● ● ● ● 大門みきし Daimon Mikishi  ● ● ● ●


■156-参-財政金融委員会-11号 平成15年05月22日
○大門実紀史君 大門でございます。
 これからの覚悟もいいんですけれども、まず、なぜ二兆円も超えるこの公的資金を入れるような話になった経過がまだよく分からないんですね。先ほど峰崎委員からもありましたけれども、全然明らかにならないですから、まず、このりそなが過少資本に至る経過について、二兆円を超える国民の税金がそこに行く可能性があるわけですから、きちっとした説明を私お願いしたいと思うんです。
 今日はいずれにせよ時間が短いですから、本番は来週開かれるであろう予算委員会になると思いますけれども、限られた範囲でその事実経過中心にお聞きしたいと思いますが。
 一つは、新日本監査法人と竹中プランといいますか、再生プログラムとの関係なんですけれども、去年の十月三十日にいわゆる竹中プランと言われています再生プログラムが出ました。そしてその中に、税効果については厳正な適用でしたっけ、厳正な適用と書いてありますね。それで、具体的に十一月の十二日に公認会計士協会にそういうことをお願いしたいと依頼をされたということを金融庁からお聞きしました。それで、二月二十四日に協会が、協会のメンバーに厳正な対応をするようにという通牒、通知ですね、これを徹底したと。それで具体的に銀行の三月決算に入ってくるわけですけれども。
 これ以降は、レクを受けても明らかにされませんので、幾つか新聞報道交えて私がちょっと聞いている部分を申し上げますので、違ったら、違うとかそんなことはないとおっしゃってもらうしか今の時点ではありませんので、そちらから情報開示ありませんから。
 まず、先ほど峰崎委員も言われましたけれども、朝日監査法人は税の繰延べそのものをゼロにする。つまり、りそなは三年赤字ですから、実務指針に基づきますとゼロというふうなのが基本的な対応だというんで、朝日監査法人はゼロというのを、四月か三月の終わりか分かりませんけれども、りそなとやり合うというか、そのときに新日本監査法人が一緒でしたから、それはどうのこうのとあったか分かりませんが、とにかく朝日監査法人、自殺者も出ましたけれども、降りたということですね。これは実は朝日監査法人の広報部が答えておられますので、これは新聞発表というより、新聞の報道と、一報道というよりもこれは公のことだと思います。
 新日本監査法人の方は、当初は、朝日と一緒にやっているときは、これは報道の範囲ですから違ったら言ってください、当初は五年分を税効果、税の繰延資産五年分を認めて自己資本六%という案もあったけれども、結局、いろんなやり取りの中で、ここで金融庁の指導があったかどうか私、知りません。いずれにせよ、三年分で自己資本二・一%というのが、最終的に今回そうなったわけですが、新日本監査法人の見解が出たと。
 ここは新聞報道ですけれども、金融庁がそれに対して、竹中大臣とは言いませんが、事務方か担当者か分かりませんが、何とか四%を超えるようにというようなことでいろんなやり取りがあって、そういうやり取りに対して竹中大臣が、先ほどから言われておりますけれども、五月の十四日に、監査法人とのやり取りに介入をしないように、構うな、金融庁が構うな、独自の判断してもらえ、いただけというようなことを、昨日も答弁されていますが、言われたと。
 ここまでの経過は、言えること言えないことあると思いますが、違ったら違うということで、そうでなければ事実関係を教えてください。

○国務大臣(竹中平蔵君) まず、朝日監査法人の話が出ましたが、朝日監査法人は多分りそなと契約している関係ではないと思いますが、これも不確かです。特に、そこがゼロと言ったか言わないかとかそういうこと、私は一切存じ上げません。それと、新日本が三年と言った云々に関しても、そういう三年とかという数字は私は聞いておりません。
 税効果会計の見方についていろんな議論がなされているということを五月七日に聞いた。私は、五月七日に聞いた段階で、金融庁の諸君に対しては、これは監査法人と企業が決めることで、金融当局が何らかかわるべき問題ではないということを申し上げております。その上で、五月十四日に、先ほど申し上げましたように、その考え方の整理を含めてまとめて報告を受けたということでございます。

○大門実紀史君 そうしますと、竹中プランでは、あのとき大議論になりまして、私も質問を予算委員会でやりましたけれども、税効果会計大議論になって、ルールの変更はしないと。つまり、実務指針とかああいう数字はいじらない、ただ厳正化やってほしいと。
 ところが、実態としては、あの実務指針というのは完全にあのまま適用はされていなくて、金融マニュアルと似たところありますけれども、実態見ながらいろいろやっていたと。あれを厳正に適用始めたと。だから事実上、現場にとっては、銀行の現場にとってはルールが変わった状況なんですよね。今まで認めたことを認めないと。もう厳格に、あのマニュアル問題と同じですが、実務指針にのっとってやるというふうに変わったわけですから、現場サイドではもうルールが変わったというふうな。ですから、竹中プランの流れがこう来た中で、監査法人が厳格にやるということに切り替えていったと。それそのものは、いい悪いは今日ちょっと評価おきますけれども。
 それで、そこでいろいろやり取りあったけれども、竹中大臣がわざわざ五月の十四日に、構うな、介入するなと、金融庁の──七日、ごめんなさい、七日にね。七日に構うなと言った意味は何なんですか。構っていたんですか、介入していたんですか。

○国務大臣(竹中平蔵君) まず、厳正に適用というのは、今まで厳正ではなかったけれどもあのプランの後厳正になったというような趣旨で大門委員がおっしゃっているんであるならば、それはやっぱり違うと思います。これは、公認会計士協会の会長御自身が何らかの記者会見で、それはもう金融再生プログラムに関係なく公認会計士としてはずっと厳正にやっているということを明言していらっしゃると。
 五月七日の発言でありますけれども、これは、いろいろ議論をする中で、銀行としても監査法人としてもいろんな判断が難しい問題があるであろうというふうに私自身思いました。これは銀行も判断が難しいし、監査法人も判断が難しいんだろうなと。それほど実はやはりなかなか評価の難しい資産項目なわけですね。だからこそ、そのことをこのままでよいのかということで、去年問題にしたわけです、我々。しかしそのときは、これに関して新たなルールを作るとかそういうことをしない方がいいと、とにかく少し時間を掛けて議論しろというのが大方の意見であったわけですね。であるから、ルールは何も変えないで今日まで来ているわけです。
 それで、それだけ難しい資産であるから、ともすればいろんなことを、これは当局というのは、やはり我々自身が認識している以上に恐らく、いろんなことを言いたい、いろんな考えを引き出したい、そういう思惑が常にあるんだと思います、民間部門には。そういうことになるといけないから、難しい問題であるだけに、我々としては厳正中立を貫いてくれと、そのように金融庁の諸君には申し上げたわけです。

○大門実紀史君 真相はまだ分からないんですけれども、要するに、三年、四年という言い方が違っていれば、結果的に自己資本が二・一になるとか四%超えるとか、この判断は監査法人が微妙なところでやったわけですよね。大決断だったと思うんですけれども、ですから、そこが分かれ目だったわけですよ、どういう判断するかが、いずれにせよ、判断したかが。それによって国民の税金につながる公的資金が二兆円出されるか出されないかの分かれ目であったわけですよね。そういうことになりますね、今回、監査法人に任してそういう結果になって、入れるというわけですからね。
 そうすると、私、これ、峰崎先生も言われましたけれども、私ね、これ、ちゃんと参考人を呼んで、二兆円を超える公的資金がどうして出されることになったかという経過をきちっと国民の前に明らかにする必要があると思うんです。
 私の方は参考人として、委員長、お願いしたいんですけれども、りそなの勝田社長と新日本監査法人、この二者をこの委員会に参考人としてお呼びいただきたいと思います。

○委員長(柳田稔君) 後刻、理事会で協議いたします。

○国務大臣(竹中平蔵君) 今の件はもちろんこれは議会でお決めいただくことでございます。
 一つやはり申し上げておきたいのは、公的資金を注入するかどうかというのは、これは金融監督上の意思決定だということでございます。バランスシートをどのように判断するかというのは、これは公認会計士の判断でございます。それぞれやはり社会の役割分担があるというふうに私は思っておりまして、この人の判断が結果的に二兆円にというようなことでは、私は多分ないのだろうと。これは我々が、会計士は会計として独立してバランスシート、適正なバランスシートを作り、我々はそれに基づいて、我々の独自の判断で金融監督行政の立場から今回の資本注入を決めたというふうに認識をしております。

○大門実紀史君 それは分かります。結果としての二兆円の問題で、関係者の意見は全部聞かなければいけないという意味で参考人をお願いしました。
 今度、先ほどもありましたけれども、この公的資金注入の性格なんですけれども、預金保険法百二条の一号措置ということですが、これはもう繰り返し取り上げられているので中身は申し上げませんが、要するに、国会答弁で既にもうこういうケースというのは出ていますけれども、今回そのケースそのものには該当しないけれども、先ほど大臣が何度も言われたとおり、四十兆を超える資産を持っているところが、自己資本二%のままマーケットに放り出したらどうなるか、もう分かるでしょうと。確かにそのとおりですよね。株の売り浴びせなり資金流出が起きますよね。ですから、国会答弁であった、資金の流出か株の暴落かが起きる可能性があると、そういうおそれがあると。だから、何といいますか、国会答弁の、元々おそれの話ですけれども、国会答弁の、おそれの前の段階でそのおそれがあると、何か予測事態みたいですけれども、そういう注入なんですね、今度はね、もし判断されているとしたら。
 そうすると、これ今、何か新しく法案で予防注入の仕組みを検討されているとおっしゃっていますけれども、この今の百二条で、そういう考え方を取れば、国会答弁でこういうおそれのある場合と言ったのに、前の段階でおそれがあるということだったら、予防注入的にこれからもうやれるようになっちゃうんじゃないですか。新法要らないんじゃないですか。

○国務大臣(竹中平蔵君) まず、予防注入というお言葉がございましたけれども、そういうことも含めて必要かどうかを今議論していただいているということです。予防注入の枠組みを議論しているということではございません。そういう、もう何度も申し上げますけれども、危機ではない、しかし健康体ではない、その幅広いものがあり得るんだと思いますが、それに対して新たな枠組みが必要かどうかというのを検討をしていただいている。
 したがって、今回のような場合は、危機にほとんど近いところで、もうひょっとすると危機になるかもしれない、このままだと危機だということで、それを未然に防ぐために今回の措置を取ったわけでありますけれども、このような措置が今議論されている中でどのように位置付けられるのかということは、これはやはりしっかりと金融審の中でも議論をされていくものであろうというふうに思っております。

○大門実紀史君 ちょっと今日は幾つか不明な部分だけ聞いていきたいと思いますけれども、この百二条の、先ほどもございましたか、減資の話なんですけれども、通常、この百二条の仕組みでいきますと、金融危機対応会議ですか、招集されて、首相が認定をして、当該銀行が公的資金の申請をして、それを受け付けて決定してという流れですよね。そのときに、通常ですと、これは公的資金の注入というのは当該銀行の減増資を前提にしておりますから、通常ですとね、通常ですよ。ですから商法上の減資の方ですけれども、それをやるとしたら、減資に関する臨時株主総会が必要になりますよね、普通ですと。いわゆる株主責任を取らせる意味でね、減額するなりなんなりですとね。
 そうすると、これは先ほど言った対応会議で決定をして、もう公表しちゃって、決議をするまで、株主総会が開かれるまでタイムラグができます。恐らく大銀行だと一か月ぐらい掛かる可能性あります。そうすると、もうその間に、さっき言われたさらしものになっちゃうと、銀行がね。発表されて、その間に株主総会なんかぐだぐだやっているとさらしものになってしまうと。そうすると、もう破綻処理の違う適用になりかねないわけですね。
 つまり、この百二条というのは、これを使おうと思うと、形式上の減資はできたとしても、実際の株主責任を問う減資というのはこの百二条の一号のスキームでは不可能なんじゃないんですか。だから、今回のように最初から減資はしませんと、累積損失の形式上の減資はされるかも分かりませんけれども、いわゆる株主が責任取る減資はこの百二条の一号を使う限りできない。つまり、株主に責任を取らせるような減資というのは、これはできない仕組みじゃないですか、百二条第一号というのは。

○国務大臣(竹中平蔵君) 百二条の一号というのは、その百二条の三号等とは違いますから、その意味では、そういう資本を注入するということが一号で決まっているわけでありますので、その意味では、あと百五条に書かれて、百五条の政令とつながっていると。そういう意味では法律上、これもう繰り返し言いますが、減資という場合にいろんな意味がありますけれども、株数を減ずるというような措置は前提にされていないというふうに認識をしています。

○大門実紀史君 そうすると、この二兆円の金額にもかかわるんですけれども、これは私、ちょっと専門家じゃないんで教えてもらいたいから聞くんですけれども、いわゆる減資をしないで一〇%を維持すると約二兆円ぐらいが必要かと、めどとしてね、今の段階で。
 ところがですよ、これもし株主責任を取らせて減資をする場合だったら二兆円も要らないということになりませんか。二兆円も要らないということになりませんか。要するに、ちゃんとした商法上のといいますか何法上か知りませんが、株数を減らす減資をやれば。

○国務大臣(竹中平蔵君) いわゆる繰越し欠損を消すという意味では、これは基本的にはグロスで見るかネットで見るか、両建てでするか、両方で本当にするかということですから、実態的な、その意味での実態価値の変動はないわけですね。そこは、先ほど言った一〇%云々、今後の資本注入の在り方に基本的な影響を与えるものではないと思います。

○大門実紀史君 ちょっと私も調べてみますけれども、要するに、急いで百二条で、さっき言ったタイムラグを設けないで、株主総会開かないで済む方法でやるには、要するに、この百二条を使うと必ず株主責任を問えない、いわゆる株数を減らせない、実際の減資をやらない方法でないと、実態からタイムラグが起きて、何というんですか、取付け騒ぎが起こるかどうか分かりませんけれども、さらされることになるから、百二条のこれを使う場合は必ず株主責任がこれからも問えない形になっていくんじゃないかというふうに思います。
 時間が来ましたので、また次の機会に調べてこちらもやりたいと思います。

○国務大臣(竹中平蔵君) ちょっと誤解があるといけませんので。
 手続論としては、これは増資ないしはその欠損を両建てにするか両落としにするかと、これはすべて株主総会でいずれにしても決めなければならない問題でございますから、これは株主総会はきちっと開いて、それは決めていただくということでございます。
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