● ● ● ● 大門みきし Daimon Mikishi  ● ● ● ●


■158-閉-財政金融委員会-01号 平成15年12月5日
○大門実紀史君 大門でございます。
 足利銀行での衆参の審議も取りあえず私の質問で最後でございます。大臣、お疲れでしょうけれども、自分でまいた種ですので、もう少し辛抱してもらいたいと思います。
 ただ、この問題、まだまだ解明されていない点がたくさんございまして、調査も我が党続けておりますけれども、その点で、今後の調査にかかわりますので、金融庁の対応について一点ただしておきたい点がございます。
 十二月の三日、午後ですね、我が党の、私がキャップでありましたが、我が党の調査チームが足利銀行の本店にヒアリングに伺いました。ヒアリングそのものは金融庁の窓口紹介によりセットしたものですけれども、ちょうどそのとき、金融庁もガバナンス検査ですかね、全く同じ時刻にありまして、私どもが入っていったら金融庁と間違われまして、金融庁の質問、検査用の部屋に通されたりしたんですけれども、何で私のことを金融庁の検査官と思ったかと、間違われたのかというのがありますが、それぐらい現場が混乱をしていたときです。
 そのときに、常務が対応をしてくれました。ただ、開口一番、何も話してはいけないと、何も話してはいけないと金融庁から言われておりますと言われました。
 これは、大臣、そういう指示されましたか。

○政府参考人(五味廣文君) いや、そうした指示をした覚えはございませんが、銀行ですから当然外部にお話ししてはならない情報というのはあると思いますが、指示をした覚えがございません。

○大門実紀史君 そうしたら、余り個人名を挙げたくないんですけれども、監督局の職員から朝、電話があったということですけれども。

○政府参考人(五味廣文君) 具体的にどういうコンテクストで何が言われたのかがちょっと私分かりませんので調べてみないといけないと思いますが、何も言うなという指示をするとはちょっと思えませんので、もちろん言っていけないことというのは別に大門先生が相手でなくてもあるわけでございますから、そこら辺を慎重にということだったろうと思いますが。

○大門実紀史君 時間取りたくないんで、厳重に抗議をしておきます。ほとんど何も言うなという指示を受けたということでしたし、後で経過を報告していただけますか。

○政府参考人(五味廣文君) 御報告申し上げます。

○大門実紀史君 確認のために竹中大臣に基本的に伺いますが、この国会の審議に対して、言えること言えないことあるのは十分承知しております。個別の問題いろいろあると思います。ただ、これだけの一兆円とも言われる公的資金、あるいは地元経済界がもう大変な心配をしている、たくさんの方々が大変な被害を受けている、これ大問題ですよね。全国的にも衝撃を与えている問題ですので、明らかにすべき点はきちっと明らかにしてもらう。ましてや、国会議員の調査に対して、隠ぺい工作と言うときついかも分かりませんが、余り物を言うなとか、そういうことは今後ないように、ちょっと大臣から一言、その基本姿勢、お願いしたいと思います。

○国務大臣(竹中平蔵君) 金融行政を通して法令遵守はもうその重要な基本であるということで、コンプライアンスの対応室も私と副大臣と御相談して作らせていただいております。そういうことがゆめゆめないように、金融庁の諸君はきちっと対応してくれているというふうに思っておりますが、改めてその点は徹底をさせていただきます。
 同時に、国会等において、これはもう大変私たちは重要な説明責任を負っていると思いますので、これに当たりましても、今、委員御指摘になった趣旨を踏まえてしっかりと対応させていただきます。

○大門実紀史君 では、具体的な質問入っていきますけれども、まず聞いておきたいんですけれども、この足利銀行、その体力の中身、私もいいとは思いませんが、この足利銀行が、二〇〇五年にペイオフ予定されておりますけれども、ペイオフを前にして、金融庁にとって、あるいは竹中大臣にとって、この足利銀行の今の状態での存在というのは、やはりペイオフを前にすると不安な存在ですか。

○国務大臣(竹中平蔵君) 我々としては、基本的な健全行の基準である自己資本比率を満たしているかどうかというのは当然重要な観点になります。同時に、その収益力等々を高めていただいて、自らが出している、公的資金の注入を受けたところは経営健全化計画に従ってしっかりとやっていっているかどうかというのが重要な我々の監督のポイントになります。
 ただ、いずれにしても固有の、個別の銀行についてそれがどのような存在であるかと、これは個別の銀行の話であるので、これは個別にはする立場にはないということを御理解いただけると思いますが、自己資本比率を軸に様々な指標で問題がないようにしっかりと健全化に向けて銀行を監督をしているというのが私たちの立場であります。

○大門実紀史君 足利銀行は過去に不良債権が多くていろいろありましたけれども、ずっと今努力をしている最中だと思うんですけれどもね、だったんですね。
 私が申し上げたいのは、これが例えば今が二〇〇四年の十二月で、来年ペイオフ解禁すると、実施するというふうな時点だったとしたら、金融庁として何も手を打たないで置いておかれるような存在ですかということをお聞きしているわけですけれども。

○国務大臣(竹中平蔵君) これは御理解いただけると思いますが、個別の銀行に関する仮定の質問であります、信用リスク等々に関連する問題でありますので、ちょっとこれは我々の立場としてはお答えできない問題だと思います。

○大門実紀史君 私、この足利問題、調査に入って、地元の経済界の方のお話、銀行関係者のお話聞いたんですけれども、思い出したのが、柳澤大臣のときでしたけれども、信用金庫、信用組合のあの連続破綻の問題ですね。
 あのときは、柳澤大臣は公言して、堂々とペイオフ前に体力のない地域金融機関、信金、信組は整理をすると、こう公言して、この場でもはっきり言われて、なおかつ、私どもはかなり厳しく批判いたしましたが、追い込むような検査を、全部とは言いませんが、かなりのところでやられたので、そのことを非常に思い出したんです。ペイオフとの関係がないわけがないと。
 足利銀行が、私はそもそもそういうペイオフ前に追い込むというやり方には一貫してずっと追及して批判してきましたので、金融庁のやり方がもしそうだとしても正しいと思いませんが、足利銀行はやっぱりペイオフを前にしてこのままではほっておけないというふうな姿勢が金融庁にあったんではないですか。

○国務大臣(竹中平蔵君) 柳澤大臣の御発言、ちょっと私は存じ上げませんが、ペイオフの前に追い込む、整理するというようなことは、これは柳澤大臣おっしゃっていないのではないかなというふうに思います。ちょっと今の時点では確認をできませんが、少なくとも金融庁の立場として、ペイオフを控えてどこどこを追い込むとか、これは正に事前の介入、しかも露骨な思考を持った介入でありますから、そういうことをする行政ではありません。
 私たちは、しっかりとしたガイドラインを作って自主的に頑張っていただく、その上で事後的なチェックはやらさせていただく、これはもう金融行政の一貫した方針でございます。

○大門実紀史君 質問、お答えになっていないんですが、実際、追い込むという言葉は、もうやり取りで確認されたこともありますが、ペイオフの実施の窓口開いたときには全部大丈夫だと、その前に整理をするというのは当時の金融庁長官まで言われておりますので、それは事実なんです。
 私聞いているのは、竹中大臣が今足利銀行を見てペイオフ前に何とかしなければいけないと、そういう意図がなかったのかと、金融庁がなかったのかということを聞いているんですけれども。

○国務大臣(竹中平蔵君) 私にはそういう意図はありません。

○大門実紀史君 いずれいろんなことが明らかになってくるだろうと思いますけれども、ですから今の時点で決め付けるつもりはございませんけれども、この間の経過から、どうしてもそういう体力の弱い、弱体な地域金融機関をペイオフ前に整理しようという流れではないかという疑念が私、払拭できません。というのは、しかもそのやり方が、柳澤大臣の時代に信金、信組を追い込んでいった、私どもは追い込んだと言っているわけですけれども、そのやり方と非常に調べてみると似ているんです。
 柳澤大臣のときは信金、信組をぐっともう整理するというときにかなりやった方法が二つありまして、これは何度も何度もこの委員会でも予算委員会でも私追及しましたけれども、債務者区分の引下げと不動産評価の引下げです、評価の引下げ。この二つでずっと債務超過になっている信用金庫、信用組合がばっと一遍に出てしまったというふうに思いますけれども、今回、竹中方式というのか、どう言うのか分かりませんけれども、手法は、一つは税の繰延資産の否認すると、もう一つは不動産評価で収益還元法、DCF方式を採用することによって不動産評価を下げると。竹中大臣の方がアメリカ流といいますか、スマートといいますか、はっきりすっきりしているんでしょうけれども、私、やり方は同じところがやられていると。もちろん税効果のところは柳澤大臣のときは信金、信組の場合は焦点にはなりませんでしたけれども、後で申し上げますが、不動産評価のところは非常に同じようなやり方がされていると思います。
 税の繰延べの方はもうかなり質問がありましたので、私は一点だけ、どうしても疑問が払拭できないので、今までの質疑を聞いていてですね、お尋ねしますけれども。
 要するに、金融庁は、三月期決算の検査のときには、債務超過であるにもかかわらず、税の繰延べ、二十八億だけですかね、減額はしたけれども一応認めたと。九月の中間期決算をやっていた中央青山監査法人の方は債務超過だから全額否認したと。これは同じ債務超過でも判断が違っているわけですけれども、これはもう既に質問がありました。公認会計士協会の実務指針のただし書に金融庁の場合は沿って、債務超過だけれども、税の繰延べを若干の減額で認めたと、青山の方はどういうふうに判断したかは青山の考えだろう、監査法人の考えだろうとおっしゃっています。
 五味監督局長が青山の、中央青山の監査法人の話として言われているのは、どうしてそういう判断をしたか、金融庁と違う判断をしたかと。一つは、税の繰延べを計上しても自己資本が低いと、繰延税資産の変動で債務超過となる可能性がある。もう一つは、今後の収益の一部が過大計上だということで、青山、中央青山の方は税の繰延べを否認しましたというのを、報告を受けているといいますか、聞かれているわけですね。
 ところが、それを言うなら、私、そんなに変わらないと思いますよ、足利の三月期決算。三月と九月で、半年でそんなに極端に判断が変わるほど、今言われた青山の言っている内容でしたらそんなに変化ないですよ。ないと思いますよ、ほとんど。それでこれを破綻するまでの、大きな判断を変えるというほどの変化はないと思うんですよね。
 これは、それだけの報告で金融庁はああそうですかということなんですか。

○政府参考人(佐藤隆文君) 九月期についての監査法人の考え方については私どもの所掌ではございませんけれども、三月期の検査結果において繰延税金資産をどうとらえたかということについて念のため説明をさせていただきたいと思いますが。
 この三月期の私どもの検査で対象といたしました繰延税金資産というのは、いわゆる公認会計士協会の実務指針で六十六号というのがございますけれども、これの第四号ただし書に該当するということで、そこに合理性があるということでそう判断をさせていただきました。

○大門実紀史君 ですから、それに合理性があるという理由がよく分からないんです、その程度の、三項目ぐらいでは。
 ですから、これはもう民主党からもありましたけれども、参考人として、銀行関係者はもちろんですけれども、この監査法人呼んでいただくことを、もう検討されているようですので、引き続きお願いしたいと思います。
 もう一つは、収益還元法が、現場で調査をいたしますと、今まで言われなかったのに、不動産評価で収益還元法を採用しなさいと言われたという証言があります。これは奥山会長自身も新聞でもそういうことを言われております。私たち、現場で聞いても同じことが言われました。
 つまり、そういうことも含めて三月期の金融庁の検査の結果が今までより厳しい、厳しかったと。それで債務超過になったと。それを青山が見て税の繰延べを否認したという流れになっていますから、今回の破綻に至るところでは大きな話だったと思うんですけれども、その中で取られたのがこの収益還元法の採用ということです。
 これは柳澤大臣のときの、信金、信組の破綻のときには不動産評価の掛け値を下げるというのが、そういうやり方を取られたんですね。これは私、船橋信用金庫の問題でかなり追及をしましたけれども、今度はそういう、言わば掛け値を引き下げるというのは原始的な方法といいますか、それが今度は収益還元法というアメリカ仕込みの方法で厳しくやられたです。
 それで、実際には百五十億円、収益還元法の適用によって減額されたというのもお聞きしてきました。もちろん、収益還元法というのは、ちょっと専門的になりますけれども、全部適用したのは一部かも分かりませんが、それを折衷するとか組み合わせるとか、いろんなことでいきますと、いわゆる不動産評価の方法が金融庁に言われて今度変えたと。変えた部分で百五十億減額がされています。
 この収益還元法ですけれども、これは竹中大臣が竹中プランで言われたDCFと私はほぼ同じだと思いますが、どういう認識ですか。

○政府参考人(佐藤隆文君) 収益還元法でございますけれども、これは、こういう手法でもって評価するのが妥当だというのは、例えば賃貸ビルのように将来の収益に基づいてこの当該物件の価値を量るのが妥当だということでございまして、そういうやり方でございまして、引き当てについてこの三月期から主要行について適用したDCFとはちょっと性格の異なるものだろうと思います。

○国務大臣(竹中平蔵君) 大門委員の御質問の中で、ディスカウント・キャッシュ・フローと収益還元法は非常に同じような厳しいアメリカ流のやり方だという御認識に基づいて今いろいろ御審議をいただいているようでありますが、私の認識はちょっとかなり違っておりまして、ディスカウント・キャッシュ・フローというのは、企業価値を判定するに当たって、比較的そういうものは新しく銀行の作業の中にも入ってきたものだというふうに私自身も思っております。したがって、このディスカウント・キャッシュ・フローについては、金融再生プログラム、大手銀行、主要行を対象にした中で、かつ大口の債務者に限定して今これをやってみるという形になっているわけです。
 ただし、収益還元法というのは、私も、これ、元銀行で働いていた人間の当時の経験として申し上げますが、これは担保評価としてはごく普通に銀行の中ではこれまでも、私が銀行員しておりましたのはもう三十年ぐらい前でありますが、三十年ぐらい前でも普通に、比較的普通にやっていた方法で、多分、いわゆる不動産鑑定士の手法が幾つかありますけれども、その中にごく日常的に入っているやり方であるというふうに私は認識をしております。
 したがって、ディスカウント・キャッシュ・フローと少しダブらせて、やり方は似ているんですね、それは確かに。将来の、何といいますか、利益の流れを現在価値に戻すという意味では似ているといえば似ているんですが、これは不動産の評価に関しては、これは私の認識ではごく、もうずっと以前から日常的に行われているやり方なのではないかなというふうに思っております。

○大門実紀史君 ですから、そう違わないんですよ。
 それで、実際には、もうこれは専門的な話で、聞いても面白くないから余り言いませんけれども、要するに、不動産評価方法というのは、収益還元法と原価法と取引事例比較法という三つに分類されまして、これは不動産研究所の解説ですけれども、その収益還元法の中にDCFと直接還元法という二つのやり方があると。だから、収益還元法といえばDCFと直接還元法という区分けになると、大ざっぱに言いますと。
 しかも、その直接還元法というのは、今もうDCFに、DCF法に変えようということになっていまして、もう御存じかと思って余り言わないつもりでしたけれども、国土交通省の不動産鑑定評価部会の不動産鑑定評価基準の改定骨子のポイントというのが出ているんですが、このときにもうDCF法に収益還元法の中身を、柱をDCFに移していくというふうに、これ平成十三年の十二月ですけれども、二年前にもうそうなっていて、実際の現場では、不動産鑑定士の方々の協会のホームページにも収益還元法イコールDCF法だというふうな実際の運用になってきているんです。ですから、それは今日の焦点ではないんで、つまり、収益還元法というとDCFとそんなに違わないということを私、申し上げたかっただけのことなんです。
 この収益還元法というのは、おっしゃったとおり、簡単に言いますと不動産利回りが基本で、ですから、不動産の証券化とか転売のときをひとつ想定したというのが、これは数式もそうですから、ありますから、当然、中小企業が長年そこで営業していくというような担保評価に合うのかどうかというのがずっと疑問で出されているわけです。出されているわけです。特に、足利銀行みたいに温泉街とか旅館が多いところには、そのまま当てはめると全然数字が出なくなると、収益性が出なくなるということもあるわけです。
 ところが、今回の、今まではですから積算法でやっていたものを、今回、三月の、三月分の金融庁の調査でそれを、収益還元法を採用しなさいということをやられたという意味を私申し上げているんですね。これ、実は信金、信組の破綻のときもそうでしたけれども、最後のところで不動産の掛け値を低く見ると。同じように、これを収益還元法で破綻懸念先以下を評価すると、大体、評価するとしたら破綻懸念先以下なんですね、この収益還元法というのは。なぜかというと、当たり前ですよ、破綻懸念先以下は競売とか売却の可能性が強まっていると、だから処分可能額を見積もっておく必要があると。だから、破綻懸念先以下の場合は収益還元法で評価するというのが大体やられて、やらない場合もありますけれども、やることがあるんだと思います、あったんだと思います。
 ところが今回は、それまでは破綻懸念先以下も積算法でやっていたのを、急に三月に金融庁が来て収益還元法をできるだけ使ってくれと。これは、はっきり言って、足利銀行の破綻懸念先以下を、一つはもう処分可能額を見積もるということと、もう一つは、それによって引当金がうんと積み増しされるから、これはもう足利銀行に対してもう最後の、一番最後の、追い込むと言うとまた何か言うかも分かりませんけれども、最後の、何といいますか、引導を渡す方法じゃないですか、収益還元法をわざわざ三月に適用したというのは。

○政府参考人(佐藤隆文君) 一つ是非御理解いただきたいのは、前回の検査以降、この当該足利銀行におきましては担保不動産の評価額が過大であったために引当金の不足というのが出てきておりまして、そういう場合に、引き当てが妥当であるかどうか、その前提として担保評価が妥当であるかどうかという重要な課題であったわけです。それから、銀行自身も一部の物件について収益還元法による評価を行っております。
 こういう中で、先ほど御指摘のような、小口についてこういうことをやっているということはございませんで、大口の与信先でかつ破綻懸念先以下の物件について、収益還元法を適用するのが妥当なものについてこの収益還元法による検証を行っているということでございます。その際も、この収益還元法一本やりで、とにかく議論もなしにそれを適用するというやり方はやっておりませんで、種々の方法を、複数の方法で検証する中で、収益還元法が適当なものについてはそういう結論に至ったということでございます。

○大門実紀史君 そういう個々の実務的な対応のことを聞いているんじゃないんです。なぜ今回初めて収益還元法を金融庁の方から採用してくれと、よりによってこの三月期分の決算で言ったかを問うているわけです。
 ですから、この問題はいろいろ資料がこれからも集まると思いますので引き続き追及していきたいと思いますが、流れでいきますと、私は、もうどう考えても信金、信組のあの流れに非常に似ていると、自分の経験から、ずっと調査して柳澤大臣とやってきた経験から非常に似ていると思います。ペイオフ前に体力の弱いところは何とかしなければいけないと。もう一つは、やり方として、今度は税効果会計、税の繰延べの否認という新しい手法が入りましたけれども、不動産担保評価もやっぱり厳しくしていると、それで破綻していると、破綻の一つの要因になっていると。この流れは、私、どう見てもそういうふうに思います。
 もう一つは、青山の、中央青山の監査法人がかなり足利銀行と議論になったそうです、最後の最後のところですね。そこで、だからさっき言ったいろんな言い方だと、ああ言えばこう言うでいろいろあるんですよ。最後に殺し文句で監査法人が言ったのは、これは世の流れですと、世の流れですと言ったそうです。何を世の流れと言ったのか、竹中プランの流れなのか何か分かりませんが、世の流れですと言われて足利の首脳陣はあきらめたと、二十八日の夜に覚悟を決めたということです。
 ですから、流れをたどると私はどうしてもそういう疑念が払拭できません。私、何でわざわざこんなことをやるのか、そのものが大変疑問です。竹中大臣が、リレーションシップバンキングということで、地域密着と体力、収益力両立しなさいと言われていますよね。おっしゃっていることを私何も全面的に否定しません。ただ、この景気の悪いときに、この不況のときに、地域経済がもう疲弊しているときにそれを地域の金融機関に求めるとどうなるのかということです。大臣はその狭い道を歩んでいってくれと言いますけれども、私は、この不況の中でそういうことを、こういう、何というんでしょうか、会計基準が独り歩きするようなことをずっと押し付けていくと、もう狭い道どころか、私、行き止まりになると。
 この足利銀行は、一生懸命、地元の人たちも含めてこれを支えよう支えようとやってきたわけですよ。不良債権も随分処理しました。株の減損処理も七百七十億円もやっているんですね。ずっと努力しているその経過なんですよね。これから良くなるだろうとみんな力を合わせてやってきたわけですよね。その中でこういう、それをぶった切るような、その努力をぶった切るようなことをなさったと私は思っているんです。こんなやり方でいったら、本当に地域金融全体が私は本当に行き止まりになる、狭い道なんかだれも歩んでいかないというふうに思います。
 だから、何というんですかね、この会計基準が独り歩きしている部分もありますけれども、会計基準を盾にして竹中プランが私、進んでいるというふうに非常に強く思うんです。だから、大臣は、もう会計基準どおりやっただけですと、当てはめたら破綻しちゃったと、そんな言い方ばっかりしていますけれども、これはもっと大きな流れがあるというふうに思います。
 こんな方向は私、間違いだと思いますけれども、そろそろ訂正しないと、地域経済、全国で大変なことになると思いますが、いかがですか。

○国務大臣(竹中平蔵君) まず、私のプログラム、金融再生プログラムのことだと思いますが、これは言うまでもありませんが、これは大手行に対して適用しているものであります。今回の足利銀行に関してこの金融再生プログラムは適用されておりません。それ以前からある公正な妥当な会計慣行に基づいて、これは監査法人にはしっかりとやっていただく、それ以前からある私たちが持っているセーフティーネット、必要があればそれを活用して行政を行っていく、今はそういう仕組みになっております。
 一点、そういった地元での努力は、これは当然一生懸命皆さん努力をしてこられたんだと思います。その努力をぶった切るというふうな言い方をされるんですが、ここは是非とも、この三号措置の意味というのを是非とも御理解いただきたいと思います。これは様々なやり取りの中で大変私自身残念だと思うのは、こういう言い方をされた方がいます。一号措置は天国だけれども、三号措置は地獄であると。これは違うと思います。ここはしっかりと、私たちはむしろそういった努力を後押しできるように、地域に破綻が本当の意味では起きないように三号措置を適用しているわけで、その趣旨は是非とも御理解を賜りたいと思います。

○大門実紀史君 三号措置と言われますが、大量にRCC送りになるんですよ。だって、整理しないと受皿が買うわけないじゃないですか、今の、ちょっとグレーゾーンも含めて。今までそうだったわけでしょう、みんなそうでしょう。そうやってきれいにしてこそ受皿が買って、株で上げてもうけるわけでしょう。そうじゃないと買手なんか付くわけないじゃないですか。そうでなきゃ、また瑕疵担保条項でも付けるんですか、新生銀行みたいに。だから、私が申し上げているのは、これから半年ぐらいに相当の栃木県のあるいは周辺県の中小企業がRCC送りになったり整理に追い込まれるということで、何にもそんないい展望なんかないですよ。三号措置だから何かいいことがある、待っているなんということはないですよ。
 最後にちょっと。この問題、追及の方は引き続きさせてもらいますけれども、切実な問題ですから、RCC送りになる方々というのは。
 一つは、今県で、私もこの前、商工会議所の会頭とお話ししてきましたけれども、県で再生ファンド、中小企業用の再生ファンドを作ろうという動きがあります。これはもう要望も来ているかも分かりません。私は、是非大臣も閣僚の一員として要望してもらいたいのは、政策投資銀行、政策投資銀行がこのファンドに出資をするように、中小企業に出資するといって予算取っておいて、会計検査院の報告によりますと、中小企業にほとんど貸していなかったというのが明らかになりましたけれども、あれはあれでまた追及いたしますけれども、是非政策投資銀行が全面バックアップして県が考えておられる中小企業再生ファンドに出資をするようにお願いしてもらいたいのと、私はもう一つ、中小企業再生ファンドでさえなかなか面倒見切れないような、ほっておくとそのままRCCに行ってしまうと、そういう人たちを、その中でも、景気さえ良くなればやっていけるというところについては別のもう一つスキームが必要だというふうに思っておりますけれども、当面、県が強く要望されている、今、具体的になりつつある中小企業再生ファンドに、お金がないとできませんので、政策投資銀行の出資を具体的に閣僚のメンバーとして働き掛けていただきたいということを最後にお願いして、質問を終わります。

○委員長(平野貞夫君) 答弁、いいんですか。

○大門実紀史君 一言、大臣。

○国務大臣(竹中平蔵君) いわゆる不良債権というふうに分類されている企業が即RCC送りではないということを是非我々としては強調させていただきたいと思います。国が管理して、必要な場合には資金援助をするわけでありますから、本業が良くて、しかし本業がいいにもかかわらず悪い債務を背負っているようなところに関しては、それを再生することもこの三号の中では可能になってまいります。そういう方向を我々としては是非模索したい。
 その中で、御指摘のような再生ファンド、これはどのようなものかはともかくとして、そうした地域を再生させるスキームは必要だと思っておりますので、固有名詞が挙がりました政府系金融機関は谷垣大臣の御担当ではありますが、閣内で何ができるか、これは一生懸命議論をしたいと思っております。
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