● ● ● ● 大門みきし Daimon Mikishi  ● ● ● ●


■2006年5月25日 行政改革特別委員会(TV・締めくくり総括)
              企業太らすだけの「官から民」の実態
○大門実紀史君 日本共産党の大門実紀史でございます。
 締めくくり総括ということで、今日も朝から、官から民、民間にできることは民間にという話が、答弁が続いておりますけれども、私はずっと議論を聞いておりまして、そんなにきれい事なのかなという疑問を持っております。
 官から民というのは、まあ何のことはなくてですね、裏を返せばただの一部の企業のもうけ話だったりすると、そんな話がごろごろしているわけでございます。しかも、ただ仕事を待っているならまだかわいいところあるわけですけれども、政府の会議に、審議会や有識者会議にですね、直接入って参加をして、そして仕事が出るような方向を、そういう政策決定にも関与していると。このこと大変おかしいなと思っているところでございます。
PDFファイル (530KB)
※PDFファイルをご覧いただくには、Adobe Readerが必要になります。
 お持ちでない方は、下記サイトからダウンロードしてください。
 例えば、お手元に資料もお配りいたしましたけれども、(資料提示)今回の行革の中心を担っている有識者会議、行政減量・効率化有識者会議というのがございますけれども、この座長はセコムグループの最高顧問をやっていらっしゃる方でございます。
 今、セコムは刑務所事業に大変力を入れております。またセコムにはですね、元法務省の名古屋管内の刑務所の責任者の方も天下りをしていると。そんなこと含めて、大変刑務所事業に力を入れているわけですけれども、この会議で刑務所のPFI事業化、つまり民間運営でございますね、また業務の民間委託を提言をしております。セコムはもう既に山口県の美祢の刑務所のPFI事業を五百十七億で受注をしておりますし、二号刑務所の事業にも入札参加をしているところでございます。市場化テストモデル事業にも入札参加をしています。
 私、申し上げたいのは、こういう具体的に利害関係のある企業の最高顧問がこういう政府の会議の座長を務めていると、これはさすがに私問題だと思いますが、総理のまず所見を伺いたいと思います。総理にお願いいたします。

○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 現在、飯田氏が行政減量・効率化有識者会議の座長として様々な提言をしてくれておりますし、それは、民間の経営している経験を生かして、民間にできることはこういうものだという見識を発揮されているんだと思っております。こういう事業が正規の手続で関連の会社なり民間に事業委託されているという点についてどうかと聞かれても、不正でない限り私は問題がないと思っております。

○大門実紀史君 私、申し上げているのは、専門家はほかにもいらっしゃいます。こういう直接利害関係のある人が入るのはいかがなものかと。もちろん、この有識者会議で直接仕事の発注したら、これはもう問題どころか汚職事件になります。こういうことに対して何も感じられないというのが私問題だと思います。
 しかも、これはこの行革の有識者会議だけではありません。今回の行革の目玉の一つでもございます国有地の売却、これも有識者会議が組織されております。国家公務員の跡地利用の有識者会議でございますけれども、ここにも、早稲田の先生でございますけれども、森ビル・アカデミーヒルズの会長をやっていらっしゃいます。森記念財団の会長もやっておられます。これは知っている人はみんな知っているんですけれども、森ビルと大変関係の深い方が座長をしていると。
 さらに、驚くべきことですけれども、常識外れだと思いますが、三井不動産の直接こういう仕事をやっている不動産投資サービス本部長、三菱地所のビル事業本部長まで委員に入っていると。この森ビルと三井不動産、三菱地所というのは、もう国有地を売却受けていろんなところで開発事業をやっているところでございます。
PDFファイル (256KB)
※PDFファイルをご覧いただくには、Adobe Readerが必要になります。
 お持ちでない方は、下記サイトからダウンロードしてください。
 どうしてこういう、正に生臭いといいますか、直接仕事をやっているような人たちが政府の有識者会議で国有地売却の方向を決めると、これも私は大変問題だと思っております。 もう少しちょっと具体的な話をいたします。国有地がこういう一部の企業や団体の、何といいますか、もうけの基になっている事例でございます。
 私は当該委員会でこの問題を取り上げてまいりましたけれども、どういう話か紹介いたしますけれども、まずこの大手町、これは東京千代田区の大手町の国有地、合同庁舎跡地でございます。これは二〇〇五年の三月に国から都市整備公団に売られた土地。どういうわけか、すぐ十一月には都市整備公団から、都市再生機構から大手町開発というところにすぐ売却されております。つまり、随契で売ったわけですけれども、都市再生機構に随契でまず売ってあげると。非常に随契ですから安く買えるわけですね。それがそのままトンネルになって大手町開発というところに譲渡されたわけです。
 大手町開発というのは、この開発に絡む、あるいはそこに土地を持っている企業が作った有限会社でございます。そしてこの土地が今そういうふうに売られているわけであります。
 この大手町の開発全体を企画立案してきたのが、この大手町まちづくり株式会社というところでございまして、社長が日本経団連の事務総長、取締役に三菱地所の社長が入っております。
 何をやろうとしているかといいますと、経団連会館、日経ビル、JAビル、これをこの合同庁舎跡地に移転をすると、次々に建て替えをしてやっていこうという、そういう開発事業でございます。
 それだけではございませんで、総理が本部長をやられております都市再生本部で、この大手町開発は国家プロジェクトに指定されました。そのことによって容積率が、今、七〇〇%だったわけですけれども、一遍に一五九〇%、二・三倍にアップをしたわけでございます。つまり、床面積が倍になって、ここに建物を建てたら、こういう経団連とか日経とかが、ここに等価交換で入ってももうけられると、大もうけできると、こういう仕組みになっているわけでございます。これは国が容積率の緩和でそういうことを可能にしてきているということです。
PDFファイル (153KB)
※PDFファイルをご覧いただくには、Adobe Readerが必要になります。
 お持ちでない方は、下記サイトからダウンロードしてください。
 この大手町開発の、実はまちづくりビジョン委員会というのがございましたけれども、それに、先ほどの有識者会議の座長さんもずっと絡んでいたということでございまして、まあ国有地売却、不必要なところを売却するのは反対ではございませんけれども、こういうふうにもうけの場として、もうけの道具として使われていると。しかも、国が容積率を緩和して手品のような仕掛けで、随契で安く買わせてあげて、さらに容積率を緩和して手品のような仕掛けを使って大もうけできると、こんなことが行われているわけでございます。
 こういうことをやってきた人たちが、先ほど言いました国家公務員の移転の有識者会議の中心を占められていると。この会議は、国家公務員の宿舎の跡地だけじゃなくて、後々国有地全体の活用の委員会に発展していくということも決められているようでございます。
 いずれにせよ、こういう人たちがどうして政府の中心の会議に入っていろいろ決めるのかと。これは私、もうここまで来ると利害の抵触に該当するんじゃないかと思いますが、総理のお考えをお聞きしたいと思います。

○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 私はその事実関係よく承知しておりませんが、地域再生していこうということで、いろいろな実務を知っている方の意見を伺うというのは大事なことだと思います。
 しかしながら、どの点が利害に抵触しているのか、今私がお話を伺った限りでは分かりません。

○大門実紀史君 調べていただきたい。総理、御存じなければ、その座長さんは総理と懇意にされている方でもございますから、調べていただいて、こういうことが有識者会議の……(発言する者あり)いや、いいんです、私が質問しているんですから。有識者会議のメンバーとして妥当かどうか。ほかの有識者会議もそうですね。あの規制改革・民間開放会議もそうです。私から言わせれば、いろんなことを、自分たちが仕事を受けるためにそういう方向を出していると、このことだけはきちっとしていただきたいというふうに思います。(発言する者あり)時間がないので結構でございます。
 次に……

○委員長(尾辻秀久君) 指名はまだいたしておりません。

○大門実紀史君 次に、私は、全体として申し上げれば、今回の官から民というのは、何のことはないと、もういわゆる平成の殖産興業ではないかと、官業の民間への払下げと、これが中心になっているということを全体として指摘をしておきたいというふうに思います。
 この官から民を考える上で、私、どうしても看過できない問題として、前回も取り上げさせていただきましたけれども、官から民の最大事業が郵政事業の民営化だったわけでございます。その方向がどうなるのか、あるいは郵貯銀行がこれからどうなっていくのかと、これが今問われているところでございますけれども、本当に郵貯銀行が、午前中も話、保坂先生からありましたけれども、土砂降りのときに傘を取り上げるような、そんな大銀行になってしまうのかどうかというようなことも問われているわけですが、この点で今注目されているのが、日本郵政の西川社長の進退問題、責任問題でございます。
 簡単に申し上げますと、とにかく、三井住友銀行が、取引先の中小企業の弱みに付け込んで金融商品、もうからない金融商品を押し付け販売したということで、今年の四月に金融庁から業務停止命令を受けた事件でございますけども、これは金融庁も、当時の経営陣の責任を明確にしなさいと。つまり、当時の経営者、頭取は西川さんだったわけですね。だから、西川さんの責任も含めて金融庁が明確にしなさいというふうに言っております。三井住友自身も、西川さんの役員報酬の返還なども検討していると、そういう処分も検討しているということでございます。また、被害者の方々、西川さん相手に今裁判の、訴訟の準備もされているということでございます。
 私は、こういう方が、これから、スタートしたばかりの日本郵政の社長にふさわしいのかと、あるいは郵貯銀行のこれからの方針を打ち出す方としてどうなのかということを疑問に思っておりまして、五月の八日のときに私、伺いました。まず、被害者の方々に西川さんはおわびすべきだと。しかし、あなたは一切おわびの言葉を言われませんでした。ただ知らなかったと、遺憾だと、そればっかり繰り返されるわけでございます。そして、私はもう潔くお辞めになるべきだというふうにも申し上げましたけども、それについても一切お答えしないといいますか、これからまだ頑張っていきたいというふうなことを言われたわけでございます。
 その後、いろいろ動きもございますけども、心境の変化といいますか、今日はせめて、テレビの前ですから、被害を受けられた方たくさんいらっしゃいますから、せめておわびの一言も言われるべきじゃないかと思いますが、いかがでしょうか。

○参考人(西川善文君) お答えをいたします。
 私の頭取在任中に御指摘のような事態が起きたということにつきましては誠に遺憾に思っておりますし、また、この取引の相手方となられましたお客様に対しましては、当然のことながら申し訳ないことであるというふうに思っております。
 以上です。

○大門実紀史君 やっと被害者の方におわびの言葉が出たと思いますが、それならばもう潔く日本郵政の社長も、その方がもう何かここまで来るとすきっとしていいんじゃないかというふうに思いますんで、御決断をお願いしたいと思いますけども。
 時間があればいろんなことを申し上げたいんですが、要するにあなたは、二〇〇〇年の十二月に既に、住友銀行と当時のさくら銀行が合併するときに、公正取引委員会から今回のような事件を起こすんじゃないかという指摘をされていたわけです。そのときあなたは、そんなことないように法令遵守に最尽力を尽くしますと誓約をされていたにもかかわらず、その翌年から今回のような金融商品の取引先への押し付け事件、押し付けを始めて、すぐそういうことをやられていたわけですよね。ですから、私は二重に責任が重いということも指摘しておきたいというふうに思います。もうきっぱり辞任されるべきだというふうに重ねて申し上げておきます。
 そこで、問われるのは、政府の任命責任ということも私はいい加減にできないと思います。
 西川さんは、社長就任を要請されたのは、総理から要請されたわけですけども、これは〇五年の十一月十一日だということでございます。それを西川さんが受諾されて内定をしたということになったわけですけども、公正取引委員会がその後、十二月二日に、今回の事件で三井住友に独禁法違反だということを勧告しております。さらに、十二月二十六日に審決が下ってます。つまり、三井住友も認めたわけですね、認めたわけです。そのときあなたはまだ、西川さんはまだ三井住友の特別顧問だったわけでございます。で、正式に社長に就任されたのが今年の一月二十日と。これは、創立総会で取締役に選任をされて、竹中大臣がその認可申請を認可されたと、こういう形になります。その後、取締役会で代表取締役にあなたが選ばれたということです。
 私は、竹中大臣にお聞きしたいんですけども、昨年の十二月の時点で、十二月の時点で、三井住友が公正取引委員会からの独禁法違反の勧告に対してそのとおりですと審決を受けているわけですね。その当時の責任者が西川さんであるということは、竹中大臣、当然御存じだったというふうに思います。知っていて、一月二十日の前に、知っていてなぜ一月二十日に認可されたのかと、正式に認可されたのかと。私は、竹中大臣は元金融担当大臣でございますから、コンプライアンスに非常に努めてきたということもおっしゃっていました。ならば、なぜそのときに内定を取り消すというか、正式就任をお認めにならないという決断をされなかったのかと、その点お聞きしたいと思います。

○国務大臣(竹中平蔵君) お答えを申し上げます。
 三井住友銀行、これは日本を代表する金融機関でありますから、その金融機関が優越的地位の濫用の事案によって金融庁から行政処分を受けたと、これはもう大変遺憾であるというふうに思っております。
 西川氏は、既に同社を退社しておられますけれども、当時の経営者であったと。今後、同行、今業務改善計画を作成中と聞いておりますけれども、その同行の諸問題に対してこれは真摯に対応していただきたいというふうに思います。
 しかし、一方で、郵政のこの経営者、大変重要な役割を担っております。その業務を遂行するにふさわしい経営者が就任されるということが期待されているわけでございます。西川氏は金融の専門家としてこれまで民間の大企業を経営してこられた。また、郵政民営化自体、大変難しい金融の問題を中に秘めております。そうした意味で、この知見を評価して就任をお願いしたものでございます。
 西川氏におかれましても、民営化会社の経営を引き受けられた以上、今回の問題も一つの糧として、経験として、公正な立場で経営に臨んでいただける、そして結果を出していただけるというふうに思っております。

○大門実紀史君 私は西川さんの知見を活用してもらうべきではないと。
 この郵貯銀行は三井住友みたいになったら困るわけですよ。サラ金と一緒に手組んで、今はもう消費者金融で大もうけして、その点でも金融被害者を増やしているんですよ、三井住友というのは。そんなことを一生懸命、そういう能力があった方ですよね。どうしてそんな方に期待をするんでしょうか。もうちょっときちっとした、知見にはコンプライアンスも入ると思います。そういう点で、もう同じ答弁だと思いますから答弁は求めませんけれども、このことは鋭く問われていますよ、官から民の今後についてですね。
 だから、こんなこともけじめ付けられないで、何が偉そうに官から民ですか。何になるんですか、こんな官から民というのは。ちゃんとした、国民のためになるような、郵貯銀行もつくらなきゃいけないわけですから、けじめを付けるべきところはきちっと付けるということをしないで小泉内閣の官から民も知れたものだということを申し上げて、私の質問を終わります。
戻る▲