうか。

○大門実紀史君 おっしゃっていること全然わからないですけれども、要するに、地域の支持があったってつぶされているんですよ、今。みんなで支えようと思っているところもつぶされているわけですよ。
 私がお聞きしたいのは、簡潔にお願いしたいんです、私も時間ありませんので。要するに、ペイオフ対策、ペイオフ解禁に向けて整理統合して、できるだけ安全なところを残そうというやり方もあるかもしれませんけれども、そうではなくて、こういうそれぞれの連合会が努力しているのをもっと応援してやるという方法だってあるわけでしょう。何でそんな無理やりつぶすようなやり方でペイオフ解禁対策なんですか、それが。

○国務大臣(柳澤伯夫君) ちょっと記憶が明確でなかったもんですから、ちょっと事務方と打ち合わせをしておったんですが、政府の側が全信組連に資本注入をしようかというようなことも私はあったように思うんですけれども、何かの事情でそれが実現しなかったというようなことが、ちょっとそこのところを大門委員、大変恐縮です、今、急なこの点についての御質問ですから、全く事務方も準備していないようですので、その経緯はあれですが。
 それともう一つは、今ここで申したいのは、それにしても、さっき私プラマイゼロと言ったのはこれちょっと訂正させていただきまして、二%のところまでは自力で資本を増強してください、しかる後に四%まで、あるいはそれに若干プラスアルファあるかもしれませんが、それは全信組連が拠出いたしましょうと。こういう仕組みになっているんで、したがって、もうマイナスの自己資本比率になっているところにはこのスキームというのはいずれにしてもワークしない、こういうようなことになっているということです。

○大門実紀史君 ですから、そういうところが今つぶれているんじゃなくって、それ以上の自己資本のところがつぶれているんです、これ事務方おわかりだと思いますが。
 急な質問とおっしゃいますけれども、私きのうレクしたら、大臣だったら全部答えられるということで聞いているんですから、時間かからないようにお願いしたいというふうに思います。
 今回、RCCとか株買い取りとか出ている中なんですよね。大手の銀行にはそういうことがずっと、公的な支援体制、対策がいっぱい出ている中だからこそ、その裏で、きょうも主要行の話ばっかりですけれども、先週の金曜日だってつぶれているわけだし、毎週金曜日ごとにつぶれているんですよね、信組、信金は。毎週ですよ。十一月に入って十三でしょう。全然話題にもならないのはおかしいぐらいですよ。大手銀行の支援ばっかりの話でね。だから、きょうわざわざ私この問題を取り上げているわけです。
 ですから、ペイオフ対策を考えておられるにしても、どうしてそういう方向になるのか私は大変疑問ですし、後で具体例申し上げますけれども、要するに、そういう地域の信組とか信金に債務者区分を変更しろと言って引き当てを積ませる、こういうやり方をやりますと、例えば破綻して、それがどっかに譲渡されていって整理された段階にペイオフ前になったと。地域の信組、信金が、金融庁が見てこれなら安心だとなったとしても、私はその地域の金融というのがえらくさま変わりしてしまうと思うんです。
 なぜかというと、この間破綻させられている信金、信組というのは、金融庁の物差しでははかれない部分でお金を貸して、やっと今の不況を乗り切っている中小企業を息吹き返せるように助けている、そういうことをやっていたところが、そういう物差しを持ってこられてつぶれているということですから、今後はそういうことでやっちゃいけないんだということを今一生懸命検査の中で金融庁は信金、信組に教えているようなものなんですよ。今後はそういうことをやるな、信用貸しなんかだめだ、やるならば相当引き当てしなさいと、こういうことを今、検査と一緒に徹底しているわけですよ、私から言わせれば。
 そうすると、来年四月からかどうかわかりませんけれども、それ以降の信組、信金の役割というのはがらっと変わってしまって、今まで中小企業のおやじさんがいろいろ無理言って借りたものが、木で鼻くくったように、もう今後は貸せません、おたくは要注意だから貸せませんと、こんなふうな信金、信組になってしまうということなんです、私が申し上げたいのはね。
 そういうふうに今、検査そのものは、破綻させていると同時に、地域の金融システムといいますか、中小企業と信金、信組がやってきたようなことを今つぶしちゃっているわけですね。今後できないようにするということも同時にやっておられるんだというふうに私は思います。
 そういう点では、金融庁は本当に地域の金融のことを、大手行のことばっかりいろいろ策を練っていらっしゃいますけれども、考えているのかと、まともに。どうなるんですか、これから地域金融というのは、こんなことをやっていって。どうお考えですか。

○国務大臣(柳澤伯夫君) 破綻の話は、まず金融整理管財人を送る、あるいは救済金融機関と申しますか受け皿金融機関はかくかくしかじかである、あるいはその事業譲渡は適格性があるか否かというときは、その都度私も話を聞くわけです、一件一件聞くわけですが、そのときには、本当にこの信用金庫は一体どうしてこうなったんだというようなことを聞いております。
 大勢しかもちろん報告はありませんけれども、今、先生がおっしゃったようなことにならないように、できるだけ預金者を保護すると同時に、債務者と申しますか、貸出先も引き継ぐ方向に行くようにということでやっておるところでございます。
 残念ながらこことはもうちょっと取引ができない、不良債権になりましたねというようなところというのは、やっぱり構造的に難しくなったと。ある県のあるところでは塗り物の産業が全体としてだめになっちゃった、あるいは繊維の産業が全体としてだめになっちゃった。それで、その信用組合というようなものは、そういう限られた特定の業種に偏った構成メンバー、組合のメンバーで業が行われているというようなこともありますので、ここは地域金融機関のなかなか厳しいところですけれども、そこの地域が構造的に不振な地域になるとどうしても金融機関としても成り立っていかない。だからそれは、その中でも少しいいところ、そういう業に属さなくていいところについては、じゃ、ほかのところと一緒になったところでまた引き続いて取引を頼もうということしか、なかなか具体的な解決の道はないんではないかと思います。
 構造不況で成り立っていかないところをたくさんたくさん抱えたまま金融機関として成り立たせていこう、これはやっぱりちょっと無理なんじゃないでしょうか。何か大門委員にすばらしいアイデアでもあればまたお聞かせいただきますが、通常はそういう結論になるんではないかと私は思います。

○大門実紀史君 すばらしいアイデアじゃありませんけれども、つぶすことはないですよ、わざわざ。わざわざつぶすことはないと、これを申し上げたいわけですよ。
 不況でやっぱり信金、信組も、取引する中小企業も大変なんです。ただでさえ大変だから、ちょっと検査されたら、皆さんの区分によると破綻懸念だとか要管理だとかになってしまうわけですよ。そんなときにわざわざ入ってばんばんつぶしていると。私、思うんですけれども、この今の金融行政というのは一体全体何なのかと問われていると思いますよ、本当に中小企業の皆さんからすると。何をやっているのか、金融庁というところはと、本当に問われていると私は思いますよ。
 ただでさえ中小企業というのは大変なんですよ、今。きのうの参考人質疑でも先生方いろいろ実態をおっしゃいましたけれども、本当に大変なんですよ。やっと頼みの綱で、信用組合だとか信金が辛うじて融資をやってつないでくれていると。それによってこの不況の中でもまた元気になる中小企業もあるわけですよ、ちょっとつないで助けてもらってまたやっているところもあるわけですよ。やっとそうやって生きているわけですよ。そういう信金を平気でどうしてどんどん追い込んでいくのかと、この時期に。もう何かが狂っているとしか私は考えられないと思うんですよね。
 ですから、私、予算委員会で竹中大臣と構造改革について大議論いたしましたけれども、その大もとが狂っているからこうなるのか、構造改革そのものがおかしいから不良債権処理のやり方も、前回も質問しましたけれども、こんなことをやって何か間違った、実体経済とは合わない方向を、何を信じてやっているのかわかりませんけれども、むちゃくちゃなことが行われていると申し上げたいわけです。
 不良債権、不良債権と言いますけれども、不良がつくから、皆さんすぐ一遍になくさなきゃというような、何か親のかたきとでもいうように言いますけれども、そういうものなんですかね。大体、例えば不良少年と言われたって立派な大人になっている人はいっぱいいるじゃないですか。不良債権を一遍になくすというのは、これは不良少年をみんな死刑にするようなものでしょう。どうしてそういうふうなことに切りかわらないのか、これだけ景気が悪くなってもと。だから、私は本当に相当金融庁のやり方というのはおかしいんではないかなというふうに感じています。
 どうもかみ合わないので具体的な話をした方がいいかと思います。
 私、大田区の二つの信組が破綻しましたけれども、十一月二日付で、現地へ行ってその信組の役員の方あるいはお金を借りている方からいろいろ聞いてまいりました。
 細かいことを大臣にお聞きしてもやりとりになりませんので、これは結論だけ申し上げますと、大栄信組というところと東京富士信組が破綻して共立というところが受け皿になっているということです。
 ただ、これも本当に無理無体な話なんですけれども、例えば大栄信組というのは別に赤字じゃないんですよね。黒字でやってきたんです。金融庁の検査が入って、今まで五億円程度の引当金、小さな信組ですから五億円程度の引当金だったのを三十九億引き当てなさいと言われて、その後、九月期には七十五億に引き上げなさいと。こんなこと言われたら、ひとたまりもなくつぶれるのは当たり前じゃないですか。全体として、こんなこと検査であり得るんですか。東京都はそれじゃよっぽどひどいことをやったわけですか。いいかげんな、ルーズなことをやったことになるんですか。何でこんなことになるんですか。どこに問題があるんですか。

○副大臣(村田吉隆君) 東京都の検査に引き続きまして、財務局におきまして検査に入りまして、ルールに従いまして厳格な検査を行った結果、それぞれの債務の内容に応じて引き当てが必要とされると、そういうことで引き当てを要求したものと私は解釈しております。

○大門実紀史君 そういう通り一遍のことじゃないんですね。
 要するに、私思うんですけれども、引当金というのは、そもそも金融機関が引き当てするというのは、その貸している企業の方が破綻する可能性に備えて引当金をするわけですよね、当たり前のことですけれども。ところが、金融機関そのものが引き当てをしたために破綻して、引き当てして破綻して、その取引先企業も幾つも倒産してしまうと。こんなの本末転倒じゃないですか。矛盾じゃないですか。引き当てというのは何なんですか。引き当てでつぶしちゃうということはどういうことなんですか、引き当てしろといってつぶしちゃうというのは。変なことが行われていないですか。

○副大臣(村田吉隆君) 資産の査定につきましては、我々が検査に入る趣旨というのは、それは一方において、もちろん債務者というのも頭にございますけれども、預金者の保護というのが大前提にございまして、そういう意味で、金融機関の財務内容の健全性というものを我々は検査して見させていただくということでございます。

○大門実紀史君 もっと具体的に言わないと御理解いただけないみたいですので、もう少し具体的に言いますね。例えば、検査で何が起きているか、しかも信組、信金の今までの取引実態といかにそれが乖離しているかと、審査のマニュアルを含めて金融庁が持ってきた物差しというのが。
 その幾つか事例を申し上げますけれども、まず基本的な仕組みを申し上げますと、例えば信組というのは、延滞があってもその取引実績から回収が見込めると。長い取引ですと、日常的な取引関係とかあるいは社長さんの人柄だとか、あるいはそこの商売の可能性とか、これで回収はかたいと判断したりするんですよ。当たり前のことなんです。その辺は御存じですよね。当たり前のことなんです。何もルーズにお金を貸していっているわけでも何でもないんです。信組、信金だって守らなきゃいけないですから、そんなルーズなことをやっているわけでも何でもない、当たり前のことをずっとやってきているわけですよ。だから、それはもう正常先なんです。今までの信組の概念からすれば、信金の概念からすれば正常先なんです。
 ところが、ある日突然、突然といってもちゃんと通告して金融庁が来て、これはだめですと、検査官が。これは具体的に聞いた話ですけれども、検査官が、だめです、延滞は延滞なんだと。これは延滞は延滞だということで、もう幾ら説明しても取り合わないで、次にいろんな条件が付加されるんでしょうけれども、とにかく信組、信金が正常先と思ったのを、要注意だとか要管理だとか、これは破綻懸念先だというふうに金融庁が来て勝手に振り分ける、それに基づいてまた引き当てを積まなきゃいけないと。さっきみたいに、引き当てが一遍に積み上がって破綻に追い込まれるという構造なんですよ。たったこれだけのことなんです、破綻の仕組みというのは。だから、皆さんの検査が破綻させているということです。
 もう一つ、具体的な信組、信金の取引の実例と皆さんの物差しが合わないのは条件緩和債権ですね。これの場合ですと、金融庁は、条件緩和債権というのは要するに回収に不安があるということで、プラス何かがあれば要注意、要管理、破綻懸念先と、条件緩和の中でもまた振り分けていくと。
 ところが、これは信組、信金に聞きますと、条件緩和というのはもう日常茶飯事で当たり前のことなんだと。一時的に資金繰りがつかなければ元金の返済を猶予してあげたり期限を延ばす、こういう関係でずっとやってきて、さっきも申し上げましたけれども、いろいろ景気の波にさらされる中小企業を支えてきたわけですよ。それでまた景気がよくなったら定期預金をしてもらったり、いろいろなことをやってきたわけですよ。それを金融庁は、条件緩和債権だと、その中で要注意だと今だと引当金で二%ぐらいですかね、積みなさいと。その中身によって要管理なんかになりますと、担保のない部分、信用貸しの部分になると一五%積みなさいと、こんな物差しを急に持ってきて、引当金が積み上がるのは当たり前ですよ、信組、信金にとっては。
 こういうのが皆さんがやっている実態ですし、お金を借りている方からいえば、私は具体的に聞きましたけれども、例えば工務店の仕事がありますよね、建設関係の仕事。御存じでしょうけれども、建設関係の仕事というのは最初にお金をもらえないんですよね。完成しないともらえないわけですよ。ところが、材料屋さんとか各職人にお金を払わなきゃいけない。だから、信組、信金から事業資金を先に借りて仕事に入るわけですよ、支払いをやるわけですよ。お金をもらうのは先になると。お客さんの多い例えば工務店なら工務店ほどどんどん仕事を受けますから、先に払うお金が必要だからどんどん信金、信組からお金を借りるわけですよね。ところが、最初は短期で借りて、どんどん仕事が入ったので借りるのがふえたら、それを三年ぐらいの分割にしてもらったりするわけですよね。これは当たり前のことなんですよ。当然やってきたことなんです。
 これも条件緩和だ、条件変更だということで、また引当金を積みなさい、そういう相手先はこれから注意しなさいと、これが皆さんのマニュアルなんですよ。こんなの合わないと思いませんか、信組、信金にこんなことを押しつけても。

○副大臣(村田吉隆君) 委員はいろいろと具体例を御指摘なさいましたけれども、検査に当たりまして債務者区分を検証するに当たっては、検査マニュアルの一定なルールのもとに厳格に適用するということが前提でございますけれども、今、委員も御質問の中で御指摘なさいましたように、検査マニュアルの中でも特に中小企業におきましてはいろんな要素が入ってくるわけでございまして、債務者のこれまでの信用とかそういうことを考えて柔軟にやってもいいですよと、こういうことが書いてございますし、また、検査の結果についても、三者協議をやりまして、その検査の結果につきまして協議をやる場というものがあるわけでございますので、そういう意味では、私どもは検査というものは適正になされているのではないかというふうに考えておるわけでございます。

○大門実紀史君 それはもうそういうふうになっているというのは承知した上できょう質問しているわけです。
   〔委員長退席、理事円より子君着席〕
 もし、そういうことになっていない事例があったら、今度お持ちしますけれども、具体的にどう対処されますか。そういうふうに行われていない事例は実際にあるんですけれども、対処されますか。

○国務大臣(柳澤伯夫君) なかなか実態は難しいかと思うんですが、せっかく大門委員のように現場を訪ねられたときには、そういうことを言って、とにかく議論しなさいと、もっと。当局の検査官と、例えばいろいろな銀行がありますけれども、それは自分たちの組織のまさに死活問題なんです。ですから、それは大激論して構わないんです。どこでもそうやっているんです。どうも今まで一般の議論は、引当金を積め、債務者区分を正確にしろなんて言いますが、それはもう激論の末なんです。
 ですから、そういう自分たちの組織がのるか反るかの闘いで、一本ずつその債権の担当者は実際はこういう細かいことがあるんだといって堂々と主張されたらいいですね。そういうことが大事なんです。言われて、できるだけ財務状況あるいは代表者の個人の資産はどうでしょうかなんというようなことをお答えになられないと、やはり検査官としては、そういう特別な配慮すべき事情もないなということにならざるを得ないわけでございますので、やっぱりそこは現場で、もしそういう大門委員がおっしゃるようなことがあったら、ぜひ私としては主張していただきたいというふうに思います。

○大門実紀史君 全然そうなっておりません。幾ら信組、信金の方で説明をしても検査官が頑として聞かない、特に信用貸しなんというのは認めないし、保証人をつけてもその保証人がどんな保証人かまで徹底的に調べて、少しでも危なければだめだというようなことまでやられているわけです。
 私、思うんですが、こういうことが心配されたから、こんな事態になるんじゃないかと心配されたから、東京都信用金庫協会とかあるいは中小企業家同友会がこのマニュアルについて、この検査のやり方について、違うやり方でやってほしいと。信用金庫、信組は、合わないんだ、大銀行と同じようなことを当てはめられてもだめなんだ、取引状況が違うんだ、やり方が違うんだということでわざわざ提言を出したり要望を出したりしてきたわけですよ。ところが皆さんはそういうことを無視して、何を考えておられるか知りませんけれども、何を思い込んでおられるか知らないけれども、とにかく一遍に破綻まで追い込んですっきりさせるんだみたいなことをやっておられるわけですよね。
 森金融庁長官の話だと、年内で終わらせちゃうんだということをおっしゃっていましたけれども、今後続くんですか、こんなやり方で。引き続きやられるんですか、最後まで。検査の結果に基づいて。

○国務大臣(柳澤伯夫君) パブリックコメントを検査マニュアルを制定するときには行政手続の一環でいただきました。それはインターネット上で意見を寄せてくださる方もいらっしゃるし、通常の、何と申しますか、陳情タイプで現実に私どもを訪ねていろいろ御意見を申されるというようなこともあったわけでございますが、それらを十分検討した上で検査マニュアルが制定されたといういきさつでございます。
 検査マニュアルもまた、何というか、機会を見て、適切な機会に改定するというようなことはこれからも想定されるわけでございますので、また御意見を寄せていただく、我々が検討させていただくということはちっとも私ども、それ自体を拒否するというようなことはありませんので、その点はそのように御理解を賜りたいと思います。
 なお、今後どういうふうなことが展望されるかということについては、これは今までと同様、いろいろと資本不足等に陥ったところについては報告を徴求して、それらについて協議の上、お申し出をいただいた場合には適切にこれを処理するということは、これはもう役所としての使命でもございますので、やらせていただかざるを得ないということでございます。

○大門実紀史君 とにかくこんなとんでもないことはすぐにでもやめてもらいたいというふうに思います。
 私は思うんですけれども、この不況の中、そういう中小企業に無理してでもお金を貸している信組とか信金の方がよっぽど私は立派だと思いますよ、本当に。大手の銀行、これだけ中小企業にはもう貸さないとやっているところよりも、危ない橋かもわからないけれども、一生懸命地元の中小企業を支えようと思ってやっている信組とか信金の方がよっぽどみんな見習うべきだというふうに思います。だから、そういうところを金融庁が今破綻に追い込んでいるということで、多く述べませんけれども、大きく金融行政は今ゆがんでいるなというふうに率直に私、意見として申し上げたいというふうに思います。
 少なくとも、破綻した信用組合の債務者、借りている中小企業の方の救済は、年末ということもありますので、緊急に手を打ってもらわなければ困るんです。
 大田区へ行って、いろんなことが起きていて、伺ってきました。もう時間が少ないんですけれども、大臣、どうですか。これから幾つも大変緊急な事態で、金融庁がちょっと努力すれば解決することがいっぱいあるんですよね。こういう破綻した信組の、今、年末で大変な目に遭っている中小企業の皆さんに対して手を差し伸べる、基本的に手を差し伸べていくというお気持ちはございますか。

○国務大臣(柳澤伯夫君) 私、この十日に会を招集しております。これは、全銀協を初め信用組合の皆さんの代表者まで、すべての業態についての組織の大体代表者クラスということにならざるを得ませんが、そういう方を招集しておりまして、この年末の金融には格別な配慮をするようにということを申し渡そう、そういうことを考えております。
   〔理事円より子君退席、委員長着席〕

○大門実紀史君 特に本当に今大変な事態ですので、至急、会議等々よりも関係事務方に指示を出してもらいたいと思います。
 これは、先に幾つか起きていることを申し上げますと、例えば大田の破綻信組では、手形割引が通常二日でできたものが一週間から十日もかかっている、この年末の時期に。こんなことが起きています。新規融資の場合は保証協会の保証がついても受けつけないというようなことが起きています。これは預金保険機構、管財人の方が判断をすればできることですので、これはスムーズに対応をさせてもらいたいと思います。
 次は書きかえの問題ですけれども、スムーズに書きかえを行ってきたのに、大田の二信組に関係する管財人が二月五日に書きかえをする予定になっているのに拒否しています。実際に今拒否しています。これはRCCですらこういうことをやらないという答弁を国会でやっているわけですから、これも至急改善させてもらいたい、債務者を切り捨てるようなやり方をやめさせてもらいたいと思います。
 中小企業庁、来られておりますけれども、これはお願いだけしておきますが、例の破綻金融機関の場合のセーフティーネット保証制度、これは実は余り使われていません。こういう破綻した信組がこれだけ多いのに余り使われていません。これは中身が非常に使いにくい部分になっておりますので、これは至急、なぜ使われないか、これだけ破綻が続いていてみんな困っているのになぜ使われないかを調査して、改善をしてもらいたいというふうに思います。
 もっと本当にけしからぬのは、大田区で区の独自の融資があるんです。これを破綻した信組の皆さんは大変だろうと思って区の方はやろうと思ったのに、窓口になる銀行が、名前を出しますけれども、第一勧銀だとか幾つかが窓口になるのを拒否しているんですよ、大田区内の大手銀行を含めて。区の制度融資ですよ。この窓口になるのを拒否していると。こんなのはすぐ金融庁から、何をやっているんだということで指示をしてもらいたいというふうに思います。
 最後に大臣にお伺いしたいのは、かねてから我が党がこういう問題のときに要求してまいりましたけれども、お願いしてまいりましたけれども、預金保険法の六十一条三項に関連して、つまりこういう場合、そういう宙ぶらりんになっている、これから譲渡はどうなるか、RCCへ送られるのか不安になっている方々の対応について、やっぱりルールを決めてちゃんと引き継がれるようにということで何度も大臣に我が党の議員から質問をして、大臣もそう考える必要があるという答弁をなさったときがあるわけですから、今回はもう明らかに金融庁の方針でペイオフに向けて破綻させているということをお認めになったわけですから、こういうときこそ、そういう債務者の方々が簡単にRCC送りにならないようにちゃんとそういう手当てを、今回は大臣、何度も考える、検討すると言われてこられましたけれども、考えていただくべきじゃないですか。
 最後にこれを申し上げて、質問を終わります。

○国務大臣(柳澤伯夫君) これは金融整理管財人に私どもはその権限を委任しているわけですね、一時期。委任した方だから金融整理管財人に何でも言うことを聞かせられるかというと、なかなかそうではありません。やっぱり金融整理管財人には趣旨を言ってベストの判断をお願いするということであって、個別にこうしろ、ああしろと言うことはちょっとそれは難しいと。だから、一般的によく注意をして、特に年末の融資についてはきめ細かく状況を点検して決定をしていただくように、これは申し伝えます。
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