● ● ● ● 大門みきし Daimon Mikishi  ● ● ● ●


■2005年6月9日 会社法連合審査
○大門実紀史君 大門でございます。ふだんは財政金融委員会に所属しておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 時間の関係で、私の方は、対価の柔軟化に伴う三角合併に絞ってお聞きしたいと思います。
 三角合併といいますのは、外国の親企業が日本に子会社をつくって、その子会社が日本の企業を買収あるいは合併すると、これは三角でございますけれども。 対価の柔軟化というのは、その際に、外国の親企業が持っている自分の株式を使って買収、合併ができるということでございます。ただ、今度は、これに対する 企業防衛ということで実施は一年後にというふうになっておりますけれども、この三角合併そのものはもう御存じのとおり外資系の企業が強い要望をしたという 経過があるのはそのとおりだと思います。
 問題は、現在、欧米、特にアメリカの企業の株の時価総額と日本の企業の株の時価総額に大きな開きがあると、この状況下でのこの規制緩和というところであ ります。例えば、松下電器の時価総額というのは、米国のゼネラル・エレクトリック社の十分の一、東京三菱フィナンシャル・グループに至ってはシティグルー プの四分の一の時価総額ということで、要するに日本の企業の株がアメリカの企業の株に比べて著しく低いわけです。
 したがって、米国の企業が、例えばアメリカですけれども、アメリカの企業が日本の企業を買収するために自分のところの株を使ってそれで株式交換できるよ うにするということになると、非常に割安に買収ができるということになるわけです。買収される方の日本企業の株主にとっては、今千円の株を持っているとす ると、代わりに五千円の株を上げるよと言われるわけですから、非常にそれに飛び付いてしまうという点からも、外国企業の日本企業買収がこれによって相当進 むんではないかと言われているところでございます。私、別に鎖国政策を取るべきだというふうには思っておりませんけれども、市場経済の原則は、やはり公平 性というのはやっぱり担保されるべきだと。
 日本の企業は、今不況で業績が伸びないということもあって株の時価総額下がっておりますし、これだけ時価総額に開きがあるときにわざわざ今回のような改 正をいたしますと、競争条件としては不利な条件の、不利な環境のまま日本の企業、特に中堅の、私は心配するのは技術の持っている中堅のところだと思うんで すけれども、まずそういうところがMアンドAのあらしにさらされるんではないかというふうに危惧しているところですが、その点、まず、法務大臣の認識を伺 いたいと思います。

○国務大臣(南野知惠子君) 先生のお尋ね、大きく分けて二つあったかなというふうに思っております。
 一つは、時価総額が欧米の会社と比較して低い原因は何かということであったと思います。それはよろしゅうございますか。

○大門実紀史君 聞いてないよ。

○国務大臣(南野知惠子君)  お話の中にそれが入ってきたというふうに思っておりますが、防衛というポイントに当てて考えるということでございましたら、日本の会社の株式の時価総額が 欧米の会社のそれと比較して低いとおっしゃっておられますが、そのために日本の会社が外資による敵対的買収の対象となりやすい状況にある、そのような指摘 がかねてよりされていることは承知いたしております。
 企業としましては、時価総額を高めるために取るべき言わば王道というものがあるとするならば、それは経営努力による企業価値を高めていくということに尽 きるわけでございますけれども、買収対象社、対象会社を単に高く売り抜けるということのみを目的として買収を行うような有害な敵対的買収に対しましては適 切な買収防衛策を用意しておく必要があると指摘されていることも理解できるわけでございます。
 会社法案におきましては、このような観点から、買収防衛策にも活用することができるよう、特定の種類株式について譲渡制限をすることができるようにするなどの措置を講じているということでございます。

○大門実紀史君 聞いていないことまで答えていただいてありがとうございます。
 法務委員会の参考人質疑でもあったんですけれども、今回の防衛策で種類株式等とあるわけですが、これは実効性に疑いがあると言われている参考人もいらっしゃるわけですし、先ほどありましたとおり完全な防衛策というのはないというのは市場経済の原則でございます。
 三角合併というのは友好的買収と思われがちなんですけれども、必ずしも現場ではそうではありません。まず公開株、買い付けやって一定の比率占めてから、 最後に、最後に三角合併という友好的な手法を取るというのが一般に行われておりますから、この分類的に三角合併は安全だというふうに見るのは経済現場を知 らない話ではないかというふうに思います。
 ですから、こういう不利な環境のまま今改正を急ぐ必要が本当にあるのかと。少なくとも、この一年間で日本の景気が良くなるとは思われません。少なくと も、ちょっと景気が良くなって競争条件が、株価が上がってからやるべきことではないかというふうに思うところでございます。
 一言加えて言いますと、郵政民営化の法案が今審議されておりますけれども、郵貯銀行等が、完全民営化された後、この会社法案が通れば、外国企業がその自 社の高い株式を使って買収する、あるいは三角合併をするということも、理論上といいますか法制度の上では今回の改正で可能になるという点も指摘しておきた いと思います。
 私は、先ほど言われましたけれども、この時価総額の違いは、確かに日本の企業は持ち合いをやっているとかあるいは配当が少ないとかいろいろあります。企 業価値の問題ありますけれども、それだけではないと。それだけが日米の時価総額の差ではないということを申し上げたいと思います。
 谷垣大臣にお聞きいたしますけれども、これは財政金融委員会、予算委員会で私、二回ぐらい取り上げたことございますが、日本が今為替介入で大量にドルを 買って、結局米国債を買っております。この日本の、大量のアメリカの国債を買うと、買っていると、このことは巡り巡って、経済の理屈の話ですけれども、ア メリカの株価を支えるという役割を果たしている。意図したかどうかは別ですよ。結果的にそういう作用を及ぼしていると思いますが、財務大臣の認識、いかが ですか。

○国務大臣(谷垣禎一君) 大門委員、今、日本が今大量の為替介入してとおっしゃいましたが、今現在しているわけではございません。(発言する者あり)かつてしたことはもう報告をしております。
 そこで、アメリカの今株価の問題をおっしゃったわけですけれども、私は日本の株価についてもどう見ているかというのは発言は慎重にしておりますので、ア メリカの株価について正式に申し上げる立場はございませんけれども、アメリカの株価の背景にはやはり、何というんでしょうか、米国経済が拡大しているとい うことがありまして、その要因の一つとしては長期金利の安定ということが私はあると思っております。
 それで、その長期金利が安定しているということが何なのかというのは、これはなかなか難しく一概には申し上げられませんが、先日、今週の火曜日、グリー ンスパンFRB議長が北京で講演をされておられるわけですが、その中では外国通貨当局による米国債購入は長期金利を低下させるということを発言しておられ ます。ただ、その後でまた付け加えられて、しかし長期債市場の深さを考えるとFRBスタッフは外国通貨当局による購入の影響は限定的と予測していると、こ ういうふうに述べておられまして、グリーンスパンさんがこういうふうに見ておられるのかなというのは私も関心を持って拝見したところであります。

○大門実紀史君  グリーンスパンは三月の段階でもアメリカの長期金利の安定について同じような講演をしておりまして、そのときはむしろ外国が米国債買ってくれていると、日 本が国債買ってくれているということを項目の一つに挙げております。グリーンスパンさんは非常に政治的な人ですから、理屈の問題よりもそのときの判断でい ろいろ言われていると思います。
 要するに、日本が米国債買いますと、その分米国債が価格が安定します。そうすると、米国の長期金利が安定すると。したがって、それが米国の経済にいい方 向に波及いたしますから、アメリカの株価は上昇、支える方向に働くと、あるいはアメリカの長期金利が低く抑えられますと、マネーはアメリカの国債を買うよ りもアメリカの株式市場に投資しようということで、いずれにせよ株価を押し上げる効果があると、支えていると。それに大きな役割を果たしているのは日本の 米国債購入だというのは、私間違いないと思います。
 時間ないんで申し上げません、細かく言いませんが、この間FRBと財務省の資料によりますと、短期性資本がどれぐらい海外に流れているかというと、毎月 一兆円レベルで流れております。これがほとんど米国の金融市場に入っておりますから、仕組みとしては日本のお金がアメリカの株価を支えていると、中の大き な要因になっていると、それだけではないのはそのとおりですけれども、申し上げたいというふうに思いますし、それだけじゃないんですね、日銀が金融緩和を じゃぶじゃぶにやっておりますけれども、あの資金もキャリートレードでアメリカの方に株式流れておりますし、日本の民間銀行だってこの間米国債を買い増や しておりますから、いろんな面で日本のマネーがアメリカの株価を支えている、押し上げていると。これは私だけではなくて、いろんな方が指摘をしているとこ ろでございます。
 つまり申し上げたいのは、さっきの株価の時価総額が違うと。ところが、このアメリカの高い株価というのは、実は日本のお金が、日本のマネーがそれを非常 に支えているという点がグリーンスパンも言って認めているように大きいわけですね。その株価の高い株を使って日本の企業を買収に入っていくということは、 巡り巡ってですけれども、日本のマネーを使ってアメリカ企業が日本企業を買収すると、こういう構図に、これは世界のマネーの流れで今そういう資金循環に なっているわけですね。こういう構図の中での今回の会社法の改正だということを私申し上げたいわけですけれども、法務大臣はこういうマクロの構図があるこ とを御存じで今回提案されているんでしょうか。

○国務大臣(南野知惠子君) 法務省に答えさせた方がよろしゅうございますでしょうか。
 株はどうぞ、上がったり下がったりするものでございますので、それが一定になっていくということは、今このような形では考えられない、上下はしているところだと思います。

○大門実紀史君 大臣に聞いた私が間違っていたかも分かりませんけれども。いずれにせよ、こういうマクロの、マクロの構図の中での今回の会社法改正で、それが非常に、非常に大きく影響するということを申し上げたいというふうに思います。
 最後に、一点。先ほど藤末議員から、八百二十一条、このままでいいのかというお話ありましたけれども、私はこのままでいいというふうに申し上げたいと思 います。財政金融委員会、予算委員会で取り上げましたけれども、このペーパーカンパニー、海外の、これがいかに課税逃れをしているかと、これを何とか把握 しなければいけないわけですね。この前のライブドアのリーマンもそうですけれども、日本でもうけて、日本で税金を払わないと、ケイマン通じてペーパーカン パニーになっていると、こういう仕組みがあるわけですから、この八百二十一条をきちっと通してもらって、株式会社化すればいいわけですから、ちゃんと法人 化すればいいわけですから、そして税金をちゃんと払えばいいわけですからね、そういう点でこの八百二十一条を支持したいと思いますが、最後に、その課税の 点で財務大臣の決意をお聞かせいただければと思います。

○国務大臣(谷垣禎一君) いや、もうこれは適切にきちっと課税をして、いただくものはいただくということでございます。

○大門実紀史君 終わります。
戻る▲