● ● ● ● 大門みきし Daimon Mikishi  ● ● ● ●


■159-参-予算委員会-3号 平成16年02月04日
○大門実紀史君 日本共産党の大門でございます。
 両大臣、お疲れのところ、よろしくお願いいたします。
 今回の補正予算の中に仕組まれている外為特会の補正に関連して、要するに円高介入資金の調達枠を七十九兆から百兆に増やすことに関連して質問をしたいというふうに思います。外為特会、円高の問題というのは少し複雑なところがございますので、是非分かりやすく御答弁もお願いしたいと思います。
〔委員長退席、理事尾辻秀久君着席〕
 まず、今の円高介入というのはアメリカの財政収支と密接に絡んでいるというふうに思いますので、財務省の方から、この間のアメリカの財政赤字の状況、加えてその主な原因について簡潔に御説明をお願いしたいと思います。

○副大臣(石井啓一君) 米国の財政は、五年ぶりに財政赤字に転落をいたしました二〇〇二年度以降、赤字を継続しておりまして、去る二日に発表されました大統領予算教書によりますと、二〇〇四年度の財政収支は五千二百七億ドルの赤字となりまして、二〇〇三年度に引き続き、二年連続で史上最高額の財政赤字を計上する見込みでございます。
 この悪化の見通しとなった原因につきましては、テロとの戦争に伴う歳出の増加、また経済の低迷、減税の影響等が挙げられているところでございます。

○大門実紀史君 ありがとうございます。
 要するに、今のアメリカの赤字の急拡大というのは、減税もありましたが、税収が落ち込む中でイラク戦争経費等の国防費が拡大したことが原因だということだと思います。今のアメリカの財政赤字というのは、OECDの統計によりますと、日本の財政赤字よりもGDPの比率では悪くなっているという大変最悪な事態を迎えていると思います。
 ただ、アメリカは、貯蓄率が低くて経常収支が赤字ですから、どうしても国債を発行してその赤字を埋めるしかないということになっているわけですが、その米国債、アメリカの国債を一番買っている国はどこなのか、あるいはその推移について御説明をお願いしたいと思います。

○政府参考人(渡辺博史君) お答え申し上げます。
 アメリカの財務省の統計によりまして、現在、どのぐらい各国が保有しているか。ただ、この各国といいますのは、それぞれの国の公的部門及び民間部門と併せたすべてのセクターが買っているものということでございますが、年末の数字で出ておりますのが二〇〇二年末が一番新しいものでございますが、日本が三千七百八十一億ドル、二番目が中国で千百八十四億ドル、それから三番目がイギリス、八百八億ドルという状況になっておるところであります。
 それから、同じ統計の中で、毎年どういう形で増減をしているかということも併せて発表されておりますが、三、四年さかのぼってみますと、その中で日本からのアメリカの国債の取得、ただこれは中期債、長期債に限られておりますが、売り買いを全部差引きしましたところでそれぞれの年の動きを申し上げますと、一九九九年におきましては二百一億ドルの買い越し、二〇〇〇年は百六億ドルの買い越し、二〇〇一年は百六十一億ドルの買い越し、二〇〇二年は三百五億ドルの買い越しになっております。それから、二〇〇三年はまだ十二月まで締めておりませんが、一月から十一月までを累計したところで申し上げますと、千二百八十三億ドルの買い越しと、そういう状況になっております。

○大門実紀史君 私、資料をお配りいたしましたけれども、私の方の資料の方が、数字が二〇〇三年の十一月末まで入れたものをお配りいたしました。各国の米国債の保有高です。
 すべての国をここに書いたわけではありませんが、日本で言えば、九九年末、これは米国債を外国が持っている分の中に占める比率ですけれども、二五・七%だったのが、去年の十一月末には三四・九%、五千二百五十五億ドルというふうに増やしております。ヨーロッパとは対照的なんですけれども。イギリスは少し減らしてまた増やしてきていますが、ドイツ、フランス、見てもらったとおり、半分以下に比率を減らしてきております。
 谷垣財務大臣にお聞きしたいんですけれども、どうして日本だけが米国債の購入をこれだけ増やしているのか、お答えをください。

○国務大臣(谷垣禎一君) 委員がお配りになりましたこの表は、アメリカの国務省、作って、財務省の資料からお作りになったんだと思いますが、この表は、国だけではなくて官民合わせてどれだけ持っているかということでございますので、民間がどうしてかということは必ずしも私どもでは把握しておりません。
 それからもう一つは、これは日本の証券会社等を通じて買ったということになりますので、日本人でも外国の証券会社を通じて買いますと、この表には出てこないとかいうようなことがございます。
 ただ、大きな趨勢はここに出ていると思いますし、それから今の委員のお問い掛けの中身は、結局国が持っているのが相当多いんじゃないかという御趣旨と解釈してお答えいたしますと、これはやはり結局国の外貨準備の中で、外貨準備で日本が持っている外貨、これは介入によって取得した外貨ということになるわけでありますが、日本の場合はほとんどがいわゆるドル買い、米ドルであるということが多いわけでございますので、どうしても米国のドル建ての資産がウエートを占めている。その中でも米国債の割合が最も大きくなっているというのは、これは事実でございます。
〔理事尾辻秀久君退席、委員長着席〕
 もっとも、どういう、外為特会がどういうのを持っているのかということは、外に発表しますといろいろな影響を与えるものですから、これは公表しないことにしておりますが、そういう円買い介入のための原資と、介入したためにこういうふうになっているという面がかなりあることは事実でございます。

○大門実紀史君 要するに、この間、円高介入相当されましたけれども、それで得たドルで米国債を政府の方は買ってこられたという結果としてこうなったということだと思います。民間の方は後でまた触れたいと思いますが。
 その数字少し申し上げますと、去年の一月から十一月の統計でいきますと、アメリカは先ほどのイラク戦争を含めて、財政赤字で国債の新規発行を六千七百億ドル、約七十六兆円ぐらいになるんでしょうか、発行しています。日本は去年で千八百億ドル、その米国債買っています。約二十兆円購入していると。今年の一月の数字で、アバウトですけれども、介入が六、七兆円ぐらいですかね、約、大体、だと思いますが、この金額が全部米国債ではありませんけれども、買われることになるとは限りませんが、この介入で今までの比率で米国債買ったとしたら、この間アメリカが出している財政赤字の四割近くを買い取るというふうな数字になるかと思います。
 それで、この間、介入の資金が不足して、日銀に米国債を一時売却されて資金を調達して介入資金に充てたということがあったようですけれども、とにかく巨額の円高介入と米国債の購入というのは、大臣おっしゃられたように、表裏一体の関係にあるというふうに思います。
 今日は、円高介入そのものについて聞いている、それはちょっと別に置いておきまして、買ったドルの運用先として、米国債をずっと買い続けることそのものがどうなのかなということを一つ思います。率直に言えば、ドルへの懸念が広がっている中で、先ほど表にありますとおり、イギリスもドイツもフランスも、どちらかといえば引き揚げてきている。ドイツ、フランスでいえば明らかに米国債への投資を引き揚げてきているという中で、日本だけが増やし続ける、この辺のことはいかが御認識でしょうか。

○国務大臣(谷垣禎一君) 要するに、介入の是非というようなことを除いて申しますと、運用ということで申しますと、やはり買うのが、取得するのがドルでございますから、そのドルを、例えば今おっしゃったのは、ドル以外の例えばユーロで持ったらどうかとかおっしゃって、ということになりますと、これはまた市場に、ユーロ、ユーロの市場に非常に介入するということになりかねないわけでございまして、なかなか技術的にもそれは、そういう市場に影響を与えない形でやっていくというのは技術的に難しいところがあるわけでございまして、どういう方向で、相当ずうたいが大きくなっておりますから、右に動こうとしている、左に動こうとしているというようなことは余り申し上げない方が、申し上げることは差し控えさせていただきたいと思っております。

○大門実紀史君 おっしゃるとおり、介入やればもう米国債に投資せざるを得ないというような、はまり込んだ状況にあるのは確かだというふうに思います。それはちょっと後で触れますが。
 資料の二枚目に、先ほどの話に戻りますが、米国の財政収支、そして我が国の米国債購入、これを月別に、二〇〇三年会計年度ですけれども、表にしてみました。右側はその結果としての外貨準備高の推移です。外貨準備高というのは米国債プラス外貨、準備預金が入った、合わせたものですけれども、その推移です。
 二〇〇三年度、アメリカの会計年度でいきますと、とにかく二〇〇三年会計年度で三千七百四十二億ドル赤字が、赤字を出したと。日本の米国債で引き受けたのが、日本が引き受けたのが、米国債で引き受けたのが八百八十四億ドルと。ただ、これはアメリカの政府機関債が入っておりませんので、それも含めますと一千億ドルを超えます。
 何が申し上げたいかといいますと、アメリカが出してきた赤字の約三割は日本が引き受けている、これは事実としてあるわけです。これは客観的な事実として、この間、イラク戦争でアメリカが国防費を増やして赤字を出して、それを日本が、ヨーロッパが引き揚げている中で日本が一生懸命支えている。そういう構図になっているというのは客観的に言って事実だと思いますが、大臣、いかが思われますか。

○国務大臣(谷垣禎一君) アメリカの戦費のファイナンスをするために米国債を持っているというわけではございませんで、昨年、特にさっき指摘されましたように、介入、かなり、発表しておりますが、かなりの介入になっております。そして、結局、取得したドルを、もちろん先ほど申しましたように、必ずしも米国債というだけではありません、ドル建ての債券というようなこともあるわけでございますけれども、これは結局、流動性、円買い、介入のための原資でございます。
 こういうことを考えますと、流動性や安全性というものに最大限配慮してどうしていくかということを考えた結果でございまして、それをアメリカの戦費をファイナンスするためにやったというようなことではございません。

○大門実紀史君 私も意図的にとは申し上げておりません。結果として、事実としてそういう結果になってしまっているということを申し上げているわけです。
 先ほどから、円高阻止という話がございますけれども、巨額の介入にもかかわらず、やっぱり百十五円は突破してしまいましたし、傾向として止まらない状況がまだあるわけですね。これはいかがお考えですか。

○国務大臣(谷垣禎一君) これは昨年、大分巨額に介入額が結果として大きくなりましたのは、アメリカは経済的には非常に調子がいいわけでございますけれども、いわゆる地政学的要因、テロ、こういうようなものから市場のセンチメントが、何というんでしょうか、やっぱりドル安の方に動いていったというようなことがあるというふうに分析されておりますが、そういうことの結果として投機、市場の思惑等で急な動きが起こったというようなことで、ことがこういうことになっているのではないかというふうに考えております。

○大門実紀史君 やっぱりトレンドといいますか、ドル安の傾向が続いていると私なんかは思うんです。何といいますかね、全体が傾向がドル安のときに円高介入をやりますよというのは、逆に投機筋にそこを見られてカモに、カモになっているといったらなんですけれども、効果がそれだけ薄れてしまうというのも指摘されているところですけれども、ただ、大本はやっぱりアメリカのいわゆる双子の赤字、財政と経常収支の赤字というところにあって、やっぱりドルへの信認がだんだん揺らいできているんではないかというのがあると思います。
 ですから、今円高じゃなくてドル安を、円の方に原因があるんではなくてドルの方に原因があるというふうに私は基本的に思うんですけれども、その辺は竹中大臣の御認識をちょっとお聞きしておきたいと思います。

○国務大臣(竹中平蔵君) 為替について言及する立場にはございませんのですけれども、一般的な見方としては、例えば三極である円とドルとユーロとの関係で見ますと、日本、円とユーロの関係というのは、どこからどこを期間を取るかにもよりますけれども、実はそんなに大きく動いていないという見方もある。その意味では、ここ当面、ここしばらくの間を見る限り、その三極の間ではドルが相対的に安くなってきたと、これは事実としてはそういう見方をしている方は多いのではないかと思います。

○大門実紀史君 例えば日本が米国債を、ヨーロッパがお金を引き揚げているときにその分も含めて買い続けるというのは、アメリカのつまり長期金利を日本が支えているという面もこれは確かにあるわけですね。そうすると、アメリカの景気対策のためにといいますか、日本の資金が使われるという面もあるし、ですからアメリカの金利を支えるぐらいまで日本は米国債を買い込んでいるという点も言えると思うんです。
 大体アメリカというのは、自分のところは基軸通貨ですから余り赤字の垂れ流しも気にしないでやっているというような批判もあるわけですけれども、全体としてドル安の流れにあるというのは、谷垣大臣の方の御認識はいかがですか。

○国務大臣(谷垣禎一君) 私は、どういう方向に為替が向かっているかというようなことは、これは発言は差し控えさしていただくべきものだと思っておりまして、これはやっぱり市場を見ていただきたい。
 それで、私どもがやらなければならないことは、やっぱり日本経済のためにも、あるいは世界経済のためにも、個々の経済主体のためにも為替相場というのはファンダメンタルズを安定的に反映していくのがいいんであって、急激な動きが起きますとなかなかそれに対応できないということができてまいりますから、そういう投機的な思惑で急激な動きがあったり、オーバーシューティングというんでしょうか、そういうものがあったりする場合に政府として取るべき措置は取るということが私どもの申し上げられることでありまして、それを超えてどっちの方向に向かっているというようなことは差し控えさせていただきたいと思います。

○大門実紀史君 私は、円高というよりもドル安の流れにあって、それを食い止めるために一生懸命介入をされているという流れだというふうに思っています。
 そういう中で円高を阻止するためにずっとそちらの方向だけで努力しようということになりますと、どんどんどんどん買わなければいけないと。ところが、買えば買うほどこれは売れないわけですね、米国債というのは。売れば逆の円高を招きますから。だから、自縄自縛といいますか、円高介入したらもう買い続けなきゃいけない。どんどん、売れない、売ることはできなくて、買い続ける、増やし続けなきゃいけないというような、くびきを付けられたような日米関係のお金の流れになっているというふうに思います。
 その中で、さらに今度の補正で百兆円増やす。来年度の本予算では百四十兆ですか、介入資金の調達枠を増やす。こういう方向が、本当にそういうことに懸念を感じなくていいのかどうかというふうに思うんですけれども、その点いかがですか。

○国務大臣(谷垣禎一君) 私どもはそういう急激な動きが出てきたときにはやはり断固としてしかるべき措置を取ると。それで、そのためのやはり手段は持たせていただきたいということで先ほどおっしゃったようなお願いをしているわけです。
 そこで、そこから先の委員の御疑問は、これだけ外貨準備をためてきて、それで、結局これで円がどんどん高くなっていけば外貨準備の持っているその価値も上がっていくからいいけれども、ドル安の趨勢では結局言わば含み損を抱えているじゃないかという御趣旨でしょうか。そういう多分御趣旨でおっしゃっているんだとすれば、確かに含み損はあることは事実でございます。しかし、現状ではそういう外貨準備の運用益の方がはるかに多いわけでございまして、現在、そういう意味では外為特会というものは極めて不健全な状態になっているというわけではないというふうに考えております。

○大門実紀史君 その辺の話はちょっと分かりにくいと思うので、まず、分かりにくいといいますか何といいますか、特会の仕組みとか調達の仕掛けが分からないと今のお話がだれもちょっと分かりにくいと思うので、ちょっと簡単に介入資金と特会の仕組みを説明していただければもうちょっと分かると思うんです。どちらでも結構です。

○政府参考人(渡辺博史君) お答え申し上げます。
 通常、外為特会と言っております外国為替資金特別会計、ここがいわゆる介入を行っている母体になるわけでございますけれども、まず市場から外貨、今の設定でございますとドルを想定されておりますが、ドルを買うためには買うための原資を調達しなければいけない。そのためには、法律で一時借入金あるいは政府短期証券を発行することが認められているということで、今十五年度の当初予算でございますと上限七十九兆円、今お願いしております補正予算では百兆円の範囲で借入れを行うことができるということで、今外国為替証券というものを短い期間のもの、通常九十日でございますが、この証券を発行いたしましてマーケットからまず円現金を外為特会が取得する。それをもちまして、円現金を対価といたしまして市場から、今の例でございますとドルを買ってくる。
 取りあえずはまず外為特会から円が出ましてドルが入ってくる形でありますが、ドル現金のままで持っておりますと、そこで利息その他の収益を生みませんものですから、特会としてはなるべく有利に運用するということを着目して、有利かつ安全な運用先として対象の投資物件を見付ける。そのかなりの部分が今大臣からお答えになりましたようにアメリカの国債、これは短期証券もございますし、長めのいわゆるボンドのものもございます。そういう形になって、今ある程度のアメリカの国債が外為特会の中に資産としてある、そういう形になっているわけでございます。

○大門実紀史君 ありがとうございます。
 そのお話の前提で、要するに外為特会が為券を発行して円を調達する、それで介入資金に充てる。その調達枠というのは、これは国の借金になりますから国会で承認を得る。その枠の七十九兆を今度百兆にする、本予算では百四十兆にする、この議論を今しているわけですね。
 先ほど言われた評価損というのは、その結果買った、米国債含めて外貨準備の為替の損が出るけれども、米国債で運用した益も出るからそんなに心配はしていないということでございましたね。
 その評価損は今幾らですか。

○国務大臣(谷垣禎一君) 平成十五年度末の時点で、今年の三月でございますけれども、だから見込みもございますが、七兆七千九百二十八億円の評価損が生じる見込みでございます。
 他方、特会の運用益の方は累計で、十五年度末の見込みでございますが、約二十八兆ということでございます。

○大門実紀史君 今大臣言われたのはフロー、フローといいますか、評価損と運用益を比べてまだ大丈夫だと。
 私、先ほどから申し上げておりますのは、そもそも日本の外貨準備がこれだけ世界で一番の規模になって、米国債をたくさん持っていて、少しの評価損、為替損とかそういう問題よりも、その全体のリスクといいますか、ストックの方のリスクのことを指摘をしているわけですけれども、例えば、もちろん二十八億ですか、二十八兆ですね、運用益の方ね、八兆損が出ていると。差引きまだ大丈夫だということですが、そういう単年度でいきますと、昨年度一年でいえば評価損の方が上回ったりしていることも事実ですよね。だから、私、食いつぶしが始まっているような気もするんですが、それよりもこの状況全体がやっぱり危機感を持つべきではないかなというふうに思うんです。
 例えば、二〇〇三年の、去年の十二月末で七十二兆円の外貨準備がありますけれども、これは日本の対外純資産が百七十六兆ですから、その四割にもなっていると。来年度、これもし百四十兆規模にしますと、対外純資産の七、八割になるわけですね。これは、それが大部分ドル建てですから、このドルの変動リスクにもし何かあったら一遍にかぶってしまうというふうな危険性があるんですよね。
 ニクソン・ショックのときに外貨準備が一遍に吹き飛んだというのがございましたけれども、そういうストックの方のリスク管理からといいますか、国の債務政策としてもう少し、これ以上、円高だからといって米国債を買っていくという方向に、もう少し心配されるべきじゃないかと思うんですけれども、その辺の意識はいかがですか。

○国務大臣(谷垣禎一君) これは、なかなか中身がお話しできないので話しにくいんですけれども、必ずしも、米国債がかなりの部分を占めていることは、これは事実でございますけれども、ドル建てのほかのものにも、散らしているというと変ですけれども、多様化も図っております。だけれども、結果と、今現在米国債が多いことは、これは事実でございます。
 それで、外貨準備というのは、言うなれば持ち続けていることに言わば意味があるわけでございまして、今申し上げている評価損も現実には、それが現実化してくる場面というのは、要するにドル買いを、ドルを買ってきたわけですから今度は逆にそれを売っていく局面、円を買っていく局面という、しかもそれが、何というんでしょうか、安くなった局面で、バランスしない局面で売ったということでないとなかなかそれが現実化してきませんので、現実にそういうものが現れてくることはないと思います。
 それで、フローの面だけじゃなしにストックの面で心配だということをおっしゃったわけでありますけれども、これはどういうふうに考え方の手掛かりとして、ほかの国との比較ということになるんだろうと思うんですが、これはちょっと私、今日は手元に数字を持ってきておりませんので正確なことを申し上げにくいんですが、これは、額とすれば日本が外貨準備の中で米国、外貨準備というのは非常に大きいことは、これは事実でございますが、経済の規模として比べた場合に、必ずしも突出して大きいというわけではないというふうに考えております。

○大門実紀史君 私は、外貨準備はやっぱり経常収支との関係で、経済の規模ではなくて見るべきだと。それが正当な見方だと思います。
 いずれにしても、今日は、また引き続き議論したいと思いますが、ドル一辺倒のこの外貨準備の在り方に何の、何といいますか、心配も持たずに、懸念もなしにこれからどんどんどんどんまだまだ介入で増やされる、ドル建ての米国債を増やされるということは考え直すべきだということを申し上げておきたいと思います。
 竹中大臣に一つだけお聞きしたいんですが、先ほどありました民間マネーの方ですけれども、この間、銀行は、中小企業には貸し渋り、貸しはがしと言われるような状況でなかなか貸さないにもかかわらず、この米国債にかなりお金を動かしています。どれぐらい動かしているか御存じですか。

○国務大臣(竹中平蔵君) 申し訳ありません。ちょっと通告をいただいておりましたので、数字を今持っておりません。

○大門実紀史君 私も今朝知ったんで通告していないんですけれども、ちょっと試算をしてみたんです。その結果言いますと、要するに、先ほど言いました、もう時間ないんで結論だけ言います、約三・五兆円ですね。三・五兆円の保有をしています、これは生保も含めてですけれども。運用でいきますと、政府の介入、運用といいますか、売り買いでいきますと、政府の介入資金を上回る銀行が、生保、機関投資家は米国債に運用していると。
 これは、日本国内で貸し渋り、貸しはがしと言われるような状況をやっておいて、日本の国債も買っていますけれども、そういうところに運用するというのはいかがなものかと思いますが、これだけ申し上げて、そういうことを是正してほしいということを最後に申し上げて、一つ質問だけ答えてもらって、私の質問を終わりたいと思います。

○国務大臣(竹中平蔵君) 先ほど、谷垣大臣のお話にもありましたけれども、政府の部門と民間の部門で、その資産の、どのようにポートフォリオを組むかというのは、これは目的も違っておりますから単純には申し上げられないと思います。民間部門としては、当然のことながら、利回り、それと為替の期待変化率、その信用度等々、そうした観点からのポートフォリオを組んでいるんだと思います。
 一方で、国内の貸出し等々につきましては、今様々な間柄を重視したリレーションシップバンキング等々の積み重ねで新しいタイプの前向きの融資も今増えてきておりますので、金融機関としてそうした点も含めて総合的に判断をしておられる。我々としては、その前向きの金融が進むように是非努力をしたいと思います。
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