● ● ● ● 大門みきし Daimon Mikishi  ● ● ● ●


■2005年6月28日 財政金融委員会(一般質問)
              借りられない新銀行東京、中堅サラリーマン直撃の増税
○大門実紀史君 最初に税制の問題について一つ、二つだけお聞きしたいと思います。谷垣大臣、あと少しだけお付き合いをよろしくお願いいたします。
 先日、政府税調の報告で所得税等々の増税案が出てきたわけですけれども、かなりすごい増税案ということでいろいろ取り上げられております。今日はその影響、こんなときにこんなことをやるのかといういろんな議論がありますけれども、今日はその影響というよりも、こういうもの、こういう増税案そのものの基本的な考え方についてだけお聞きしておきたいというふうに思います。
 今回、お手元に資料をお配りいたしましたけれども、今回の政府税調報告による個人所得税にかかわる増税案について、一定の前提を置いてですけれども、モデルケースで試算をしてみました。
 まず、ちょっと財務省に数字の確認をお願いしたいと思いますけれども、この前提で、細かく読みませんが、それぞれ年収ごとにこういう増税額で間違いないでしょうか。

○政府参考人(福田進君) 今、大門先生お話しになりましたように、今般の政府税調の報告書は、経済社会の構造変化を踏まえまして、言わば個人所得課税の在り方について今後検討すべき主な論点の整理を行ったものでございまして、ここに、表にございますように、その報告による増税云々ということには必ずしもなっていないんじゃないかなというふうに考えられます。いずれにいたしましても、具体的な議論というのは今後審議を深めると、こういうことでございます。
 また、この論点整理におきましては、例えば、特定支出控除についての言及がなされておりますし、子育て支援の観点から税額控除も検討課題として取り上げられると、こういったこともございますので、大変恐縮でございますけれども、御指摘のような仮定のケースに基づいた税負担の変動を云々することは差し控えさしていただいた方がよろしいんではないかと考えておる次第でございます。
 いずれにいたしましても、この論点整理に掲げられましたいろいろな課題につきまして、今後関係各方面での更なる御議論をいただく必要があるのではないかと私どもは考えている次第でございます。

○大門実紀史君 事前の打合せと違うんですけれども。私は、計算の数字を財務省に、このケースならこういう計算になりますねと。で、なりますと、計算で合っていますということだけ答えていただくはずだったんですけれども。計算は違いますか。それだけ答えてくれますか。

○政府参考人(福田進君) いろんな計算の仕方があろうかと思いますけれども、具体的なことにつきまして、ちょっと前提でここにいただいている資料、報告による増税と年収別負担率ということでございますけれども、報告には増税ということが出ておりませんので今申し上げたような答弁をさせていただいた次第でございます。是非御理解願いたいと存じます。

○大門実紀史君 もういいです。数字的には間違いありません。財務省の担当者に計算してもらってぴったり合っております。
 申し上げたいのは、これでどんな影響があるとか増税だとかなんとか、それよりもこういう、何といいますかね、税金の仕組み、こういうふうに変えていく仕組みそのものについて大臣に一問だけお伺いしたいわけです。
 見てもらったとおり、今度は中堅サラリーマンが直撃されると言われているとおり、試算いたしますと、ケースがいろいろありますが、局長おっしゃったとおり何も決まっているわけではありません。ただ、いろんなケースを、どのケース想定しても同じ方向になっていると、これを申し上げたかったわけです。
 ケース1の場合ですと、給与所得一千五百万の人たちのところが一番負担率といいますか、重い負担になっていくと。ケース2だと、サラリーマンでいくと七百万の人が一番重い負担になって、一千五百万ぐらいまではまだ重いのが続きますが、下がっていくと。これは中堅サラリーマンを直撃すると言われているゆえんだと思いますけれども。
 全体として見ますと、私、中堅のところ大変なんですけど、全体としますと、何といいますかね、逆進性といいますか、累進がやっぱり緩和される方向になっております。これは、消費税の議論もありますけれども、いろんなこと取り上げてまいりましたけれども、お金がないからいろいろとか、それはおいておいて、税制の在り方として、ずうっと累進が緩和されて、どちらかというと所得の低い人ほど負担が増えてくる方向ばかりが打ち出されています。
 政府税調の議論を聞いておりますと、さすがにこの前は、五月の段階では、もうそろそろ高額所得者とか最高税率の見直しとか、そういうところも手を付けないと駄目なんじゃないかという議論が政府税調の中でも出てくるような状況ですね。それでもまだこういう方向ばかりが出されていると。そういう最高税率手を付けろとか何かというのはもうタブーになっているようなところあるんですけれども、みんなで負担を求めるということでいくと、やはりずうっとこの間、所得の中堅から低い人ばっかりに負担が来るような案ばかり出てくるんですけれどもね。
 これは前にも大臣と議論いたしましたけれども所得の再分配の問題、竹中大臣とも議論したときにやっぱり所得の再分配というのは社会にとって大変重要な機能だとおっしゃっていましたし、谷垣大臣もそれは否定するものじゃないと、そういうことも含めて考えなきゃいけないとおっしゃったわけですけれども、こんな方向ばっかり行くと、今でも所得格差が非常に広がっているんですけど、本当に日本がどんな世の中になってしまうのかということをこれを見て感じたんですね。
 そういう基本的な税の在り方としてこういう方向を大臣いかがお考えか、もうそれだけ今日お聞きしたいと思います。

○国務大臣(谷垣禎一君) 今回は論点整理、所得税全体を見直していこうという論点整理でございます。もうくだくだしく申し上げるつもりはありませんけれども、働く環境も違っているし、高齢化も増えている、家族の環境も違うと。それから、もう一つ付け加えますと、三位一体のようなことでやらなきゃいかぬというのがありまして、どういう論点があるかというのを整理いたしまして、それが具体的にどういう数字になってくるかというのはこれからでございます。
 今、大門委員がおっしゃった逆進性が強いじゃないかという御議論ですけれども、やっぱり大きな方向としていわゆる所得再分配みたいなものを考えようと思いますと、やっぱり所得税というものを重視せざるを得ない。そして、今のような御議論の前提として、もう一回所得税の機能を取り戻すにはどうしたらいいかということがやっぱり私はあるんだろうと思います。そういう問題点を整理させていただいたわけであります。
 それで、この中で、サラリーマンのいわゆる中堅所得者層あるいは逆進性、直撃しているということでございますけれども、例えば子育て支援というようなものは税額控除でやろうという提案もありまして、こういうものは低所得者ほどメリットの指摘、あることだろうと思いますし、また実際控除等を考えるに当たりましては、やっぱり実際に申告していただいてもう少し柔軟に考えていったら、申告自体でやる控除も柔軟に考えていったらどうかということも含まれておりますので、全体像はこれからもう少し議論をいただかなきゃいかぬということだろうと思います。

○大門実紀史君 ありがとうございました。
 いずれにしても、間もなく具体的なものがまた来年度税制改正出てくるでしょうから、そのときに本格的な議論はしたいと思います。財務大臣の方はもうこれで私の方は結構でございます。ありがとうございました。
 次に、先日取り上げました東京都の新銀行東京について、その後の展開も含めて質問をさせていただきます。
 これは、前回申し上げましたとおり、中小企業に貸すための銀行というふうなことで開業したはずでしたけど、もうこの間、いろんな方が借りに行ったらなかなか貸してくれないと。自民党の議員さんと、地元の議員さんとお話ししましたけど、自民党の都議会議員でさえ貸してくれる銀行だと思って相談者連れて行ったら貸してくれないと。もうかんかんになって怒っているというようなことですね。我が党にも相談来ておりますけれども、今いろんなことが起きているところです。
 まず、そういうことの前に、この前の問題のちょっと続きだけ簡単にやらしていただきますけれども、この前問題にしたのは、新銀行が金融庁に出した事業計画と記者会見とかリリースでやっている内容とが違うという問題を取り上げさせていただきました。
 具体的に言えば、数字が違うのは大変問題だと思いますけれども、一般的にニュースリリースとか記者会見で言っているのは、経常利益だと五十四億ですと。ところが、金融庁に出しているのはわずか四億円と。いろんな数字も違いますし、事業内容として入ってないことを、金融庁に届けていることを公にはしていないという点も指摘したところです。例えば、中小企業に貸すというふうに一般的には言っているんですけれども、金融庁には大企業向けのシンジケートローンとか不動産売買プロジェクト等と書いてあるんですが、それを一切黙ったままと。
 これについては、この前、いろいろ指摘さしていただいて、私、都議会でいろいろ東京都が説明するのはもう都議会でやってもらえばいい話で、私が申し上げているのは、金融庁の監督下にあります株式会社新銀行東京が一つの銀行として公に言っていることと金融庁に言っていることが違う問題をこの前指摘したわけですけれども。
 前回、佐藤局長にこのままでいいんですかとお聞きしたら、五月十二日ですかね、適切な時期に事業内容等々含めて内容を公表すべきだとおっしゃいました。また、競争上の権利侵害するから事業計画をすぐ公表すべきと金融庁から言えないということも佐藤さんおっしゃったわけですけれども、かみ合わない議論のまま時間が切れちゃったんですが、私はすぐに何も事業計画を公に公表すべきだと申し上げたわけではありません。違うことを言っていることを、その状態がまずいんじゃないかと。だから、大まかな内容を記者会見で言ったっていいわけですよ。リリースしたっていいわけですよね、しょっちゅうやっていますからね。ずうっと黙り続けていると。で、あの後も今も同じ状況です。ずうっと黙っております、金融庁に出した内容についてはですね。この状態はやっぱり私は異常だと思うんですけれども。
 普通の銀行はあり得ないですよね。普通の銀行はあり得ないですよね、今これだけの情報開示、ディスクロージャー、説明責任の時代に。違うことを公にずっと宣伝し続けると、普通の銀行ではあり得ないことだと思うんですけれども。まず、この状態はやっぱり異常だと私は思うんですが、この前の経過あるんで、佐藤さん、いかがお考えですか。

○政府参考人(佐藤隆文君) 御指摘いただきましたように、新銀行東京が実質的な開業時、この四月に行ったプレスリリースにおきまして事業計画として東京都が策定した新銀行マスタープランというのが引用されているということでございまして、これと金融庁に提出した事業計画というものが併存している状態ではないかという御指摘でございますが、このプレスリリースにつきましては、これは新銀行東京が自ら作成した事業計画ではないということもございますので、独立した銀行の情報開示としては好ましいことではないというふうに思っております。
 いずれにいたしましても、新銀行東京、御案内のとおり本年四月に本格開業をしたということでございまして、現在、同行におきまして、この本格開業したことを踏まえて中長期の経営計画を検討中というふうに承知をいたしております。この計画をできるだけ早期に公表する方向で検討しているというふうにも聞いておるところでございます。

○大門実紀史君 できるだけ、もう株主総会は先週の金曜日、過ぎましたので、速やかに公表するように金融庁からも指導をしてほしいと思います。
 先ほど、中小企業はなかなかお金借りられないという話がありましたけれども、申し上げましたが、金利も、やっと借りられても九%、一〇%とか、あるいは上限一五%という、何といいますか、もう商工ローン並みぐらいの話になっておりますし、なかなか困ったところが借りられないという事態が続いています。
 私、見てきて驚いたんですけれども、新銀行の上野支店というのは、写真も撮ってきましたけれども、サラ金のビルの隣にあると。非常に都民としては印象の悪いところにあるんですね。何もねらったわけではないでしょうけれども、隣に行ってくれというわけではないでしょうけれども、非常に高い金利を要求されているという実例も出ております。
 私、金融庁の関係で問いたいのは、これは新銀行東京の一つの商品でございますけれども、いろいろ融資の条件があります。異様だなと思った点が一つありまして、お金貸すときに当然、税金の申告書とか何か経営内容分かるものを出してくれというのはどこの銀行でもあることです。ところが、新銀行東京はそもそも、大銀行が貸し渋り、貸しはがしやっていると、けしからぬということでつくったはずの銀行にもかかわらず、そういう大銀行とかでさえやらないことをやっています。申告書は税理士さんの判こあるものでなきゃ駄目と、ふだん税理士に頼んでなきゃ駄目ですよということと、個人事業主の場合は青色申告者でなきゃ駄目と。
 私、調べてみましたけれども、金融庁にも確認したいと思いますが、大銀行を批判してつくった銀行でありますけれども、大銀行の中で、信託除いてですけれども、こんな条件を付けているところ、同じような商品でこんな条件を付けている銀行ありますか。

○政府参考人(佐藤隆文君) 信託銀行以外の主要行等におけるその主な中小企業向け無担保融資商品について調べてみた範囲でのお答えでございますけれども、いずれも融資申込みの際に税務申告書等の提出が求められているというのは共通でございますが、新銀行東京のように青色申告を添付することに、そういうケースに限定したり、あるいは税理士の氏名、連絡先の記載のある税務申告書の提出を必須とすると、そういう事例は把握いたしておりません。

○大門実紀史君 ないんですよね。異常な、もう門前払いになっちゃうわけですね。今、不況で税理士さんに頼めなくて、方も増えていますし、どうしてこんなことが、大銀行でさえやらないことを、条件付けるのかというふうに思います。
 ただ、この商品は金融庁も報告を受けて承認されているはずですけれども、どうしてこういう、ちょっと異常ですよということを指導されなかったんでしょうか。

○政府参考人(佐藤隆文君) 新銀行東京につきましては、開業準備の状況を確認していく中で、業務に係る収支の見込みが良好であるかどうか等、銀行法に基づく銀行免許付与に準じた監督上の対応を講じてきたところであります。
 その際に、この銀行の融資商品の内容を含めた事業戦略についても報告を受けておるところでございまして、その中で、同行への融資の申込みの際に提出する税務申告書類等について青色申告書に限定するということ、あるいは税理士の関与が必須とされていることについても報告を受けていたところでございます。
 この点についてでございますけれども、こういう無担保、第三者保証不要と、こういう融資商品を前提としたときの銀行サイドの審査の在り方の問題でございますけれども、この場合には、提出される財務諸表の信頼性というものが非常に重要になってまいりますので、言わばそれを確認するための一つの手法ということも言えようかと思います。
 他方で、新銀行東京においてこの青色申告であるとかあるいは税理士の関与といった条件を付けていることによりまして、青色以外で税務申告をなさっている事業者、あるいは税理士の関与なしに自ら税務申告を行っている中小企業といった者が同行の潜在的な融資対象から外れることになるということもあり得るんだろうというふうに思います。
 いずれにいたしましても、この銀行が具体的にどのような条件により融資商品を提供するか、あるいは審査を行うかということにつきましては、基本的には同行の経営判断の問題であろうかというふうに思っております。
 ただ、いずれにいたしましても、金融庁といたしましては、この銀行の設立目的である東京都内の中小企業に対する金融の円滑化につきまして、この銀行がその役割を十分に果たしていくということを期待をいたしておるところでございます。

○大門実紀史君 個別の経営判断という、そういうことを言い出しますと、かつて大銀行に対して、貸し渋りが大問題になったときに、金融庁は貸し渋りしないようにというふうな努力もされているわけですね、いろんな連絡を含めて。だから、貸し渋りだって個別の経営判断と言い出せば正当化されるというふうになります。こういう門前払いというのは異常でございますので、是非指導をしてもらいたいと思います。
 実は、私、昨日行ってきました、新銀行東京本店にですね。審査役と執行役の方、責任ある方が対応していただきましたけれども、このことを伝えたら、知りませんでしたと、ほかの銀行はそうなんですかと、税理士さんの申告とかはもう当たり前だと思ってつい書いちゃいましたと、だから、そういう御意見あれば検討しますというふうに私には言っておりました。
 つまり、金融庁はこういうことぐらい言えるはずです。こういうところは指摘できるはずでございます。新しい銀行なので、戸惑い、いろいろ混乱して、そういうことはよく分からなかったというふうにおっしゃっていましたから、いろいろまだ改善できるところありますし、金融庁は余り、何かというと個別の経営判断とか言われますけれども、きちっと指導すべきところはしないとどんどんどんどん変な方向に行くと思いますので、引き続きそういう指導を求めて、私の質問を終わりたいと思います。
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