● ● ● ● 大門みきし Daimon Mikishi  ● ● ● ●


■2005年4月21日 財政金融委員会
○大門実紀史君 大門でございます。
 今回、我が党は、この法案については、まあないよりはましだろうということで、賛成でございます。
 ただ、各団体が非営利で相互扶助でやっている共済事業をどう扱われるかということは、もう同僚議員がかなり的確な質問をしていただきましたけれども、我 が党も心配しておりました。もう既に幾つか触れられましたので、ダブってお聞きすることはいたしません。要するに、そういう、何といいますか、自主的に長 い間相互扶助で非営利で取り組んできた団体について、これから健全性の基準だとか、いろんな運用だとか、いろんなことで新たな法の枠の中で要望も出ると思 いますし、実態に合わせてやってほしいということが一杯出てくると思います。その点について、きちっと配慮していく、その要望をしたかったということでご ざいます。大臣から、一言で結構です、その点だけ踏まえて、御答弁、お願いします。

○国務大臣(伊藤達也君) 具体的な基準等、政省令を定めるに当たってはパブリックコメントに付していきたいというふうに思っておりますし、幅広い方々の意見を聞きながら、実態というものも十分踏まえて、そして制度設計というものをしっかりやっていきたいというふうに思っております。

○大門実紀史君  では、これに関連しなくもないんですけれども、無認可共済の被害なくすことも大事なんですけど、まずその本体といいますか、大手の保険会社そのものの違法 行為が片や頻発しているところです。こちらこそ金融庁の厳格な対応が求められているんじゃないかというふうに思います。そういう点で、この間話題になって おりますけれども、明治安田生命の不払事件を取り上げたいと思います。
 これは、明治安田生命が二月に保険業法違反で行政処分を受けまして、二週間の業務停止命令というかつてない重い処分でございますね。これは、簡単に言い ますと、契約者を詐欺師扱いといいますか、にして、払うべき保険金を払わなかったという大変重大な事件、悪質な事件でありまして、件数でいきますと合計で 百六十二件、保険金額で十五億二千二百万不払だったと。資料の一はそれを報じた、その処分も報じた日経新聞の記事でございますけれども、私、今日はこの処 分が的確なのかどうかということを中心にお聞きしたいわけですが、伊藤大臣にお聞きしますけど、この明治安田生命の起こした事件とこの経営陣の処分、この 関係、妥当だというふうに御判断されておりますか。

○国務大臣(伊藤達也君) お答えをさせていただきます。
 今回の事案につきましては、明治安田生命が保険金の支払において不適切な取扱いを行っていたものであり、法令等違反の問題及び内部管理体制上の問題が認 められたところであります。保険金の支払というのは保険会社の基本的かつ最も重要な機能でありますので、このような不適切な取扱いが行われたということは 極めて遺憾なことであるというふうに考えております。
 当局といたしましては、このような問題にかんがみ、二月二十五日に、委員からも御紹介ございましたが、保険業法第百三十三条に基づく業務停止命令及び第百三十二条第一項に基づく業務改善命令を発出をさせていただいたところでございます。
 明治安田生命からは、当該処分に基づき、三月十六日に以下のような業務改善計画が提出をされました。第一に、迅速かつ適切な保険金支払を行うための保険 金支払管理態勢の確立。第二に、保険契約者、被保険者から正しい告知を受けるための施策を含めた保険募集管理態勢の確立。第三に、保険契約者等の保護にか かわる重要な事項の決定に取締役会等の経営陣が関与する体制の確立。第四に、実効性のある法令遵守体制の構築ということでございます。
 当局といたしましては、当該計画に掲げられた以上のような諸施策が早期かつ着実に実施されて、そして社内の意識改革を含め、経営改革の実を上げていくこ とが重要であると考えておりますので、同計画の実施状況について適切にフォローアップをしていきたいというふうに考えております。

○大門実紀史君 済みません、大臣、私の質問よく聞いていただけますか。そういう経過をお聞きしたんじゃなくて、この経営者の、経営陣の処分が今言われた経過に基づいて妥当だというふうに大臣が判断されているかどうか、その一点だけお聞きしたんですけど。

○国務大臣(伊藤達也君) 本件の社内処分は、保険業法第百三十二条第一項に基づく業務改善命令に基づきまして、明治安田生命で責任を持って当事者及び管理者を認定した上でそれぞれの責任度合いに応じて社内処分を行ったものと承知をいたしているところです。

○大門実紀史君 私は、金融庁がこれだけ重い行政処分したところの経営陣の責任の取り方が社内で自主的な判断でやりましたということでいいのかどうかという点が疑問なわけです。
 若干の経過申し上げますと、金融庁は、明治安田生命の、去年の秋ごろからですか、トラブルがあるというのをお聞きになって、二回にわたって明治安田生命 に報告を出しなさいということで、去年の十一月と今年の一月に求められて、その報告を、出てきた報告を精査して先ほど言われた行政処分をされたということ だと思います。つまり、この経営陣の処分も金融庁の行政処分の中の業務改善命令の中にあります役職員の責任を明確化せよというのに基づいて、おっしゃった とおり、会社の中で判断したのがこの処分でありますけれども、つまり、あくまで明治安田の報告に基づいてこういう処分がされているということだと思いま す。その報告の中の事実経過に基づいて処分がされているということだと思います。
 したがって、私、疑問なのは、この報告にもし事実経過と違うものがあればこの処分も違っている可能性があると。その辺をきちっと確かめられるべきだというふうに思います。
 私が調べたところを申し上げます。この新聞に出ておりますけれども、金子社長、平田専務、上山法務部長、この三人がポイントですけれども、まずこの平田 専務というのは、実は二〇〇二年五月に、今回問題になりました保険金不払の大本にあります保険金支払規定の見直しがされております、二〇〇二年の五月に。 つまり支払う規定を厳格化せよという内容に変わったわけですね。それ以降、こういう契約者を詐欺師扱いにして不払事件が増加したわけです。
 この支払規定の見直しというのは、私、調べたところによりますと、部長決裁になって役員に報告するという事項になっております。このときの部長が下平さ んという部長さんです。役員がこの新聞に載っております平田専務です。だから、平田専務は報告を受けたと、当事者だから処分と、辞任という重い処分になっ ているわけですね。
 上山法務部長さんは、この方は中途採用の弁護士さんでございまして、役員として迎えられるというのは非常に異例の人事であります。これは金子社長が登用 されたんだと思います。この方が実は、その規定だけではなくて、法務部長として一個一個の査定を、これ裁判に持ち込んでも詐欺扱いに持ち込めるという案件 については払うなと、かなり非常に異様な判断を、査定判断をされている方がこの上山法務部長さんです。したがって、この方も非常に責任が重いということで 辞任をされております。要するに、この平田専務と上山法務部長が当事者だということで辞任という重い処分になっているわけですね。
 金子社長はどうかといいますと、これはその明治安田の報告を基に言いますと、要するに、今回の事件のことを進行しているのを知らなかったと。監督責任は そうはいってもあるだろうということで、新聞にあるように半年間報酬ゼロですか、ただ、社長は留任をすると。しかも、社長を留任した場合、次の生命保険協 会の会長に回り番ですからなってしまうと。私はどんな顔をして会長の席に座られるのかというふうに思いますけれども、私は辞退すべきだというふうに思いま すが、そうなってしまうようなことも含めて留任をされているわけですね。非常に軽い扱いになっております。
 私の調べたところ、その明治安田の報告、事実関係に基づいた処分というのはそういう経過になっているというふうに私承知をしておりますが、金融庁はその辺調べておられますか。

○政府参考人(佐藤隆文君) おおむね今御指摘いただいたような経過であったかと思います。
 若干、金子社長の関与につきまして私どもが報告徴求等によって把握している事実を紹介をさせていただきますと、保険業法百二十八条に基づく報告徴求を 行ったわけでございますけれども、先ほど御指摘ございましたように、詐欺の適用基準の策定及び実際の運用というのは社内基準によって担当部長、保険金部長 でございますけれども、これが決裁するということとされておりました。したがいまして、この報告によりますと、平成十四年五月の旧明治生命においてこの詐 欺による無効の支払査定基準が策定されたその決定は、決裁手続に係るこの社内基準に従って担当部長が行っていたということでございます。
 それから、これも報告によりますと、当該支払査定基準を策定した直後にモラルリスク対策のための支払査定の厳格化という方向性について、先ほどの担当役 員、専務の方に報告が行われていたということですけれども、その具体的な運用方針であるとか運用状況については役員には報告はされていなかった、他の取締 役会メンバーについても報告を受けていなかったということでございます。
 それからまた、これもその報告徴求の結果でございますけれども、平成十六年一月に旧明治生命と旧安田生命合併したわけですけれども、この合併に際しまし て両社の社長を共同委員長とする経営統合推進委員会というものが設けられまして、ここでモラルリスク対策の強化のための支払査定に関する基本方針、こうい うものが合意されておりますけれども、この際も、旧明治生命の査定基準を使用するという具体的な取扱いについては担当部長間限りで合意されていたというこ とだそうであります。
 そして、さらに、同社への苦情が多数に上ったということを受けまして、私どもで平成十六年の十一月に報告徴求を行ったわけでございますけれども、これを 行うまで取締役会メンバーに対して詐欺、錯誤の適用による保険金不払件数の報告といった具体的な報告はなされていなかったということでございます。
 以上、申し述べましたような明治安田生命からの報告あるいはヒアリングの結果によりますと、この金子社長の関与というものについて、具体的に、この詐 欺、錯誤の適用に関する具体的な関与というものについてそれを全部承知していたというような認識を持つべき状況にはなっていないということでございます。

○大門実紀史君 ありがとうございました。レクのときは明治安田の報告の内容は個別のことなのでお答えできませんということでしたけれども、よく全部答えていただきました。そうすると、私の言うことも少なくなるんですけれども。
 そういう報告を基に私考えますと、少しおかしなことがあるなというのが、資料の二枚目でございます。これは、二〇〇二年の三月二十九日に明治、このとき はまだ明治生命の段階ですけれども、金子社長名で中期経営計画というのが出されています。この中で、下の方にアンダーライン引きましたけれども、私は読ん でいて異様な文言だなと思ったのは、「支払い査定力を強化し、死差益の拡大をめざします。」と。これはちょっと驚いた文章です。死差益というのはどういう 意味か、ちょっと簡単に説明してくれますか。

○政府参考人(佐藤隆文君)  生命保険商品につきましては、商品設計の際に、あらかじめ保険事故が発生する、つまり被契約者が、保険対象者が亡くなって保険事由が発生するといった確率 といったものを織り込んで保険数理に基づく仕組みができておるわけでございますけれども、この死差益というのは、商品設計上設けましたそういう保険金支払 の見込み予定に対しまして実際の保険金支払がどうなるかと、保険数理に基づく保険支払が現実にどうなるかということで、その差の部分がもしも実際の保険金 支払の方が小さければ死差益という形で出てくるというものでございます。

○大門実紀史君  ほかの保険会社の中期計画、大手のところ全部拾ってみたんですけれども、支払査定力を高度化するとか、いろんな言い方あるんですが、この死差益の拡大とい うのはどこもこんなこと、思っていても言わないことでございますね。要するに、うちは死んでも保険金払いませんよというふうなこと言っているわけですか ら、これはとんでもないことを、非常に異様な経営計画でございます。
 この直後に、これは三月二十九日ですが、この直後に、この直後の五月に問題になっております支払規定の改定が行われたということなんですね。先ほど正確 に答えていただいたとおり、私の承知しているところでも、明治安田の報告書そのものにはこの経営計画と支払規定の見直しについての因果関係が一切書かれて おりません。この計画があったから規定を直しましたということが書かれておりません。わざわざ遮断されております。触れておりません。
 これは何かというと、この経営計画に基づいて規定の見直しがあれば、当然社長責任といいますか、社長の指示の下に行われたということになって金子社長に 責任が及ぶと。及ばないためにはこのことは遮断しておかなきゃいけないと。ありありとそういうことが見て取れるわけですけれども、金融庁は報告を受けられ ている中で、そういうことを確認されましたか。

○政府参考人(佐藤隆文君)  まず、このアンダーライティングと支払査定能力を強化し、死差益の拡大を目指しますというこの目標を掲げておる話に関してでございますけれども、多少の違 和感を持って私どもも読むわけですが、一般論として申し上げますと、保険契約者間の公平性の確保といった観点から、悪意の保険契約者を排除し、善意の保険 契約者の保護を図るということは重要なことだと思います。現実に、各保険会社、入口である保険引受けの段階においてその危険選択を適切に行うという一方、 出口である保険金支払の段階においても妥当性の判断ということを行うことが求められているということだろうと思います。
 しかし、同時に、先ほど大臣からも御答弁ございましたように、支払事由が発生した保険金等を迅速かつ適切に支払うということは、保険会社の基本的かつ最も重要な責務であるということは言うまでもないということでございます。
 そこで、お尋ねの件でございますけれども、これも私どもが報告徴求いたしました結果あるいはヒアリングの結果によりますと、支払査定基準の見直しという のは、御指摘のその平成十四年三月の中期経営計画の公表以前から検討されていたものであるという報告を聞いております。そのような大きな検討の流れという ものが同年五月の新しい支払査定基準の策定というものに結び付いていったというふうに思われますが、さらに今御指摘のそれに先立つ三月の中期経営計画の策 定との関係というものは定かではございません。

○大門実紀史君  実は昨日から金融庁は明治安田に立入検査に入っておられますね。これだけの問題を起こした大生命保険会社でございます。先ほど言われたとおり、報告によれ ばということが、今の段階ではそれに基づいて判断されるのは仕方ないと思いますが、何年かに一度の立入検査、しかもこれだけの問題を起こした後の、直後の 立入検査でございますから、私が言った点だけではないと思いますけど、報告出てきたもの全体を、当然今度の立入検査、立入検査というのは銀行とはちょっと 違って、募集から支払から財務から、総合的にやられる検査だと思います。ですから、この点だけでというわけではありませんけど、全体の、この間出てきた明 治安田の報告も検査の対象の一つに当然なると思いますが、その点、いかがですか。

○政府参考人(西原政雄君) お答え申し上げます。
 今御指摘されましたように、昨日からこの明治安田生命に対して検査に立入りをさせていただいております。
 それで、個別の金融機関の関係について、検査内容についてはちょっとお答えするのは差し控えさせていただきたいと思いますが、一般論として、保険会社に 検査に入った場合、そういったときにどういうような検査をするかという点、申し上げたいと思いますが、私ども保険検査マニュアルというのを用意してござい ますので、それに沿った形で、今御指摘のあったような保険募集管理態勢、あるいは法例遵守態勢、あるいは内部管理体制、そういったところ、各種リスクの管 理態勢等についてしっかりとした検証をしていくということになると思います。その際に、今おっしゃられましたような御指摘のような二十四条報告、これも一 つの情報であります。そのほか、我々入手したあらゆる情報を基に、実態の解明、実態の把握、検証に努めていくということになろうかと思います。

○大門実紀史君 是非、その中で、この経営計画といいますか、社長のかかわりを改めて検証してもらいたいと思います。
 この問題は民主党の岩國衆議院議員も一度取り上げられております。委員長にお願いしたいんですけども、この明治安田の金子社長、参考人招致、もちろん協会の会長になられたならなおさらですけども、参考人招致を理事会で諮っていただきたいと思います。

○委員長(浅尾慶一郎君) ただいまの大門君の御提案につきましては、後刻理事会で協議いたします。

○大門実紀史君  私はその結果を待ってまたこの問題取り上げていきたいと思いますが、こういう方が生命保険協会の会長に、輪番制といえど、なることがどうなのかと。仮にこ の関与が証明されなくても、ただでさえこれだけの重い処分を受けたような保険会社の社長が、今生命保険業界いろいろ立て直そうと、再生しようと、いろいろ 頑張ろうと、いろんなことがあって検討されている中で会長に就任されるというのはこれ非常にまずいし、生命保険協会の会長になれば必ず国会で何かの問題の ときに参考人質疑でここに座られることあると思うんですよね。私はただで帰れないんじゃないかと思ったりいたしますよね、こんな問題のままですとね。
 だから、やっぱりこれは、大臣、やっぱり辞退されるようにアドバイス的に言われるべきじゃないかと思いますが、いかがですか。

○国務大臣(伊藤達也君)  人事のことについて私からコメントは差し控えさしていただきたいというふうに思いますが、その協会においてこの会長人事を決めるに当たっては、定款に基づ いて、その手続に沿って、今委員が御指摘をされたことも踏まえて検討をされ、そして協会の責任と最終的な判断において人事が決定されたものと承知をいたし ております。
 今あった委員の御指摘も踏まえて、それにやっぱり協会がこたえて、そのことによって協会の信頼あるいは信頼性というものを向上していくための努力をすべきものと私どもとしては考えております。

○大門実紀史君 まあ、そういうことだと思います。
 とにかく、無認可共済が今回法案の中に、それとセットにセーフティーネットの問題もあります。私、こんなことやっといて、こんなことやっといて、いざと いうとき助けてくれという話じゃないだろうというふうに思いますので、その点からも厳しくこの問題、金融庁、対処していただくことをお願いして、質問を終わります。
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