● ● ● ● 大門みきし Daimon Mikishi  ● ● ● ●


■154-参-財政金融委員会-22号 2002年06月25日
○大門実紀史君 日本共産党の大門です。
 本題に入る前に、今月が、国税関係職員のちょうど今週、来週辺りが人事が発令される時期でありますので、この点に関して一つ二つ質問をしておきたいというふうに思います。
 今までこの委員会で、国税関係の法案のたびに国税職員の、あるいは税関職員の処遇改善というのが附帯決議でほぼ全会一致で上げられてきたところです。ところが、この処遇改善以前の問題として、我が党はかねてから取り上げてまいりましたが、いわゆる組合差別問題というのがございます。置き去りにされてきた問題であります。
 昨年、全国税関労働組合、全税関と略称言いますけれども、これに対する賃金差別裁判が、二十七年もの裁判闘争の末に最高裁判決が出ました。経過は今日はもう時間の関係で詳しく触れませんが、要するに、今まで当局が全税関労組に加入している組合員に対して賃金差別あるいは昇任昇格差別をやってきたこと、こういうことはもうおやめなさい、もうこれからはちゃんとした、きちっとした労使関係に改めていきなさいということを最高裁が判断を示したということだと思います。
 実はこの問題では、尾辻副大臣に何回か申入れ、話合いをさせていただいてきたところですけれども、まず、財務省としてこの判決をどう受け止められて、今後どのように労使関係が改善されていくのか、是非、尾辻副大臣の方からお述べいただければと思います。

○副大臣(尾辻秀久君) 御指摘の訴訟につきましては今お話しのとおりでございまして、神戸・大阪事案におきましては国側の主張が認められましたけれども、東京・横浜事案におきましては一部で国の主張が認められませんでした。最高裁からこのような判決が出されたということにつきましては厳粛に受け止めております。どうぞ、厳粛に受け止めておりますというこの表現を御理解いただきたいと存じます。

○大門実紀史君 もう私は、それはもう組合差別をしているような時代ではないというふうに思いますし、これは尾辻さんともそういうところは一致しているところでございます。ただ、二十七年の重みといいますか、裁判に訴えるしかなかった人たちの思いを率直に受け止めて、もう今後、今も今後も二度とこういうことのないようにお願いしたいということ。
 もう一つは、過去のつめ跡といいますか、過去の差別のつめ跡といいますか、たくさんの方々が長い間昇任できなく、賃金も低いままでずっと来られておられます。間もなくそういう方々が定年を迎えてしまうという時期にも入っておりますけれども、その問題も、今後のことだけじゃなくて、やはり当局の姿勢として、解決する、回復していくといいますか、方向の努力が必要だと思いますが、副大臣、どう思われますか。

○副大臣(尾辻秀久君) 今お話しのとおりに、同じ税関で職場をともにしておられる労使の皆さんが、正に長い二十七年、本当に長い期間でございますが、その間裁判で争われたということは、これはもう決して好ましいことではございません。これまでの長い間裁判にかかわってこられた全税関労働組合の組合員の皆さんや、それから、もう二十七年でございますから既にOBになられた方々も多くおられると思いますけれども、そうした皆さん方の思いというのは深く理解をさせていただくところでございます。
 私どもといたしましては、司法当局から出されました最終判断を、申し上げましたように本当に厳粛に受け止めまして、今回の最高裁判決を契機に労使関係を一層健全で良好な関係にするよう最大限努力していくことが行政当局としての責務である、このように考えております。
 また、お話しございました人事につきましては、職員個々の勤務成績、能力、適性等を総合的に判断して行うことが、これが人事の基本でございますので、組合所属のいかんなどによって人事処遇上の取扱いを異にすることがないように、こんなことは決してないようにきちんと行ってまいりますことはしっかりとお約束をさせていただきたいと存じます。
 今後とも、全税関労働組合の皆さんと率直な意見交換を絶えずさせていただいて、健全で良好な労使関係の醸成に向けて努力してまいる所存でございます。
 私どもといたしましては、このような様々な思いを込めまして、最終審から出された判決について、これは本当に、申し上げましたように極めて重い言葉として、もう一回申し上げますけれども、極めて重い言葉として厳粛に受け止めております、こういう表現で誠心誠意申し上げておりますことを御理解いただきたいと存じます。

○大門実紀史君 ありがとうございます。
 私、さっき申し上げました本当にもう人道的な問題になってきているのが、もうこれからの姿勢はおっしゃったとおり頑張ってもらいたいと思うんですが、過去のつめ跡といいますか、残されてもう定年間際になっている、長い間賃金差別を受けて今も、このまま定年になりましたらこれは生涯賃金にもかかわりますからもう大変な問題だと思うんですけれども、その方々の問題ですが。
 実は、昨日が内示の日だったというんで資料をいただきましたら、実は去年と今年と何も変わっていない。去年より今年の方がそういう努力が表れるのかと私、期待しておりました。実際に私、尾辻副大臣のところに二回お話合いに行きましたときに、本当に尾辻さんが税関当局に善処すべきだということで言っていただいて、当局も、はいはい、分かりました、何とかしましょうと、私の目の前でそういうやり取りがあったにもかかわらず、去年と変わらないんですね。その努力の跡が見えないんです。
 これは今日、ちょっと時間の関係でやり取りすることはあれですけれども、どこで努力されていくのか。ここはやっぱり具体的な問題になりますし、先ほど大変いい御答弁をいただいたわけですから、それを具体化するためにはどうしてもこの部分を、もう四十人ぐらい来年定年を迎える方がそのままになったままなんです。二人しか発令されていないんです、今回ね。こういう問題をやっぱりきちっと、そこまで滞留させたのは、最高裁が言うには皆さんの、当局の責任だということで言っているわけですから、この問題を解決する努力をしてもらいたいというふうに思います。
 今日は税関当局来られておりますよね。審議官、来られておりますか。なぜ去年と変わらないのか、これだけ簡潔に答えてもらえますか。

○政府参考人(藤原啓司君) お答え申し上げます。
 昨日の内示に係る関係で、統括官の昇任のお話について御質問がございました。
 御承知と思いますけれども、統括官、あるいはそのほかのポストも同様でございますけれども、統括官の昇任、退職等によりまして統括官ポストに空きが生じた場合に可能となるものでございまして、退職者等がどの程度生ずるかは各年度の状況によりまして相当程度差が出てまいります。
 翻って考えてみますと、本年度は統括官の退職等が昨年に比べましてかなり少ない状況にございます。こういう状況の下におきまして、統括官の昇任につきましては、先ほど副大臣からも御答弁を申し上げましたように、職員個々の勤務成績、能力、適性等を総合的に判断して行うことを基本といたしまして、組合所属のいかんによって人事処遇上の取扱いを異にすることがないように行うこととしたものでございます。

○大門実紀史君 ポストが空かなかったからというのは、それはもう通常の話で、最高裁が求めているのは、この判決を重く受け止めて特段の努力をしなさいという方向だというふうに思うんです。副大臣が指示やったのもそういうことだと思うんですよね。そもそも二十年間もポストが空いていても就けなかったのは皆さんの責任だったわけでしょう。それを問われているわけでしょう。ですから、特段の努力をする必要があるということなんです。
 これは副大臣、また具体的に申入れなり御相談に伺いますので、こういう事態がこのままになってはまずいというふうに思っていますので、是非また御努力お願いしたいということだけ申し上げておきます。
 もう一つ、国税庁の方ですけれども、国税庁の方は別に最高裁の判決が出たわけでも何でもありませんし、裁判になっているわけではありませんが、同じように組合差別、全国税組合に対する差別、また、もっと悪いのは女性差別が国税庁の場合は残っているということです。
 これも私ども何回も質問で取り上げてまいりましたけれども、いや、適材適所の配置しているんだ、差別はしていないんだと、そういう木で鼻をくくったような答弁を繰り返しされたわけで、今日はその中身の論争をする時間もありませんし、するつもりもありません。実態として、結果としてどうなっているか、それをどうするかという話だけに絞りたいと思いますが、資料を配らせていただきました。これは、国税庁の職員組合であります全国税労働組合中央本部が調べた数です。
 率直に申し上げまして、国税庁の中も、私は、今の時点でがんがん組合差別をしようとかそういうことは余り行われていない、もうそういうのは時代遅れだということがやはり何となく私は国税庁の中でもなってきているような気がいたします。そういう中で、先ほど申し上げました、過去に滞留している、差別のために昇格の遅れてきた人たちを一定、それぞれの局で解決をしてきております。
 例えば大阪なんかそうですけれども、この表で見てもらいたいのは東京です。東京だけ、一番右端にトータルで、まだ、八級ポストといいますが、管理職の発令がない方々が四十人残っています。ほかの局見てください。ほとんど一けたです。器からいって、例えば東京は一万五千人ぐらい職員がいらっしゃいますけれども、近畿は一万人ぐらいいます。その比率でいって見てもらっても東京だけ、近畿は七人だけ、東京は四十人も残っているわけですね。内訳書いてありますが、半分は女性が大変昇格が遅れていると。異常なんですね、東京局だけ。つまり、例えば近畿ですと、この間、発令を増やして残る人を少なくしてきた、努力をしてきたわけですが、東京はそれがなかったものですから、されなかったものですから、四十人も去年の七月時点で残っているということなんです。
 今日は国税局次長福田さん来られていると思いますが、福田さん、あなたは東京国税局長でした。なぜ東京だけこんなにたくさん未昇任、未昇格の人が残っているのか、説明してもらえますか。

○政府参考人(福田進君) お答え申し上げます。
 人事に当たりましては、従来から、公務の要請に基づき適材を適所に配置し、行政効率を最大限に発揮できるように、こういう考え方の下に、職員個々に適性、能力、勤務実績等を把握し、これらを総合勘案して適正公平な人事の確保に努めているところでございまして、いわゆる署の統括官を始め管理者への登用に当たりましても、このような考え方の下に適正に実施しているところでございます。
 東京国税局におきましても、このような考え方の下に適正公平な人事を行っているところでございます

○大門実紀史君 あなたね、適正な配置やっていればこうならないでしょうと、それを申し上げているわけですよ。何を勘違いされているか知りませんけれども、人材の適材適所配置というのは、ちゃんと全体を見て昇格をさせる、民間企業なら当たり前のことですよ。皆さんの能力がなかったか、特別に差別をして滞留させたか、どちらかしかないわけじゃないですか。適材適所にやっていたら、これ残っているわけないでしょう。ちゃんと説明しなさいよ、あなた。

○政府参考人(福田進君) お答え申し上げます。
 人事に当たっての考え方は今申し上げたところでございまして、職員個々に適性、能力、勤務実績等を把握し、これらを総合勘案して人事の確保に努めているところでございまして、女性であることを理由に人事上の差別を行ってはおりません。

○大門実紀史君 もう聞いても仕方ないので、尾辻副大臣に伺います。
 先ほどの全税関問題と私は本質は同じだと思っているんです。率直に言って、私は、本当に今の時点でひどい差別をやっていると、そういうことを言っているわけじゃなくて、過去の差別によってずっと滞留してきた人たち、しかもその人たちが定年を迎える、これは人道的にも改善しなきゃいけない問題で、特段の努力をしてほしいと。東京だけなんですよね、ひどいのは。ほかもひどいところはあるんですけれども、特にひどいのは東京だけなんですよ。これは改善できるはずなんですよね、努力すれば。してきたわけです、ほかの局は。していないというのがこれ歴然でしょう、数からいって。
 これはやっぱり、あなた、それでも次長なんですかね。全体を見る立場だったら、自分がいた東京局、こうなっていることについて、少しくらいまずかったとか、遺憾だとか、努力しましょうと言うのが当たり前じゃないですか、全体見る立場だったら。国税庁長官とこの前話したら、それは考えなきゃいけない問題だとおっしゃっているわけですよ。次長のあなたが何言っているんですか。
 副大臣、この問題も、これも含めてまたお話ししていきたいと思いますけれども、私、とにかくもう組合差別というような時代ではないし、現場の皆さん一生懸命働いているわけですから、明るい職場といいますか、明るい労使関係を作っていくことこそ今後の役所の在り方だというふうに思うわけです。こういう問題、過去のつめ跡といいますか、差別の形跡みたいなものは一日も早く清算していくということで引き続き努力をお願いしたいし、私も一緒に、ちょっと役所の方は駄目みたいですから、政治主導でやっていきたいというふうに思います。
 本題の方に入らないといけませんので、連結納税の方の話をしたいと思いますが、私、もう余り細かいことを聞く気が余りいたしませんで、衆議院、参議院のこれまでの議論を聞いておりますと、どうも不思議でたまらないのが、連結納税制度と減税の話ばかりになっていると。
 これは、財務大臣と民主党の峰崎さん、両方にお伺いしたいというふうに思うんですけれども、国際競争力とか活力とかいろいろもっともらしい看板を付けて、減税することが今大事なんだと。これは前回、竹中大臣と私少しやり取りしましたけれども、今、単に企業の利益を増やしてあげることが決して国際競争力強化にはならない、日本経済全体を良くすることにもなるのかどうかというふうに私はそもそも疑問を持っております。ですから、単純に言えば、今回の連結納税、例えば税制改革案で出てきている試験研究費もそうですし、ほかのものもそうですけれども、何か、競争力とか言っていますけれども、単に税金をおまけしてやって利益を残させてやるだけのことで、それ以下でも以上でもないような気がずっとしてきているんです。
 例えば、この連結納税制度というのも、もちろんこれは御存じのとおり、何も減税先にありきの制度ではありません、諸外国の例を見てもですね。そもそも、グループが企業戦略として子会社化する、分社化する、あるいは逆にグループを一つのものとして連結決算をする。つまり、企業戦略が先にあって、その決算上連結決算で、体力をそれで国際的にも示していくとか、正当に評価してもらうために示すと。もちろん納税というのはリンクしますから、税引き後の利益が大事だという点でいけば連結納税もくっ付くかも分かりません。
 いずれにせよ、それはあくまで企業が企業の戦略として選ぶことでありまして、その結果、増税になろうが減税になろうが、それは企業戦略としてそれも含めて選べばいいだけのことで、何も減税先にありきのことではないんですよね、連結納税制度そもそも論。例えば法人税、法人課税と企業形態というそもそも論からいっても、何も減税がどうのこうのという話ではそもそもないと思うわけですけれども、どうも今回の日本の連結納税議論を聞いておりますと、まず減税の話ばかり出てくるんですね。減税することによってインセンティブを働かすとか、連結納税制度がないとディスインセンティブだ、逆に足かせになっていると、こんな議論ばかりが出てきます。
 しかも、もっとひどいのは、この連結納税制度を導入することによって、赤字の、赤字部門を抱えているところは減税になるわけですね、簡単に言えば、今までよりも。そうすると、企業というのは本来、赤字部門をどう黒字にするかというふうな努力をしなければいけないにもかかわらず、こういう甘やかし減税をやれば、これはもうモラルハザードといいますか、赤字があった方がいい、あったっていいんだというふうになることだって考えられるわけですよね。何か今回の連結納税制度、そもそも論からいっておかしな議論になっているのではないかと私思います。
 率直に言って、ずっと議事録も読みましたし、答弁、質疑聞いておりましたけれども、中小企業の要求もありますと大武さん何度か言われましたけれども、そうじゃないですよね。経過からいって、経団連が非常に熱心に要求してきて、財務省がそれに押されて、仕方ないから付加税だけ掛けたと、こんな経過ですよ、簡単に言えば。そんな国際競争力とか、そんな偉そうな話じゃないんですよ。
 例えば、経団連でいきますと、調べてみましたけれども、ほとんど分社化すべきところはしております。大体のところはしております。つまり、そういうところにとっていえば、結果に対する減税だということなんです。インセンティブでもなければディスインセンティブでもない、結果に対して減税してくれ、してあげると、これだけの話なんですよね。
 しかもですよ、もう少し言わせてもらえれば、この間の分社化、子会社化というのは、ほとんどは赤字部門切捨てとリストラ、首切りに使われてきたわけですよ、その制度そのものが。それで、たくさんの人をリストラして、解雇して、企業利益を上げて、その上、税金までまけてくれという話ですよ、簡単に言えばね、流れから行くと。
 私は、何かこの連結納税の今回の議論、もうおかしなことから始まって、おかしな方向に行っているというふうに思います。こういうことをやっていると、私は、日本の企業は国際競争力高まって評価受けるどころか、私、ばかにされると。本当に、これはもう税制の護送船団方式だというふうに言いたいぐらいですね。
 そういう点ではどうですか、財務大臣と峰崎さん、思いますけれども、こんなので本当に国際競争力が高まって日本経済良くなるんですか。
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