● ● ● ● 大門みきし Daimon Mikishi  ● ● ● ●


■2002年04月25日財政金融委
○大門実紀史君 日本共産党の大門実紀史です。
 法案に入る前に、是非この機会に一点だけ塩川大臣にお伺いしたいことがございます。これは先日、我が党が公表いたしました官房機密費に関する内部文書についての件です。
 この内部文書は、機密費の会計記録の一部、金銭出納帳等々ですけれども、この中に、パーティー券購入などの政治資金のばらまき、あるいは長官室手当などのやみ給与まがいのものとか、日比谷高校の会費、つまり全くの私的な経費と、こういうものも記載されているわけです。また、野党議員への背広代といいますか、国会対策費というふうな種類のものも目立つわけですけれども、どう見ても国家機密とは何の関係もないものが記載されているわけですが、政府はこれまでこの官房機密費の使い道を明らかにしない理由として、ほかに知られないことについてそれなりの相当の利益を有するものというふうな説明をされてきました。
 そういう点でいきますと、こういう内容のものは秘密にしておいた方が国家の利益になるというふうなものに該当はしないというふうに思いますが、塩川大臣の見解をお伺いできればというふうに思います。

○国務大臣(塩川正十郎君) そもそもこの問題が出ましたときに、福田官房長官は確かにこういうことを答えたと思っております。その資料はどこから出てきたものであるか分からないということを言っております。そしてまた、その資料が、出所とその責任者が明確にならない以上はこの資料についてのコメントはできにくいと、できないということを言っておりまして、私も同様であるなと思っております。

○大門実紀史君 この資料については、もうマスコミでも大きく報道されて、受け取ったということをちゃんと証言されている方もおられるわけですから、そういう点では信憑性高いといいますか、事実証拠だというふうに私たちは見ておりますけれども、例えば、我が党が鈴木宗男議員に関する内部文書を公表して追及したときは、外務省、政府はすぐ事実確認をされて事実だということを認められましたけれども、なぜこの機密費に関しては、その出所が不明だとかいろんなことを言って調べようともされないのか。
 この辺は、塩川大臣に直接お聞きすることかどうかはありますが、いかが思われますか。

○国務大臣(塩川正十郎君) これはいつのものか大体分からない。鈴木宗男さんの場合は何年何月の資料によるとということで、言わば根拠が明確になっておるんですが、この分はその根拠が大体明確じゃないという、そこで官房長官もお答えがしに
くかったんだろうと思っております。

○大門実紀史君 これはもう日にちも入っておりますし、その日にいろいろ行われた事実と符合しますから、根拠がないということはないと思うんですよね。つまり、出所不明だということで調べないと、調べる必要がないと言われているわけですが、事実関係でいけば、その日に該当することはありますし、日にちも記載された資料ですから、今、大臣言われたようなことではないと思うんですが。

○国務大臣(塩川正十郎君) 私はそれ以上の深いことは存じておりませんので、答弁はこれまでのことであります。

○大門実紀史君 塩川大臣はこの機密費の問題では、去年、テレビで一度は、野党対策に使ったというふうなことを言われたわけですけれども、その後、国会で追及されますと、もう忘れたという一点張りでずっと来られたわけですけれども、今回の内部文書はかなり生々しく具体的に野党対策にも使われていることが記載されていますけれども、そういうことをごらんになって忘れた記憶がよみがえるといいますか、何か思い出されることはございませんか。

○国務大臣(塩川正十郎君) よみがえってまいりません。

○大門実紀史君 法案ありますので、これぐらいにしておきますけれども、何かの拍子に思い出すこともありますので、あきらめないで資料を是非見ていただいて、記憶の回復に努めてもらいたいというふうに思います。
 いずれにせよ、我が党はこの機密費の実態を国会と国民に公開すること、あるいはこういう私的な流用あるいは国会対策費と言われるような党略的な使い方はすべきでないというふうなことを既に申し入れてありますが、そういう点で引き続きこの問題はやっていきたいと思います。
 法案の方に少し入りますけれども、私の方で用意した質問はもうほとんど峰崎先生と見事にダブってしまいましたので、どうしようかと思うんですけれども、要するに、衆議院の議論を聞いても今日の峰崎先生との議論を聞いても、なぜ独立行政法人にするのかがやっぱりよく分からないんです。
 この造幣・印刷事業の経営形態等に関する懇談会の資料を読ませていただきましたけれども、この懇談会の議論でも、どうしても独立行政法人化する必要性が分からないという意見がかなり出ていまして、結論としてこう書いてあるんですね。どうしても独立行政法人化しなきゃいけない理由はもう一つ腹に落ちないといいますか、そういう意見が多いんだけれども、とにかく政府が、小さな政府にするということが政策課題であるならば、経済的制約の次元を超えて対応しなければならないこともあるだろうと、その場合に関してはいろいろこういう条件が必要だというふうな懇談会の書き方になっておりますけれども、私も正にそういうことではないかと。
 つまり、どうしても独立行政法人にしなければいけない決定的理由というのは何も見当たらないけれども、行政改革、行政改革という政府の掛け声があるものですから、先に独立行政法人ありきといいますか、とにかくそういう流れに財務省だけこたえないわけにいかないということで、どうも進んできているような気がします。
 塩川大臣は衆議院の答弁で、独立行政法人化にすれば何が変わるのか、何が良くなるのかというふうな我が党の質問に対して、自由に創意工夫が発揮されるとか、効率的になるというふうな抽象的なことを御答弁されているわけですけれども、そもそも効率性とか創意工夫というのは、別に独立行政法人じゃなくても、役所の仕事として国民の税金を使うわけですから、努めなければいけないことなわけですよね。それをこの独立行政法人化すればそうなるということに私はならないと思うんですけれども、この造幣局、印刷局に関していえば、ちょっと具体的にお聞きしたいんですけれども、何が非効率だったのか、何が創意工夫を発揮されなかったのか、それが具体的に内部的に何か問題になったことがあったのか。あるいは外部から造幣局、印刷局の仕事についてそういう批判があったりしたことがあったのか。外から言われてではなくて、内部的にといいますか、造幣局、印刷局がそうしなければいけないというような、そういう主体的な理由といいますか、そういうものがあったのかどうか、お聞きしたいというふうに思います。

○副大臣(尾辻秀久君) 御質問の趣旨に的確にお答えできるかどうか分かりませんけれども、今おっしゃったことは、正にそういう問題があるということは、例えばこの報告書を、今引用されました報告書を読ませていただいても、肯定的意見と否定的意見があるわけでございますから、存在するということはそのとおりであると思います。
 したがいまして、何をやるにしても必ずメリットとデメリット、これは人間のやることでありますから生じるでありましょうので、とにかくできるだけメリットを大きくして、デメリットを小さくしながら今度の改革を進めたいと私どもは思っておるわけでございます。
 そこで、メリットの部分について申し上げさせていただきますと、その裏返しでありますからメリットの部分で申し上げさせていただきますと、今まで申し上げてまいったことの繰り返しでもございますが、自律的、弾力的な財務運営、組織、人事管理が可能となる。あるいは財務大臣の定める中期目標、通貨の製造計画等の範囲の中であれば、原材料の調達、機械、設備の更新、稼働体制、人員配置、技術開発等、広範な分野において自律的な経営判断が可能となる。こういうことでございまして、こうしたところにもう少し改善の余地があったかなというのが今まで感じていたこと、裏返して言えばそういうことにもなろうかと思いますので、こういうことを申し上げたところであります。

○大門実紀史君 その具体的なことは何もなかったようなふうに伺うんですけれども、そもそも、民営化とか小さな政府論とか、私たちは必ずしもそれは賛成ではありませんけれども、こういう議論の出発点になっているのが、効率化するために、あるいは創意工夫も含めて、市場原理を導入すればそういうインセンティブが働くという議論がこの民営化議論の、あるいは独立行政化する議論のその根底にあると思うんですが、造幣局、印刷局の場合、独立行政法人になった場合、どういう市場原理が働くんでしょうか。

○副大臣(尾辻秀久君) 例えばとして申し上げますと、市場の価格動向を見ながら原材料を前倒しで調達できると、これが完全に市場原理と言えるかどうかというのは御議論があるかもしれませんが、今のお答えで申し上げるならば、例えばそういうようなことがありますということでございます。

○大門実紀史君 それだけだったら別に今でも私はできると思うんですよね。先ほど峰崎先生が取り上げられましたけれども、イギリスの例を私もちょっと調べてみましたけれども、イギリスはそれなりに、私たちは別にサッチャリズム賛成いたしませんけれども、自分の頭で考えて、いろいろ考え抜いてやっていると思います。
 先ほど御説明がありましたとおり、エージェンシー、造幣局の方はエージェンシーにしてやっているし、印刷局の方は、イングランド銀行の方は、実はあそこは外注化をかなり進めておりまして、アウトソーシング、民間委託をずっと進めておりまして、偽造防止とか特殊技術だけは保持して、かなりの部分をアウトソーシングして、職員を3000人から460人に減らしているというふうなことで、そういう内部的なエージェンシー化をやっているんです。
 先ほどちょっとちらっと言われたような気がしますが、そういうイギリスの例も一つの参考だみたいなことでちょっと言われたような気がしたんですが、こういうことを目指していかれるということですか、これから。今のところはいろいろはっきりしていませんけれども、これからはこういうことを目指すということなんでしょうか。

○政府参考人(筑紫勝麿君) ただいまイギリスのエージェンシーの例が出ましたので、どういう効果があるのか、イギリスの例でちょっと御説明をさせていただきたいと思います。
 イギリスのエージェンシー制度は、ただいま大門先生御指摘のように、サッチャー政権の下で具体化されまして、政府の執行部門を政策の企画立案部門から分離をいたしまして、その上で執行部門が達成すべき業務目標を明確化する、そういうこととともに、自律的な組織運営を可能とする、このような制度設計をいたしまして、そして行政サービスの質の向上と組織運営の効率化を目指すものであるというふうに承知をしております。
 イギリスの造幣局の場合でございますが、1990年の4月1日にエージェンシー化されました。この造幣局の例を見ますと、具体的な業務達成目標を作成いたしまして、その達成に向けた自由度の高い業務運営、言わば経営の自由化といいますか、そういう自由度の高い業務運営を行いますとともに、その達成度合いを公表するというようなことによりまして、顧客に対するサービスの質の向上や造幣事業の効率性の向上というものが達成されているというふうに聞き及んでおります。
 以上でございます。

○大門実紀史君 私、聞いたのは、日本が今、独立行政法人化していくのは、このイギリスの方向なんですかと。つまり、一つはエージェンシー化のような形と、本体の中でもどんどん外注化してリストラを進めて職員を減らしていく、そういう方向を想定されているのかをお聞きしたんですが。

○政府参考人(筑紫勝麿君) 実際の制度設計の話でございますので、造幣局のような実施部門の方からお答えするのが適当かどうかはございますけれども、実際に、今回の独立行政法人制度が設計されるに当たりまして、イギリスのエージェンシー制度というのが一つの参考になったということは私どもも承知しております。

○大門実紀史君 時間が少ないんで、要するに、何もよく考えていないと思うんですよね。何も考え抜いていない。とにかく中央省庁改革、行政改革という流れに、この時の流れに身を任せて看板を付け替えて、とにかく財務省もポーズを示すというふうなことで、何も深く考えておられないと。
 私は別にイギリスのことを何も賛成いたしませんけれども、少なくとも考え抜いてやっていますよね。非常にあいまいな、いい加減な法案の提案といいますか、だというふうに思います。
 あとは私、反対討論の方で申し上げますので、質問を終わります。

○大門実紀史君 私は、日本共産党を代表して、独立行政法人関連三案に反対する討論を行います。
 反対理由の第一は、今申し上げましたとおり、そもそもこの法案の目的、なぜ独立行政法人化にすることが必要なのか、この最も重要なことが、衆議院と本日の委員会の審議の中でも明確になっていないことであります。
 今回の両局の独立行政法人化が、業務内容の在り方の検討よりも、小さな政府づくりという政治的な要請に形式だけ同調しようとするものであることは明らかだというふうに思います。
 二つ目に、通貨の製造に対して何よりも求められていることは、国民による信認の確保と通貨の安定かつ確実な供給であります。こうした国民に対する責任を果たしてこられたのも、その経営形態が、そもそも国が直接事業を行う、そういうことによって保たれてきたことにほかなりません。このことは、さきの懇談会報告でも、国民に信頼される通貨供給の基準の一つに、「国など公的機関がその権威をもって通貨を発行していること」と明確に述べています。経済の状況に応じて安定的かつ確実に通貨を供給し、また、国民が真正な通貨であると信認する保証とするためにも、国の直轄、直接の事業として継続を図るべきであります。
 以上申し上げて、私の反対討論を終わります。
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