● ● ● ● 大門みきし Daimon Mikishi  ● ● ● ●



■2004年11月11日 財政金融委員会(授産施設への消費税課税問題)
○大門実紀史君 大門でございます。
 社会福祉事業と消費税課税の問題で、今日、障害者の方々が働いておられる授産施設について質問いたします。
 授産施設といいますのは、障害者など雇用されることが大変社会的に困難な方々に対して、目的として社会復帰の促進、社会参加の訓練を図るために、授産施 設に来ていただいて、指導員が根気よく物づくりを教えて、その作ったものを販売すると。で、障害者の方々にわずかながら手当を支給しているというふうなも のでございます。
 私、北海道旭川の授産施設に行ってまいりましたけれども、例えばそこではお弁当を作って販売しているんですけれども、一日四時間半、障害者の方が月曜か ら金曜まで働いて、大体月に一万円程度、一万円にならない方もいますが、そういう手当をもらう、やってもらうと。お弁当なんかも宅配でそれぞれのお宅に届 けるという方法で、それで五百円で販売をしている。大変安い、宅配で五百円ですから、安く販売しているわけですね。販売相手も、なかなか自分では外に出ら れないお年寄りの御家庭とか、あるいは、何といいますか、善意で事業所、企業がそういうお弁当を取ってあげるというふうな、そういう形で成り立っているの が授産事業でございます。
 厚生労働省に聞きますけれども、この授産事業というのは社会福祉事業ですか。

○政府参考人(塩田幸雄君) 障害者の方が社会で活躍するという意味で、授産施設、働く場としては大変大きな役割を果たしております。小規模作業所から法定の授産施設まで様々なタイプありますが、いずれも社会福祉における重要な事業であると認識をしております。

○大門実紀史君  社会福祉事業というのは非営利で公共性がありますから、消費税が非課税になっております。この授産事業も、先ほど申し上げましたとおり、もう当然営利が目 的ではありません。障害者の方がどうやって自活力を付けるかと、それもなかなか難しいものがありますが、その中で一生懸命やっておられるわけですね。
 ところが、この社会福祉事業の中で、唯一この授産事業だけが消費税が課税になっております。この理由について伺いたいんですが、厚生労働省に聞こうと思ったら、それは財務省から答えてくれということでございますので、財務省からお答えいただきたいと思います。

○政府参考人(福田進君) お答え申し上げます。
 先生、今お話しございましたように、社会福祉事業につきましては社会政策的な範囲から消費税の非課税とされているところでございます。平成元年に消費税 が導入されました当初は、授産施設を経営する事業として行われる資産の譲渡等につきましても非課税とされておりました。しかしながら、平成三年の議員立法 におきましてこれ全会一致で成立したわけでございますけれども、授産活動としての作業に基づき行われる資産の譲渡等については非課税の範囲から除外して課 税となったものでございます。
 当時の経緯の御質問でございますけれども、授産施設において製作されました物品等の売上げを非課税といたしますと、その取引の相手方の事業者にとりまし ては、仕入れにつきまして仕入れ税額控除の対象とならない、そういったことから授産施設が取引から排除されるという、そういった問題を生じまして、授産施 設を経営する方から課税取引を望む声が多く出されたと、こういうふうに私ども認識しております。

○大門実紀史君 つまり、物を、わずかといえ物を販売する、中には大きな授産施設があって印刷物を会社に納入したりいろいろありますから、中にはその事業者相手の場合は相手が仕入れ控除できないということで、もうおたくには仕事頼まないよという不安が出されたということです。
 ただ、八九年導入当時の国会議論でいきますと、厚生労働省は、当時の厚生労働省は、そういう取引から除外されないように努力をするという答弁を明確にされているわけです。
 八九年三月二十三日の大蔵委員会で、当時の厚生省の和田社会局生活課長がこういうふうにおっしゃっています。要するに、授産事業は取引をするにしても最 終消費者に対し物を販売する場合が多いと。また、相手が事業者であっても相手も小規模な免税業者あるいは簡税、簡易課税を利用する場合が多いから、授産事 業というのはむしろ非課税取引、非課税にしておいた方がいいんだと、の方がメリットがあるんだということを言われた上で、そういう不安があることに対し て、取引相手が仕入れ控除ができないということで授産施設を取引から除外するという問題が生じた場合には、授産施設の関係者とも協力して、例えば取引形態 を委託加工とか直販の形態に改めるなどの施策を講じることによりまして、事業面に支障のないように厚生省も努めてまいりたいというふうに答弁されていたわ けですね。
 これが、その三年後、二年後ですね、二年後にこういう要望が授産施設からわっと出てきたということですけれども、厚生労働省として、このときの国会答弁 でいきますと、そういう除外されないようにするというふうにはっきりと、だから非課税がいいんだと答えておられるわけですけれども、そのために努力すると も言われていたわけですけれども、どのような努力されたのか、どうしてこういう要望がそのときに出てきたのか、その経過をちょっと教えてください。

○政府参考人(塩田幸雄君)  御指摘ありましたように、消費税施行前の検討段階におきましては、非課税とした方が授産施設にとりましても納税手続の事務負担が生じないということであり ますとか、あるいは消費者に直接物品等を販売する際、より低額で販売できるというメリットがあることから非課税ということで判断をしたところでございま す。
 しかしながら、その後、消費税が施行されまして実態を見ますと、先ほど財務省から御説明ありましたように、授産施設と取引する相手方事業者が仕入れ税額 控除の対象とならない取引を好まない場合が予想以上に多くなりまして、結果的に授産施設の事業者が取引から排除されるという問題が生じました。
 こうした実態を踏まえまして、授産施設を経営する事業者の団体の方から、当時の厚生省に対して、授産施設の事業を課税対象としてほしいという要望が団体 の方から出されたわけでございます。これを受けまして、先ほどの御説明にあった議員立法によりまして、消費税の見直しの一環として非課税範囲から除外され たと理解をしているところでございます。

○大門実紀史君 要するに、何も努力はしていないけれども、事態が思ったよりも除外される実例あるいは不安が広がったということでございますね。特に何も、この国会答弁どおりいろんなことを努力されたわけではないというふうに思います。
 私は、具体的に見ていきますと、このときの要望とは何だったんだろうというふうに見ていきますと、つまりはその授産施設もいろいろあります。確かに、か なり大きな規模で障害者の方を雇用して、先ほど言いました印刷物を納める、あるいはクリーニングでかなりの仕事をやる、そういう事業者相手のところが幾つ かありまして、そういうところは確かに非課税だと取引から排除されるというのはあったと思うんですけれども、ほとんどは、もう厚生労働省よく御存じのとお り、そんな大きな規模ではございません。
 例えば、三千万超えるのもわずかですよね、今二百か三百ぐらいですね、全体の数の中で。全体の数でいきますと、二千以上事業所がありますけれども、その うちの二、三百だと思います。そういうところは確かに大きな不安があったから要望を出したと思いますが、小さなところは、厚生労働省が既に言ってきたよう に、ほとんどもう最終消費者といいますか、小売の、小売といいますか、相手は個人の人にお弁当を買ってもらうとか物を買ってもらうとかそういうレベルです から、そういう不安がそのとき出たとは思えない。そういう方々が実際にはほとんどなわけです。
 で、申し上げたいのは、そのときの要望というのは、結局は大きな事業、授産施設の要望だったんではないですか。

○政府参考人(塩田幸雄君) 授産施設全体を取りまとめる協議会からの意見書でありますので、大小いろんな授産施設が含まれていたと認識をしております。

○大門実紀史君 そんなこと分からないんですか、中身が。中身として分からないんですか。その実態分からないんですか。団体から出てきたらもう全部だと思って受け取ったんですか。

○政府参考人(塩田幸雄君) 授産施設の全体を束ねる立場の団体からの要望でありますので、かなり意味合いは大きいと思います。

○大門実紀史君 じゃ、小規模事業所はどういう影響があったか把握されていますか。

○政府参考人(塩田幸雄君) 詳細は把握しておりませんけれども、障害者施策における小規模作業所とか授産施設の役割は極めて大きいものではございます。
 本日のテーマとは若干外れますけれども、税制上の問題もございますけれども、障害福祉施策として、いろんな形の授産施設、小規模作業所が障害者の社会参 加の上で大きな役割を果たすよう、今現在も政策の見直しをしておりますので、税制上の問題も含めて、そういう御意見があるようであれば、それも含めて検討 さしていただきまして、障害者にとっての働く場の確保に全力を投球したいと思います。

○大門実紀史君 その、よく、今何をおっしゃったわけですか。
 要するに、小規模事業所が、今度免税点一千万に下がって、私が次に質問しようとしたことの答えを先に言われたわけですか。一千万に下がると、だからそう いうところは何とかすべきだというのは通告してありますね。それに対して、そういうところについて、いろいろ聞いて検討すると今おっしゃったんですか。 何、何言ったんですか、あなた。

○政府参考人(塩田幸雄君) 小規模作業を含めまして、障害者の働く場のいろんな施設はいろんな懸案を抱えておりますので、いろんな問題について私どもよく勉強して、税制も含めていろいろ改善すべき点があればこれからよく聞いて検討すると申し上げたつもりでございます。

○大門実紀史君  そうしてほしいんです。で、ただ、正確にしてください。大ざっぱに何か話聞いてやれることやるじゃなくて、私は消費税、一千万に下がって、当時は要望が出 たのは確かです。それはやっぱり事業者を相手にするような、会社を相手にするような大きなところだったと。ですから、三千万以下のところは、ほとんど自分 たちには関係ないと。申告、納税義務もありませんし、取引から除外されるわけでもありません。免税業者でも今仕入れ控除できますから、だから、ほとんど何 も自分たちには関係がなかったから特に声も上げなかった。
 ところが、免税点が一千万に下がりますと、これはそのとき予想した事態と違う事態が広がっていますよと。小さなところで、障害者の方にやっと給料を出し ているようなところにも、私が行った旭川でいけば、年間三十三万円、計算すると消費税が掛かると。相手がおじいちゃん、おばあちゃんの宅配弁当だとか何か で、なかなか、そのまま転嫁するとか、そういうことがしづらいと。当然、その障害者の方のわずか月一万円の手当を上げてあげたいと、もう十円でも上げてあ げたいのに、全体として切り詰めなきゃいけないと。そういう事態になるということで、一千万が下がったことによって小規模のところは大変になってきている わけです。
 私は、今ごろそんなことをおっしゃるんじゃなくて、調査されたんですか。この四月一日からでしょう、免税点下がったの。そうなると、私が申し上げたよう な、あなたが答えられたような、何とかしなきゃと今ごろ言われるんじゃなくて、どういう影響が出るのか、経営的にどういう影響が出るのか、そういう調査は されたんですか。

○政府参考人(塩田幸雄君)  税制改正とかの対応をする場合には、やはりその事業を束ねる団体の意見とか、いろいろ聞いて省としては対応しているところでございまして、その都度その都 度、団体の意見がそういうことであれば、それを優先して対応したということであろうと思いますが、先ほどから申し上げておりますように、障害者の働く場と しての授産施設はいろんな問題を、税制の問題を含めていろんな問題を抱えていると思いますので、それはよく、関係者の意見もよく聞いた上で、必要があれば 必要な対応をしたいと思います。

○大門実紀史君  そうですよ。今、授産施設は社会保障全体が切り詰められる中で大変な事態が進んでいますから、もちろんこの消費税だけが大問題になっているわけではありま せんけれども、追い打ちを掛けるように、そういうところに免税点一千万になっていろんなことが起きていると。ですから、この消費税に関することも、ヒアリ ングといいますか、意見を聞くということに加えて、至急その調査をしてもらいたいというふうに思いますが、いかがですか。

○政府参考人(塩田幸雄君) 何らかの形で、作業所が抱えている、授産施設が抱えている問題については実情を把握したいと思います。

○大門実紀史君  私は一言申し上げておきますけれども、よく、この社会福祉事業というのはそもそも非課税なんです。それを特例的に、特別でこの授産事業は課税にしたわけで す。ですから、その三千万が一千万になるときにやっぱり私は特別に配慮をすべきだったと、今から思えばですね、これからでも遅くありませんけれども。厚生 労働省がはっきりと、これはそもそも非課税のものを課税にしたという特別の経過があるものだと、したがって三千万の免税点を一千万に下げる、これは待って くれと、据え置いてくれということぐらい、そもそも特別な例外的な部分なんですから、厚生労働省がよくその前段で調べてそういう要望をされるべきだったと いうことを申し上げたいと思います。
 その上で、今後、これから急いで、来年、納税時期にならないと気が付かないところも結構あります、税金の問題というのは。ですから、急いでヒアリング、調査、今言われたようにしていただきたいと思います。
 最後に、谷垣大臣にちょっとお伺いいたしますけれども、前にも申し上げましたが、社会保障事業にかかわる消費税の問題、幾つか私は問題点があると思って おりますけれども、特に今回一千万の引下げですね、国税庁の方はこれで四千五百億円ですか、税収が増えたというふうなことを言われておりますけれども。そ の陰で、こういう本来掛けられるべきものじゃないものまで消費税が免税点一千万になったことによって掛かって、それでいろいろな困難を、そもそも困難なこ とをやっている方に更に困難を加えているということを是非御承知いただきたいと思いますし、私は、今後その消費税の議論の中で、まあ二一%という物騒な話 もありますけれども、まず今の矛盾ですね、今起きている矛盾ですね、これを急いで解決してほしいと思います。
 特に、授産施設の問題というのは、元々非課税だったのが、繰り返し言いますが、特別に課税にしたと。ですから、免税点の在り方だって私は特別にあったっていいと思いますし、据え置いたってよかったというふうに思います。
 いずれにせよ、この福祉事業所についての消費税問題、よくよく配慮して、今後いろいろなことを検討していただきたいと思いますが、そのコメントだけいただいて、質問を終わりたいと思います。

○国務大臣(谷垣禎一君)  委員が消費税と社会福祉施設等との関係、いろいろ問題を拾い上げられて、こつこつと追及されておられるわけでございますが、私はこの問題は、前回も御答弁 させていただきましたけれども、まあ消費税をめぐっては委員とは多分考え方随分違うと思いますが、前広に消費税の議論もしていただかなきゃならぬと申し上 げております。
 それで、そういう中で、社会福祉施設、授産施設というだけではなく、社会福祉をどう扱うのかというのは私は一つのテーマじゃないかと思っておりまして、いろんな方面できちっと議論をして、より良いものにしていく必要があろうかなと考えております。

○大門実紀史君 終わります。
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