● ● ● ● 大門みきし Daimon Mikishi  ● ● ● ●


■2005年4月11日 決算委員会
○大門実紀史君 日本共産党の大門でございます。
 今日は、雇用対策について、二十分ほどですが、伺います。
 決算委員会ですので、まず、この数年相当の雇用対策予算を使ってきたということになると思いますけれども、まず、今までの雇用対策を全体どう見るかとい うことで一言お聞きしたいと思いますけれども、私はまず、いろいろ雇用対策も必要ですが、国内、地域の経済、景気を良くすることがもう何よりも最大の雇用 対策だというふうに思います。
 例えば、四年前に小泉内閣は五百三十万人雇用創出プランというのを出しました。五年間でサービス産業で五百三十万人仕事を増やすということでしたけれど も、当時私は、これはもう絵にかいたもちだということで、竹中流の構造改革では、地域や国内の経済が、景気は悪くなって、サービス産業というのは、そもそ も地域の景気が良くならないと、家計が良くならないと伸びませんから、そんなものは絵にかいたもちだという批判をしてきたところであります。
 尾辻大臣とは同じ委員会で、お聞きになっていただいたかも分かりませんけれども、四年たってどうなったかといいますと、内閣府の集計でいきますと、四年 でやっと二百八十五万人増えただけと。サービス産業というのは、そもそも増えるトレンドにあるんですけれども、非常に伸びが遅くて、四年でやっと二百八十 五万人。五百三十万人になるにはあと一年で二百五十万人も雇用が増えなきゃいけないと、結局やっぱり絵にかいたもちだったということになると思います。
 このこと一つ見ても、最大の雇用対策というのは、やっぱり国内、地域の景気を良くすることではないかというふうに私は思っておるんですけれども、大臣のお考えをひとつ聞きたいと思います。

○国務大臣(尾辻秀久君) おっしゃるとおりでありまして、景気が良くならなきゃ結局雇用というのは進んでこない、これはもうそのとおりだと思います。
 したがいまして、今日までも私どもは、雇用対策といいますと、その実施に当たっては景気の状況の変化を的確に対応しつつ、経済対策と整合性を保ちながら 対策を講じてきたところでございます。こうした対策の効果もありまして、今先生なりの評価もしていただきましたけれども、最近の雇用情勢見ますと、平成十 六年の完全失業率が四・七%と、前年に比べて〇・六ポイント低下をいたしておりますし、有効求人倍率は〇・八三倍と、前年と比べて〇・一九ポイント上昇す るなど、これはいつも申し上げておることでありますけれども、厳しさが残るものの改善はしておると、こういうふうに考えております。
 ただ、大きな問題二つあると思っておりますのは、一つは若者の問題でありますし、それからもう一つは地域格差が非常に大きい。雇用対策については、この二つが今日大きな課題だというふうに認識をいたしております。

○大門実紀史君 ありがとうございます。
 ただ、全体として、これ予算委員会で相当議論になりましたけれども、小泉内閣は、竹中路線といいますか、国内、地域の景気を悪くすることばっかりやって いると。その中で雇用対策というと、何かマッチポンプのような役割を担わされておられる部分もあるんではないかというふうに思います。
 個々の雇用対策でいえば、厚生労働省やられてきたこと、すべて否定するつもりはございません。いろいろ喜ばれたこともかなりあるというふうに思いますけ れども、ただ、今も大臣言われていました若者の雇用といいますか、非正社員の拡大という点だけは、やっぱり厚生労働省が労働法制を改正して、派遣労働を拡大するとか、そういう点でやられている点はどうかなという点が、かねがね指摘させていただいていますとおり思っているところでございます。
 そういう点で、今大変危惧しているのが建設業における派遣労働解禁の問題です。
 去年の三月に製造業も基本的に解禁をされて、残る最大の産業は建設業と言われているところですけれども、この問題は、法案は五月ごろですか、出てくると いうことですので、内容は今日はそのものには触れません。そもそも論といいますか、基本的な考え方だけお聞きをしたいというふうに思うんですけれども。
 元々、建設業というのは、これまで労働者派遣事業が厳しく禁止されてまいりました。まずその理由について、参考人で結構です、教えてください。

○政府参考人(青木功君) 建設業務につきましては、ただいま委員御指摘のとおり、労働者派遣事業は労働者派遣法によって禁止をされております。これは、御案内のように、建設業が通常、重層的な下請関係、それもかなり入り組んだものになって作業が行われております。
 こういった中で、建設業務において労働者派遣事業が行われる場合には、例えば雇用関係が非常に不明確になりまして、今、私ども建設労働者の雇用の改善等 に関する法律に基づきまして、雇用関係の明確化だとか、あるいは雇用管理の近代化というものを事業者の皆さんや労働組合の人たちと一緒になって努めており ますけれども、そういったのに逆行することになってしまうではないかと。あるいは、現在でも見られますが、労働者に対するいわゆる不当な支配と言われる状 態、あるいは中間搾取と言われる状態、そういったものの弊害がまだまだ除去されないのではないかと、こういったような理由に基づいているというふうに思っております。

○大門実紀史君  要するに建設業は、戦前、戦後間もないころから特に暴力団絡みの、何といいますか、口入れ業とかピンはねとか、あるいはタコ部屋というのもあったりして、 そういうことがあって戦後民主化された日本で真っ先に建設業の人材派遣が禁止されたと、簡単に言えばそういう経過だと思います。
 ですから、今でさえ、今ございましたとおり重層下請とか中間搾取が行われやすい構造になっているという点でずっと禁止されてきたわけですけれども、それ ならばなぜ、今度出てまいりますけれども、建設業まで、まあ一応枠は掛かっておりますけれども派遣を解禁するという方向に踏み出すことになったんでしょう か。

○政府参考人(青木功君) 今国会に建設労働者の雇用の改善等に関する法律の一部改正案を提出をさせていただいております。
 これは、委員も御案内かと思いますが、いわゆる建設業は今なおいわゆる過剰供給構造にある産業というふうに言われております。それは二つありますが、し たがって事業者の方あるいは、工事の受注減によりまして働いている方々もそれから事業者の方々もかなり厳しい環境に置かれ、まあ言うならば少しずつ縮小を しなければならないという問題が一つあります。しかしながら一方、建設業そのものが我が国の国づくりに果たす役割は非常に大きなものがあります。縮小はし ても、その中で必要な技能労働者の方々はやはり活躍していかなければならない。
 こういった二つのジレンマを何とか解決しようということで関係審議会で御議論をいただきましたが、さきに申し上げましたような弊害をなくしつつ、一定の 範囲内で働く人たちの言わば融通をし合いながらこういった事態に対処をしていくという新たな労働力需給調整システムを導入するのが良いではないかと、こう いうふうな提言をいただきまして、今回、国会に法律案を提出させていただいたものでございます。

○大門実紀史君 それはあれですか、現場の方から何かニーズがあったんですか。働いている人たちがそういう制度を作ってほしいという、そういう要望でもあったんでしょうか。

○政府参考人(青木功君)  これは、要望というよりも、実際には事業者の方々からそういった事業縮小の中でいい人をどうやって確保できるかというような御要望はございました。しか し、その中で、こういった御提案も受けて、私ども、労働組合の代表の方も入っている関係審議会の中でそういった要望を受け止めながら働く人々にも悪い影響 がないというシステムづくりの御提案をいただいたものと考えております。

○大門実紀史君  よく分からないんですけれども、要するに、特区の問題で長野の小谷村と岐阜の建設業協会からあったのは私も承知しておりますが、あれはあれで中身をよく見 ますと非常に理解できる中身で、あれはあれでよく、変な中間搾取が起こらないような仕組みで特区を認めてあげればよかった話で、私も建設関係出身ですが、 その業界からあるいは組合から積極的にそんな要望が出たというのは聞いておりません。むしろ危惧の方が出されております。
 ですから、元々建設業というのは常用の雇用が少ないところで、言ってしまえば、みんな非正社員というか非正規雇用で、正に昔からジャスト・イン・タイム で現場があるときだけ人が集まって仕事するというところですから、ほかの業種と違って、それで仕事があぶれているとかミスマッチとか、そういうこと余りな いものだというふうに思っておりますので、どうしてこういうものが出てきたのかいまだよく分かりません。
 いずれにせよ、今回の出てくる法案は、まあ今日時間ないんで詳しく言いませんが、要するに、いろいろ枠は掛けていただいていると、中間搾取、ピンはねと かブローカーが入らないようにと。ただ、みんな心配しておりますのは、これが全面解禁につながらないのかと。全面的な建設業における人材派遣につながらないのか。つまり、いろんな会社が入ってきて、どんどんどんどん建設業において人材派遣をやると、そんなことにならないかということが今の時点で一番みんな 心配をしております。その点はいかがでございましょうか。

○国務大臣(尾辻秀久君)  先生にもお話いただきましたように、建設業におきましては、中間搾取でありますとか強制労働等の問題が解消されていないということは承知をいたしておりま す。したがいまして、現時点において、労働者派遣法を改正して、建設業務以外の分野と建設業を同様の取扱いとすることは適当でないと考えております。
 すなわち、今おっしゃいましたように、労働者派遣事業の解禁につなげるものではないということを申し上げておきたいと存じます。

○大門実紀史君 ありがとうございます。大臣のその御答弁は大変みんな待っていたんではないかと思います。
 私は、この建設業の実態でいえば、一番危惧していますのは今現在の建設業における偽装請負、違法派遣の横行の問題です。建設業というのは今でも労務請負 という形が行われております。親方が職人さん連れて現場に行って一つの仕事を仕上げる、いわゆる請負業ですね、請負業といいますか、請負業の形態は行われ ております。
 ところが、最近はそういう形ではなくて人だけ派遣すると。人だけ派遣するという、つまり派遣法違反です、明確な派遣法違反、偽装請負というのがかなり横 行しておりますし、私、驚いたんですけれども、建設通信新聞というのがあります。これに元気な注目企業として、名前言いませんけれども、人材派遣をやって います、社員五十人で八百人抱えてやっていますと。何も知らないんですね、自分が違法、違反しているということをですね。それでこうやって公に載っている と。つまり、何も知らないで、派遣法違反というのを知らないでこういうことをやっている会社が建設業に特に増えております。まず、こういうものをきちっと 取り締まらないと、先ほど言いましたものにこういうところが入ってくるんじゃないかという心配が一番あるわけですね。
 こういう建設業における偽装請負といいますか、違法派遣の実態、つかんでおられますか。

○政府参考人(青木功君) ただいまお話をいただきましたが、数量的にはともかく、そういった事例が間々あることは私どもも承知しております。

○大門実紀史君 間々あるというか、相当あるというふうに認識をしていただきたいと。
 予算委員会でも申し上げましたけれども、この間、偽装請負については厚労省としていろいろ調査されておりますね。あれをもうちょっと分析してもらうと、 かなり建設関係が多いと。私の方で調べている限りでは、かなり多いです、しかも全部調べ切れているわけではありませんから。是非まずこれを、こういうもの を取り締まってきちっとさせるということを抜きに、先ほどの、これから法案はどうなるか分かりませんが、相当反対の意見も強いようですから分かりませんけれども、そういうものがこういう心配する方向にならないかということのみんなの不安を取り除くためにも、まずこの違法派遣について徹底的な取締りをしても らいたいというふうに思います。
 今日は大臣がストレートにいい答弁をしてもらいましたので、時間は早いですけれども、これで質問を終わりたいと思います。
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