● ● ● ● 大門みきし Daimon Mikishi  ● ● ● ●


■156-参-金融問題及び経済活性化…-4号 平成15年06月25日
○大門実紀史君 大門でございます。
 今日は、平沼大臣が御出席いただいていますので、中小企業と金融絡みといいますか、金融不良債権の関係で、私の方はちょっと、もう今の時点でぎりぎりに追い込まれている中小企業の問題を幾つか御質問したいというふうに思います。
 最初に、マイカルの問題ですが、実はこれは、金融財政委員会でも決算委員会でも取り上げてきた問題ですが、二〇〇一年の九月にマイカルが破綻をして大問題になったわけですが、これはもう基本的には金融問題が根っこにある問題だったわけですね。一兆七千四百億の負債を抱えた破綻ですけれども。あのマイカルの破綻の後、特別検査が始まる。あるいは、マイカルというのは社債をかなり発行しておりましたから、日本の金融のこれからの在り方、直接金融なのか間接金融なのかという点で、社債発行の直接金融のもろさを示したという点もあるような、基本的には大きな問題だと思うんです。
 その中で、もう一点、この問題を通じて、経済産業省、平沼大臣には大変御尽力いただいたわけですけれども、明らかになったのが、大手スーパーの中に入っている中小テナントの皆さんの問題でした。マイカルが破綻したために敷金、保証金が全額戻ってこないということで、もう社会問題、新聞でも大きく取り上げられてきたわけですね。数でいくと、全国でマイカルの中小テナントというのは数千店あります。その中の半分ぐらいの方が全国連絡会を作られて、大臣に私も一緒にお会いに、申入れに行きまして、大臣もいろいろ動いてくださってといういろんなことがあったわけです。
 経済産業省は、研究会報告、このテナント問題の、出していただいて大変いい方向も出してもらって、そういう取組が私は反映したと思いますが、この五月の二十九日に更生計画案が出ました。これは、私、いろいろ限界ありますけれども、今までの中ではかなり画期的な内容ではないかというふうに思うんです。
   〔理事櫻井充君退席、委員長着席〕
 簡単に言いますと、弁済率といいますか、小口の債権者に対して幾ら返すかというところの弁済率ですけれども、ほぼ三割ということで、例えば長崎屋の場合も私かかわっていましたけれども、五%から七%なんですね。例えば、テナントの皆さんが敷金、保証金を一千万預けていたとすると、長崎屋ではもう五十万とか六十万しか返ってこなかったと。マイカルの場合は、今のところ、個々にいろいろあると思いますが、一千万だと三百万返ってくるということで、今までに比べるとかなり小口の債権者に対して配慮された、私、異例の結果が出たと思います。
 これは、率直に申し上げて、私は、経済産業省、平沼大臣を先頭に流通産業課の方々が本当に一生懸命イオンに、この支援をしているイオンの方に働き掛けていただいたり、全国連絡会の方も申入れをやったし私も動きましたけれども、やっぱり経済産業省が非常に頑張ってやられた一つの結果だと思って私は大変評価しています。
 平沼大臣として、この更生計画、ごらんになったと思いますが、どういうような御感想をお持ちか、お聞きしたいと思います。

○国務大臣(平沼赳夫君) 大変御評価をいただいて恐縮をしておりますけれども、大門先生が、やはり大変お困りのそういうテナントの皆さん方と私の部屋に来ていただきました。そういう中で、大変厳しい実情というのを承りまして、私どもとしても、やはり経済が右肩上がりのときは大家であるディベロッパーがテナントに対して大変強い態度で、ありとあらゆる保証金から始まって敷金等々を、大変お金を多額、長期にわたってそういうことがございました。
 そういう中で、本当に真面目にやっておられる方々が本当に厳しい思いをされていると、こういうことでございまして、私どもといたしましては、今御指摘をいただきました、とにかくこの中小テナントが差し入れた保証金をめぐる問題については、現状、流通業の破綻リスクも高まってきていると、こういうことでやっぱり改善をしていかなきゃいけないと、こういうことでテナント保証金問題研究会というのを立ち上げまして、そしてそこで非常に精力的にこれやっていただいて、これはもう御承知だと思うんですけれども、皆さんお忙しい委員の方々が六回も会合を重ねて、そして一つの方向を出していただきました。
 そういう中で、従来、長崎屋の例なんかもお示しいただいたんですけれども、そういった一つの線が出てきた。このことは私は良かったと思っておりますし、さらに、私どもはそういうお困りの方々のためにもよくフォローをしてしっかりとやっていかなきゃいけないと、こういうふうに思っております。

○大門実紀史君 本当にお礼を申し上げたいと思います。
 それと、根本的にはやはり法改正といいますか、経済産業省で出されましたこの中間報告にも書いてありますけれども、敷金、保証金というのは預り金なんですよね、やっぱりね、どう考えても。また、不動産の賃貸契約というその敷金、保証金との関連もありますから、法改正がやっぱりやられていかなきゃいけないというふうに思います。
 そういう方向を出していただいているので引き続き御努力いただきたいのと、弁済率三割といっても、そうはいってもやっぱり現場の人たちは、長崎屋に比べて良かったよと言っても、自分たちの問題ですから、やっぱり一千万のところが三百万に下げられたということというのは大変なことですね。
 それと、恐らくマイカルの方は六百億ぐらい保証金を預かっています、いると思うんです。それを百八十億にしちゃって、イオンが引き継ぐわけですから、イオンも私はかなり資本力あると思いますので、もっともっといろんな面で配慮をしてあげてほしいなと、例えば、共益費の問題、家賃の問題でいろいろやれることあると思うので、引き続き。この前も実は管財人に全国連絡会の方が会いに行かれたら、これは我が党の大沢辰美議員がお願いしましたけれども、けんもほろろにもう話聞かないというふうな態度をされたときに、大臣にお願いして、またそういうことをするなということでやっていただいて、またみんな話ができる関係になりましたけれども、引き続きいろんな困難な問題が起きてくると思いますので、経済産業省として御協力をお願いしたいと思います。一言だけちょっと。

○国務大臣(平沼赳夫君) 本当にお困りの方々は、善意でそして一生懸命業に励んだ方々が大変厳しい目に立たされているわけですから、私どもはそういう立場をよく踏まえながらこれからも引き続きしっかりとフォローをしていかなきゃいかぬと、こういうふうに思います。

○大門実紀史君 是非よろしくお願いします。
 もう一つ、ぎりぎりに追い込まれた方の、方々の話ということですが、今自殺者が年間三万人をずっと超えていて、経済的理由の自殺が三割と。自営業者の自殺がそのうち大体四、五千人になってきているという大変な事態ですね。これはいわゆる中小企業のおやじさんたちが追い込まれてということだと思います。これは平沼大臣として、恐らく経済産業委員会とかでそういう質問とかお受けになっていると思いますが、どういうふうに認識をされておられますか。

○国務大臣(平沼赳夫君) 大変、今中小企業を取り巻く環境というのは非常に厳しいわけでございまして、倒産件数も多い、そして今御指摘のいわゆる経営者の自殺という問題も非常に大きいわけでございまして、特に中小企業の経営者の自殺というのは、例えば法務省の統計によりますと、昨年は四千百というような数字も実際出ております。
 そういう中で、私どもとしてはやはりこの中小企業に対して、本当にやる気と能力のある中小企業というものに対しては最大限支援をしていかなきゃいかぬと、こういう基本的な考え方を持っておりまして、いろいろ議論があったところでございますけれども、当面、やはり今の現状からいって政府系金融機関というのは、その機能というのは絶対に私どもは必要だと。こういう認識の中で、最終的には民間ができることは民間にと、これは私はベースだと思いますけれども、今の段階ではやはり政府系金融機関がきめ細かく対応しながら、そういったやる気と能力のあるそういう中小企業者の皆様方にはしっかりとした支援をしていかなきゃいけないと、そんな基本認識を持っているところでございます。

○大門実紀史君 もう一つ、そのセーフティーネットをもちろん強化していただきたいのと、個人保証の問題が、以前竹中大臣に質問させていただいて前向きな御答弁いただいて頑張っていただいているんですが、平沼大臣にもお聞きしたいと思うんですけれども、実は日本商工会議所が平成十五年に中小企業・小規模事業対策の拡充強化の要望というのが出されておりまして、この中で、自殺者が多いと、中小企業のおやじさんの自殺者が多いということで特別にいろいろこの中に入っているんですけれども、やっぱり個人保証が、厳しい個人保証があるから、最後のところで身ぐるみはがされて、あるいは生命保険で何とかしようというパターンの自殺が非常に増えているんで、個人保証の在り方を見直してほしいというのが要望で出ておりまして、全国商工団体連合会の中でも同じように、やっぱり自殺者が増えている中で、よく聞いてみると個人保証のために最後追い込まれるというのがかなり出ているわけなんですね。
 これは、実は今、法務省マターだと思うんですけれども、倒産法部会の中でこの個人保証について見直しの作業が今進められているんです。
 これは簡単に説明をしますと、破産法第六条の中で倒産したときには一切の財産の回収をするというのがまず前提にありまして、ただ民事執行法の百三十一条の中には差押禁止の動産と、全部差押えしちゃいけないよと、これだけは除きなさいというのが今決められておりまして、それが生活に欠かせない衣類だとか布団だとか寝具とか家具とか台所用品とか学用品だとか、いろいろあるわけですけれども、それと生活に必要な二か月間の食料及び燃料と、これもうぎりぎりの話ですけれどもね。で、最低生活費が今のところ二十一万円だけ残しておいてあげなさいというのがありまして、これはちょっと余りにひどいと、これは昭和五十五年か何かに決められたままですので余りにひどいということで、先ほど言いました法務省の倒産法部会で今検討がされておりまして、この前、担当の方に聞きましたら、今どの部分が見直しになっているか、の作業が進んでいるかといいますと、先ほど言いました最低生活費二十一万円だけ残しておいてあげるというのは余りにもひどいというので、一か月当たりの金額を上げて三か月分と、およそ九十万円ぐらいの引上げにしようか、になりそう・u桙セというふうなところの議論が進んでいるようなんです。
 これは、竹中大臣に財政金融委員会でこの問題をお聞きしたときに、もう二十一万というのはもう野蛮なもう本当にひどい話だということで竹中大臣の方からも働き掛けていただいて、経済産業省の方もこの二十一万円の引上げをずっと要望されていたということを聞いているんですけれども、まずこの九十万円というのはどういうふうに評価、まだ決まっていませんけれども、およそその辺だということはどういうふうに評価されますかね。

○国務大臣(平沼赳夫君) 大変そういう個人保証、そしてまた一度倒産をしてしまったら再起できないと、こういうのが今の日本の現状にあります。平成十三年の中小企業白書によりますと、実は一度失敗した人の方が業を起こした場合に成功率が高いと。というのは、それはやっぱり失敗体験が生かされると、こういうことだと思います。
 そういうこともありますので、やっぱり再起できるような、再チャレンジができるようなやっぱり仕組みを作るということは大事だと、こういう観点で、今御指摘の点も、私どもは法制審議会のその部会の中で中小企業の代表者の方々にも入っていただき、そして我々もしっかりお願いをしながら今やらしていただいています。
 そういう中で今三か月という一つの線が出てきておりまして、これは七月末ぐらいには一つの結論が出ると思っておりますが、私どもは、やっぱり月三十万円以上でやっぱり私の気持ちとしてはお願いをして、法務大臣にお願いをしておりますけれども、やっぱり三けたの位に乗るぐらいのことをやっていただきたいと、そういうことを思っておりまして、私どもとしては引き続きお願いをし努力をしていきたいと、こういうふうに思っているところでございます。

○大門実紀史君 竹中大臣はその九十万辺りという数字、どういう評価されますか。

○国務大臣(竹中平蔵君) 私の気持ちはもう前回お話しさせていただいたとおりでありますが、今、平沼大臣おっしゃったように、やはり九十万円というのは今までの制度に比べれば評価される数字なんだと思います。
 しかし、決して十分ではないということは、これは明らかでありまして、これは本当に、いろんなケースの中で最も厳しい立場に置かれている方の場合でありますから、そこは本当に後々のためにもしっかりとした制度に、もう一頑張りして、していっていただきたい、そのような気持ちでおります。

○大門実紀史君 私は、二十一万に比べたら九十万は三倍以上だというのがありますけれども、余りにも、九十万でも、ちょっと本当に何を考えているのか、そんなところでまとまったら本当に希望がないなと。実際、そこまで追い込まれた方々の立場になってみますと、家族抱えて、家は取られて、九十万で家族抱えてどこか住むところを探さなきゃいけない、三か月間の生活になるかどうかも分からないと。ですから、再起を図るどころじゃなくて、二十一万というのは本当に絶望を誘う金額ですけれども、九十万でももう投げやりになるような、今の御時世だと、そうなると思うんです。
 これは私、アメリカの倒産法制をずっと調べているんですけれども、州によって違うんですけれども、アメリカは最低家は取らないとか、住むところは取らないとか、金額もこんなものじゃありませんよね。もちろん厳しい州もあったりしますけれども、全体としてやっぱり、竹中大臣よく言われるチャレンジしやすい社会かどうかは知りませんけれども、再起図れるような最低限のところはきちっと図られているんですね。そういう点では、もしこれが、この結果、七月か八月か知りませんが、九十万なんということでまとまって出てきたら、本当に、どういいますか、世界的には本当にばかにされるような話になると思います。
 それと、これに抵抗しているのはやっぱり銀行関係だ、金融機関だという話が入ってきていますので、竹中大臣も御指導いただいて、平沼大臣と竹中大臣で力を合わせて、九十万なんというところじゃなくて、もっと大幅な、本当に再起できるようなところに結論を持っていくように努力を是非お願いしたいというふうに思います。これはもうお願いだけをしておきます。
 もう一つは不良債権の処理の関係ですけれども、まず全体の話を竹中大臣にお聞きしますが、不良債権比率を二年後に半減という目標がございますね。これは私、予算委員会でも質問しましたけれども、かなり難しいことではないかと思います。
 ちょっと時間の関係で細かい数字言いませんけれども、いろいろシミュレーションしてみますと、簡単に言いますと、要管理先、要管理先がずっと増えていますね、この間。増えたままですね。減っていませんね。それと、新規発生の金額。この二つが、減らさないと、不良債権比率というのは、総与信、つまり貸出金が分母で不良債権額が分子ですけれども、結局は、この間の発生状況を見ますと、要管理先と新規発生、これを本当に減らしていかないと、この半減、比率、半減にする、つまり八・四を四%台ですか、相当難しいというふうに私思うんですけれども、その辺の認識はいかがですか。

○国務大臣(竹中平蔵君) 以前もこれは、この目標は達成可能かということで詰めた御質問をいただいたことを記憶しております。
 ちょっと、二点申し上げたいのでありますけれども、基本的に、今御指摘になった要管理先をどうするかということと、それと新規発生をいかに抑えていくかがポイントだというのは、私もそのとおりだと思っております。
 その意味で、要管理先を対象とした産業再生機構の活用というのが不良債権比率を減らすという観点からも実は大変重要になります。もちろんこれは産業を再生するということが最大の目標なわけですが、不良債権の問題という観点からも重要だということがあるわけです。それと、新規発生を抑えるためには、これはやはり安定したマクロ政策をきちっと続けていかなければいけないと。それも大変厳しい財政状況の中で難しくはありますが、やはりやっていかなきゃいけない問題だと思います。
 ただ、第二の点として是非申し上げたいのは、十五年三月期の決算でこの目標実現に向けての一応良いスタート、グッドスタートは切れたというふうに思っています。
 といいますのは、昨年の九月期の不良債権比率は八・一%でありました。これを四%台に持っていくためには二年半で四%ぐらい減らさなきゃいけないということになります。これは単純計算しますと、半期ごと、六か月ごとに〇・八%ポイントずつ減らしていかなければいけないということになります。十五年三月期の不良債権比率は七・二%になりました。八・一から七・二ですから、〇・九%ポイント下がったということになります。この〇・八%ポイントずつ下がっていくという、ほぼ軌道に、ほぼというか、何とか軌道に乗っているというのが現状だと思います。
 もう一つは、今回の決算で不良債権の処理損というのが一部の銀行を除いておおむね業務純益の中に収まるようになってきたということです。そういう意味では、大変難しい目標ではありますけれども、その目標の実現に向けて今のように頑張っていってくれれば、銀行が、何とか達成は可能ではないかというふうに私自身は思っております。
 ただし、産業再生機構の活用はその中で大変重要だというふうに認識をしております。

○大門実紀史君 予算委員会のときの論争は今日同じことを繰り返すつもりないんですけれども、私、予算委員会で同じことを答弁されたのでちょっとシミュレーションしてみたんですけれども、要するに、ちょっと資料でも作ればよかったんですが、結論だけ言いますと、要管理先の残高がもし減らないままで十一兆、今と同じ十一兆ベース。で、総与信、つまり貸出金が、これは、不良債権比率というのは貸出金を増やせば比率は下がりますよね、簡単に言えば。ところが、自己資本比率は逆ですから、なかなか自己資本比率を維持しようと思うと貸出しが増やせない中で、だけれども、不良債権比率だけ減らそうと思うと大きくしなければ。矛盾するところがある内容ですね。そうすると、例えば、総与信、貸出し額を十五年三月、この三月と同じ二百八十兆ぐらいと、もし、単純なはめ込みですけれども。そうすると、大臣が言われた〇・八ずつ半期ずつ減らしていくにはならなくて、来年の三月末だと、本当だったら五・六%ぐらいに減らなきゃならないんですが、六・六ぐらいになってしまうと。
 私は、ここで数字を別にどうのこうの言う意味じゃなくて、なかなか、いろいろ言われただけでは大変で、どうしても相当の景気の回復といいますか、新規発生が減るとか、要管理もがばっと産業再生機構に持っていければいいですけれども、限界がありますよね。そうすると、要管理に転落する人たちを防がなきゃいけないというところでいくと、本当に景気の回復と同時にやらないと相当難しい、これからなってくるというふうに私は認識しているんですけれども、どうでしょうか。

○国務大臣(竹中平蔵君) これはもう正に御指摘のとおりで、非常に精緻に御議論をしてくださって感謝申し上げますが、我々、坂を上っていくことに例えますと、上りはやっぱりだんだんきつくなっていくということだと思います。
 今ある、例えば破綻懸念先について、これを二年三年ルールでオフバランス化していくというのは、その準備も大分進んできましたし、これはやってきているわけですけれども、要管理については、これは正に再生させなければいけないと。産業再生機構の活用も重要だけれども、今、御承知のように、メガはその再生をさせるためのを別会社を作って、そこに例えば外資も入れてコンサルティングをやらせるとか、再生のための努力を本当に真剣に今行っているところです。
 そこが奏功しない、この努力が奏功しないと実は上りは間違いなく厳しくなってくるわけで、この点は本当に我々も常に知恵を絞ってしっかりとやっていかなければいけないと思っております。

○大門実紀史君 私は、坂を上っているならいいけれども、下っているんじゃないかと思えて仕方がないんですよね。なかなか、そういうところに到達する前に、かなり経済状況、先ほど櫻井さんからもありましたけれども、相当逆の方向に悪く悪くなっているんじゃないかということを再三指摘しているところですけれども。
 今日はその論争はやめて、具体的な、この一年どうなるかというところでお話ししますと、これは予算委員会で少し申し上げましたけれども、とにかくこの一年で、大手行だけで、破綻懸念先以下で、大体残高を、例の五割八割ルールでいきますと四兆から五兆円、残高を減らさなきゃいけないと。これは去年の、過去一年の例を見ますと、倍のオフバランスをしないとその残高は減らない。つまり、五兆円の、四、五兆の、まあ五兆とすると、五兆円のこの一年で不良債権残高を減らそうとすると、この一年で十兆円のオフバランスをしないといけないような経済状況に今なってしまっていると、新規発生がありますから。これはそういうことだと思うんです。これは十兆でも八兆でもいいんですけれども、とにかく大量のオフバランスをしないとそれだけ減らないという時代には間違いないと。それが例の大手行のヒアリングをしますと、ほとんどこの一年残っているのは中小企業ですとはっきりもうみんな認識をしておりますし、だから大変だ、この一年はとみんな言っているところですね。ですから、去年一年で大口はかなり私的整理も含めて整理したけれども、残っているのは中小企・u梛ニだと。その中で、このまま行くと、単純にオフバランスしてしまうと、もうそれしかないということでやると相当の倒産件数が嫌でも生まれるだろうと。一遍RCCに送られても、何年か後の倒産も含めてかなり出るだろうと思います。
 その中で、大臣言われたオフバランス化につながる措置ですね、これは私、何も否定しません。本当にみすみす生きていける中小企業を整理に追い込むぐらいなら、オフバランス化につながる措置の中で、五年なら五年というところで再生の猶予と条件を与えてあげるべきだというふうに思います。
 ただ、このスキームで、信託スキームの方ですけれども、これ私、何もこれにけち付けるつもりじゃなくて、これ本当に使ってもらいたいから、いろいろ聞いてみたんですけれども、この三月末で、これは金融庁から聞いたら三千五百億このスキームが使われたと、信託スキームですね。信託スキームというのは、主要行がRCCに信託をして、その中で五年間要するに面倒を見て、それでも再生しなきゃRCCにやっと売却という、そういうスキームですけれども、これを使ったら、オフバランスにつながる措置ということで、銀行はオフバランスできるということに、いったんできるというわけですよね。そうすると、銀行も不良債権を処理したということになるし、本人はつぶされないしと、取りあえずつぶされないしというスキームですよね、簡単に言うと。
 これなんですけれども、三月末で三千五百億というのを金融庁から聞きまして、幾つかの大手行に聞いてみました。そうしたら、私やっぱりちょっと懸念したように、それほど小さいところではありませんと。だから、どれぐらいが小さくてどれぐらいが大きいというのは難しいですけれども、私がイメージするのは、例えばさっき十兆円がオフバランスされるとすると、中小企業でもし一億円借りている中小企業だと十万社です。簡単に、単純に割ればね。ですから、最低それぐらいのレベルが救えるかどうかと思うんですが、聞いてみると、やっぱり五億とか、だから、中堅までいかないけれども、いわゆる町の中小企業よりもちょっと大きなレベルのところが多かったというのが今回の三月末のやっぱり現状なんですね。
 これやっぱり、一億円なり一億円以下の人でもこのスキームで使っていって、すぐ本当に倒産に追い込まないで、整理に追い込まないで、景気さえ良くなればやっていけるんだからということで、このスキームを使ってもらうようにするには、私は、金融庁として特別に、やっぱりただ銀行にこのスキームを使いなさいということではなくて、何か特別のこの対策本部でも設けて、きちっと生きていけるところは、技術力があって将来性があって、今たまたま支払に困って延滞を起こしている、支払に滞っているというようなところは特別の対策でも取ってこのスキームを使うようにというふうな何か特別対策を今年一年は取らないと、ほっておくと、銀行も急いで大口だけここで使って、大口といいますか、中口といいますか、そういうのにだけ使って、実際にはいろんな中小企業は救われないと思うんですけれども、何か特別な対策が必要だと思いますが、いかがですか。

○国務大臣(竹中平蔵君) このオフバランス化につながるスキーム、この信託のスキームに大門委員着目してくださって、我々も大変感謝をしております。
 御指摘のように、これ三千五百億円の実績があります。全体として、大門委員前半に御指摘してくださいましたけれども、十四年度について見ると十一・七兆円オフバランス化しているわけですね。一方でしかし五兆円更に不良債権が増えている。だから、結果的に六・七ですか、六・七兆円その残高が減っていったと。やはりそのぐらいの規模のことをやはり、したがって十兆円規模のことをやっていかなければいけないというのは、その意味では事実であろうというふうに思っております。
 その点で、この中小企業の再生型の信託スキームというのは我々も大変期待をしているわけでありますけれども、まず、今そんなに小さいところがないではないかということに関しては、RCCにおいてやはりちゃんとした実績を作っていただいて、これをどんどん広げていくという段階に今あると思っています。
 したがって、そのために何をするかという御指摘なわけですが、金融問題タスクフォースというのがございまして、このタスクフォースの中で不良債権問題の解決に向けた政策のフォローアップを逐次行うことになっています。こうした中でこういう、こうした手段の活用の更なる促進についても是非議論をしてみたいというふうに思っておりますが、いずれにしても、大門委員御指摘のように、このスキームをやはりうまく使わないと、このきつくなってくる坂道、我々も上れないということは認識をしておりますので、これは前向きに正面から是非取り組んでみたいと思います。

○大門実紀史君 そうですね。このスキームのこのRCCチェック型というのは、そもそも規模の小さい中小企業、個人向けになっていますから、是非特段のそういう対策をお願いしたいと思います。
 もう一つは、このオフバランス化につながる措置の中で、個人、中小企業向けの小口の債権、これは十億円、元本の、未満ですけれども、この部分償却の実施というのがあります。これはちょっとどういう内容か、そちらから説明していただけますか。

○国務大臣(竹中平蔵君) ちょっと済みません、時間を取って申し訳ありませんでした。
 この趣旨は、部分償却を実施した場合に、その残ったものをオフバランス化というふうにみなすと、そのような措置であります。小口の債権十億円、元本ベース十億円未満について部分償却を実施して、それについての部分償却を行って、残ったものについてはオフバランス化というふうにみなすというふうに御理解をいただきたいと思います。

○大門実紀史君 これは破綻懸念先以下は使えないんでしょうか。

○国務大臣(竹中平蔵君) これは、範囲は限定されておりません。ただ、部分償却の実施ということでありますから、実態的には、破綻懸念先とか、そういうところになる場合が多いということは想定されると思います。

○大門実紀史君 それですと、私、これ物すごく役に立つといいますか、実は、レクチャー受けたときに、実質破綻先だけだと。それだと、もう本当に、何というんですか、もう本当に見込みのないところをただ銀行の処理上置いておくだけで、これ、もうただ延命にすぎない部分なんですね。これは破綻懸念先とか、要管理とまでは言いませんけれども、破綻懸念の部分まで使えれば、かなり私、救済策になると思うんですけれども。

○国務大臣(竹中平蔵君) ちょっと、大変申し訳ありません。十分な準備ができてなくて申し訳ありません。
 制度上は、これは実質破綻先以下になっているんだそうです。これを今申し上げたようにどのように柔軟に使えるかというのは少し検討をしてみますが、会計基準等々の問題がありますので、御指摘のように、こういうものがどのように使えるかと。幾つかそういうバリエーションを用意しておかないとなかなかこの先に進むのが難しいということもあるかと思いますので、ちょっとこれは、会計上の制約があるということでありますけれども、検討をしてみたいと思います。

○大門実紀史君 要するに、破綻懸念先以下をこの一年で大量に処理しようという中ですから、その中でも、私、そもそも二年三年ルールそのものが無理があると。中小企業がこの不景気が続いている中で二年、三年で起き上がりなさいというふうに言うことそのものが無理があると基本的に思っておりますので、いろいろ研究できるんでしたら、このオフバランス化につながる措置の、先ほど言いましたRCCの信託スキームとこの部分、部分直接償却の部分ですね、これを柔軟に使えるんだったらば、本当に今つぶすことがないと判断できるところはこういう措置をして、本当にこの不況さえ乗り越えれば頑張れる中小企業一杯あるわけですから、そういう検討をお願いして、私の質問を終わります。
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