● ● ● ● 大門みきし Daimon Mikishi  ● ● ● ●


■2006年3月30日 財政金融委員会(独法酒類総合研究所法改正案)
              政投銀(DBJ)のカーライルグループへの出資問題、第3弾
○大門実紀史君 日本共産党、大門でございます。
 今回の法案については尾立さんの方からもう論点出尽くしていると思いますけれども、一点だけ確認をしたいと、確認の意味で質問をしたいと思います。
 大変重要な役割を果たしてきた研究所だと思います。私の本家、実家も大阪の北河内で造り酒屋でございまして、今でもやっておりまして、大門酒造と申しますんで、何かの折にはまたよろしくお願いしたいと思いますけれども、この研究所にもお世話になってきたんだというふうに思います。一点だけどうも引っ掛かるのは、こういう研究所が本当に非公務員化になじむのかどうかという点で、なぜかといいますと、この研究所のレベル、非常に高いレベルを持っております。その分析とか鑑定の結果が酒税、税金の方を決める際の、定める際の重要な基礎的なデータになっているわけですね。この税務行政とのかかわりといいますか、税務行政の非常に基礎的な情報をきちっと提供するところであると。私は、何でもかんでも公務員でやらなければいけないとは思いませんし、逆に何でもかんでも民間でいいとも思わないわけですけれども、そういうところを考えますと、税務行政の基礎情報を提供するような研究所というのはやはり私、国の関与を弱めるべきではないんではないかというふうに疑問を持ちます。
 そういう点で、税の基礎データをこれから提供するという点で心配はないのか、あるいはちゃんと担保されていくのか、この点一点お聞きしたいと思います。

○政府参考人(石井道遠君) 今、正に先生おっしゃいましたように、酒税そのものが成分等によりまして税率も異なっております。したがいまして、きちんとした鑑定等を研究所で行っていただく必要がございます。酒類総研法でも十三条に、必要な場合に財務大臣が研究所に対して措置を求めることができるという規定をあえて入れておりますのも、そのような趣旨でございます。

○大門実紀史君 ありがとうございました。
 あと幾つか心配ありますけれども、質問がダブってしまいますので、残った時間といいますか、あとは政策投資銀行問題を取り上げさせていただきたいと思います。
 私、〇二年の十一月の予算委員会と財政金融委員会で、政策投資銀行が出資しておりますアメリカの巨大ファンドでございますけれども、カーライル・グループに四十億円出資している問題を取り上げさせていただきました。あれから三年がたちました。いろんな展開がありますけれども、この問題を取り上げたいと思いますが、当時のことを少し申し上げますと、振り返りますと、〇一年の四月に緊急経済対策というのが出まして、金融再生と事業再生をともに進めるということで、当時は大変な状況でしたからそういう緊急経済対策が出て補正も組まれたわけですが、その一つのスキームとして政策投資銀行が事業再生ファンドに出資をすると。つまり、国策として国のお金でファンドに出資していくということが決められて、一千億の枠が更に翌年増やされたというふうな経過があるわけです。政策投資銀行がそういう民間の事業再生案件に出資していくと、ファンドに出資していくということそのものは私、全部否定しませんが、どうしてこのカーライルに出資をするのかと、疑問があるということで当時取り上げました。疑問点は三つでございました。
 一つは、このカーライルが事業再生というか、そういう当時のもう破綻し掛けているとか危ないところを再生していくと、つぶさないというふうな地道な事業再生に向かないファンドであると、ここは企業買収、バイアウト専門の、しかも世界最大級のファンドであると、何でこんなところに出資するのかという点が一つと。もう一つは、このカーライルそのものが非常にいわく付きのファンドでございまして、軍事投資会社、軍事投資企業ファンドということと、例のビンラディン一家とのコネクション、あるいはブッシュ元大統領とつなぐコネクションとか、様々ないわく付きのファンドであるということ。もう一つは、三つ目に、四十億円を出資を決めた経過が非常に疑問がある、不自然であると。〇二年の六月十九日に、今のブッシュ大統領のお父さんですね、元ブッシュ大統領が小泉総理と政策投資銀行の小村総裁にお会いになって、その三か月後に四十億の出資が決定されていると、これも不自然であるということと、当時の外資系のファンドの方のお話も聞きましたけど、要するにカーライルはブッシュ・パパに頼んで日本政策投資銀行から出資してもらってお墨付きをもらったと、広告塔といいますか、政策投資銀行をお墨付きでその後五百億の金集めるわけですが、そういうまあ政治銘柄だったんだというのが当時業界の人たち直接取材したときの話でございました。
 こういう点を取り上げて、三年前の予算委員会とこの委員会でこの出資はおかしいということをかなり厳しく追及をさせてもらったわけですけれども、その後経過を見ますと、私が指摘したような方向に来ているんではないかというふうに思います。
 今日は小村総裁に来ていただきました。お久しぶりでございます。余り会いたくなかったかも分かりませんですけれども。
 私の質問からちょうど一年後、NHKの衛星放送で私が指摘したような内容の海外ドキュメンタリー番組がやられました。「イラク戦争後を担う アメリカ巨大投資会社」というやつですね。これはオランダの会社が制作したものですけれども、NHKがよく放送したと私思いましたけれども、大変驚くべき内容で、まあ長く申し上げませんが、要するにカーライルにまつわるオサマ・ビンラディン一族とのコネクション、ブッシュ・コネクションとか、イラク戦争後の復興事業にカーライルがかかわっているとか、有名なあの例のユナイテッド・ディフェンスもカーライルの子会社であるとか、非常に生々しい放送で、ドキュメンタリーでございましたけれども、まあ言ってしまえば、昔で言うと死の商人といいますか、お金がもうかるならどこにでも投資をすると、何でもやるというようなファンドということが世界的には、日本では余り知られておりませんですが、世界的には有名なファンドでございます。
 小村総裁はこの番組をごらんになったか、あるいはこういうファンドにあのときに小村総裁が決断されて出資されたということだったわけですけれども、後で後悔されたことはございませんでしょうか。

○参考人(小村武君) 私どもは国の方針に基づいて、まず当時、事業の再生を行わなければならないという使命を負いました。そのときの政策の一つが、私ども自身が個々の企業の再生にお役に立つようないろんな仕組み金融をすると。同時に、私どものその担当者はたった二十人しかおりませんでした。それで国の方もより多くのプレーヤーをこれから養っていかなきゃいけない。それがファンドによる一つの解決方法でありました。
 残念ながら、当時はまだ日本でもそういうプレーヤーは育っておりませんでした。だんだんと、私どもが、いろんな不動産出身の方、証券出身の方、金融関係の出身の方、日本でも大変な方々がプレーヤーとして登場してこられました。その中で私どもが私どもの基準として事業再生、産業再生に資する、しかも日本の企業に対するもので特定の企業を救うものではない、雇用を確保し地域の経済を再生しようと、こういう観点から成ったわけです。その中の一つに御指摘のカーライルも入っておりました。カーライルは、私どものこの投融資指針にのっとり、私どもとプロ対プロの契約を結びまして、日本の企業の再生、事業再生、産業再生に資する、そういう仕事をファンドとしてやってくれるということで契約を結びました。
 その際、カーライルが個々の事業に手を付けるときには、まず私どもとの協議がありまして、一件一件それに対して、投資家たる私ども、あるいはほかの金融機関も同じでありますが、それに対して、キャピタルコールが掛かってきたものについて審査をしてお答えをしているということでございます。

○大門実紀史君 政策投資銀行のお金というのは、元をただせば国民のお金でございます。国民があの番組を見て、恐らく政策投資銀行が四十億出資しているとはだれも知らないでしょう、ほとんどの方は。あの番組見て、あんなところに四十億も私たちの、元をただせば自分たちのお金が、国民のお金が出されているということになると、私は、国民は何だということになるんじゃないかと思いますから。
 あなたのお金じゃありませんからね。あなたの自分のポケットマネーではありませんから、そういう認識をきちっと持つべきだということを指摘しておきたいと思いますし、資料をお配りいたしましたけれども、今政策投資銀行が出資をしているファンドはかなり当時から増えて、こういう形になっております。右側が企業ファンド型で、これは具体的な企業を支援するファンドでございますが、左側のファンド型、これはいわゆるマザーファンドと言われるもので、それぞれのファンドが何に出資するかは分からないと、しかし政策投資銀行はそこへ出資すると、先ほど言われた事業再生に役立つものに出資した分は使ってほしいと、まあ、そういうふうな話でございますけれども。
 ファンドの総額は書いてありますけれども、政策投資銀行がそのうち幾ら出資しているかは非公表ということで、当時の答弁だと四十億から五十億出資しているということで、この左の上から六番目のカーライル・ジャパンには四十億出資しているというのが明らかになっておりますけれども、全体で五百億のファンドを組成したわけです、あの後ですね。
 カーライルの内部資料を手に入れますと、大体、これはお客様向けの、出資者向けの内部資料ですけれども、二つのファンドを作って、年率三〇%の配当いたしますと。コミットメント期間は五年間と、五年間預けてもらいたいと、年率三〇%の配当いたしますと、一口五億円以上の出資ということで、まあお金持ちとか機関投資家がこれに殺到して、この五百億円が集まったんだろうというふうに思います。
 二枚目の資料は、そうはいっても、政策投資銀行は何でもかんでも出資するわけじゃないということで、本行の出資対象ということで、一応基準を設けておられます。
 三枚目が、これはカーライル・グループのホームページで、実際にあの後どういうところに投資をしてきたかということですが、もうほとんど、当時私が指摘したように、バイアウトでございまして、企業買収をして株を売ると。当時、こういうことやるところだから事業再生とはなじまないんだということを申し上げたわけですが、事業再生の意味を広く解釈しておられるんだと思いますが、もうこれ一々申し上げませんけれども、これ全部株買って売っているんです。学生援護会もUSENに売りましたし、コーリンもそうですね、保有株をオムロンに売りましたし、イー・アクセスも上場させて株式売却です。アサヒセキュリティも保有株を豊田自動織機に売っております。キトーについても転売か再上場を考えていると。つまり、よくある、ファンドがやっている、まあ可能性のあるところに、株を買って上場するとかあるいは売るということで売却益をもうけて、これだけのことでございます。
 だから、そういうファンドなんだと。だから、わざわざ政策投資銀行が四十億も出してやってもらうようなところではないということを再三あのときに申し上げたわけですが、私申し上げたとおり、こんなものはただの企業買収、バイアウトで、何で国策としてこんなところに四十億出さなきゃいけなかったかと改めて問われていると思いますが、いかがですか。

○参考人(小村武君) まず、出資の財源でありますが、二分の一は産業投資特別会計からの出資をいただいております。残りは私どもの自己資金をもって充てております。
 それから、私どもの投融資指針にも書いておりますように、その目的とするところを厳密に産業再生法に基づいた審査基準に基づいて行っております。単なる瞬間的に売買をするとか、あるいは投機を目的とした買収を掛けるとか、そういうものではございません。
 カーライルの出資したものは、ある企業の中でコアでない部分を切り出して独立をさしていこう、それにはバリューをアップし資本を増強する、あるいは財務内容をきちんとしたものにしていくと、そういうバリューアップをしてそれでマーケットに出していく、これがカーライルに限らず産業再生、事業再生の最も典型的な例でありまして、いわゆるハゲタカとして安く買いたたいてすぐにどこかに転売をすると、こういうものでは決してございません。私どもの投融資指針、これは元をたどれば産業再生法に細かく規定された、その規定に基づいて事業を認定をしているということでございます。

○大門実紀史君 安く買って高く売るんですよ。そういうものなんですよ。そんなのは当たり前のことなんです。それを責めているわけじゃないんです。四十億、国策として何でこんなところに出資したかをお聞きしているわけです。
 先ほど、何か案件に該当しているとか言われましたけれども、そんなことどうやって判断するんですか。五百億使っていろいろやっておるわけですよ、カーライルは。そのうち四十億出しているわけですよね、出資しているわけですね。その四十億だけが何かのこういう対象の基準に合って使われておりますなんて、どうやって証明するんですか。お金に、何か四十億だけ名前でも付いているんですか。一緒でしょう。その中でいろんなことやっておるわけでしょう。
 もう一つ申し上げておきますけれども、このカーライルははっきりと言っております。カーライル・ジャパンの代表の安達保さんは、我々の本業は再生ではないと、MBOであると、それで仕掛けてきたと。もう今では二、三百億の利益を上げて、出資した人たちにリターンしているわけですけれども。
 だから、政策投資銀行がこういろいろ、最初の三年前の日本経済、大変だと、事業再生と企業再生、金融再生、一体でやらなきゃいけないと。ああいう政策目標を持ったときの、政策目標を持ってできたスキームの対象とは違うんですよ、ここは。いろんな細かいことを言われたって違うんですよ。すべて案件はみんなそうですよ。ですから、こういうところに何で出資したのか、出資しているのかがもう今となってははっきりと不思議だと思いますし、これはもう引き揚げられるべきだと、四十億円を。そういうふうに思いますが、いかがですか。

○参考人(小村武君) 誤解のないように申し上げますが、カーライルのやるものをすべて私どもが無審査でそれに対して投資するということではございません。例えば、ある企業にカーライルが事業再生で投資をする場合には、個々の投資家に聞いてくるわけです。キャピタルコールを掛けるわけです。私ども、例えばこの事業が風俗事業であるとか、あるいは私どもの対象にしていないゴルフ場だとか、そういうものであればキャピタルコールに応じない。これが私どもの四十億の範囲内でのコミットをしている額でありまして、直ちにその中身も聞かないで四十億を一度に出すと、そういう性格のものではございません。およそこういうファンドは個々の投資家がそこでもう一度判断をするということであります。
 それから、私どものその判断の材料というのは、基本的には産業再生法の考え方に基づいて、例えば事業再生の際にはROEが二%以上のものであるものとか、細かく規定をされているわけですね。それを一つずつクリアをして、それで私どもはそのキャピタルコールに応じるということでございます。

○大門実紀史君 小村総裁、私の方を向いて答弁していただけますか。
 もうそんな話じゃないんでございますよ。あのね、そんなことをおっしゃるんだったら、こちらも細かい話しなきゃいけないんだけれども。
 その出資した四十億円がどの案件に投資されてですよ、それは政策投資銀行の四十億は出資の要件は決まっているはずだからと。じゃ、このうちのどれに四十億が使われて、じゃ、その当然リターンは政策投資銀行だけですよね。そんな契約結んでるんですか。あるならば後で出して、もう時間がないから、またじっくりやりたいと思いますけれども、そういう四十億についての契約を一個一個やっているんだったらば、それを全部出してくださいよ。──いや、いいですよ。もう時間ないから、もう終わりますから、またやりますから。
 申し上げたいのは、流れを見てください、この。私はいろんなファンドが、市場経済ですから、自由におやりになるのは、それは何も、それはそれで自由でしょうと。ただ、国のお金が入ってるファンドが政策投資銀行に四十億出資してもらって、宣伝では政策投資銀行と一緒にファンドをつくりましたと、最初のころですね、五百億集めるときはですね。で、お金集めて、それでただの一企業の一ファンドとしてどんどんどんどん好きなことをやってると。それは好きにやったっていいんですけれども、それ、どうしてそんなところに四十億を出さなければいけなかったのかということと、そういうことがはっきりしたわけだからもう引き揚げるべきだということを申し上げているわけでございます。
 で、その資料を要求いたします。そういうふうにおっしゃるんだったら、すべての案件について、政策投資銀行の四十億が、これには使われてない、これには使われていると。出せっこないんですよ、そんな資料ね。出せないでしょう、そんな資料を──いや、もう時間オーバーしてるから、後でまた……

○委員長(池口修次君) 簡潔に、じゃ。

○参考人(小村武君) 御指名がありましたので、お答え申し上げます。
 誤解のないようにしていただきたいのは、一件ずつ、私どもだけが出しているわけではなしに、各投資家がそれを、札を入れていくわけでございます。そうしますと、その事業については守秘義務がございます。これは、契約の段階で、個々のものについて私どもが幾らそれに札を入れたとかというようなことについては、これは公表はいたしかねます。
 ただ、カーライルは比較的情報を公開している企業であります。ホームページにもその考え方とか、そういったものについては述べておりますが、具体的な金額でどこがどういう札を入れたということは、これはプロ対プロの金融上の契約として公表をいたしかねると、こういうことでございます。

○大門実紀史君 済みません、じゃ一言だけ。
 守秘義務の問題じゃないんです。そんなものないんですよ。そんな契約してないんです。やれっこないんです、五百億の四十億だけ、一個一個この案件にだけ出しましたなんてできっこないわけでございますから、今日は、この問題、もう三年前からやっておりますから、三年たっての中間総括ということで、改めてこの出資が終わるときに全体の総括を質疑としてやりたいと思います。
 ありがとうございました。
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