● ● ● ● 大門みきし Daimon Mikishi  ● ● ● ●


■156-参-財政金融委員会-19号 平成15年07月10日
○大門実紀史君 今の議論聞いていて、結論は理事会でということは分かりましたけれども、一つだけ是非、高木長官来られておりますので、質問する予定じゃなかったんですけれども、今出ませんでしたので、一つだけお聞きしたいんですが。
 大塚委員が出された資料の三ページのところで、今回の予定利率引下げの関係でやり取りがあるんですけれども、読みませんけれども、要するに、予定利率引下げ、議員立法でやってはどうかとか、あるいは町内会方式、予定利率三%以上の契約者だけ手を挙げてもらって云々だとか、あるいは相手方の森副社長が、契約者から一人ずつオーケー取るのは大変な作業で時間が掛かるとか、議員立法でやればいいとか、これは本当かどうかまだ分かりませんけれども、高木局長が、A生命が倒れたらできるかもしれないけれども、その前には無理だとか、非常に今回のこの法案にかかわるやり取りがあるんですけれども、これは事実なんですか。

○政府参考人(高木祥吉君) 具体的な発言については、正直申し上げて定かに記憶しているわけではないんです。このときに、予定利率の一斉引下げといいますか、そういうことが議論になりましたので、それが、憲法上の問題もあってそれは難しいという議論をるるした記憶はございます。

○大門実紀史君 分かりました。私、高木さん結構でございますので。
 そうしたら、法案の関連で質問をさせてもらいたいと思います。
 今日、公聴会ありまして、先日、参考人質疑がありまして、その中で幾つか出たことに関連して今日は質問したいと思うんですけれども、一つは、参考人質疑のときに、今回の法案と金融審議会の関係で、審議会のメンバーがお二人いらっしゃいまして、片方は審議会として了解したんじゃないか、片方はしていないというふうなちぐはぐなやり取りもありまして、全体として、議事録も読ませてもらいましたけれども、余り十分な審議と審議会そのものでの合意というのがどうもあったようには読み取れないんですけれども、今回の法案と審議会の関係といいますか、どういうふうにとらえておられるか、まずお聞きしたいと思います。

○政府参考人(藤原隆君) お答え申し上げます。
 金融審議会におきましては、予定利率の問題も含めまして、一昨年、平成十三年に御議論いただきました。それで中間報告等を取りまとめていただいたところでございますが、その後、与党における議論の状況等も踏まえまして、先般、五月十二日に第二部会を開催させていただきまして、更に御議論をしていただきました。
 当会合におきましては、事務局の方から、金融審の中間報告に対する行政等の対応状況、それから生命保険を取り巻く環境の変化、さらには予定利率引下げに係る議論の状況ということについて説明した後、予定利率の引下げ問題につきまして非常に幅広い観点から御議論がなされたところでございます。
 いずれにいたしましても、当日の会合におきましては、行政として作業を進めることにつきましては御了解をいただいたというふうに承知いたしております。

○大門実紀史君 ちょっと確認ですけれども、議事録には、行政がそれなりに対応するのは皆さんの責任でどうぞというふうな終わりになっておりまして、部会長もそういうふうなことを答えられているんですが、私が申し上げたのは、金融審議会としての総意まで行かないかも分かりませんが、十分な審議と合意といいますか、審議尽くした上でみんなが、みんながといいますか、意見の違う人はあったとしても、これは一つの方向だというふうな合意が得られたかどうかを聞いているんですけれども。

○政府参考人(藤原隆君) 当日の御議論では様々な御議論ございました。例えば、具体的に申し上げますと、例えば、生命保険をめぐる環境に関しまして、二年前より経営環境が悪化している、経営の選択肢を増やすことに意味があるんではないかというような意見がある一方、また、予定利率の引下げが有効な選択肢となり得るのかというような御疑問もございました。また、更生手続の関係で、予定利率の引下げが保険契約者にとって本当に利益になるのかというような御意見がある一方、実際の破綻処理のコストを見れば、予定利率の引下げにより早期に処理した方が利益があるのではないかというような御意見もございました。いずれにいたしましても、保険契約者にとって利益をよく理解できるような説明が必要ではないかというような御意見もございました。
 そういうようなもろもろの御意見を踏まえまして、堀内部会長の方から、事務局と私で検討させていただいて、予定利率の引下げというものを一つの選択肢として認めていくような準備を進めることをお認めいただきたいということでおまとめいただいたというふうに承知いたしております。

○大門実紀史君 ありがとうございます。私、そういうことだと思うんですね。
 委員の方は、まだまだ審議する必要がある、いろんな点がはっきりしていない、過去の審議した経過で残っていることが一杯あるというふうなことはお聞きになった上で、事務局という言い方、中でしておりますけれども、政府として対応させてもらいますというような終わりになっていますので、審議会は十分その合意は得られたというふうにはこの前の参考人質疑を聞いていても思わなかったわけですけれども。
 具体的に、これ大事なことなので、今後の金融審の在り方にもかかわりますので、ちょっと経過たどってひとつちょっとお聞きしたいんですけれども、二〇〇一年九月二十一日の金融審の金融分科会第二部会で、「生命保険をめぐる諸問題への対応 今後の進め方」というのがありますけれども、ここでは、この制度は、国民・保険契約者の理解の上、社会的な認知が十分に得られてこそ初めてその導入がかなうものであり、加えて、生命保険会社においてあらゆる経営努力が払われた上で用いられるべきものであって、これらの点については中間報告でも述べているところであると。このような留意点及び上述の意見募集結果、これは反対が多かったわけですけれども、これを踏まえれば、現時点では、制度導入の前提となる環境が整っていないと判断せざるを得ず、まず先に取り組むべき多くの事項が存在していると考えられるということで、要するに二年前のこの金融審では、これについてはいったんお蔵入りといいますか、決めたわけなんですけれども、それが復活した経過、先ほど言われました五月につながるわけですが、復活した経過というのはどういうことでしょうか。

○政府参考人(藤原隆君) お答え申し上げます。
 先生御指摘のように、平成十三年の六月に中間報告が出され、さらに九月には、「生命保険をめぐる諸問題への対応 今後の進め方」というのが取りまとめられたところでございます。これらの中間報告等におきまして、御指摘のように、国民・保険契約者の理解の上、社会的な認知が十分得られてこそ初めてその導入が可能となるというふうにされたところでございます。
 その後、保険会社や行政当局におきまして、中間報告に盛り込まれました多くの事項につきまして対応を図ってまいりました。それからさらに、生命保険を取り巻く環境が一層悪化したことを踏まえまして、昨年来、金融庁といたしましては、予定利率の問題について幅広く検討いたしてきたところでございます。
 こうした中で、先ほど申し上げましたように、五月十二日に金融審議会の第二部会を開催いたしまして、予定利率の問題について更に御議論をいただいたところでございます。繰り返しになりますが、当日の会合におきましては、非常に幅広い観点から様々な御意見があったところでございますが、行政として作業を進めることについては了とされたものでございます。
 いずれにいたしましても、国会審議等を通じまして、さらに国民・保険契約者の理解を得ていきたいと存じております。

○大門実紀史君 二〇〇一年の六月二十六日の金融審議会のワーキンググループ報告というのがありまして、これは、三利源分析、将来収支分析等を含めた経営状況の詳細について明確にされる必要があるというふうな中身ですけれども、そういうことが今回、参考人質疑の中でも、本当にそういうものがきちっとされる保証がどうなのかという疑問がまだまだ残っているというのを金融審のメンバーの方がおっしゃっておりました。
 これは指摘しておきたいと思いますし、もう一つは、去年六月ですか、の金融分科会第二部会で、山下ワーキンググループというのがあるんですか、山下さんが座長になっている、あるわけですね。契約変更するというなら、ここのところでいろいろ出されると思うんですけれども、最低どれだけのことをしなければいけないというふうに説明されているか、局長の方から紹介していただけますか、山下さんのワーキンググループ報告で。

○政府参考人(藤原隆君) 先生、今、去年の六月とおっしゃいましたが、恐らく一昨年の六月の中間報告のことだと思いますが、正しく山下先生、参考人としても出ていただきまして、今回、御意見を述べていただいたところでございますが、ディスクロージャーにつきましては、当然のことながら、できる限り行政としても、あるいは審議会としても、進めていくべきということ、基本的なスタンスには変わりございませんが、今回の法案におきましては、そういうディスクロージャーの面につきましても、できるだけ契約者等に示す、あるいは総代会等に示す中で、自治的な判断の中でできる限りの開示を求めていくというようなスタンスで臨んでおるところでございます。

○大門実紀史君 私、こちらから言いますけれども、大事なことがここで報告されておりますので、要するに、最低限どれだけのぎりぎりのところが必要かという基本イメージということで、一枚のペーパーが配られて、今度の資料にも入っていると思うんですけれども。ごめんなさい、そうなんです、二年前の六月ですね。基本イメージというところがございまして、契約者集会による議決、これはもう最低限クリアすべきだというふうにこのときにはなっているわけですね。
 これは今回、そうはならないでというふうになったわけですが、これはどうしてそうなったんですか。これはやっぱり最低限守るというふうな金融審のぎりぎりの報告、検討内容だったんじゃないんですか。

○政府参考人(藤原隆君) お答え申し上げます。
 参考人としての山下先生もおっしゃっていたと思いますが、契約者集会というのは、理想的に言えば、保険契約者から意見を求めるために契約者集会を開催するのは理想的でございますが、他方で、極めて多数に上る保険契約者集団における意思決定手続として実際問題にはなかなか有効に機能しないというところは当時から言われておりましたところでもありますし、また山下先生がこの前お述べになったところでもあると思っております。
 今回の法案につきましては、そういう前回の中間報告におきます、何といいますか、ワークしないような部分、そういうものにつきまして、保険契約者数が膨大であることや保険の団体性にかんがみまして、保険契約者の権利の保護手続については異議申立て手続の活用を図ることということにいたしておるところでございます。

○大門実紀史君 私は、金融審の皆さんは、大変契約者の権利という問題もきちっと議論されて、これは最低限法的に見ても必要だということで、提案といいますか、手続として最低限守るべきこととして出されたというふうに思うんです。
 それがただ、ワーカブルじゃない、ワーキングしないからといって簡単に変えていいのかなと。ここはやっぱり基本的な問題で、今日の公述人の方とも、若干意見聞いたんですけれども、要するに、ワークすりゃいいんだ、ワークしなければ意味がないと。これは作りたい側はそうでしょうけれども、そのために何がないがしろにされるか、何が犠牲になるかと。ないがしろにしちゃいけないこととして、契約者の最低限の権利を保障するという場として契約者集会というのがここに提案されたと思うんですよね。
 ですから、ちょっと大臣にお伺いしたいんですけれども、これはもう基本問題で何度も似たような議論はあるわけですけれども、ワーカブルでなきゃいけないから、ワークしなきゃいけないからといって、なおざりにしていいこと、ないがしろにしていいことと、しちゃいけないということがあって、これがいわゆる財産権の侵害に当たらないように当たらないようにと考えてきた中で、最低限守るべきことの一つとしてさっき言った契約者集会というのが位置付けられたと思うんですが、そのワークすることが大事じゃなくて、やっぱり憲法上の権利とか、最低限それを保障するというところをやっぱり大事にすべきなのに、ワークしなければということで、ここにやっぱり飛躍があったと私、基本問題として思うんですが、大臣としていかがお考えですか。

○国務大臣(竹中平蔵君) 大門委員の御指摘は、我々の社会のルールとして守るべき基本のところと、しかし、これは現実社会でありますから、その実利といいますか、いわゆるフィージビリティーをどのように調整していくかと、大変多くの政策問題で重要なポイントだと思います。とりわけ今回の予定利率変更に関してはその点が大変重要なポイントであるという御指摘も非常に理解できるところであると思っております。
 しかしながら、これは保険というのはかなり特殊な性格も有しております。いわゆる集団性があって、保険集団があって初めて保険が成り立つ、どんなに立派な制度でも一人では保険は成り立たないというのが保険の原則だと思います。その意味では、集団をまとめていくというための工夫も一方で行っていくことが、実はこれは保険という原理原則を守ることにもなるのではないかと考えます。
 そういう観点から見ますと、保険業法の中には、例えば、様々な場合に、合併とかでありますけれども、そういう場合にやはり同様の手続が定められている。これについても同じような観点、財産権を厳密に言うと、やはり全員の合意を取らなきゃいけないとかいう問題があると思うんですが、保険集団を維持するというこの業種、業界の特殊性にかんがみて今日のような異議申立ての制度が既にある、その制度をやはり活用させていただくのが今回の趣旨、つまり原則を守るということとフィージビリティーを高めるということにやはり反するのではないのか。
 集団あっての保険というその性格にかんがみて、我々も今回、御承知のようなスキームを用意させていただいたわけでございます。

○大門実紀史君 おとといですか、参考人質疑のときに、契約者集会というのは何万人もいて現実的ではない、それにこだわっているとこれはもう作れないというところで、総代会ですか、になったということなんですが、例えば、参考人の方言われていましたけれども、株主総会やっているじゃないか、株主何万人いたって株主総会やっているじゃないかというふうに、もう少し意思を尊重するやり方というのが考えられると思うんですけれども、それは検討の余地はもうないんですか。この形しかないということなんでしょうか。

○政府参考人(藤原隆君) お答え申し上げます。
 保険契約者の意思決定、自治的な意思決定手続と申しますのは、契約者集会が理想的であることは先生御指摘のとおりでございますけれども、他方、先ほどから申し上げていますように、極めて多数に上る保険契約者を一堂に集めるとか、そういう手続というのは極めて現実的ではないということから、現在、私どもはそれを総代会という機能で意思決定の機能を代替するということにいたしております。ただ、保険契約者保護につきましては、当然のことながら異議申立てということを今考えております。
 先生、今、それでは株式会社においては、何といいますか、株主総会でやっているではないかということでございますが、御案内のように、株主総会といいますか株式会社の場合は、一人一票ということではございませんで、株数に応じまして、それが過半数あるいは三分の二というようなことでやっておりますので、これは、何百万人という一人一人の保険契約者ということと比べますと、かなり極めて数千人規模で非常に大きな、一番大きな会社でも、数千人規模の方々が集まってやれる、あるいは委任状とか何かでできるというようなことになっておりまして、そこはちょっと一概に一人一票という制約のある相互会社と株式会社の違いがあろうかと思っております。

○大門実紀史君 私ももちろんそれはよく分かっているんですけれども、総代会でなければいけないんだろうか、ほかの方法はないんだろうかというふうな点で申し上げているわけですが。
 もう一つ、これは参考人の方から出たわけじゃありませんが、今回、法案ですけれども、例えば解約権の制限ですけれども、これは予定利率引下げの対象者、予定利率が引き下げられる契約者だけではありませんよね、全契約者に該当するわけですよね、ちょっと確認の意味で。

○政府参考人(藤原隆君) おっしゃるとおりでございます。

○大門実紀史君 ここにも私、非常に大きな問題が残っているというような気がするんですけれども。つまり、予定利率引下げの対象の契約者以外、その保険会社のすべての契約者が解約できなくなると、一時的に解約できなくなるわけですよね。
 そうすると、ちょっと大臣にお聞きしたいんですけれども、これは、予定利率引下げの対象じゃない契約者について、これはいろんな影響がやっぱり予定利率をその会社が引き下げると出てくると思うんですけれども、どういう影響が考えられるかと。予定利率引下げの方にもいろいろ影響が出ますけれども、そうじゃない契約者にも私いろんな影響が出てくると思うんですが、その辺は、大臣じゃなくても結構ですけれども、局長でも結構ですが、どんな影響が出ると思われますか。

○政府参考人(藤原隆君) 今、先生御指摘のように、それでは解約停止の命令は、対象はすべての者か、契約者かということでございますが、これは、一時的な混乱を防止するという意味で、当然のことながら最初はすべての契約者に対して解約の停止命令を保険会社に発するわけでございますが、ただ、現実的には、最終的に、何といいますか、予定利率の下限も定まっておりますし、そういう対象外といいますか、そういうような状況、落ち着いたところを見定めまして、そういう関係のないといいますか、そういう部分については対応が図られるのが、破綻の場合もそういう、破綻の場合は違いますが、そういう場合、そういう対応がなされるものというふうに考えております。

○大門実紀史君 ちょっとよく分からないんですが。そうじゃなくて、そういう予定利率引下げをした生保、もちろん引き下げられる対象者に影響が出るというのはもう議論されてきましたけれども、予定利率を引き下げられない、引下げにはならないけれども、その保険に加入している人たちにどんな影響が出ますかということを聞いているんですけれども。

○政府参考人(藤原隆君) 先ほどから申し上げておりますように、ろうばい的な解約が殺到しないようにすべての契約者に一時的に解約停止をしてもらうわけでございますが、ただ、現実的には、今回の引下げの対象にならない方々もかなり多うございますので、そういう方々についてはその後保険会社において適切に対応されていくというふうに考えております。
 ただ、先生御指摘のように、それでは当初にそういう引下げの対象にならない方々についても解約を停止するわけでございますから、そこは若干の間、御不便をお掛けすることになろうかと思いますが、そういうことでございますので、契約の引下げの対象となる方々よりは比較的早く対象が解除されることもありますし、またさらには、解約は停止されるわけでございますが、今回のスキームにおきましては責任準備金のカットをするわけではございませんので、それが終わりました後は速やかに、もしそれでも解約するということであれば、別にカットされるわけではありませんので、その辺の保険集団維持という観点からの御辛抱をいただきたいというふうに思っております。

○大門実紀史君 私、今この不況で生命保険を解約して取りあえず現金化する人とか中小企業の人に多いわけですけれども、今非常にそういう意味での解約も増えているときなんですけれども、その対象じゃない、予定利率引下げの対象じゃない人たちが何か月か解約できないという中では、当然、特に商売をやっている人は資金繰りで自分の生命保険を解約する人が今多いわけですよね、リストラされた人もそうですし、そういう経済状況の中なんですね。ですから、御不便を掛けることは間違いないんですよ。いろんな影響が出るのは間違いないんです。しかも、大きなところだと何万人ですから、間違いないんですよ。
 それを前提にした上で、引下げの対象外の契約者にはどういう通知だとかどういうお知らせとか行くわけですか、この予定利率引下げになった場合は。

○政府参考人(藤原隆君) 保険契約の引下げ対象者には後ほど通知が行くわけでございますが、それ以外の方々につきましては保険会社の方から公告をさせていただくということになると思います。

○大門実紀史君 だから、どういう報告をどういう形でやるんですか。

○政府参考人(藤原隆君) 今回例えば、例えばでございますが、その予定利率の引下げについて申請をしたと、例えばその時点でどこまでの申請率かよく分かりませんが、例えばそういうものについてやる予定であるというようなことであれば、それ以下の方、例えば何年以降の方については、こういう契約の方についてはそれは対象とならないというような公告を保険会社の方で適切にやるということだと思っております。

○大門実紀史君 公告をするんですか。それぞれに通知とかお知らせは一切しないんですか。

○政府参考人(藤原隆君) 通知をいたしますのは、保険契約の改定を行う方について通知することにいたしておりまして、これは法律上もちろん義務付けておるわけでございますが、それ以外については公告という方法が取られると思っております。

○大門実紀史君 そうすると、例えば店頭に張り出すとか、何かそんな形なんですか。

○政府参考人(藤原隆君) ちょっとまだ具体的にあれですけれども、恐らく新聞とかそういうものを通じて公告するということになると思います。

○大門実紀史君 私、契約者自治というんですか、何自治と言いましたかね、そういう考え方を基本的にきちっとするならば、予定利率引下げ以外の、引き下げられない契約者にも、その生保についてこれから、何度も指摘されているように不安が広がるわけですし、いろんな点でいくと、予定利率引下げの人だけじゃなくて、それ以外の契約者にもきちっと、今回うちの生保は予定利率の引下げを行います、皆さん方は対象じゃありませんけれどもというようなお知らせぐらいするのは、きちっとするのは、自治とかなんとかというんだったら当たり前のことだと思いますが、何も知らせないんですか。そんなの見なきゃ分からないだけじゃないですか。

○政府参考人(藤原隆君) 法律上義務付けておりますのは、保険契約の改定をする方には必ず通知をしろということを義務付けております。それ以外につきましては、保険会社の判断として通知されるということについては、私ども別にやっちゃいかぬということではございませんし、それをやった方が丁寧だと思いますが、いずれにせよ、保険契約の変更となる方々については通知を義務付けております。それ以外については通知若しくは公告ということだと思っております。そこは保険会社の個々の判断だというふうに思っております。

○大門実紀史君 これは私、もしそういう生保が現れて予定利率引下げということをやるとなった場合、これは大変なことだと思うんですよ、ほかの契約者の方も。ほかの、自分も引き下げられるんじゃないかと思う人もいるでしょうし、どうなっているんだということと、その生保は大丈夫なのかというふうなことからいくと、大変な事態になると思いますよ、実際には。
 それで、実際に、あなただけが引き下げられますよという人しか通知しなくて、資料も見せなくて、ほかの契約者の人たちは、それこそ全く風評被害が広がるんじゃないですか、かえって。何らかの、同じ答弁ばかり繰り返さないで、そういうことも検討するとか、きちっとしていかなきゃいけないというような方向を持たないと、かえって心配になるんじゃないですかということを申し上げているわけですけれども。

○政府参考人(藤原隆君) 法律上義務付けるのは正しくその保険契約の変更の対象になる方でございますが、それ以外の方々にどのように周知していくかということにつきましては、個別の保険会社でいろいろ創意工夫をされると思いますが、少なくとも公告はしていただくと。これも破綻のときは公告だけでございますけれども、私どもは、破綻のときの最低限の、関係ない方に関しても公告はしていただくと。それ以外の方についてどういう対応をされるか、それは正に個別の保険会社がどういうふうに考えてやるか、その対応だと思っております。

○大門実紀史君 もう大臣にお聞きしますけれども、実際イメージしてください、そういうところが出た場合、契約者がどういう状態になるかをイメージしてもらって。もう同じ答弁ばかりですけれどもね。私は、こういうスキームが、スキームといいますか、これが法案通った後のことを想定しますと、実際それが起きたときを想定すると、予定利率引き下げられない契約者にもかなりの不安を巻き起こすと。間違いないと思いますよね。あんな答弁でいいんですか。何らか検討していく必要あるんじゃないですか。

○国務大臣(竹中平蔵君) 委員の御懸念というか御心配はやはりよく理解できるところがあると思います。
 制度というのはある意味で比較考量でありますから、今局長が申し上げましたように、破綻のときは公告になっていると。それとの関連で、今回不利益を受ける人に対しては決して公告だけではなくて通知ということを義務付けているわけでありますけれども。これは現実的に何が起こるかと、これは一回ちょっと考えてみてくださいというふうに委員言われましたけれども、やはりその中で処理をしていくべき問題だと思います。
 例えば、この制度が割と社会全般に広く理解されていて、予定利回りないしは契約したのが何年以前の人は関係ないんだよということが例えばですけれども広く知れ渡っているような状況であれば、これは特段の混乱は生じないのかなと思います。ところが、この制度そのものがほとんど認知されていなくて、本当に委員御指摘のように心配されるときに何が起こるか分からないというようなときには、やはりもっと念入りの一人一人に対応が必要な場合も出てまいるでありましょうし、この点についてはこのプロセス全体を金融庁がしっかりと見るという仕組みになっておりますので、やはりケース・バイ・ケースでしっかりとした指導はしていかなければいけないと思います。
 御懸念のような問題が生じないように、我々としては万全を期したいと思います。

○大門実紀史君 私は、今の局長の答弁に現れているように、契約者自治だとか契約者保護だとかいろいろ言いながら、余り契約者の立場に立っていないと、そもそも。だから、そういうところが、非常に考えもしていないというふうに、基本的な問題として、このことそのものよりも、基本的なスタンスがそういうところにあるから、そんなことについても通り一遍のことしか言われないようになっているというふうに思うんです。
 もう一つ、参考人質疑の中で私、気になったものですから、生命保険協会の横山さんですね、会長さんですね、が言われたんですけれども、各生保会社も逆ざやを解消するために既に努力をしていると。言われていました、健全性の確保、効率化。私、三つ目に言われた、新たな商品で収益力を向上して逆ざやの解消に努めていますと。
 これは、新商品を出してやる分には、やっている分には、これ逆ざや解消というよりも、そもそも逆ざやないわけですから、ないようにしているわけだからいいんですけれども、どういうことか、何を言っているのかなというふうに考えて一つ思い当たったことがありますので、ちょっと指摘したいと思いますけれども。
 転換というのがございます、生命保険の転換というのがございますね。これ五味さんの方になると思いますが、簡単に転換というのはどういうことか御紹介してくれますか。

○政府参考人(五味廣文君) 保険契約の転換契約と申しますのは、保険契約の保障内容など、例えば保険金額ですとか特約ですとか、こうした保険契約の保障内容などを見直すというものであります。これは、既存の契約の責任準備金などを新契約の責任準備金や保険料に充当すると、こういうものでございまして、既存契約の解約返戻金についての例えば中途解約控除というものがない、あるいは社員配当金の受領権の消滅はないというような形で、既存契約を解約してから新しい契約を結ぶという場合と違って契約者に有利な取扱いができるようになっているものであると。ただし、予定利率につきましては、転換をしますと転換時の予定利率が適用になると、こういうものでございます。

○大門実紀史君 そうなんです。予定利率の部分でいろいろトラブルが起きて今まで来たわけですね。
 私、日本銀行が金融広報中央委員会のホームページに、この転換について気を付けましょうと、気を付けなさいというのを載せているんです。
 おっしゃったように、この転換というのは、今までの入れた部分を新しい保険に、どういいますかね、責任準備金とか配当積立金、未経過保険料などを転換価格として新しい新規契約に充当するということなんですね。これはもちろん全部否定はいたしません。いろいろニーズが変わって新しい保険に切り替えていきたいという人がもちろんいらっしゃいますので、何もすべて悪いという意味じゃないんですが、これは当然予定利率が、昔契約したのをそれに充当した場合、予定利率が下がるのは間違いありませんね。それでもオーケーと、それでもそういう方がいいという方なら別に問題ないというふうに思うんですが、これは事実上、生命保険会社はこの転換を通じて、今までの保険を新保険に転換していくことを通じて予定利率を下げてきたと、現実として下げてきたということは間違いないというふうに思います。
 ここでそれが、今日の公述人の田崎さんとか言われていましたけれども、十分な説明を受けないで、これはいいよと言われて切り替えて、気が付いてみたら予定利率が知らないうちに下げられていたというふうな、説明不足のところから、あるいは強引な勧誘からこの転換によっていろんなトラブルが出てきているんだというふうに思います。
 ですから、この日銀のホームページには注意書きとして書いてあるんですね。転換にはデメリットも多いんですと、デメリットを強調して書いてくれています。要するに、最初に加入したときより年齢が高くなっているから、同じ額の保障のために払う保険料が高くなってしまうと。せっかく若いうちに入った安い保険料の権利を放棄してしまうことになるんですと。高い予定利率の保険に加入していたら、転換することで予定利率が下がりますと。何かの事情で転換後に解約すると、転換しないで解約するよりも解約返戻金がかなり少なくなってしまいますと。一般的に転換を勧められるのは保障を増やすときですけれども、大半の場合、それは賢明な方法とは言えませんというふうに、かなりきちっとした、これを踏まえて商品選択すべきであるというふうに日銀の方は警鐘をきちっとホームページで出してくれている。そういうものがこの転換ということなんですけれども。
 それで、少しお聞きしていきたいと思いますけれども、この転換をめぐっては九〇年代後半に社会問題化いたしました。マスコミでも取り上げられました。で、保険業法の施行規則が改正されたというふうに思いますけれども、この当時何が問題になって、どういうふうに改正されたのか、かいつまんで、簡潔で結構です、教えてもらえればと思います。

○政府参考人(五味廣文君) 平成十一年に保険業法施行規則などを改正をいたしまして、保険契約の転換に関する保険募集の適正化を図るということをいたしております。これは、この時期に転換契約をめぐりまして、説明が十分でないということから、実情をよく分からないまま転換契約に応じてしまったというような例があるというようなことで報道でも取り上げられ、また私どもの、当時金融監督庁でございましたけれども、保険会社に対する検査でも、そういった点について十分な説明が行われているかどうかというようなことをチェックをしていったというような、こんな経緯がございまして、平成十一年にこの保険業法の施行規則の改正が行われたということでございます。
 改正によりまして、転換契約に当たっては、契約者に対して転換前、そして転換後の保険契約に関する重要な事項を書面で説明をするということ、それから保険契約者からその書面を受領した旨の署名又は記名押印を受けること、こういったようなことを義務付けることによりまして保険契約の内容説明を十分行わせるという、こうした改正でございました。

○大門実紀史君 このときの資料を見ますと、予定利率が一番こう、予定利率という表現でかなり問題になっていたわけなんです。つまり、このときも議論があったと思うんですけれども、書面での説明義務に予定利率という言葉を入れるべきではないかという意見もかなり当時あったと思うんですけれども、結果的には予定利率のことは入らなかったんですね。
 つまり、幾ら書面で書いても分からないんですよね。それぞれ年齢に応じてちょっとニーズが変わると、これを加えたらどうですかと言われたら、それで保障が出るのかな、保障が出るんだなと思って、それだけで選んでしまうと。実は予定利率が、本当だったら高い予定利率でもらえた部分がこれぐらいになるんだよということで、予定利率というのはやっぱりきちっと入れるべきだったと私は思うんですけれども、なぜそのとき予定利率のことがこの書面の説明義務に入らなかったんでしょうか。

○政府参考人(五味廣文君) 予定利率自体は、保険金額に対応した保険料がどうなるかということを算出する際に用いられる計算基礎率というものの一つでございます。保険料と申しますのは予定利率だけで決まるわけではございませんので、この予定利率自体を直ちに説明対象として重要事項に加えるということは必要は必ずしもないのではないか。またもう一つは、予定利率というのが、預金の金利とか利回りとか、こういったようなものと同じものだというような誤解をかえって生じさせる可能性もあるということにも留意する必要があると。
 こんなようなことから、実際には、転換前後の契約で、書面で保険料というものを対比をして表示をしながら説明をすることで有利不利というのは分かるわけでございますので、そうした方法により行うということになったというふうに承知をしております。

○大門実紀史君 私、今回、この予定利率の引下げ法案との絡みでいきますと、一番なぜ減額になるのかという基本的なところはやっぱり予定利率だと思うんですよね。これを下げるということだと思うんで、いろんな商品で形変えると分かりにくくなりますんで、私は、これを機に予定利率のことをこの転換の場合は入れるべきだ、その方がもう社会的に広がっていますからはっきりすると。予定利率は下がるけれども、そのまま転換しないで継続した方がよりもらえるけれども、それよりは少なくなるけれども、これを選択するあなたのニーズがあればどうかと、はっきりさせた方がいいと思うんですよね。
 そういう点では、予定利率を入れるべきだと思いますし、先ほど申し上げたとおり、生命保険会社は今回のような法案が作られる前に既に個別に商品の転換によって予定利率を引き下げてきています。実態として引き下げてきています。その中で、納得しない、あるいは説明不足、そういう説明を受けていないという方が、知らなかったということで、今トラブルが年間四、五百件あるわけですね。
 国民生活センターに聞きましたら、ちょっと幾つか、どんなことになっているかというと、事例申し上げますと、転換というのは具体的に言うとこういうことなんですけれども、三本の保険を一本にまとめたと。これは悪質な例ですけれども、告知書を偽造されて、訂正されないで、約款ももらっていないと。死亡保険金が一千万も減額したことが後で分かったと。これは後で保険会社が解約といいますか、契約を戻したという悪質な事例ですけれども。もう一つは、六年前に契約した生命保険を転換したら、去年の秋に転換したら、当時七万円あった配当金を断りもなく新契約に組み込まれたと。これは返金を希望して、今トラブルになっています。
 もう一つ二つ言いますと、例えば大学の進学費用にということで生命保険会社の営業職員に相談して生存給付付定期保険に加入したら、三年、四年後に二回も転換が勧められて転換して、結局、定期付終身保険に変わって、子供が十八歳までに受け取れる生存給付金が百万円から五十五万円に減額されていたというふうなことで今相談が来ているとか、そういうふうな相談が、国民生活センターの件数でいきますと、二〇〇〇年が四百三十四件、二〇〇一年、二〇〇二年も大体四百件を超える相談がいまだ来ています。
 大問題になりました九九年の相談件数というのは六百四十件ぐらいだったそうです。法改正がされて、書面でいろいろ義務付けられたという話ありましたけれども、六百件の相談が四百件になったぐらいで、ほとんど実態としては、少しは改善あったんでしょうけれども、無理な勧誘がそれだけ少なくなったと、あれだけ社会的大問題になって。しかしながら、四百件もいまだ高止まりの状態で相談が来ていると。これはやっぱり生命保険会社としては、この逆ざやの中でやっぱりこの転換を勧めたいという動機が私は働いている中で、説明不足、いろんなことが起きていると思いますけれども、これはこれできちっと、これだけの相談件数が減っていないわけですから、手を打つ必要があると思いますが、いかがですか。

○政府参考人(五味廣文君) 保険契約に対する説明というのは保険の募集の中で最も重要な事項でございますし、今、規則で書面による説明などを義務付けていると申しましたけれども、説明というのは、説明することが目的ではなくて、説明してその内容を理解してもらうことが目的なわけですので、形式的な書面のやり取りだけで十分な理解を得ないまま保険契約を締結に持っていってしまうというようなことは、これはあってはならないことだと思います。
 今お話のありました苦情件数について、その内容を私もちょっと今、分析は持っておりませんけれども、保険会社の今後の検査あるいは日ごろの監督、あるいは保険契約者の方から私どもいろいろ御相談が参りましたような場合に、きめ細かい対応を保険会社との間でするように保険会社を指導する、こうしたような形で今後も、いわゆる保険募集の適正、特に、話題になっております転換に関する点も含めまして、こうした点について十分な監視を行いたいと存じます。
 また、仮に法令違反というようなことが疑われるケースがありました場合には、事実関係をしっかり調査をして、そして法令に基づいた厳正な対処をするということでやってまいりたいと存じます。

○大門実紀史君 私の方に寄せられた相談もまたそちらの方にお知らせいたしますので、こういう流れの中ですので、きちっとした対応をお願いしたいというふうに思います。
 少し、最後の残った時間、この法案の全体像について残っている疑問をお聞きしたいと思いますが、とにかく、衆参の議論、参考人質疑、今日の公述人の方々のをずっと総合しますと、だれも確信持って、今日お一人いらっしゃいましたけれども、金融庁と同じ賛成意見を言われた方がお一人いらっしゃいましたけれども、だれもそんなに確信持って、これは本当に何としても通さなきゃいけない法案だというふうな意見がほとんど聞かれないんですよね。いろいろみんな、不十分な点はあるとか、こういう点が心配だとか、そういう意見が非常に多かったというふうに思います。
 もう一つは、これ、だれのために、結局だれがメリットを受ける、だれのための法案かというのも、契約者保護になる、契約者保護契約者保護と言われてきましたけれども、それもほとんどもう、そんなものが本当なのかという意見がそういう参考人等々の方からもかなり出ていますし、確信を持って契約者保護と言える方が一人も私いなかったんじゃないかというふうに思います。
 そういう中で、今日、公述人の方で非常にリアルな話が幾つか聞けましたので、質問したいと思いますけれども、要するに、この予定利率引下げのこれを使う場合というのは、下手すると使われない可能性があると。使うならば、全生保が一斉に使うか、あるいは本当にもう危機的な、破綻前ではあるけれども危機的な状況に陥った、将来危ないじゃなくて非常に危機が迫っている、そういうところが使うと。しかも、スポンサー対策、つまり受皿ですね。そういう生保が、破綻が近いような状態で独自で三%に、あるいは三%と限っていませんけれども、予定利率を下げたからといって業績が良くなる可能性はもうほとんど見込めませんから、スポンサーが存在するだろうと、受皿が。そういう場合に限ってのみ使われるんではないかと。これは、今日の公述人の方だけじゃなくて何人か指摘されているんですけれども、私もそう思います。
 全生保がこれを一斉に使うわけはないというふうに思いますし、使われる場合というのは非常に限定されて、幾つかの、今も言われているような少し危ないところ、そういうところにスポンサーになろうと思うときに、そのままスポンサーになっても何のメリットもないという状況のときに予定利率を引き下げさせてスポンサーが受けると、これしか現実的には私考えられないような気がするんですけれども、ちょっと答えにくいかと思いますが、非常に一番濃い可能性はそうだというふうに私は思うんですが、率直にいかがでしょうか。

○国務大臣(竹中平蔵君) 委員から、非常に不十分な点がある、心配だという声が大きいという御指摘をいただきました。
 これがまだ法案の形になる前から予定利率の問題に関して私申し上げてきたつもりですが、なかなか厄介な問題で、一〇〇%満足できるような回答をなかなか用意するのは非常に難しい問題である、そういう制約があるということは申し上げてきたつもりでございますが、そういう点からいうと、やはりそれでもしかし逆ざや問題は厳然として存在しているわけで、何らかの選択肢をやはり用意しておきたいというのが我々の気持ちでございます。
 そこで、実際に使われないのではないか、使われるとすればいわゆる受皿がある場合だけではないだろうかという御指摘。これも何度か御答弁をさせていただきましたが、予定利率の変更、つまり契約の変更をやる場合は、画期的なやはり会社の経営改革のビジョンと一体になったものでないと、これは全くやはり機能しないのだと私も思います。その経営改革の画期的な経営改革、どのようなものがあるかというふうに考えた場合に、これはやはり再編とか合併とか、受皿とおっしゃったのは合併というようなイメージではないかと思いますが、その可能性は当然のことながらあろうかと思います。しかし、それだけかというと、これも恐らく、経営改革で非常に画期的な経営改革を行う場合、ほかにもこれは想定はできるんだと思っております。
 そうした意味から、私自身も、合併を含む画期的な経営改革と一体となって初めてこのスキームはうまく機能するわけで、そうしたことも含めて、しかし経営選択の一つの手段として逆ざや問題に対応するために、それが結果的には契約者のためにもなるというふうに私たちは思っておりますので、このような選択肢を準備させていただいているということでございます。

○大門実紀史君 じゃ、もうお聞きすることがなくなりましたので、ちょっと総括的に意見を申し上げて、最後にコメントをもらって終わりたいと思いますが。
 私は、この法案そのものの大本にあるのは、やっぱり低金利、異常に長く続いている低金利政策。つまりこれは、低金利そのものは、いろんなマーケットの事情もあるでしょうが、政府の経済政策の私は失敗だと思いますけれども、そういうわなにはまっている中で続いていると。それが逆ざやを生んで、今ちょっと株が少し戻っていますけれども、株価の下落と一緒に非常に危機的な、危機が起こる可能性が、この秋、銀行も表裏一体ですから、銀行のことも含めて、来年の決算前に起こるかもしれないというようなことが一つ想定されて急がれていたのかなというふうに私はちょっと見ているわけなんですけれども、少し今遠のいたかも分かりませんけれども。
 そういう中で出てきた予定利率の引下げで、これは破綻前、なぜ破綻前対策なのかと、更生特例法を使わないのかというと、これはもうやっぱり契約者保護というよりも、今言った受皿、スポンサー、要するにこの法案でだれがメリットを受けるかといいますと、私は、契約者保護と言われるけれども、これは立証されていないんですね、今までの議論を通じて。どうなるか分からないと、場合によっていろいろだと、金融庁の資料は一つの資料にすぎないと。だから、それはもうどうかなるか分からないし、いずれにせよ予定利率引き下げられるわけですから、契約者保護とか契約者のメリットというのは、私、言えない法案だと思います。
 そうすると、残るのは今言ったスポンサー、受皿になる、合併相手になるところ、あるいは保護機構にお金を使わないでやるスキームですから業界負担が生じない、相手の非常に密接な銀行にとっては基金と劣後ローンが保護されると、取り崩されなくて済むと。言ってみれば、そういう政府の政策がずっと根底にあってここまで追い詰められてきて、その負担をするのは契約者だけで、メリットを受けるのは銀行と保険業界と、当該生保もそうだと思いますけれども、特に受皿と、こういうふうな、どう見ても、私一人で言っているわけではなくて、そういうふうなことが大体の姿ではないかというふうに思っています。
 その中で、いろいろ契約者保護と言われていましたけれども、憲法をクリアするために、財産権の侵害をクリアするために自治という考え方を持ち込まれていろんな手続がなされてきたけれども、さっき言ったように、契約者集会の問題一つ取っても、本当に情報公開と本人の合意とか納得とか権利とかが十分に保障されないスキームのまま出てきているというふうな、非常にいびつな、非常に筋も悪いし、たちも悪いといいますか、非常に良くない法案になっているというふうに、どう見ても、審議をすればするほど、参考人の方々の意見を聞けば聞くほど、そういう法案だということを、どう見ても私思うんですけれども、別に御答弁要らない気もしますが、一言あればいただいて終わりたいと思います。

○国務大臣(竹中平蔵君) 今の大門委員の御指摘は、先般出版された御著書のトーンとも共通するものがあろうかというふうに思いますが、低金利政策、しかし御承知のようにこれ逆ざやになったのは九四年ですから、もう八年前に実は逆ざやにその意味ではなっていると、それだけ日本の経済が低金利にせざるを得ないような構造問題をもう十年抱えてきているということだと思います。
 その意味では、これはいびつな法案という御指摘がありましたが、残念だけれども日本の経済構造そのものがこの十三年間やはりいびつというか、ゆがんだ矛盾を抱えたものになってきて、その中で幾つかのやはり工夫をしなければいけない状況に我々は追い込まれているのだというふうに思っております。
 もう一点、御指摘された破綻前になぜやるんだということでありますが、それは、委員御指摘のように、決して金融界を救うため、金融界と受皿のためではなくて、私はやはりこれまでの破綻等々見ていて、そうした風評が生じた途端に資産の劣化がすさまじく起きるという、これは恐ろしいことだと思います。この資産の劣化が破綻とかということが前面に出てきた途端に起きる。このやはり金融市場の特殊性と怖さを回避するためには、ゴーイングコンサーンのままでそうしたことを回避するような形で選択肢を残しておくということは、私はやはり政策上必要なことなのではないかというふうに思っております。
 そうした点を是非御理解賜れればと思っております。
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