● ● ● ● 大門みきし Daimon Mikishi  ● ● ● ●


■156-参-財政金融委員会-17号 平成15年07月03日
○大門実紀史君 日本共産党の大門でございます。
 私も早くと思うところはありますが、そうはいかないのがこの世界でございまして、六十分目一杯やらせていただきます。
 前回の大塚委員が出された資料なんですけれども、私、これ大変な重要な資料だと思っておりまして、これはいつ、確認ですけれども、いつどこに、お調べになった結果をどこに報告されるのか、ちょっと確認の意味で、大塚委員が出された資料の調査について。

○国務大臣(竹中平蔵君) 一昨日、大塚委員の御質問に対して、一週間程度御猶予をいただけないだろうかというふうに申し上げました。一週間というふうに申し上げて、必ずしもその場で一週間了承したというふうには言っていただけなかったわけではございますが、私として一週間と申し上げました以上、来週の火曜日に当委員会が開かれるということでございますので、そのときにはお答えをできるように何とか準備をしたいと思っております。

○大門実紀史君 といいますのは、私、これは本物でしたら、大変重要な中身だというふうに思うんです。これ、まだ去年のことですし、今回の法案の審議にも、背景に非常にかかわる問題だと思っていますので、本当はこれが本物かどうか確認されるまで私も質問したくないというふうに思うぐらいで、ただ、私がここで座っても仕方ありませんので、お待ちいたしますけれども。
 何が言いたいかといいますと、今日午前中の櫻井委員の質問にも出てきましたが、私はもちろん、国会といえど風評リスクというのは気を付けなければいけませんから、軽々しく名前を出すのはどうかというふうに思っておりますけれども、この二つ、大塚委員が出されたやつと今日の午前中の櫻井さんがやられた中身でいくと、ある一つの生保の名前が出てくるし、これはマスコミ等でもよく言われている部分もあります。そうすると、これはそのある生保、特定の生保プラスアルファぐらいの幾つかのところを想定した法案ということであれば、私は、審議の中身もいろいろ変わってくるし、それなりの資料も出してもらわなきゃいけないしというふうに思う。そういう点から、非常に重要なことが民主党の皆さんから出されているんだというふうに思うんです。
 場合によってはそういうふうに審議の中身は変わっていくと私は思うんですが、その辺の認識はいかがですか。

○国務大臣(竹中平蔵君) これは先ほど櫻井委員にもお答えをさせていただきましたが、特定の個社を念頭に置いて今この審議をお願いしているわけでは、これはもう断じてございません。これは一つの制度、いろんな場合が考えられると思いますので、その場合に生命保険会社のこれは、失礼、生命保険会社だけではないですね、保険会社の選択肢を増やす一つの手段として御審議をいただきたい、制度整備として御審議をいただきたいというふうに思っているわけでございます。

○大門実紀史君 ただ、そうは言われますけれども、特定のといっても、今幾つかのところがこれを使う、予定利率引上げをする全然可能性もなく、五年、十年先のためのセーフティーネットで作られると私は思えないんですね。仮に、九月決算がありますけれども、その辺の時点で、今名前が出ているところかどうかは別として、特に今名前が出ているようなところがこれを使うということになれば、私は、今回の国会審議そのものが何だったのか、ばかにしているのかというふうに、先ほども櫻井さん怒られていましたけれども、私もそういうふうな気持ちになるんですね。
 ですから、一週間後ですか、この前の大塚委員の資料、もしそれで、それが本当だったと。ああいうことを去年まで金融庁はやっていて、要するに生殺与奪の権を握っているといいますか、かなり、ここはこうする、ここはこうするというようなことをやられている上でこういう法案が出されたとすると、非常にちょっと今までの答弁と違うことになりますので、そういう点でいきますと、来週出てくる大塚委員の資料についての報告、これによっては、きちっとした更に審議時間もいただいて、必要な参考人も呼んでいただいて、名前が出ていますけれども、高木長官を含めて、そういう審議の進め方に今後していただくように、委員長、御検討をお願いしたいと思います。

○委員長(柳田稔君) 理事会で協議をいたします。

○大門実紀史君 じゃ、今日は取りあえず法案の方に入りますけれども、私、とにかく思うんですけれども、この間もう本当に暗い法案が多いんですよね。本当に夢も希望もないというかね、国民の皆さんにもう何か明るい法案が出てこないのかと思うぐらい次々に暗くなる法案ばっかり出てきているわけですよね。
 そういう点でいきますと、これも櫻井委員言われましたけれども、景気の問題とか、いろいろとにかく、まだまだ皆さん大変だよ、我慢してくれよ、きついよというような法案ばっかり出ているんですけれども、これで景気良くなりますか。

○国務大臣(竹中平蔵君) この法案で景気が良くなるかというふうに聞かれたら、それはそういうふうにとても申し上げられる立場にはないと思っております。
 ただ、これは委員御自身がよく御存じだと思いますが、本当に日本経済が背負っているものは大きいと思います。これはもう良い悪いではなくて、バブルが崩壊してこれだけの多額の不良債権を抱えてしまった、その間に世界の状況が変わって、グローバリゼーションの中ですさまじい追い上げ圧力を受けてしまっていると。この間、何度か経済を良くしようと思って需要を刺激はしたけれども、結局、供給サイドが弱いままで、需要の拡大は一時的であって、結果としてとんでもなく大きな財政赤字を抱えてしまっている。残念ですけれども、それらを全部我々はもう抱えて走らざるを得ない状況になっている。
 暗い面、暗い法案ばかりだというふうに御指摘がありましたが、ここはしかし、本当に我々が背負っているものをしっかりと抱えながら、少しでも良くしていく方向を探るしか現実問題としてはないわけで、その中で、まあ特区もやってみましょう、先行減税もやってみましょう、不良債権の処理はとにかく早くやらなければいけないけれども、その中で地域の金融機関については別の枠組み、リレーションシップバンキング等々を考えてみましょうと。そういう正にいろんなことを併せながら、何とか半歩、一歩前へ進もうとしているというのが日本の経済の現状であると思います。

○大門実紀史君 そういう話になっているので、幾つか、ついでにといいますか、お聞きしておきたいんですけれども、大体、竹中大臣とは二年前から景気の話をさせていただいていますが、最初は二、三年の我慢だとおっしゃって、もう二年たちました。私も、今回の生保の問題だけじゃありませんけれども、こんな暗いことばっかり出して、国民の皆さんの生活もどんどん大変になっていますし、ここまでひどくなって、あと一年で、お約束の二、三年の我慢のあと一年で良くなるとは思わないんですけれども、そういう認識はいかがですか。

○国務大臣(竹中平蔵君) 当初から、不良債権の処理を加速すると、それを実現するまでの間は集中調整期間であって、その間は厳しいのを我慢しながらやっていこうというふうに申し上げました。
 この集中調整期間に関しては、これは大変申し訳ないとは思いますが、今年一月の改革の展望で、一年間延ばさせていただきたい、その間に不良債権比率を半分にするという金融再生プログラムも新たに作って、その間に不良債権比率を半分にする、デフレも克服できるように努力をするということで、集中調整期間、あと二年の間に今申し上げた不良債権の処理を中心とした集中的な構造改革を進めたい、同時に、前向きの改革になるように構造改革特区等々もやらせていただきたいというふうに思っているわけでございます。
 これはいろんな見方があろうかと思いますけれども、私は、日本の経済はそこそこ持ちこたえている、実質成長率、昨年度一・五%ということで持ちこたえている面があるかと思います。一方で、デフレについては予想より厳しいという面もございます。不良債権処理に関しては、まだ再生プログラムが始動し出して半年ではありますけれども、二・五年でこれを半減させるという目標に向かって一応軌道にはこの半年間のペースは乗ったということは御報告をさせていただきました。
 厳しいということはもちろん否定をいたしませんし、少々株式市場が少し上向いても、これはまだまだ本物にするためにはとてつもない努力が必要だということは思っております。しかし、とにかく大きな負の遺産を抱えながらそうした方向に前進をさせたいという決意と計画は持っておりますし、何とか、半歩ぐらいかもしれませんが、その方向に向かいつつあるというふうに私は思っております。

○大門実紀史君 二年延ばされたのは知っていますけれども、竹中大臣、一度、私、予算委員会で、いわゆる構造改革がうまくいくとして、そのシナリオがうまくいくとして、どれぐらいたてば日本経済回復するのかと私お聞きしたことがあるんですけれども、そのときは十年ぐらい掛かると、軌道に乗るにはとおっしゃっていて、そのときは正直に答えられたなと、竹中大臣の方向だと私、間違っていると思いますけれども、十年ぐらい掛かるだろうと思ったので。
 ただ、また二、三年とか一年とかおっしゃっていますけれども。見込みがないと思うんですよね、あと一年延ばしたからといって、こういう方向は。これはこの前も不良債権問題でお話をしましたけれども。ですから、全体として非常に大きく見込みがないところに更に突き進む中で、またこういうものが出されているというようなところを思うわけですけれども、今日は骨太の議論じゃありませんので、そこのところは御意見だけ申し上げておくということにしておきたいと思いますけれども。
 ただ、ちょっと午前中の櫻井議員との議論を聞いていて幾つか気になったんですけれども、例えば将来不安の問題が議論ありました。この生保と金融システムもそうですけれども、よく竹中大臣が使われるロジックで、それをやらなかったらもっとひどくなると。だから、更なる金融システム不安を招くよりは、今の生保の問題とか、いろいろやった方がましなんだという、どういいますかね、例えばゼロ金利のときも、先ほど議論ありましたけれども、ゼロ金利をやらなかったらどうなったかと、やらなかったらもっとひどくなった、だからやった価値があったんだと。つまり、どういいますかね、より悪い状態を想定して話をされて、それよりはましなんだと。これはよくお聞きする理屈で、今回の生保もそうですけれども、破綻するよりはましだと、幾つかこういうロジックが使われるんだけれども、私はこれ余り使うべき論理立てじゃないと思っているんです。
 これは一部の、何といいますか、プロパガンダでこういう政治的なことをやってきた歴史がありますけれども、そういう、何々よりも悪いからこれで我慢しなさい、悪い条件をのみなさいというのは、やっぱり国とか誠実な政府としては、余りそういうロジックで国民の皆さんに何かをのませると、これは霊感商法と同じなんですよ、この話というのは。不安があるから買いなさいみたいな、そういう理屈立ては私はされるべきじゃないというのを午前中の議論を聞いていて思いましたので、これは指摘だけしておきたいと思います。
 その上で、法案そのものですけれども、またこういう話になるかも分かりませんけれども、既にもう論点は出尽くしているというふうに思います。衆議院の議論、この前の参議院の議論、そして今日の議論を聞いていますと、もうほとんど論点は出尽くしていると。ただ、論点は出ているんですけれども、答弁がそれにかみ合わないために、いつまでたっても不明瞭なあいまいもことした状態が続いていて本質が見えないんじゃないかというふうに思います。
 私、この問題の焦点は、要するに、更生特例法のスキームがあるにもかかわらず、なぜこの予定利率引下げ、しかも、先ほどもありましたけれども、この国会でと、なぜ急ぐのかというところに尽きるというふうに思っています。
 しかも、この法案を作るまでにはかなり強引な進め方といいますかね、例えば財産権の侵害に当たると、憲法の。これをどうクリアするかということで自治でやらせようと、自治なら憲法はクリアできるというふうなことを解釈されたのか、なっておりますし、解約ストップできる仕組み、これも小泉総理のあれでできると、かなり強引な内容にもなっています。
 そういう点からいくと、最初の話ですけれども、これは相当何かを想定していないとこういうスキームには、しかもこんな急いで出すことにはならないだろうというふうに全体として思っているところです。
 そういう点で、質問そのものはちょっとダブるようになるかも分かりませんが、改めて一つ一つ、なぜ今なのかというのと、なぜこれが必要なのかと、だれが恩恵を被るのかという点を時間の範囲で聞いていきたいと思います。
 もちろん、これはすべての生保に使われるわけではありませんけれども、これを使うことになった生保を一つ想定して考えると、そこに至る経過というのは、もちろんそこの契約者には何の責任もないわけですよね。これはそういうことですよね、改めて聞くまでもありませんけれども。

○国務大臣(竹中平蔵君) 基本的には、契約者は善意で契約をされて、それで条件を引き下げられるということにもしなりましたならば、その負担を負うということになると思います。

○大門実紀史君 ですから、保険契約者に、これは本当に大事なことなんで確認ですけれども、保険契約者には責任はないと私は言い切れると。
 つまり、それだけの、例えば契約者は契約時に予定利率を知らされているわけでもありません。しかも、その生保の安全度だとか経営内容を十分知らされているわけでもありません。簡単に言えば、行政が認可した、ある名前の通った生命保険会社だから勧められて入ったと。大事なことは、行政が認可している、公のちゃんと認可された生保が出している認可された商品だ、だから信頼して入ったと、これに尽きるわけですね。
 そういう点でいきますと、例えば、厚生労働省が認可して薬を売って、その薬を買ったと、こういうことですよ。その薬剤会社がちゃんとしたことをやっているかどうかなんか調べる力ありませんからね。ですから、まず契約者には全く責任がないと、私はまずそれを前提にしてお話をしたいと思いますけれども。
 そうしますと、その当該の生命保険会社、行政、そして政府、このそれぞれに責任があるとしたらどういう責任があるのかということをやっぱりはっきりさせておかないと、その後の負担との、だれがそういう責任取るかということもありますので、そういうことに至った生命保険会社について、どういう責任があったと、この予定利率引下げに至った生命保険会社はどういう責任があったというふうに思われますか。

○国務大臣(竹中平蔵君) 昨日も答弁をさせていただきましたけれども、こういうお約束で月々お金を払い込んでいただいて、こういう運用をお約束すると、そういう約束をした。しかしながら、そうした約束が果たせないような状況になってしまった。それに関しては、当然のことながら、そういうある意味で見通しが違ってきたわけでありますから、見通しが違ってきたという点でその保険会社にはそのような責任があるということになるんだと思います。

○大門実紀史君 責任があると、これはもう何度も答弁されているんで、そういうことだと思います。
 もう一つ、行政の責任。これも何度も議論があったところですけれども、確認の意味でお聞きしたいというふうに思いますけれども、大臣は今日も言われていましたけれども、日本全体が右肩上がりで、だれもこうなるとは全体としてマクロのことは予想できなかった、そういう中で政府の見通しの悪さも、行政の見通しの悪さもあったということはおっしゃっております。
 ただこれも、だからといって、あくまで個別の契約に対してそれが理由になるのかどうか、私はこれ非常に疑問を、皆さん持っていますけれども、私も持ちます。
 非常に基本的な話ですけれども、例えば、今銀行からお金借りている企業があったとします。ありますね。これは右肩上がりのときに、返せると、そのお金は返せると思ってお金を借りて、ところが経済悪くなって返せなくなって、今はもう竹中プランに基づいて追い立てられているわけですよね、返せよとやられているわけですよね。これはマクロ的な理由で、返さなくていいとか、チャラにされるわけじゃありませんよね。
 基本的にそこのところで矛盾があると私は思うんです。なぜ生保だけかと、こういうことが許されるのかというと、金融システムを守るためということになるんですか。

○国務大臣(竹中平蔵君) 今、大門委員が例を出してくださいましたので、例えば、私の地元の和歌山でも信用金庫からお金を借りている友人の企業があります。それが確かに見通しが甘くて、経営者のこれは責任といえば責任でありますが、それで金利を十分、元利金払えなくなりました。そうすると、その経営者はこれは当然責任があるわけであります。この場合、あえて言えば、借りた経営者も責任があるけれども、返せると思って貸した金融機関にも責任があるのかもしれません。
 同じような問題、あえてアナロジーでいえば、そういうとても回らないような運用利回りに基づいてその保険に申し込んだ保険契約者にも責任がないわけではありませんが、これは、返してもらえないような、運用してもらえないような約束に応じたということで、まあしかし、これは一般の消費者の場合は、そんなことで私は一般の消費者にも責任があるということを申し上げるつもりはありません。
 ただこれ、例えば、私が申し上げた今の中小企業ですね、だからといって、それで責任があるからすべて倒産するかというと、そうではないわけですね。銀行と応じて、ここがちゃんとやれるというふうな見込みがあるならば条件変更に応じてもらうわけです。
 これは条件変更ですから、まあ昨日からの議論で、約束したことは必ず守れというのは原則ではありますけれども、状況が変化した場合には、借り手企業というのは借入条件の変更してもらうわけですね。それをそうすることが銀行にとっても双方にとってもメリットがある場合はそうするわけです。しかし、とてももう条件変更しても駄目なところは、これはやはり、しかるべき淘汰を受けるしかない、これがやはり原則なんだと思います。
 私は、その意味では、貸し借りの問題、これは、お金を受け入れてそれを運用するという意味では同じレベルで、同じようなアナロジーで考えてよいかと思いますが、そのような場合、双方にとってメリットがある場合は条件変更を行うということは、例えば委員が御指摘になった銀行の借入れ等々でも、私は現実に行われていることだと思います。

○大門実紀史君 おっしゃるとおりなんです。
 ですから、後でその契約者の問題のところで申し上げたいと思いますけれども、先にちょっと行政の方、先にやらしてもらいたいと思いますが、つまり、自由度があれば、契約者一人一人に自由度があれば、おっしゃるとおりだと私は思いますが、今回の場合は解約できないとはめちゃうわけですから、そこに問題があるというふうに思うんです。
 ちょっと先に行政の話をさせてもらいますけれどもね。もう一つは、戻りますが、行政の責任、これは私、一般的なことだけではなくて、昭和五十年の六月二十七日に、これは保険審、保険審議会答申というのがございまして、私の方で読みますけれども、「今後の保険事業のあり方について」というのが出されていまして、ここで予定利率のことがこういう内容で書かれています。現在、安全性を過度に見込んで予定利率を低く抑えて保険料を設定することには問題がある、今後の資産運用利回りの予測もある程度可能と思われるので、更に高い予定利率を用いるべきであると。
 政府はこの方向で指導して、実際にそのときの資料、金融庁からもらった資料によると、ちょうどこの保険審議会の答申が出た直後から各生保の予定利率の推移見ると、急激にこの答申の以降上がっています。バブルの時期まで上がるんですね。
 つまり、もう明確に、旧大蔵省ですかね、監督官庁が予定利率を上げなさいと、上げなさいということを明確な指導をしたというふうに思うんです。というか、単に経済の先行きの見通しを見誤ったとかじゃなくて、強い上げなさいという指導をして、実際に上げられてきたということなんですが、これは一般的な責任というよりも、具体的な責任が私はあると思うんですが、いかがですか。

○国務大臣(竹中平蔵君) 五十年の保険審議会の答申でありますけれども、その中では、消費者の利益に結び付くような適正な競争を期待して、まあ消費者に対する利益還元みたいなものをしっかりと行いなさい、競争しなさいということを一方で言いながら、そうした予定利率についても消費者に利益が及ぶようにいろいろ努力しなさいというようなことが言われていると思います。
 まず、その中身そのものについては、当時の状況、競争をしながらしっかりと消費者に対して利益を還元しろというのは、これはまあ当時の議論としてはやはりあり得た議論なのだと思います。
 もう一つ、これは審議会の答申でありますから、これは行政の命令ではなくて、これは正に日本の有識者に集まっていただいて有識者の議論を取りまとめたことだというふうに思いますので、その意味では、当時の、役所というよりは、日本の各層の平均的な考え方がここに示されていたというふうに理解をすべきであろうかと思います。
 時代を読むのはなかなか難しい問題だというふうに私も思いますが、当時は確かに、消費者に対するその利益の還元でありますとか、そういうことが議論をされていたのだと思います。

○大門実紀史君 これは一般的に一つの審議会が出しただけではなくて、その翌年に大蔵省銀行局が、保険審議会答申指摘事項の実施状況というのをわざわざ銀行局の金融年報で出しています。五十一年版です。それを見ると、その答申が出た後、ほかの会社、その後、各生保においても予定利率の引上げが行われたと。つまり、その答申どおり進んでいるということをわざわざ銀行局が確認をしているわけですので、それは一般的な審議会が出した一答申ということではないということです。
 私、申し上げたいのは、ただ経済の見込みが違って、今、何もなければいいですよ、今それぞれが努力していればいいんですが、今回負担を願うわけですから、今回予定利率下げる、皆さんに被害を及ぼすわけですから、責任を明確に、具体的にしておく必要があると。具体的に損害を受けるのは、今の金融庁ではありませんから、生保会社でもないんです、契約者なんですよね。だから、そういう点で責任を具体的に、ただ見込み違いだったというだけではなくて、こういう行政上のいろいろなことも含めて、これがそのときに誤ったから撤回しろと、そういう意味で言っているわけじゃなくて、やっぱり責任をきちっと明らかにする上で、ただ見込みが違ったということだけでは、何百万も減らされる方々に私は説明付かないと思いますので指摘しているわけです。
 そういう点でいくと具体的な責任があったと私は思いますが、いかがですか。

○国務大臣(竹中平蔵君) 昭和五十年、一九七五年、四半世紀以上前のことでありますので、その当時の状況をどのように理解するかということになるのだと思います。この答申、ないしはそれの一連の消費者に利益を還元しろということだけをもって、それを今回の予定利率の引下げと直接結び付けて、だれだれに、どこどこに責任があったということは、申し上げるのはなかなか私は難しいのではないかと思っております。
 ただ、いずれにしても、今特に問題になっているのは、やはりバブル期の高い契約、高い利率の契約と、それと今日の状況でございますから、そうした意味で、非常に大きな経済環境の変化があったということ、それをやはり見抜けなかった。これはちょっと言い訳になりますが、だれも見抜けなかった問題ではあるにしても、やはりそうした経済を率先してリードするべき公的な部門に、必ずしもやはり十分な対応ができなかったということは反省すべき問題だと思います。

○大門実紀史君 多分また聞いても同じ答弁なのでやめますけれども、例えば、これ行政訴訟を起こされたと、起こされる可能性は私、残っていると思いますけれども、これはどう対応されますか。

○国務大臣(竹中平蔵君) 仮に行政訴訟が起こされたらどうなるかと、その仮定の問題に関して、これは私どもがお答えすべき問題ではないと思います。

○大門実紀史君 私は、その種の行政訴訟になり得る問題だということを指摘したいと思います。
 つまり、そういう予定利率引下げを採用せざるを得なかった生保が生まれた場合、そういう具体的な問題が起こる、どこ、だれの責任なのかということが、幾らこの法案通っても、これは行政訴訟できますから、そういうところは問われるような問題になるということを今日は指摘しておきたいというふうに思います。だから、余り、経済一般の見通しが悪かったということが基本的な間違いだといいますか、責任だということでは済まないんではないかというふうに思っているところです。
 もう一つ、政府の責任の方で、これはもう、私、質問準備したんですけれども、櫻井議員がほとんどやられました超低金利の問題です。ダブらないところだけ私質問させてもらいたいと思いますけれども。
 少し振り返りますと、とにかく九五年九月以来の超低金利政策があって、逆ざやの問題がいろいろ出てきたと。九七年四月に日産生命が破綻、九八年六月に東邦生命が破綻と。その後、ゼロ金利政策ですね、超低金利からゼロ金利政策が導入されて、二〇〇〇年五月には第百、八月に大正、十月に千代田、協栄生命が相次いで破綻すると。もちろんこれは超低金利だけが主要な原因ではないのはよく分かっておりますけれども、基本的にずうっとこの超低金利政策と逆ざやの問題は広がってきた、拡大してきたというふうに思います。
 二〇〇〇年四月十二日に日銀の速水総裁がこの問題で記者会見をされております。内容を簡単に言いますと、いつまでもゼロ金利でいいわけではないと。非常事態の異常金利を正常化していくことは、次の段階としてなるべく早い時期にやるべきだと思っているというふうに、このときの記者会見が例の早期解除ですね、の意向を表した記者会見なんですが、その中で明確にゼロ金利政策のデメリットということで四点、速水総裁は述べておられます。
 一つは、家計の利子所得が減って所得分配にゆがみが出るということ。二つ目は、正に生保の問題です。運用利益で仕事をしている生保などの成績にマイナスの影響を及ぼすと、逆ざやの問題指摘されています。三つ目には、これは今日のテーマとは関係ありませんけれども、市場参加者の間でモラルハザードが発生して、金はいつでも調達できるという緩んだ気持ちが起こるモラルハザード問題。四点目は、構造調整が遅れると。この四つを指摘されて、ここでもう明確にこの逆ざや問題、生保の経営の問題を日銀としては心配を当時の速水総裁はされていたわけです。いったん二〇〇〇年の八月にはゼロ金利政策を解除されますけれども、これはいろんな内外のまた圧力があって、すぐまた低金利、超低金利、ゼロ金利を戻るというのがあったわけですね。
 ですから、午前中議論ありましたけれども、私は、副作用というよりも、これは一つの当然予想された結果として、今回の予定利率引下げまでに至る一つのもう当然予測された結果として生まれた低金利政策、超低金利政策の下で生まれたのが今回の事態だと思いますけれども、その辺の認識を伺いたいと思います。

○国務大臣(竹中平蔵君) 超低金利、ゼロ金利の政策を行えば、資源配分をゆがめる一種のモラルハザードが起こりかねない、特に名目金利を稼いで生活していく立場の資産運用者、企業で言えば生保でありますし、個人で言えば年金受給者のような方々に被害が及ぶというのは、これはもう当然のことであると思います。速水前総裁の御意見のとおりだと思っております。
 そのような意味では、超低金利の政策をマクロ的な観点から取らざるを得なかったという状況はあるわけですが、こうしたデメリットがあるということも踏まえれば、こうしたゼロ金利という状況から、やはり自然に乖離していけるような経済状況を作っていきたいというのは、これは日銀のみならず我々にとっても非常に共通の思いであります。

○大門実紀史君 低金利政策の問題、じっくりこれだけでやらなければいけないんですけれども。
 午前中の議論も聞いていて思ったことありますので、一つ二つお伺いしたいんですけれども、先ほども言いましたけれども、低金利やらなければ、超低金利やらなければどうなったかと考えると、必要だったんだと。その理由は具体的に何ですか。

○国務大臣(竹中平蔵君) 基本的には、需要、経済活動が非常に停滞したと。経済活動を刺激するためには、消費活動、投資活動を刺激するためには、その資金の調達コストである金利が安い方が好ましい、そういう判断から日本銀行は金利を下げたわけであります。
 ただ、同時に、もう少し中長期的に関連しますならば、日本銀行は常に市場の需給から独立して自由に金利を決められるわけではないという面もございます。むしろ名目金利、名目金利というのは、中期的に見る限り、やはり名目の期待成長率とかなりパラレルに動いているという見方もできるわけです。その意味では、名目の期待成長率がやはり低下してきたというのがその背景にあって、そうしたことを受けて日本銀行のこのような金融政策が発動されたというふうに理解すべきだと思います。

○大門実紀史君 私は、一定の時期まではいわゆる景気刺激という面も、投資促進というのもあったかと思いますけれども、九〇年代に入って、特に九〇年代の半ば以降はほとんどそういう効果は、先ほど指摘があったとおり余り表れていない。むしろ、あるときの円高対策とか、あるいは、今一生懸命頑張っておられますけれども、不良債権処理、これはやっぱり銀行にとっては低金利の方がいいわけですから、銀行救済とは言いませんけれども、銀行を応援するためとか、そういう部分でいえば効果が、いい悪いは別にして、効果があったかどうかといえばあったかも分かりませんけれども、ほとんど本当の景気・需要刺激にはならなかったというのは櫻井委員と私は同じ意見です。
 もう一つ、国内要因だけではなくて、これはアメリカの、私ずっと今調べて、今度本を書いたんですけれども、アメリカとの関係でこの金利、日本の低金利というのがずっと検証されるわけなんですけれども、これを紹介していても仕方ありませんので後で謹呈いたしますけれども。竹中大臣をターゲットにした本でございますけれども、「「属国ニッポン」経済版」というんですけれどもね。
 宣伝はこれぐらいにしておいて、このとき調べたんですが、要するに、日米の金利差というのは写真金利と言われるぐらい、例えば、ちょっと小さいけれども、グラフでいきますと、全く同じグラフを描くんです。つまり、アメリカが下がれば日本も下がる、全く写真で写したような金利差になっているんです。これはもう事実ですけれども、なっているんです。カントリーリスクといいまして、ほかの国に資金が移動するときには二%以上の金利差がないと資金が動かないというので、日米で見ますと、二%程度以上、大体三%ぐらいですけれども、金利差がずっとあるんです。
 これはその都度、改めてにしますが、今日は細かく言いませんが、アメリカから日本の低金利、一定の金利、低く抑えてくれというのが、もうIMFを通じたり直接アメリカの財務省から来たり絶えずあって、それに応じてきたという、実際に応じたという日本の高官の、歴代の高官の話もありますので、要するに、アメリカの要求で低金利を続けてきたというのは一点検証されるところです。
 これは先ほどの話とは全然違って、国内のいろんな要因とは違って別個の話ですけれども、これはこれで、私、大変な今がんじがらめの状態になっていると思っているんです。アメリカの方が金利が高いと日本のマネーがアメリカに動きます。何をするかというと、アメリカの国債を買います。アメリカの財政を支えます。それで、今ですと、イラク攻撃とかそういう、向こう、アメリカで今拡大しているのは軍事費だけですから、それを赤字を補てんして支えると。
 ところが、今のこの資金の流れでいきますと、例えばドルが、ちょっとドル安傾向になると、またドルを買い支えなきゃいけない、それでまた国債を買う、そのためにはまた金利差が一定でなければいけないというようながんじがらめの状況になっていると。
 これは私だけじゃなくて何人かの学者の方も指摘されていますけれども、こういう日米の資金循環の関係でいつまでもこの低金利から抜け出せないという面があると私は思っているんですけれども、今日はこの質問だけにしておきますけれども、また改めてやりたいと思いますが、認識だけお聞きしたいと思います。

○国務大臣(竹中平蔵君) 日本、アメリカ、更にヨーロッパ、アジアも加えた金利の連動性というのは、やはり現実問題としては大変重要な問題になっていると思います。
 ただし、こうした議論をする場合にやはり基本に注意しなければいけないのは、それは名目金利なのか実質金利なのかということ。理論的には、やはり実質金利に対して感応的であるというふうに考えなければいけないわけで、名目金利だけで議論できないという面があると思います。
 もう一つは、為替レートの予想変化率がどれだけだと。どんなに、例えば、一部の国で為替レートが大変、名目金利が大変高い国がありますけれども、そこの国の国債ないしは社債を我々必ずしも買おうとしない。それは、為替レートが低下するだろうという予測がその裏にあるからであって、その為替レートの変化率と一体化して動いているわけでありますから、必ずしも単純に、名目金利が連動しているとかいないとかということは言えないと思っております。
 しかし、あえて言えば、そうしたことを含めて言っても、これは、金利というのはだんだん連動するようになってきた。これはもう、一九八五年、もう大分前に、十八年前ですけれども、円・ドル委員会というのが作られた中でこうしたことが問題になって、そのとき既に、フランケルとかそういう人たちがかなりそういった意味での、マーケットというのは、これはもうオープンマーケットであって、そういった意味での金利との連動性というのは、日本の場合はもう既に非常に高くなっているんだ、その意味では海外とつながっているんだということが、もう十数年前、十八年ぐらい前から議論がなされていたと思っております。
 その意味でいいますと、本当にオープンなマーケットになってくると、どこまで金融主権があるのかということも含めて、私は、日本銀行はそれまで含めて今大変悩んでおられるというふうに思います。日本だけで金利が決められない、簡単には決められないような状況も出現し得る。そうした中で現実の金利は動いておりますから、結果的にはやはりそこはかなり連動して動く、そう見るのが自然であるというふうになってきているんだと思います。

○大門実紀史君 この議論は今日はもうこれ以上やりませんけれども、いろいろ言われたのは、カントリーリスクの中に含まれた上でこういう写真金利の状況になっているということと、オープンマーケットだからこそ、どうしてこんな異常に写真金利になるのかというところを申し上げたかったわけです。
 今日申し上げたいのは、先ほどから申し上げているのは、例えばそういう生保が、予定利率引下げを採用した生保がそこに至った責任はどこにあるのかということで、契約者にはない、当該生保にはもちろんある、行政にも私はあるということを今指摘して、さらに、金融政策そのものにもあると。これは一般的な話じゃなくて、いろんな要因があって、国内の刺激には余り役に立たなかったけれども、円高対策と不良債権処理と、もう一つはアメリカとの関係で起きていますよと。そういうことで、こんなことでこんなことになって、一定の人たちがもらえると思ったものがもらえないという事態になっているというふうな全体像を申し上げたかったわけです。
 ですから、それぞれに責任があるというふうに思うんですけれども、それでは、今回の法改正で結局だれが得をするのか、だれが恩恵を受けるのかということなんですけれども、だれだと思いますか。

○国務大臣(竹中平蔵君) これは基本的には、保険契約者を保護して、それによってシステム全体もメリットを受けるようにしようということでありますから、一義的には、このままでいけばどういうことが起こりかねないか、それを踏まえて考えるならば、保険契約者の利益になるためにこういうスキームを準備しておく方がよいのではないかというふうに考えておりますので、私は、第一義的には、これは保険契約者のためになるものである、もってシステム全体の安定にも資するものであるというふうに思っております。

○大門実紀史君 第一義的に契約者保護ということですけれども、要するに、破綻するよりはましという意味ですか。

○国務大臣(竹中平蔵君) このまま放置して、もちろんその間に経営努力等々も行われますから、破綻するかどうかということが今の時点で先見的に予見されるわけではありませんが、万が一にもこの逆ざやという構造問題等によって破綻することになった場合には、結果的にはやはり一番保険契約者に被害が及ぶ。先ほどから申し上げているように、責任準備金の問題でありますとかその後の予定利率のことも考えますと、今回のようなスキームを準備しておくことが結果的には保険契約者のメリットになるというふうに判断をしているわけです。

○大門実紀史君 ここはもう今回の法案のポイントだと思うんですけれども、それで、先ほど最初に、竹中大臣のロジックというのは余りお使いにならない方がいいですよという指摘をしたんですけれども、これは、契約者の人にすれば、そういう自分のところが入っている生命保険会社が予定利率を引き下げるこのスキームを使う、それでそうなりましたというときに、これは本当にキツネにつままれたような話で、本当なのかと思いますよね。
 例えば、それで破綻を回避してその会社が生き残っていって、また業績を上げてとなったら、ますます、あのとき本当に破綻し掛けていたのかと。あのとき下げられたわけですよね、自分は下げられたと。本当にそうだったのかと。こういうことを想像して、全体として何かキツネにつままれたような、だまされたような気分でのまざるを得ないという仕組みになっているんですよね。だから私、こういうふうな言い方で法案を作るべきではないということを、国が、政府がこういうふうな物言いで法案なんか作るべきじゃないというふうに私思うんです。
 これは、資本主義のルールとかそういう問題じゃなくて、社会的な常識、人間の歴史の社会の契約の常識、こういうものに、これは資本主義以前ですよ。封建制度のときから比べて、比較しても元々の人間の社会契約のことに反していると私は思うんです。何々よりまし、ある可能性があるから、ある恐ろしいことがあるかもしれないから、それよりましだからこれをのんでくれと、これは普通通用しないんです。これをもし、真摯に、本当にそういう場合として提案して合意を得る、条件変更をお互い合意するという場合は、私、幾つかの条件が必ず一般社会に、人間の社会にあるわけですよね。
 一つは、ほんまなのかと、ほんまかいなと、情報開示ですよね。まず、だれが見てもこのまま行ったら破綻する可能性がある、本当に危ないと。じゃ、みんなで何とかしなきゃと、こうなりますよね。情報は開示されなきゃいけないと。これは、これも議論がありましたけれども、これはあくまで個別契約ですから、契約の形は。個々人に、どこまで契約者にその情報が開示されるか、理解されるかと、この難しさがあるわけです、そもそも。幾ら努力してもあるわけだし、本当に徹底的にしなきゃいけないわけですけれども、まず情報開示ですよね。
 二つ目には、先ほど話ありました、普通の銀行から借りている中小企業のおやじさん等の話がありました。ところが、今回もしそういうことであったとすれば、個別に契約を破棄できると、選べると、自由選択度がなければいけないわけです。解約すると、その代わり損害賠償してくれと、さっき言った行政訴訟ですね。損害賠償する権利も与えられなきゃいけないということになります。だから、選択権がなきゃいけないわけですね、通常ですと。そのスキーム、私は乗りませんと、合意しませんと。
 例えば、会社が倒産するかもしれないと。社長が従業員集めて、今までの給料だと倒産してしまうと。そうしたら社長は経営内容全部見せて、みんなしばらくこの給料でやってくれないかと。それでも私は辞めますと、そんな給料だったら辞めますと、退職金もらって辞めますという人も出れば、じゃその給料で頑張っていこうと、選択権があるわけですよね。情報が開示された上で選択権があると。これは普通の常識です、資本主義とかその以前です、当たり前の常識です。
 もう一つは、仮にそういうことで合意をして予定利率の引下げのんだと、分かったとした場合、将来良くなったら今被った損害をきちっと、全部返せるかどうか分からないけれどもちゃんと返すということがあって、これぐらいの条件がそろって初めて成り立つんですね、普通の社会では、こういう話というのは。
 これはどうですか、こういう条件はそろっていますか、この法案というのは。

○政府参考人(藤原隆君) お答え申し上げます。
 今、先生から御指摘がありました三点でございますが、今回の法律の仕組みでは、保険会社が予定利率の引下げを行わなければならない場合は、その理由、それから将来の見通し等々につきまして、契約変更を要する契約者に対しましてそれを説明することを法律上義務付けております。
 それから、自由選択権と申しましたが、解約の自由はこれは保証されているわけでございまして、そこはこの法律上きちっと手当てしております。
 それからまた、将来良くなったらという話でございますが、それにつきましても、仮に将来景気等が好転しまして金利水準が上昇した場合、予定利率引下げの対象になった保険契約者に対しましてその利益を還元することについて、その適否も含めまして様々な考え方があるところでございますけれども、個社の状況に応じまして適切に対応されることになっております。
 もし適切に対応するということになりましたら、そういう条件を付けるということになりましたら、株主総会とかの招集通知あるいは保険契約者の通知におきましてその内容を示すことを義務付けておりますし、もしそこで決まりましたら、その方針を定款に記載するということでございます。この定款変更につきましては行政の許可が必要ということになっております。

○大門実紀史君 そういうことを答えられるのを分かった上で質問しているわけで、それがそうならないじゃないか、個々には不十分じゃないかと、あるいはすぐ解約できないじゃないかと、将来のことだってそれは個別に自主的に決めることで、このスキームの中に入っていないじゃないかというさんざん議論があった上で私質問しておりますので、結局、社会的な常識の問題、そういうものさえクリアしていなくて、かなり契約者の方には自由度がないといいますか、ない仕組みになっているということです。
 もう一つ、時間の関係で、契約者の不利益の問題ですけれども、今予定利率が引き下げられた場合、保険契約者がよく契約した生保からお金を借りている場合があります。先に借りている場合があります。その貸付けの金利というのはどうなるんでしょうか。予定利率を引き下げた生保会社が貸している金利というのはどうなるんですか。

○政府参考人(藤原隆君) 保険会社から契約者への貸付けの金利でございますが、それは基本的に予定利率に連動しておりまして、もし予定利率が引き下げられましたらそれも引き下げられることになります。
 ただ、そういうことも含めまして、基本的に今回のスキームとしましては、それも自治手続の中でそういうものもどういうふうに決めていくかというのを決めていただくということになっております。

○大門実紀史君 それはあれですか、どこかに明確になっているんですか。予定利率が下げられたら貸付けの方の金利も下がるというのは、どこかに書いてありますか。

○政府参考人(藤原隆君) そういう仕組みは事業報告書の中に書かれております。

○大門実紀史君 それでしたら結構です。私の方に、ある生命保険会社に聞いたら、それは別ですと、下げられませんという相談といいますか、相談が来ていますので、間違いないですね、それはね。

○政府参考人(藤原隆君) 先ほど申し上げましたように、基本的に今回の予定利率引下げのスキームに係る場合につきましては、その自治的な手続の中でそれも決めていただくということでございます。

○大門実紀史君 そうしたら、次のといいますか、だれが得するのかということでいきますと、契約者は、私は、破綻したよりましというのは、ほとんどそんなに根拠はないと思っておりますので、じゃ、当該生命保険会社はこのスキームを使うことによってどういう恩恵がありますか。

○政府参考人(藤原隆君) もちろん第一義的には保険契約者がメリットを受けるわけでございますが、その保険集団を構成しておりましてそれを運営しております保険会社も、その保険集団が維持でき会社が維持できるということは、ひいては保険契約者のみならず保険会社のメリットにもなるというふうに思っております。

○大門実紀史君 昨日、総代会が一斉に開かれて、その前には「エコノミスト」が主要生保十社にアンケートを取っておりますけれども、大体このスキーム、予定利率引下げ法案、施行されたら利用するかというので、みんなノーと言っていますね。昨日の総代会でも経営側は、うちは使いませんと、頑張りますと言っています。
 ただ、さっきの話に戻るんですが、これはこういうことを言っている生保以外もありますし、はっきりと言っていない生保もありますし、特定のところが想定されるとしたらもうこんな議論しても仕方がないと私も思うわけですけれども、大臣はどこかの答弁で、これは選択肢の一つとして業界も評価していると言われていましたが、どういう意味でしょう、その選択肢の一つというのは。

○国務大臣(竹中平蔵君) この予定利率問題に関する、各社ですね、これ今は株主総会の中でのやり取りを今委員御紹介くださいましたが、我々、少し前の時点で、決算発表時における記者会見での各社の回答をちょっと取りまとめておりますんですが、制度の存在は否定するものではない、制度として否定するものではない、制度としてはあってよいものだということを多くの会社が答えておられます。これは正に、これ使うかどうかは正に経営の選択肢でありますから、しかし、厳然として存在しているこの逆ざや問題に関して、そうした一つの対応手段として持っておく、整備されていくことには意味があるというふうに多くの方が、会社が現実には判断をしておられるということだと思います。
 委員、一点、ちょっと一点だけ是非申し上げさせていただきたいんですが、先ほどから、こうなったよりましだとか、こうなるよりは今回の方、スキームの方がまだ消費者にとってはましだとか、そういう議論の仕方はおかしいのではないかという御指摘を何度かいただいているんですが、私はそこは是非御理解をいただきたいと思うんです。
 これは、政策の問題を議論するとき、必ず機会費用とか機会損失とか機会利益とかいう議論が出てまいります。ちょっと余り良い例ではないので大変恐縮なんですが、私は若い人たちに、勉強するときに、あなたが大学で今勉強していると、勉強するにはコストが掛かるだろうと、そのコストというのは下宿代や本代だけではないんだと、実はあなたが本来勉強しないで働いていたらどれだけ所得を稼いでいただろうかと、それも実はその機会的な費用損失として考えなければいけないんだと。そういう議論が私はやっぱり政策には非常に必要なんだと思います。
 これ、どうしても我々生活者の感覚から言いますと、目の前で払っているもの、ないしは目の前で急に受け取れないものが一つの費用だというふうに考えがちでありますが、本来得べき利益とか本来だったら持っていたかもしれない損失、正に機会、オポチュニティーですね、機会損失、機会利益というふうなのを考えてやはりその政策を立てていくのが、これはやっぱり我々にとっては大変重要な任務でありまして、その点は御理解を賜りたいと思います。

○大門実紀史君 質問を忘れてしまいましたけれども。いや、ちょっとそれに一言反論したくて。
 要するに、申し上げたいのはこういうことだと思うんです。大臣、学者ですから、非常に精緻な一つのモデルの中で考えれば成り立つと、これよりはこれの方がましと。私が申し上げているのは、政治の世界、政策のぶつかり合いですから、違う政策を取れば全然違う論立てがあると。ところが、政府の場合は、そういう提案する方ですし、国民に提案する方ですから、そこでそういうのを使うと非常に全体主義的な、本当にこれしかないと、その中で比べて選択させると。これは昔そういう全体主義的な政治家がやってきたことですよね。これよりましだからのめ、これよりましだからのめと、あるいは不安をかき立てると。これはもう、一つの政治の、悪い政治の一つの手法でしたから申し上げているわけで、政党と政党の政策のぶつかりだったら、違うロジックもある中で、そうなると全然組立てが違いますから、そういう一つのモデルの中と違いますので、それで申し上げているわけです。
 生保業界としては、最後に、質問残りましたので、また次回がありますので次回聞きますけれども、最後に、生保業界としてはどういうメリットがあると思われていますか。

○国務大臣(竹中平蔵君) 業界ということでありますけれども、先ほどからも御議論いただきましたように、公的な保険ではなくて私的な保険が果たすべき役割は本当に大きいと。一番重要なのは、この制度そのものが持続可能であると、持続可能性があるということだと思います。それが結局、いろいろ御議論いただいている安心につながるんだと思っております。
 今回御議論いただいているのは、その意味では非常に特例的な状況を想定したものではありますが、結局、それによって保険加入者が長い目で見て最悪の事態は免れる、そうした中で、保険契約者にとってもメリットがあって、それがシステム全体を安定させて業界全体の発展につながっていく一つの基礎になってほしいというふうに我々は思っているわけであります。

○大門実紀史君 終わります。
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