● ● ● ● 大門みきし Daimon Mikishi  ● ● ● ●


■2005年8月5日 郵政民営化特別委員会
             締めくくり総括―「民営化は日米業界と米の要求」
○大門実紀史君 日本共産党の大門実紀史でございます。
 総理は今日は特にお元気なようでございますけれども、答弁は簡潔にお願いしたいというふうに思います。
 そして、度々日本共産党を取り上げていただいておりますけれども、どうせ取り上げるなら正しく取り上げていただきたいと。一度勉強に来られたらどうでしょうか。
 日本共産党は、何でも国営でやるべきだとか、そういうことを言ったことございません。民営化すべてを否定しているわけでもございません。今回の郵政公社の民営化について議論をしているわけですから、余り余計なことを言わないようにお願いいたします。
 これまでの審議で長時間やりましたけれども、ともかく、身近な郵便局がなくなるんじゃないかと、あるいは簡保と郵貯のサービスを受けられなくなるんじゃないかと、こういう国民の皆さん、地方の皆さんの不安というのは、結局今日に至っても私は解消されていないんじゃないかというふうに思います。
 そもそも、何でこんなことが強引に、急速に進んできたかと。午前中、小泉総理の暴走という話が出ておりましたけれども、私、総理お一人じゃないなと。小泉総理の長年の思いと、竹中大臣の自らの経済理論をこの日本の生の現場で実験してみたいと、この二人の思いが一緒になって、まあ暴走族コンビといいますか、二人でここまで突っ走ってこられたんじゃないかなというのが思います。
 したがって、国民の皆さんから、国民の皆さんからこの郵政公社の民営化というのが強く要望されて出てきた話ではございません。だれも言っていないです、こんなことは、やってくれなんてことは。
 よく見てみますと、唯一、唯一この問題を執拗に繰り返し要求してきたのが日本とアメリカの金融業界。私、何度もこの委員会で取り上げてまいりました。そして、アメリカの政府でございます。(資料提示)ちょっと字が小さいかも分かりませんが、専門的なのでおおよそ理解してもらえればいいんですけれども、要するに、日本の金融業界の要求があります。銀行業界、証券、生保の要求あります。アメリカの対日要求、これはアメリカ政府が出しているのもあればアメリカの生命保険協会が出しているのもあります。それが今回の民営化法案に事実として具体的に盛り込まれています。
 もちろん、一〇〇%とは申しません。おおむね日本の銀行界、生保業界あるいは証券業界、そしてアメリカの同様の業界、そしてアメリカ政府が言われてきたことがおおむね盛り込まれている法案になっている。これは私、決め付けるつもりはありません。アメリカの圧力でやられたとか、言いなりだとか、最初から決めるつもりはありませんけれども、事実として、法案に盛り込まれているのは、国民の要望ではなしに、今申し上げた日米の金融業界、アメリカではないかと。これは事実じゃないかと思いますが、総理、いかがでしょうか。

○内閣総理大臣(小泉純一郎君) アメリカが言おうがどこが言おうが、日本において、これは民間主導の経済社会に行った方が国民の負担も軽減される、経済も活性化される。そして、多くの国民もまた、民営化できるものは民営化、民間にできることは民間にということについて、大方賛成されていると思います。
 そういうことから、小泉内閣としては、総論賛成、しかし各論反対と出てくるのが行財政改革の常であります。例えて言えば、歳出削減しなさいと、無駄遣いが多いじゃないかと国民は言います。じゃ、いざ、それは予算をカットします。カットされる部分は猛反対します。自分のところだけはカットしないでよそをカットしてくれというのが圧倒的であります。それじゃ、これをカットしないためには、じゃ税負担しなきゃいかぬといって、どこの増税をしようかと。これまた大反対であります。
 この民間の問題につきましても、これを民間の経営者に任せようというと、国営の公務員の皆さんは、やはり公務員の身分のままの方がいいと、ほかのところを公務員削減しろと、自分のところの公務員は公務員のままがいいという、この典型的な例なんです。
 今のアメリカに言っているからというんじゃなくて、私は前から言っているでしょう。もう二十年ぐらい前から郵政民営化の必要性を説いていたんです。そういうことから、私は、この郵政の民営化は、国民の利便向上にも役立つし、経済活性化にも資するし、税収増にもつながってくるし、公務員削減にも資する。そういう面において、基本的な改革だからやっているのであって、国民全体のことを考えているのであって、アメリカから言われているからやるというような問題ではございません。

○大門実紀史君 二十年、三十年前からおっしゃっているのは存じております。だから、初恋の人と言われているわけじゃないですか。初恋の人に出会ったと言われているわけじゃないですか。
 だから、私が聞いていることに答えていただけますか。事実として入っているじゃないか、これをもう一回だけお聞きしますから、是非三十秒ぐらいで答えてくれませんか。これ、入っているかどうか。

○内閣総理大臣(小泉純一郎君) それは、初恋はやっぱり十代でしょう。国会議員になってから初恋なんというのはないでしょう。
 私は、この簡保の民営化にしても郵貯の民営化にしても、アメリカの言うことが入っているかどうかで質問でありますけれども、中にはアメリカの賛成するのも入っているでしょう。それはよく調べれば分かると思います。
 しかし、これはアメリカがどう言おうと、あるいはヨーロッパがどう言おうと、民営化、国営企業を民営化にしていこうというのは、私は、できたら民営化できるのは民営化した方がいいというのは、多くの日本国民も賛成しているんじゃないでしょうか。

○大門実紀史君 民営化一般が何となくいいというのは確かに宣伝されておりますけれども、中身を問わなきゃいけないと。今回、中身がはっきりしないと。そのままここまで来ているということでありますので、一般の話をしているわけじゃなくて、もう今日は締めくくり総括ですから、この法案に即して理解されてないということを是非御理解をいただきたいと思います。
 アメリカの方は、アメリカの方はそうは言っておりません。
 これ、竹中大臣と一度議論いたしましたけれども、アメリカは今回の皆さんの政府の郵政民営化基本方針について何と言っているか、何と言っているか。書いてあるとおりですけれども、内閣の設計図、ブループリントと訳されておりますが、これは郵政民営化基本方針を指します。これは、米国が勧告していた次のような修正点が含まれたと。基本方針には米国が勧告していた修正点が含まれたということです。こういうふうに、アメリカの公式文書ですね、USTRが正式の公式文書に書いております。
 アメリカは、アメリカの要求を日本の基本方針に入れさせたと言っているわけですが、総理はいかがお考えですか。

○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 私は、アメリカが言ったからやったんじゃないんです。
 それは、いろいろな意見、専門家の意見聞くのは当然であります。竹中大臣が、郵政民営化担当大臣として様々な専門家の意見を聞いて、いい制度設計をしていただく。そして、私としては、国民のために一番いい民営化をしようということで出た案であって、別に、アメリカの勧告で、良ければ受け入れると、日本に合わないとなれば受け入れないと。それは、いい点は、アメリカが言おうがヨーロッパが言おうがどこが言おうが、受け入れていっていいと思います。

○委員長(陣内孝雄君) 竹中国務大臣。

○大門実紀史君 委員長、いいです。

○国務大臣(竹中平蔵君) 議長の御指名ですので、一点だけ、一点だけ。

○委員長(陣内孝雄君) 簡潔にお願いします。

○国務大臣(竹中平蔵君) 一点だけ。簡潔に申し上げます。
 アメリカが何とおっしゃっているかはいろいろあるかもしれませんが、事実関係として、事実関係として、アメリカが言っていることと今回の制度設計は、私はかなり違っていると思っております。
 もう一つだけ分かりやすく。アメリカは、例えば簡保について新商品をもう認めるなと言っているわけですけれども、我々はこれをどんどん民営化委員会の審議で認めていこうと言っているわけです。これはもう根本的に違った内容だと私は思っております。

○大門実紀史君 そんなものは根本的な話ではございません、今回の膨大な法案の中の。一つではありませんか。私も言っているでしょう。全部聞いたとは言っていません。たくさん盛り込まれているんじゃないかと事実を確認しているだけでございますから、時間のないときに余計なことで立たないでください。
 まだあるんです。
 今のUSTR文書だけではありません。これも向こうのアメリカ政府の文書でございます。外国貿易障壁報告、これにも同じように、同じように、郵政民営化基本方針は、保険、まあ簡保ですね、簡保に対する政府の保証の廃止をうたったと。これら掲げられた修正点は、米国が長年主張してきたものであると、歓迎するステップであると。
 ですから、アメリカの正式見解は、アメリカの要望を基本方針入れさしたということだというふうに思ってお聞きしているわけです。
 まだあるんですよ。これはアメリカの政府の高官の発言でございます。財務次官補のランダル・K・クアールス、小泉首相は民営化を正しく進めていくことの重要性を十分に認識していると、評価していただいているわけですね。彼の民営化プランは私が述べてきた原則を採用しているというふうに書かれていますね。
 それで、私申し上げたいのは、これは違うと思ったら、向こうの政府の正式文書で、国と国との関係でこういう言い方をされるのは違うと思ったら、やっぱり違うという抗議をされるなり、直してくれと言われるべきではないかと思うんですが、総理、いかがですか。

○内閣総理大臣(小泉純一郎君) これは市場経済を重視する、そして国際社会に大きな影響力あるアメリカの専門家の皆さんが、我が国の進めているこの構造改革に対して評価をしていただいていることは、いかに国際社会が高く今の小泉内閣の進めている構造改革を支援しているか、激励しているか。やっぱりこれからの日本というのは国際社会に対応できるような体制を整えていかなきゃならないということで、私はアメリカであろうがどこであろうが、日本の小泉内閣の進めている改革を評価していただくということは大変勇気付けられます。

○大門実紀史君 どうして真っすぐお答えいただけないんでしょうか。評価した部分だけをお答えになるんじゃなくって、三つの文書が共通しております。英文解釈の問題ではございません。基本方針に、アメリカが八月二十日に来たわけですよ、具体的に言えば、九月十日に間に合うように。それで修正をさせたということが書かれていると、この事実をアメリカの政府の文書に基づいて、あるいは高官の発言に基づいて言ったわけです。その部分についてお聞きしているんですけれども、もう恐らく同じ答弁だと思います。
 私、申し上げたいのは、総理はここでアメリカの言うことなんか聞いたんじゃないと、自分で考えているんだと、ここでは威勢よく言われます。だから、ブッシュ大統領の前でもそう言われればいいんです。そういうトーンできちっと話しされればいいんです。
 しかも、こんなこと書かれたら、きちっと抗議されるべきです。抗議をされないで、いろんなことをここだけで威勢よく言っても私は違うんではないかと。やっぱり、アメリカの相当、十八回ですからね、十八回も準備室が話を聞いているわけですからね。相当要望が入っているのは間違いないと言わざるを得ない。もう結果が、先ほど最初に示した結果がすべてを私は示しているというふうに申し上げたいと思います。
 私は、何といいますか、郵政民営化の議論をずっとしてまいりまして、竹中さんとも不良債権問題から何回も議論してまいりました。私、今日も今国会の周辺では障害者自立支援法に反対の方々がこの炎天下の中、もう命懸けで座込みをやっていらっしゃるわけですね。ちまたでは、若者たちがなかなか正社員になれないということであえいでいるわけです。この前の介護保険の改悪では、本当におじいちゃん、おばあちゃんが泣いているわけですね。こういう弱者の問題がどんどん生まれている。
 この郵政民営化も実は本質は金融排除、この委員会で取り上げてまいりました少額低所得者の方々がもう金融のサービスから排除される、こういうことが実際に欧米では起きているわけですから、この民営化、今度の民営化で起きるということを心配されている方が有識者、一杯いるわけですね。同じくこれも弱者を生んでしまう問題と、構造改革で弱者を生むという点では、障害者自立支援法も、若者の問題も、介護保険も、そしてこの郵政民営化も私は根っこは一つだというふうに思っております。
 つまり、問われているのは竹中さんと小泉総理が進めてこられたこの弱い者を切り捨てていくと、そういう構造改革路線、これがすべての根っこにあると。もちろん、大企業や大銀行は良くなってまいりました。でも、その一方で大量の弱者が痛め付けられている。そして、今度の郵政民営化で、金融の面で弱者の被害が生まれると。こういうことが今度の法案の本質であり、問われているのは小泉構造改革そのものだというふうに私は思うところですけれども、そういうことを申し上げて、私の質問を終わりたいと思います。問われているのはそういうことでございます。
戻る▲