● ● ● ● 大門みきし Daimon Mikishi  ● ● ● ●


■2006年3月28日 財政金融委員会(関税定率法等改正案)
              人の育成にもODA、NGOの要望を実現
○大門実紀史君 大門です。今回、関税定率法の改正は我が党賛成でございます。ずっと反対をしてきましたけど、歴史的に賛成に今日は回ります。
 今、農業のお話ありまして、私も思うこと一杯ありまして本当は議論に参加したいんですけれども、まあ別の機会にしたいと思いますが、今回のマレーシアとのEPAとの関係で農業問題、具体的なことだけ確認させていただきたいと思います。
 今回のマレーシアとのEPAが日本の生産農家にどういう影響を与えるのか、農水省の方から教えてもらえますか。

○政府参考人(増田敏明君) 大門委員の質問に答えさせていただきます。
 マレーシアとのEPA交渉に当たりましては、農林水産業の多面的な機能や食料安全保障の確保、我が国の農林水産業の構造改革の努力などに悪影響を与えないよう十分留意し、農林水産物の関税交渉等に取り組んできたところでございます。
 その結果、マレーシアとの協定におきましては、我が国の基幹品目や地域の重要品目などにつきまして、個別品目の事情に応じ関税撤廃の例外品目としたり、経過期間を設定するとともに、関税撤廃、削減により輸入が急増し、国内で影響が生じた場合に発動できる二国間セーフガードを確保するなど、国内農林水産業への悪影響が極力生じないよう措置したところでございます。

○大門実紀史君 熱帯果実について若干心配な声が出ていますが、いかがですか。

○政府参考人(吉田岳志君) 我が国の果実生産に対する影響についてのお尋ねでございますが、マレーシアとの交渉に当たりましては、マレーシア側の理解を求めながら、国内果樹農業への影響を極力回避するよう粘り強く交渉を行ったところでございます。この結果、センシティブ品目でございますパイナップルにつきましては関税撤廃等の対象から除外をいたしました。
 また、国産果実との競合が少ない熱帯果実につきましては、即時、関税撤廃を行いましたけれども、マレーシア産の生鮮果実の多くの品目につきましては既に特恵関税が適用されておりまして、実質上、無税又は低税率のものが多うございます。さらに、植物検疫上の理由から輸入が禁止されているものが多うございます。
 以上のことから、今回のEPAによります国内果樹農業への影響は少ないものというふうに考えてございます。

○大門実紀史君 ありがとうございました。
 例えば、沖縄でマンゴーを生産していますけれども、沖縄のマンゴーとマレーシアのマンゴーというのはもう種類が違って、沖縄のマンゴーは高級品といいますか、差別化しているわけですよね。関税ゼロでもそういう差別化戦略を取ったものは日本の中で競争力が十分あるというところで、いろいろ農業の在り方のいいヒントになるというふうに思います。
 もういろいろ議論ございましたので、アジアの話のついでにODAについて、谷垣大臣に、残った時間、幾つかこのほか話題になっていることも含めてお聞きしたいと思います。
 一つは、草の根無償資金協力というのがございまして、先日、私、ODA特別委員会でこの草の根無償資金協力というのはNGO、各国の途上国のNGOがいろいろ頑張っておられるんですけれども、そういうNGOを通じて無償資金の協力をするんですが、今までは保健とか教育とか環境分野で、いわゆる物ですね、機材とか建物を直すとか、そういう物的なものにしか支援は行いませんということでしたけれども、この前、ODA特別委員会で麻生大臣と金田副大臣が、これから、私が提案したのは人材育成ですね、そういうプログラムにも、ソフト部分にも出すべきではないかと申し上げたら、検討していくといいますか、具体的にもう上がってくれば審査していただけるということに前進したわけですけれども、これは具体的には現地のNGOから現地の大使館に行って、大使館から外務省の本省に行って、案件がですね、で、財務省の主計局に回ってオーケーサインが出るという仕組みらしいんですけれども、財務省の方もそういうふうな変化があるということを踏まえていただいてこれから案件の審査にかかわっていただきたいのと、谷垣大臣として、そういう物だけではなくて、特にこういうNGOの無償協力というのはそうなんですけれども、人材育成プログラムとかそういうソフト部分に、もちろん審査はきちっとやって、何でも出すわけじゃありませんが、これから重要になってくると思いますが、まず谷垣大臣のお考えを聞きたいと思います。

○国務大臣(谷垣禎一君) ODAに対する基本的な考え方というとちょっと大上段に振りかぶるんですが、いつぞやロンドン・タイムズに記事がございまして、要するにODAをやるときに、先進国が釣った魚を分けてやるというようなことよりも、むしろちゃんと釣れる、魚を釣れる釣りざおを分けてやった方がいいじゃないかというような御議論が載っておりまして、私、全く同感なんです。
 ですから、それはもちろん円借款のような場合にも長い目でクレジットカルチャーみたいなものを育てていくとか、物を渡す、金を渡すというだけじゃなくて、それを運用していく能力といいますか、そういうようなものがやはりこれから大きな意味合いを占めてくるんではないかと私は思っております。
 ですから、今のお話のように、我が国から例えば機材を供与する、それで事足れりというようなことでは効果的な支援につながらないと、私もそれはもっともだと思います。それが有効に活用されていくためには、人材育成その他のソフト面からの支援ということが大変重要であると思っております。
 それで、今の我が国のODA援助形態別に見ますと、今御指摘のありました草の根等の無償資金協力、無償資金協力のほかに技術協力として現地での技術協力プロジェクトとか、あるいは途上国からの研修員受入れ事業、こういったことがJICAなどを中心にいろいろ行われているわけでございますけれども、単に機材を供与して終わりというだけじゃなしに、NGO等々がどうそこにかんでいくかというようなことも織り交ぜながら私どもも査定をしていくと、そういうことが大事ではないかというふうに思っております。

○大門実紀史君 ありがとうございます。
 この問題は今後、今話題になっておりますけれども、中国とのODA考える上でも重要になってくるんではないかと思います。その中国の問題で、今いろんな議論がありますけれども、谷垣大臣のお考えを、この前中国行ってらっしゃいましたんで、それも含めてお聞きしたいと思いますけれども。
 中国への円借款は段階的に減らしていくと、五年ぐらいをめどに、ゼロにしていくという、新規案件はゼロにしていくということですけども、で、無償と技術協力、今申し上げた人材育成とか環境分野の方にシフトしていくという方向が出ておりますけれども、これ、私は妥当な方向だと思っております。
 これは中国側としてはこの方向にはおおむね合意しているような話を聞きましたけれども、中国側は今のところどういう対応なんでしょうか。

○国務大臣(谷垣禎一君) 中国向けの円借款につきましては、中国の経済発展が大変なものがございますが、それによってやはり援助需要も大きく変化しているんだろうと思います。また、我が国の国内のいろいろな見方もございますので、二〇〇一年策定の対中国経済協力計画というのがございますが、それに沿って、従来のような沿岸部の経済インフラ中心の支援から、内陸部を中心とした、今おっしゃった環境とかそれから人材育成等の分野へ対象の絞り込みを行ってまいりまして、その結果、規模は大幅に縮減してきているのが現状でございます。
 それで、今後の中国向けの円借款につきましては、二〇〇八年に北京オリンピックがございますけれども、それまでに新規供与を円満終了するという方向につきまして、昨年四月ですか、日中外相会談で共通認識、日中の共通認識になっておりますので、政府としては今後ともこれまでの日中間の協議内容に基づいて協議を進めていくということでございます。
 それで、今おっしゃった技術協力や無償資金協力については、外務省等の所管でございますが、これはさっきからの御議論のような環境保全とかあるいは感染症ですね、こういった日中両国が直面する共通の課題に資する案件、それから日中両国民の相互理解あるいは交流の増進に資する案件を中心に、日中関係全体の中で実施していくというふうに理解しております。
 この間の週末も中国に参りまして、中国側からは、年度末までに来年度の円借款が決まらなかったことについては非常に残念だという表明がございましたけれども、先ほどの全人代でいろいろ決まった中で、やっぱり環境面等々に重視しながら経済発展を進めていく、エネルギーの効率性等々も重視して進めていくという方針を取られたようで、金人慶財政部長からも私に全人代の議論の御紹介がありましたけれども、そういう中でも特に環境面あるいはエネルギーの効率性というような面では日本からのその技術的な支援、こういうようなものを非常に期待しているという御表明がございました。

○大門実紀史君 今おっしゃいました〇五年度の円借款の先送りといいますか延期といいますか見送りについて、金部長から遺憾の意というか、そういうのがあったわけですね。
 それは、先ほど言った全体の流れは、方向はそうなっている、ほぼ合意している中に、急に先送りされたということに対しては相当強い不快感があったような気がするんですけれども、その辺は金さんはどういうふうにおっしゃったのかということと、谷垣大臣はどういうふうな、今回の先送りについてどういうふうにお答えになったのか、もう少し詳しく教えてもらえればと思います。

○国務大臣(谷垣禎一君) 金人慶さんからは、今申し上げたように、年度内に決まらなかったのは遺憾であると、こういうことでございましたので、私からは、三月までの供与決定、日本政府としても目指してきたんだけれども、外務省を中心として調整してきたんだけれども、四月以降にずれ込むことになったと。
 それで、政府としては、今後、日中関係の今後の状況も踏まえながら外務省を中心に鋭意調整を進めていくということを申し上げて、それから、対中国円借款については、先ほどのような議論の流れを踏まえて進めていくという政府方針に変わりはないということを申し上げたということでございます。

○大門実紀史君 今回、その円借款が年度内閣議決定見送られたというその背景でございますけれども、この間の日中関係のいろんな問題があって与党の皆さんからも強い意見が出たということなんですが、割と、言ってしまえば、実務的なものではなくって、政治的な判断で先送りになったというふうに思いますが、これは谷垣大臣御自身としてはいかが思われておられるんでしょうか。

○国務大臣(谷垣禎一君) 私は、二国間関係、いろいろございますけれども、大きな方針としては、先ほど申し上げたように、北京オリンピックまでに新規供与は円満に廃止していくという双方の合意があるわけですから、それに従ってやるべきことをやっていくと。もちろん、日中間の今の状況等もいろいろ見ながらという前提はございますけれども、そういうことではないかと思っております。

○大門実紀史君 そうすると、外務省が判断といいますか、与党の中の、与党といっても公明党さんは違う意見があったようでございますけれども、そういう、今回延期をしたと、閣議決定を見送ったということの政治的な効果といいますか、向こう側は余りインパクトとしてとらえていないということでございましょうか。

○国務大臣(谷垣禎一君) 向こう側のとらえ方というのは、私、金人慶さんじゃありませんから一〇〇%は答えられませんが、ただ、遺憾の意を表明されたということは、やっぱりインパクトを持ってとらえておられるんではないかと思います。

○大門実紀史君 ちょっとしつこいようですけれども、今、ただでさえ日中関係冷えておりますけれども、この延期そのものが更にちょっと雲行きを怪しくするといいますか、関係改善を遠のかせることになったというふうなことなんでしょうか。

○国務大臣(谷垣禎一君) 私は必ずしも関係改善を遠のかせることになったとは思っておりませんで、私自身の日中関係の見方といいますのは、非常に、今も、貿易を考えましても、香港を含むと対米貿易よりも日本にとっては大きなものになっているわけですね。
 それから、特に私の分野でいいますと、アジア金融危機以来、ああいうことが起こったときに、また起こったときに、これだけ中国が大きくなってまいりますと、ああいうことが起こってきたときに日中間の連携が取れないような状況であったらなかなかアジア金融危機の再発は防ぎにくいと、私どももそういうふうに思っておりますし、中国側も恐らくそういう認識があると思います。
 したがいまして、どういうことをやったらいい、そういうことに向けて、アジア金融危機を二度と起こさないようにはどうしたらいいのかというようなことについては共通の理解と共通の利益がやはり存在しているという状況だと思いますので、まあ二千年の歴史がある長くて深い関係ですから、時にやはりいろいろ波風が起こることは、私はこれはあることだと思っておりますが、そういう大きな長い流れを考えれば乗り越えていけるというふうに思っております。

○大門実紀史君 私は、去年、中国のODA視察行って、在り方そのものはこのままでいいのかといういろいろ問題意識を持っているんです。
 ですから、全体として、円借款が、向こうの合意の上で数年間でゼロにしていくというのは妥当だというふうに思うわけですが、そういう流れが国同士であるときに、何か小手先で、余り、何か急に、そんなに私は効果ないと思うんですけれども、そういうことをやるべきじゃないと。やっぱり国同士の、もっとどんと構えて、抗議することはするならするということを、こういう形で、延期という形でやるべきではなかったというふうに、今日は、外務省に言うべきことですけれども、思っておるわけですけれども。
 そういう点では、日中関係、正すべきところは正しながら大事にしていってほしいということを申し上げて、私の質問を終わります。
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