● ● ● ● 大門みきし Daimon Mikishi  ● ● ● ●



■2004年11月4日 財政金融委員会(破綻金融機関報告に対する質疑)
○大門実紀史君 私も足銀問題について質問いたします。
 一問目は全く西田委員と同じ内容でございますので、中小企業の再生を是非頑張っていただきたいという趣旨でございます。よろしくお願いいたします。
 もう一つは、中小企業の再生と公的資金の注入の関係について質問をしたいと思います。
 まず公的資金の問題ですけれども、足銀が十月八日に発表した報告の中で、いろいろ、報告の九ページですけれども、いろいろ書かれております。要するに、 平成十年に三百億の公的資金の導入を受けたと。平成十一年八月には、先ほどもありましたが、第三者割当て増資四百二十八億、さらには一千五十億の優先株の 公的資金を導入したと。これについて、こういうふうに報告に書かれているんですけれども、「こうした一連の地元からの支援や公的資金の導入により自己資本 等の財務体質が強化されたことで、不良債権処理問題に追われた経営から大きくその流れを変えることができたとの誤った認識が、却って行内に充満してしまい ました。」と。要するに、公的資金注入で警戒心が、警戒感が希薄になって今日の事態を招いたというようなことを書いているわけですけれども。
 正に何のための一千三百五十億円の公的資金の注入だったのかというふうに思うわけですけれども、大臣はこの辺、この一千三百五十億円、これ返ってこないわけですね。これについて、どう認識されておりますか。

○国務大臣(伊藤達也君)  この株を持っておられる株主の皆様方の心情を考えますと、極めて遺憾なことだというふうに考えております。私どもといたしましては、先ほども御質問の中で お答えをさせていただいたように、報告徴求、そして業務改善命令を発出をしながら、経営の改善の促進を促してきたわけでありますが、それが十分に果たすこ とができなかったということについて、心から遺憾だというふうに思っているところでございます。

○大門実紀史君  今月の九日と聞いていますが、会計検査院から金融庁の検査についての指摘、検査結果が出るというふうに聞いております。その中では、この足利銀行が公的資 金一千三百五十億入れられた九八年から、先ほども指摘ありましたけれども、五年半で三回しか検査をしていないと。こういうことも踏まえて、業務の悪化して いるところ、あるいは公的資金を入れたようなところは、いろいろやってきたと言われますけれども、少なくとも検査の在り方等々見直していくべきだという指 摘も出てくるようですので、金融庁が何をやっていたのかということもやっぱり問われることですので、これから留意してもらいたいと思います。
 問題はこれからの点ですけれども、これから足利銀行に公的資金注入されると。私は、今までの経過を踏まえると最小限に抑えるべきだと、こういうスタンス をきちっと持ってほしいというふうに思います。国民の負担になりますからね。その公的資金注入は、具体的に言えば債務超過額を埋めるということになりま す。足銀の場合ですと六千七百九十億円ですね、これを埋めるのが公的資金と。じゃ、どうすれば公的資金が最小化することができるかというと、債務超過額が 少なくなればいいと、こういう関係になります。
 で、足銀の場合は、十五年三月が債務超過額がこれプラスで七百四十五億だったのが、十六年三月で六千七百九十億の債務超過、マイナスになったと。貸倒引 当金の方も、十五年三月が九百六十三億引き当てたんですが、十六年三月で五千六百億の引き当てになったと。つまり、貸倒引当金が大きくなったことが債務超 過が大きくなった原因だと、こういう関係になります。貸倒引当金というのは、査定をきちっと、厳しくといいますか、厳格にやれば大きくなるのは当然です ね。
 もう一つは、企業再生を進めれば、つまり債務者区分が低い企業、これが企業再生進んでランクが上がれば引当金が少なくて済みますよね。その点からも私が 思うのは、今までとちょっと違う角度でこの問題を申し上げますと、企業再生を進めれば進めるほど債務超過は少なくなるし、公的資金の注入も少なくなると、 こういう関係にあると思いますが、御認識はいかがですか。

○国務大臣(伊藤達也君) 今、大門先生から御指摘がありましたことは、全くそのとおりだというふうに思っております。だからこそ、今、足利銀行においては経営の改善に努めているとともに、債務者企業の再建に積極的に取り組んで、そして企業価値を上げようとしているわけであります。
 そのために、今、債務者企業の個々の状況を的確に把握をして、それに対してどのような形でこたえていくことが企業再生につながるのかと、そうした作業が なされているというふうに承知をいたしておりますので、こうした取組を積極的に進めることによって足利銀行全体の企業価値を向上させていただきたい。その ことが結果として国民負担というものを最小限に抑えることにつながっていくというふうに私も認識をいたしております。

○大門実紀史君 要するに、足利銀行問題、何度も私質問してきましたけれども、中小企業の再生を最重点で頑張ってほしいし、もう簡単にオフバランス化してRCCに送っちゃおうということのないように、是非これから正念場ですのでお願いしたいと思います。
 もう一つは、貸倒引当金の計上そのものが、私はこの破綻金融機関のいろいろな問題を取り扱ってきて大変悩ましいといいますか、矛盾をはらんだ問題だというふうに思っております。
 つまり、貸倒引当金というのは、積めば受皿銀行に引き継がれますね、引き継がれます。貸倒引当金を仮にそのときに適正にといいますか、ありのままに基準 どおり積みますと、その引当金が受皿銀行に引き継がれた場合、その引き継がれた引当金、その企業が業績が良くなればいいですけれども、悪化した場合、受皿 銀行に損失が生まれます。このことを担保するために、例の瑕疵担保条項とか、いろんな策が今まで取られてきたわけですね。
 ところが、瑕疵担保条項については、御存じのとおり、リップルウッド、新生銀行問題で猛批判を浴びたと。つまり、もう再生するよりも破綻に追い込んだ方 が、そのリスクを、預金保険機構がそれを買ってくれて、金額もらえるわけだから、今日も出ていますね、新生銀行に支払ったというのが出ていますね。こうい う仕組みがあるので、新生銀行等がそういう貸しはがしに走ったということで我が党も取り上げましたけれども、相当批判を浴びたわけですね。だから、もう瑕 疵担保条項を使って、そういう後の補てんをするというのはなかなか世間的に難しくなってきたと。
 そうすると、どうするかというと、貸倒引当金を適正に基準どおり、リスクもあるけれども、そのまま積んで受皿に行った場合ですね、これなかなか受皿とし ては、正常先だってどうなるか分からないというリスクがありますから、なかなかそのままでは受け取ってもらえないと。だから、先にオフバランスをできるだ けやっておく、切り離しておくということと、正常先に近い企業、できるだけ近い企業だけを受皿に引き継ぐと、こういうことが一つ、どういいますかね、行動 の動機として生まれると思います。
 もう一つは、この間非常に心配していることですけれども、貸倒引当金そのものを多めに積んでおいて、多めに積んでおいて受皿銀行に引き継ぐと。多めに積 んでおきますから、これは企業再生やれば、その分繰戻し益が受皿に発生します。あるいは、引き当ての算定率を事前にかなり厳しくやっておくと、受皿の方に 行ったときに算定率を変えれば、それも繰戻し益を生みます。つまり、これは持参金だとかプレゼント問題じゃないかと。我が党も信金破綻のときに一つ取り上 げましたけれども、そういう批判がまた出てくるような問題になります。
 いずれにせよ、今の破綻した金融機関の引当金の計上というのは、そういう二つの面をはらんで、受皿に買ってほしいし、早く受け取ってほしいしという中 で、そういう、何といいますか、そういう宿命を持った引当金の計上にならざるを得ないんじゃないかと思いますが、その辺が実態ではないかと思っております が、いかがでしょうか。

○政府参考人(佐藤隆文君) 特別危機管理銀行が受皿に引き継がれる際に資金援助が行われて、そのときに引当金の計上の仕方あるいはその後の引当金を計上された債務者の業況の変化等によって負担関係が動いていくという点は御指摘のとおりかと思います。
 基本的には、この引当金は、営業譲渡の際にもあるいは現在においても、債務者の実態に応じて適正なリスクを将来に向けて準備しておくということですから、実態に基づいた引き当てを行うということが基本であろうかと思います。
 ただ、引き当てを行った状態で受皿に譲渡された後に債務者の実態が良くなるあるいは悪くなるということがあった場合に、それをどういうふうに負担をして いくのかという点が問題になるわけでございますけれども、御指摘のような瑕疵担保条項をめぐる諸問題があったことは事実でございますが、現在の預金保険法 では、これにつきまして、譲渡する側、譲受する側がロスシェアリングをするという仕組みが可能になってございますので、その辺について言わば恣意的な動き を取るということがある程度防止されるという仕組みが利用可能であろうかと思っておりまして、基本は、引当金は債務者の実態に応じてきちんと計上する、そ の後、それを前提として受皿機関との間の譲渡交渉において様々な点を考慮し、先ほど御指摘もいただきましたような企業価値がどうか、銀行の将来に向けた収 益力を含めた企業価値がどうかといった点も含めまして交渉がなされていくというものであろうかと思います。

○大門実紀史君  そういう仕組みはもうよく承知した上で、その背景にあるもの、早く受皿に売却したい、譲渡したいと、片や、買うならばこういう条件でなきゃ買わないと、要 するにそういう、契約といえば契約ですね。その中で、さっき言った背景が働くとどうしても過剰引当金になりがちになる、瑕疵担保を使わない場合はですね、 そういう傾向があるというふうに指摘しているわけですが、足利銀行の場合、過剰引当金になっていないという保証はできますか。

○政府参考人(佐藤隆文君)  現在、足利銀行におきましては特別危機管理銀行としてきちんとした資産査定に基づいてできるだけ債務者企業の再生を目指すと。再生可能なものについては最 大限再生を目指す。それによって、先ほども御指摘いただきましたように、債務者区分がランクアップすれば引当金も少なくて済むということでしょうし、それ から企業価値も向上するということがあると思います。
 引き継がれる時点のお話でございますけれども、まずは、その引き継がれる時点までの間に、特別危機管理銀行の時代に、今申し上げたような債務者、債務者 の再生可能なものについてできるだけ最大限の再生のための努力をする、あるいはそれを含めた全体としての企業価値の向上を図るということをやることがまず 先決であろうかと思っております。

○大門実紀史君 そのとおりだと思います。
 やっていただくことは、中小企業再生を一番大事にしてもらって、過剰引当金にならないようにしていただいて、過剰引当金が受皿に移るということは、結局、巡り巡って公的資金が移ることにもなりますので、厳格な引当金の査定をお願いしたいと思います。
 質問を終わります。

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