● ● ● ● 大門みきし Daimon Mikishi  ● ● ● ●


■2005年3月18日 財政金融委員会
○大門実紀史君 二月の二十八日に全国銀行協会が全国紙に全面使った意見広告を出しました。「郵政民営化にあたり、私たちは「公正な競争」が行われることを望みます。」という、この一面のやつですけれども。
 私、これ見て、変なことを言うなあといいますか、よく言うなあと思っているんですけれども、いろんなこと書いてあるんですけれども、要するに郵政民営化 についていろいろ言っているわけですけれども、官業ゆえの特典は見えない国民負担に支えられていますとか、郵政事業は何か経営上の問題が起きても政府が必 ず救済してくれるという期待が生じて、それが公正な競争を阻害しているとか、万一郵政事業、郵貯とか簡保がですね、万一経営困難な状況に直面した場合、金 融システム安定化や健全な保険制度の維持などのために莫大な国民負担が生じる可能性がありますと。こんなことを全国銀行協会が一面広告で出しております。
 私は随分好き勝手なことを言っているなと思いますが、大臣、いかがお考えですか。

○国務大臣(伊藤達也君)  そうした意見広告がなされたことは承知をいたしておりますけれども、それぞれの意見につきましては全国銀行協会の中で御議論されて、その判断の中で意見広 告がなされたということだろうというふうに思いますので、そのことに対するコメントは差し控えさせていただきたいというふうに思いますが、今政府といたし ましては、郵政民営化に向けて郵政民営化準備室を中心に詳細な制度設計というものを与党の皆様方と御議論をさせていただきながら進めさせていただいている ところでございます。
 その中に当たって私ども金融行政とすれば、民間金融機関とのイコールフッティング、あるいは金融・資本市場に対する影響、こうした金融行政の観点から適切に対応していきたいというふうに思っております。

○大門実紀史君 私は、今日は郵政民営化について議論するつもりはありません。こういうことを言う資格が銀行にあるのかという点でございます。
 お手元に資料をお配りいたしました。「主要行の自己資本の内訳試算」ということです。これは、要するに大手行をまとめて見ますと、自己資本比率、自己資 本の中に何が占めているかというと、もう見てもらったとおり、公的資金漬けになっていると、偉そう言うなと、自ら何だという点の資料でございます。
 ちなみに経過を申し上げますと、これはずっと日銀さんがこういう資料を出してこられたんですね。どういうわけか去年辺りから、私この問題三回、四回取り 上げていますので、出されなくなりまして、それで独自に試算をした数字でございます。計算方法は間違いないと思いますので、数字も確認してありますので間 違いない数字でございます。
 こういう状況にもかかわらず、自分たちのことを棚に上げて、国民負担生じますとか、面倒を見てもらっています、郵政事業のことを言うと。そういう点を、 私は、もうこんなことを言う資格ないし、天につばするような話だし、自分たちのことを棚に上げている話だと。こういう点からいくと、私はこの広告はまずい なと思うんですが、大臣、もう一言お願いします。

○国務大臣(伊藤達也君)  これは、先ほどもお答えをさせていただきましたように、全銀協の中で様々な議論があり、そうしたことを踏まえて郵政民営化の問題に対して意見広告として出 されたものだというふうに承知をいたしているところでございます。したがって、そうしたことに対して私ども行政としてコメントすることは差し控えさせてい ただきたいというふうに思います。
 いずれにいたしましても、金融庁といたしましては、金融システムの健全性というものを確保していくことが極めて重要なことでありますし、また資本増強行 に対しまして経営健全化計画というものが着実に履行されて、そして公的資金の返済というものが確実に確保されるということがとても重要なことでありますの で、こうした経営健全計画に対する適切なフォローアップというものをしっかりやっていきたいというふうに思っております。

○大門実紀史君 まあ、大臣なんですから、そんな気の弱いこと言わないで、やっぱりこういうことは良くないですよと、身のほどをわきまえた方がいいですよと注意されるべきだと思います。
 この中身が問題でございまして、これは民間資本の部分について内訳わざわざ載っけておりませんが、例の不良債権処理のときには予算委員会で問題にいたしましたし、問題になりましたあの税の、例の税金の繰延資産ですね。
 これ入れていませんけれども、ちなみにそれを申し上げますけれども、税の繰延資産が、例えば〇四年九月のときに七・八兆円民間資本があると書いてありま すが、実はこの中身も五・二兆円が税の繰延資産でございます。それだけで三三・八%占めます。つまり、純粋な民間資本というのは、自己資本というのは二・ 六兆円にすぎないんですね。これは一六・八%でございます。だから、十五・四兆円の自己資本があるといって何か胸張って言っているようですが、中身はひど いもので、公的資金漬けになっているし、税の繰延資産という、そういう計上で、決算上の話で、がかさ上げしていると。純粋には二・六兆円しか民間資本がな いというのが今の大手行の実情でございます。
 つまり、このことは、四年前、三年前ですかね、日銀の当時の速水総裁と質疑をさせていただきましたけれども、速水総裁も、これは非常に、何といいます か、日本の大手行の自己資本比率は八%を超えて何%だという胸を張れる話ではないと。アメリカ並みの計算すると、例えば税の繰延資産を、まだ五年計上に なっていると思いますけれども、これは検討するとなっていますが、これ例えばアメリカ並みの一年でやったらがくっとこの自己資本が落ちるわけですね。正に もう、何といいますか、日本の大銀行大丈夫だと言えるような状況では全然ないというふうに思います。
 そういう点でいきますと、さっきの協会のことおいといて、この自己資本の中身そのものですね、大臣としてどういうふうに評価されますか。

○国務大臣(伊藤達也君) 今御質問の点は、私も、もう一年半ぐらい前ですか、二年前ですか、副大臣のときに、委員が竹中大臣やあるいは当時の日銀の方々と御議論されていたということを記憶をいたしております。
 そのときにも、委員のこの御資料、それぞれの数字はもう極めて正確だというふうに思いますが、例えばこの民間資本の定義については、その全体から公的資 金を引いた上でというような御議論があったり様々な議論があることは承知をいたしておりますけれども、繰延税金資産の問題についてまずお話をさせていただ ければ、主要行の平成十六年九月期における自己資本額に対する繰延税金資産の割合というものは一八・四%になりまして、これは十五年三月期の三一・三%か らは低下してきているものと承知をいたしております。
 速水総裁との御議論も今踏まえて御質問いただいたわけでありますけれども、私も竹中大臣の下で金融再生プログラムを策定をさせていただきましたときに は、やはり不良債権問題を解決をしていく、そして日本の金融システムに対する信頼というものを回復していくためには三つの点が重要であろうと。その中の一 つとして、やはり資本を充実をしていくということを掲げさせていただきました。さらに、厳格な資産査定、そしてガバナンスの向上というものが重要である、 そうしたことを中心に金融再生プログラムの諸施策というものを展開をさせていただいてきたところでございます。
 そのことによって、先ほども少し答弁をさせていただきましたけれども、主要行としての不良債権比率というものは低下をしてまいりましたし、半減目標の達 成に向かって順調に推移をしているというふうに考えているところでございますし、また先ほど答弁をさせていただきましたように、繰延税金資産も、これは不 良債権処理をしていくと、今のその税の仕組みの中ではどうしてもこの繰延税金資産が膨れてしまうわけでありますが、資本の充実という取組を進める中で繰延 税金資産というものも着実に低下をしている状況にあるのではないかというふうに思います。
 そして、今日までその収益や資本というものをその不良債権問題を解決をしていくために使ってきたわけでありますが、この不良債権問題から脱却すると同時 に、こうした収益や資本というものを利用者のニーズに合わせた形で金融商品やサービスというものを提供していく、そのことに使っていくことができるわけで ありますので、そうした中で、利用者からの満足の高い金融機能というものを遺憾なく発揮をしていただきたい、そのことを期待をいたしているところでござい ます。
 資本につきまして、やはりその基本的な方向性というものは、利用者の方々のニーズにこたえることによって収益を上げて、そしてそのことによって資本を充 実していくというのが基本的な方向性であろうかというふうに思っておりますので、そうした方向に向かっての経営努力がなされていくことを重ねて期待をした いというふうに思っております。

○大門実紀史君 もう今日は時間がありませんので、またこれの続きをどこかでやりたいと思いますが、ともかく、公的資金早く返せと、返すまで余り偉そうなこと言うなということを是非伝えていただきたいと思います。
 質問を終わります。
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