● ● ● ● 大門みきし Daimon Mikishi  ● ● ● ●


■2005年4月19日 財政金融委員会
○大門実紀史君 今日は、北方領土関連の財政問題について質問いたします。
 北方領土問題というのは国民全体の課題であるというのは間違いないところでございますけれども、なかなか進まないというのも今の現状でございます。こう いう中で、根室市などの隣接一市四町、四つの町の北方領土返還運動における役割というのは大変な重要なものがございます。政府の外交方針の最先端を担って いただいているという点があるわけでございます。私も去年、根室市役所に行きましたら、市役所に北方領土返還という大きなスローガン、垂れ幕が掛かっておりました。
 ところが、この隣接した地域というのは、この北方領土が未解決によって経済的な打撃も大変被っている地域です。漁業の衰退が激しいのはもう前から続いて いるわけですが、どんどんひどくなっておりますし、例えば根室市ではもう地域経済、市中経済、壊滅的な打撃を受けております。人口もかつて五万人だったの が今三万人少しと、市の税金も十年前と比較するともう二割の減少になっているというふうな大変な事態になっているのも一方です。
 谷垣大臣は、この北方領土隣接した地域というのはお訪ねになったことはございますか。あるいは、その実情、どこかで耳にされたことございますか。

○国務大臣(谷垣禎一君) 私は、北方領土、行ったことはございませんし、北海道、あれ、どこからか、見えるところからちょっと見たというぐらいしか存じ上げておりません。
 ただ、かつて、やはりこの問題に関して、かつてのここに住んでおられた方々のお話を聞く機会はございました。

○大門実紀史君  大変な事態が続いているわけなんですけれども、そういうこともあって、八二年に法律ができました。こういう地域を支援していくといいますか、頑張ってもら いたいという意味で、国民世論の啓発とか、あるいは、こういう地域の振興と生活安定ということを目的に、北方領土問題等の解決促進のための特別措置法と、 いわゆる北特法と言われている法律が議員立法として制定したわけですけれども、ところが、この北特法が立法趣旨が生かされていないという現実があります。
 今日はこの問題を取り上げたいと思いますけれども、まず、この北特法第七条に、国からの特別助成の、いわゆるかさ上げ措置があります。
 資料をお配りいたしました。上段の方に書いてあるのがその実績でございますけれども、要するに、これは一市四町の特定事業、公営住宅の建設とか公園を造 るとか学校を造るとか、そういうふうに該当する国庫補助事業のうち、自治体の負担が標準財政規模の一〇%上回ったものについて措置されるというものです。
 ただ、この一〇%上回るというのは大変現地にとっては厳しい物差しになっておりまして、この十八年間、お手元の資料のように、根室市と別海町では一度も適用がないと。これはおかしなことになっていると私は思います。
 この一市四町に向けたいろいろ頑張ってもらいたいというための措置であるにもかかわらず、使うところは使いましたけれども、比較的財政規模の大きい根室 市や別海町では一〇%、財政収入の一〇%を超える公共事業というのはなかなか難しいわけです。そういう点で使えないという事態になっているわけですけれど も、これは、個々の細かい話よりも、この趣旨そのものからいって、何といいますか、ある地域は使ったことがあるけれども、ある地域では全く使えないと、こ れはこの地域の特殊事情とは思えません。やはりこの基準そのものが法の趣旨に照らして現実に合っていないんではないかというふうに私は思いますが、これは 国土交通省の担当だと思いますが、いかがお考えですか。

○政府参考人(山本隆幸君) お答えいたします。
 まず、今の御質問の法律七条の前に、実は北方領土問題等の解決の促進のための特別措置に関する法律に規定された振興計画、これに基づいて地域の安定、振 興を図るための事業を実施をしております。その上で、更に七条により一市四町が行う補助事業に対してのかさ上げの措置を図ることとされており、これまでに 中標津、標津、羅臼の三町に対して合計六億八千万円のかさ上げがなされており、このようなことから七条の成果は上がっているものと理解をしております。

○大門実紀史君  時間がないんで、いろいろ言わないで、聞いたことだけに答えてくれますか。ほかの、使ったのは分かっていますよ、書いてあるんだから。ほかのところが使って、ほかのところが使えないというのは、この七条の基本的な考え方からいって何か基準が違う、実情と合っていないんじゃないかということを申し上げているんですけれども、その点だけ答えてくれます。

○政府参考人(山本隆幸君) この措置につきましては、公共事業等が集中することを避けるという趣旨でやられるという措置と理解をしております。そのように対処をしてきたつもりでございます。

○大門実紀史君  公共事業を集中するのを避ける措置じゃないでしょう。この一市四町が生活関連の公共事業をやったときに、ちょっとでもかさ上げによって助けてあげようとい うのが趣旨じゃないんですか。全然、自分たちがやっていて、趣旨を理解してないでやっているんじゃないかというふうに思います。
 私は、時間がないんで、その細かいことを言うつもりはありません。長年、何でこんなことが放置されてきたのか、どこに原因があるのか。
 この問題は、我が党だけではなくって、沖北の委員会等々で何人もの議員が取り上げてきている問題でありますけれどもね。私は、そもそもこれは皆さんの姿 勢がちょっと違うのではないかなと、今もちぐはぐな答弁をされていますけれども、根本的な、何といいますか、この問題の、この法律のとらえ方の問題ではないかというふうに思っております。
 気になりますのは、議事録をこの間のを読んでいますと、二年前、この問題が取り上げられたときに、国土交通省は、これは議員立法であって、私どもの、国 土交通省の所管ではありませんということを繰り返し述べられておられるんですね。そういうところにこんなものを放置しておく無責任さが私は出ているんでは ないかというふうに思います。
 国土交通省の北海道局の予算全体というのは今幾らですか。

○政府参考人(山本隆幸君) 開発予算全体で七千三百二十億円であります。

○大門実紀史君  私ね、それだけの予算がありながら手当てできないわけがない。これ手当てして全部使えるようにしたってわずか十億かそれぐらいの話なんですね、ちゃんと手 当てしたとしても、使えるようにしたとしても。それが放置されているというのは、あれこれではなくて、財政が厳しいとか何かじゃなくて、皆さんの姿勢その ものにあるというふうにまず指摘しておきたいと思います。
 もう一つは、内閣府関連だと思いますけれども、北方基金というのがあります。これは百億円を積んでその運用益でこの地域の支援事業をやろうということで すけれども、これは下の図の方の二段目に北方基金というのがありますが、運用益が、これは市場金利が下がったということもありますが、ずっと低下していま す。これについても放置されたままですね。放置されたままです。何ですか、何とか振興補助金とか啓発経費ですか、こういうものを、余り地元から要望が何年 にもわたって強く出されているんでつくられましたけれども、全体として北方基金の運用益はずっと下がっているわけですね。これも何も手を打たないで、根本 的な手を打たないでこられているわけです。これどうするんですか、この先、内閣府。

○政府参考人(東清君)  先生御指摘のように、北方基金の運用益、これは金利低下ということで減少していることは承知しております。先ほど御指摘になったように、この基金の目的の 一つであります啓発費用といった事業に対しまして、内閣府として、十五年度から振興啓発費、十五年度二千百万、十六、十七年度二千六百万というのを計上し ているところでございまして、これが根室管内、主として盛んに盛り上がっております返還運動、これの運動に資するものというふうに考えております。
 私どもとしましては、基金に対する要望がいろいろあることは存じておりますけれども、基金の効率的な運用と効果的な事業の実施について、各省庁と連携を密接に取りながら円滑な実施を図りたいというふうに考えております。

○大門実紀史君  円滑な実施なんか求めてないんですよ。どうするんですかと。ずっと減っているわけですね。最初申し上げたとおり、この法律そのものは北方領土返還運動の最 先端を担ってもらう市町村が頑張ってもらおうということと、もう一つは北方領土未解決のためにもう地域が物すごく疲弊していると、そのための法律でつくっ て、その措置なのに、地域がどんどん大変になっているのにずっと減っているわけですよ、国からの支援が。これをどうするんですかということを申し上げてい るわけですけれども。
 私はずっとこの問題いろいろ聞いてまいりまして、現地の話も聞いて、要するにこの地域の振興ということを責任持っているのはどこの省庁ですか。

○政府参考人(山本隆幸君) 振興計画に基づきまして、私ども国土交通省北海道局が担当して地域の振興をやっております。

○大門実紀史君 国土交通省の部分言っているんじゃないんですよ。それはこのかさ上げのところでしょう。全体を見ているのはどこの省庁ですかと申し上げたんです。

○政府参考人(山本隆幸君) 再度申し上げますが、振興計画に基づく担当は、私ども国土交通省北海道局が担当をしております。

○大門実紀史君  じゃ、北海道局はあれですか、この基金も管理されているんですか。違うでしょう。全体として、基金もかさ上げも全体を見ているのはどこなんですかと、北方 領土に隣する地域を。答えられないんですよね。内閣府も立ち上がらないわけですよ。北方対策本部というのは内閣府にあるわけでしょう。立ち上がらないわけ ですよね。いいですよ、もう時間ないから。
 私、そういうところがこれが放置されていると。全体手当てしたってわずか十億や、頑張ったって二十億の範囲だと思うんです。全体七千億とか八千億の国土 交通省の北海道局予算あってもわずかなところも手当てしない。内閣府も何かちょこちょこっとお茶を濁すようなのをつくって根本的に手当てをしようとしな い。これはどっち付かずといいますか、責任者がいないんですよ、これ、この全体振興を図る、振興のお金が減っているということに対する。だから放置されて いるということを指摘したいわけです。
 財務大臣、お聞きしたいんですけれども、私は、当初これはずっと手当てされないのは財務省がけちっているのかなと思っていたんですよね。ところが、そう じゃないんです。財務省に要望を出す方がサボっているわけですよ。怠慢なわけです。どっかがやるだろうと思ってずっと放置してきているわけですね。私は、 これからちゃんと、内閣府が窓口だと思っていますから、やってもらおうと思いますけれども、ちゃんとした案が出てきたときは是非財務省としてきちっと検討 していただきたいと思いますが、いかがですか。

○国務大臣(谷垣禎一君) 今委員おっしゃったように、内閣府、それから国土交通省、さらには北海道ですね、よく議論していただいて、きちっとした考え方を整理していただかなきゃいけないと思います。
 私どもとすれば、もちろん、財務省がけちっているわけではないと言っていただきましたけれども、財政の効率的な使い方というのはもちろん考えなきゃいけ ないわけでありますが、その上で、そういうきちっとした整理したお話があれば私どもも検討していくということであろうと思います。

○大門実紀史君  もう時間ですので言いませんが、とにかく問題の所在はそういうところにあるということですので、今財務大臣がきちんとした案が出てくればきちんと検討する ということですから、まずきちんとした案を出すと。そのためにきちっと内閣府中心に相談をし合って検討をしてもらいたいと。一言、内閣府の方から答えてく ださい。

○政府参考人(東清君)  この北特法の運用につきましてそれぞれの主務大臣というのが決まっておりますが、先ほど国交省の方が地域の振興については担当しているということでござい まして、私どもも連絡を取り合って、どうしたらいいのかということを今後とも検討していきたいというふうに考えております。

○大門実紀史君 終わります。
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