● ● ● ● 大門みきし Daimon Mikishi  ● ● ● ●


■2005年6月16日 財政金融委員会(証券取引法改正案質疑)
              大量保有報告書制度の見直し主張
○大門実紀史君 大門でございます。
 今回の法案は賛成でございますので、証取法に関係して、ライブドアのときも問題になりましたけれども、株の大量保有報告書の問題について絞ってお聞きをしたいと思います。
 これはもういろんな議論がありました。提出時期が余り遅いので、大株主の動向がつかめないと一般株主が様子が分からないというようなこととか、市場の透明性に欠けるという批判が続いてきたところですし、参議院の三月の予算委員会の参考人質疑でも、ほとんど参考人の方がこぞってこの大量報告書の今の制度の問題点を指摘されております。
 要するに、今の開示の制度は、一般投資家にとって、だれが大株主なのかというような情報がいろんなときに動いてしまってよく分からないと、場合によっては上場廃止という問題も絡むと、そういう点で、タイムリーな開示がないと一般投資家の皆さんが困るんだという指摘が参考人質疑でもこぞって表明されたところでありますけれども、この大量保有報告書制度の見直しについて、金融庁、今どうお考えか、教えてもらいたいと思います。

○国務大臣(伊藤達也君) 大量保有報告制度、いわゆる五%ルールにおいては、証券会社、銀行、信託会社、保険会社、投資信託委託業者、投資顧問業者等が他の会社の株券等を保有する場合であって、それが当該他の会社の事業活動を支配することを目的とするものでない場合には報告の特例が適用され、報告頻度の軽減等が認められているところでございます。これは、これらの保有者が日常の営業活動等において反復継続的に株券等の売買を行っており、取引の都度詳細な情報開示を求めた場合には事務負担が過大となると考えられることから、特例報告制度の対象といたしているところでございます。
 大量保有報告制度の在り方につきましては、金融審議会における投資サービス法及びそれに関連した開示制度の在り方に係る検討の中で議論が行われていくものと考えておりますが、特例報告制度の対象範囲の在り方につきましては、証券取引の透明性、公正性の要請と開示に伴う過大な事務負担の回避の要請とのバランスを考慮して判断していく必要があると考えております。

○大門実紀史君 いや、大臣は見直しの必要性を、一言で言えば必要あるということでお考えでしょうかとお聞きしているんですけれども。

○国務大臣(伊藤達也君) 今お話をさせていただきましたように、この問題につきましては金融審議会で御議論をいただいているところでございます。この議論に当たりましては、証券取引のやはり透明性、公正性というものを確保していく、その要請の問題と、それと開示に伴う過大な事務負担というものを回避をしていく、その要請のバランスをどう取っていくかということが大きなやはりポイントではないかというふうに思います。
 こうした点から専門家の皆様方から今御議論をいただいておりますので、こうした議論を踏まえて私どもとしての検討作業を進めていきたいというふうに思っております。

○大門実紀史君 是非急いでもらいたいと思うんですけれども、今回の改正に出てくるべきだったと私は思っているところでありますけれども。現行でももっと厳しく対応すべきではないかと、現行の制度のままでもですね、思うわけですけれども。
 この制度は、提出が遅れているのは頻繁に発生しています。本来はこの証券取引法違反になるわけですけれども、よほど悪質な場合以外は立件されないということですね。この義務違反というのは三年以下の懲役又は三百万以下の罰金というふうに厳しい罰則も付いているわけなんですが、ほとんど立件されていないと。
 過去に処罰した例があるのかどうか、教えてもらえますか。

○国務大臣(伊藤達也君) 証券取引等監視委員会が発足した平成四年七月から今日まで証取法上の虚偽大量保有報告書の提出及び大量保有報告書の不提出にかかわる犯則事件はそれぞれ一件ずつ計二件あり、いずれも平成十二年十二月に告発を行ったと承知をいたしております。
 事案の内容は、株式会社東天紅の株価を騰貴させるため、公開買い付けをする旨の虚偽発表をするとともに、虚偽の大量保有報告書を提出をしたと。株式会社東天紅の株券の大量保有者になったにもかかわらず、期限までに大量保有報告書を提出しなかったというものでございます。

○大門実紀史君 私の方で調べたところによると、告発は七十三件あったようですけれども、今おっしゃったとおり二件だけとなっています。なぜこんなに少ないんでしょうか。

○国務大臣(伊藤達也君) 今委員から御指摘がございましたように、証券取引等監視委員会につきましては七十二件の告発を行ってきており、そうした活動の中で、大量保有報告書の不提出等についても悪質な事案があれば厳正に対処しているものと承知をいたしております。
 今後とも、監視委員会が市場の公正、そして投資家の保護のため、悪質な法令違反行為に対して厳正に対処していくことを期待をいたしております。

○大門実紀史君 フィデリティ投信が二〇〇一年の初めに、これは二百四十五件もの保有状況をですね、一遍に出すと。あのときでさえ何の処分もなかったというので、どうなっているのかというのが話題になったことありますけれども、今、この前のライブドアも含めていろいろ状況が随分変わっております。
 この前、経済産業省が報告出しましたけれども、経済産業省の企業価値研究会がMアンドAの変化について報告書を出しましたけれども、要するに、もう十年前とはかなり環境が変わっておりまして、この大量報告制度ができた当時と、今の制度ができた当時とかなり状況が変わっていると。
 簡単に言いますと、バブルの時期というのは株の、何といいますかね、敵対、買収が多かったですけれども、買占めですね、買占めが多かったんですけれども、その後、企業再編の時代が続いて、友好的なMアンドAが続いて、この二〇〇〇年ごろからいわゆる今話題になっています敵対的買収が増えてきたというようなのを経済産業省も分析しているところであります。
 そういう中で、機関投資家の特例ということですけれども、一口に機関投資家と言っても、今申し上げたように一くくりにできない部分が出てきていると。買収ファンドの問題等々が話題になっておりますけれども、そういう点では、これは村上ファンドの問題が話題になったときに、三月ですけれども、日本証券業協会の会長さんが、支配を目的とする買収ファンドなどは先ほど申された特例の対象とすべきじゃないと。あるいは参議院の予算委員会、参考人質疑でも参考人の方が、例えば買収ファンドあるいはプライベート・エクイティー・ファンドなどは当然一般の投資家と同じ規制を掛けるべきだというふうな発言がこの間続いているところです。
 申し上げたいのは、この機関投資家の特例という一くくりにしているだけでいいのかと。通常、普通の機関投資家とこういう買収を目的としたファンドというのはやっぱり一線、線引きをすべきではないかという意見が、私だけではなくて、いろいろ今出ているところでございます。
 さかのぼれば、八九年の証券取引審議会不公平取引特別部会報告に、今後のこの大量報告制度の在り方について既にそのときにもう提言がされています。要するに、特例の対象となる機関投資家の範囲については、その実態を勘案しつつ、必要な限定を行うことが適切だというのはもう八九年の段階で述べられているわけです。そして、今そういう時代になってきたという点では、この買収投資ファンドについて線引きをすると、機関投資家と、こういうことも検討していく必要が私はあると思いますが、大臣、いかがお考えでしょうか。

○国務大臣(伊藤達也君) 御指摘のファンドは、ファンドであること自体をもって特例報告の対象となるものではありませんが、例えば、ファンドを運営する会社が投資顧問業者等に該当している場合には、事業活動の支配を目的としている場合を除いて特例報告制度の対象となります。特例報告制度は、日常の営業活動等において反復継続的に株券等の売買を行うという業務に着目したものであり、ファンドであることをもって直ちに特例の対象から除外することには困難な面があると考えているところでございます。
 いずれにいたしましても、大量保有報告制度の在り方につきましては、金融審議会における投資サービス法及びそれに関連した開示制度の在り方にかかわる検討の中で議論が行われておりますので、この議論を踏まえて私どもとしても検討を進めていきたいというふうに思います。

○大門実紀史君 とにかくこの問題は早く検討してほしいと思うんですが、ちょっと気になるのは、大臣、先ほどから、審議会で審議会で、あるいは専門家と言われますけれども、私、大臣は、それとは別に私としてはこう思うと、この間のいろんなこと踏まえて、私としてはこういうふうに、大臣として見直しするなら見直しをやるべきだというふうな答弁をきちっとされるべきだと。審議会は審議会としていいですけれどもね。是非その点でそういう決意をきちっと伺いたいと思います、この大量保有報告制度の見直しについて。

○国務大臣(伊藤達也君) 先ほど委員から御指摘がございますように、市場をめぐる環境の変化というものは大変激しいものがあります。そうした中で、市場に対する信頼性を確保していくためにも適切なディスクロージャー制度というものをしっかり確立をしていく、公正な取引が行われるような環境というものをしっかり整備をしていかなければいけません。そうした私自身も問題意識を強く持っておりますし、金融審議会においても同じような問題意識の中で今精力的に御議論をいただいているわけでありますから、そうした議論を踏まえて、そして私どもとしても検討を進めながら、適切な環境整備、対応というものを行っていきたいというふうに思っております。

○大門実紀史君 是非、大臣のイニシアチブで早い検討と結果を出すということをお願いしたいと思います。
 ちょっと時間が早いですけれども、終わります。
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