● ● ● ● 大門みきし Daimon Mikishi  ● ● ● ●


■2006年6月23日 財政金融委員会
○大門実紀史君 日本共産党の大門でございます。
 この問題は十三日のこの委員会から始まった問題でございまして、今日でまだ十一日ぐらいしかたっていないんでしょうか、いろいろお聞きしてきましたけれ ども、私もう余り本当は根掘り葉掘りほじくったようなこと聞きたくないんですね。要するに、私は福井さんがこんなに軽い人とは思いませんでした。中央銀行 の総裁としてこんなに、もうたまらなく軽いんですよね。こんなことでいいのかというのが、思います。
 今、「国家の品格」という本がベストセラーになっておりますけれども、あれは国の在り方だけではなくて日本人の在り方といいますか、特にトップリーダー の在り方についていろいろ言っておりますけれども、本当に今の日本人は責任の取り方が分からないとか、あるいはひきょうだとか、ひきょうという概念がなく なったとか、本当にそういういろいろ指摘されているような、だからみんなあの本を読むとなるほどなと思っている。そういうときに起きて、さもありなんというようなことだと思います。
 今日もいろいろ御答弁ありましたけれども、私はあれこれ福井さんのそのときの理由だとか気持ちだとかお聞きしようという気はもうありません。要するに、 問われているのは、法的責任が今のところ何もないということでしたら道義的責任、そしてすべては結果責任なんですよね。すべては結果責任なんです。あのときそんなつもりじゃなかったとか、こうなるとは思わなかったとか、そんなことはトップである人間としてはもうどうでもいいことです。すべては結果責任でございます。
 そういう点で、その結果責任をどう取るかというのは、私は潔く、中央銀行総裁というのは一番高潔でなければいけない。したがって、高潔というのは気高く 潔いということです。潔いということなんです。だから、もういろいろ言われる前に御自分で決断をしてほしいということを予算委員会でも最初のときから申し 上げてまいりましたけれども、どういうわけか信頼回復のために職責を全うすると。この言葉そのものが大変な自己矛盾だと思います。もうそんなややこしいこ と言わないで、私はすっきりお辞めになった方が、国民の皆さんもいろんな意味で納得されない、もやもやもやもやした、なると思いますし、この後日銀の言う ことは本当かいなというふうなことでとらえられるし、日銀マンも、私、日銀マンの方々と付き合いいろいろさせてもらっていますが、非常にみんなまじめな方 多いですよね、一生懸命やっていますよね。そういう方にとってもどうなのかと、福井さんがずっと座り続けることがですね。
 私、さっき与謝野さんが男気だとか心意気とか言われましたけれども、それならばもう潔くお辞めになるべきだと思いますし、何にしがみついておられるのか が分かりません。なぜあなたが総裁でなければいけないのか。あなたが御答弁なされたように合議制ですよね、合議制で政策決定していると。あなたでなければ いけない、どうしてもいけないという理由は見当たりません。有能な方がたくさんいらっしゃいます。なぜしがみつくのか。もう辞めるとすっきり一言ここで おっしゃれば、私もこれ以上質問しなくて済みますし、時間の節約にもなります。そういう決断をされることこそ非常に後々、高度な政治判断であり、後々立派 だったと言われる判断と思いますが、いかがでしょうか。

○参考人(福井俊彦君)  大門委員の御主張とそれからお気持ち、私、十分ちょうだいしているつもりでございます。そう申し上げました上で、やはり私の心を整理いたしますと、やはり 今後とも強い意思を持って、しかしすべて反省事項はしっかり胸に収めて職責を全うさせていただきたいと、幾重に心を整理いたしましてもこういう形になるわけでございます。

○大門実紀史君 そうすると、幾つか質問しなきゃいけないわけですけれども、私は先ほど言いました道義的責任という意味では三つあると思います。
 一つは、この国会に対するあなたの信頼がなくなった。これは大きなことですね、これから国会で質疑をやる上でも。
 その第一は、十三日の財政金融委員会で始まったわけですけれども、民主党の大久保委員と私の質問に対して御答弁されたこと、その後いろいろ答弁されたことと、後から出てきた事実が食い違っております。違うことが幾つかあります。例えば、キャッシュアウトしていなかったというのがされておりましたとか、ア ドバイザリーボードも契約はしていませんでしたと。契約されたかどうかというのはあるんですけれども、一応正式のアドバイザリーボードに名前が出ていたと か、いろいろ後で答弁と変わって、事実が変わっております。
 これは通常、虚偽の答弁と言われても、客観的に言えば仕方がないことですね、議事録と合わせると。で、それもそういうつもりではなかったとか、いろいろ あると思いますが、それも結果責任として、国会に対する答弁と事実が違ってきたと。これは大きいことでありますし、予算委員会のとき私がそう言うと、福井さん気色ばって、虚偽というのは取り消してもらいたいと言われましたけれども、事実と違うという意味では明らかだと思います。
 ですから、まずこの財政金融委員会に、最初のときの答弁と違った事実が出てきたことについては、まあ虚偽という言い方はともかくとして、やっぱり謝罪をまずしてほしいと思いますが、いかがですか。

○参考人(福井俊彦君)  私は、その場その場での御質問に対しまして、私の知る限り、私が明確に記憶している限りは、何一つ包み隠さず正直にお答えしてきたつもりでございます。九 九年にさかのぼってすべての事実を正確にかつ詳細に覚えていない、これは残念ながら一人の人間として限界があったわけでございますけれども、振り返ってみ まして、一つ一つの事実が論理的につじつまが合わないということではないと思いますけれども、言葉のつながりとして違っている部分が多々あったかもしれな いと。それは、誠心誠意お答えしていても、私のそのときの記憶とか認識している事実を超えている部分について、結果的にそうなっている可能性があると思い ます。
 大門委員に対しても、もし失礼な答弁をしたというふうなことであれば、これは本当に申し訳ないことであります。今深くおわびを申し上げます。

○大門実紀史君  まあそれが国会との関係では一番の道義的な責任だと指摘しておきたいと思います。なぜならば、もしこのままやられるとしても、私は福井さんに質問する気が ほとんどもうなくなっております、金融政策についても。そういう関係になってしまったと、国会とは、ということですね。よく自覚してほしいと思います。
 二つ目の道義的責任は、利殖行為の問題です。
 これも経過はいろいろありますが、結果責任といいますか、結果的に見れば利殖行為であったということはもう間違いないわけでございます。この点で事実関 係でまだ分からないところありますのでお聞きいたしますけれども、村上ファンド、MACへの投資は、基本的に一口十億円でございます。で、総裁は、福井さ んは、前のMAC投資組合のときをいったんキャッシュアウトされて、それはもうなくなって、新しくこのアクティビストの方にされたときにまた一千万で受け 取っていただいております。
 あれは十億円、大体この村上ファンドは十億円単位ですけれども、なぜ福井さんだけ特別待遇で一千万ということが、新たにやったときですよ、九九年じゃあ りませんよ、二〇〇一年のときにまた受け入れてもらえたのか。私はこれ特別待遇だったと思いますが、どういう御認識でしょうか。

○参考人(福井俊彦君)  特別待遇を受けた覚えはございません。一口一千万円という明確に契約になっておりますし、私だけではなくて、九九年に同時に始めました元の職場の同僚、い ずれも恐らく一千万円だったろうと思いますが、とても十億円出しているとは思えません。同じような単位でずっと続けたということですので、そんな特別待遇 があったというふうには全く認識しておりません。

○大門実紀史君  福井さんの認識はともかく、こうやって募集を掛けているのは全部十億円でございます。このアドバイザリーボードに福井さんのお名前が載っていると。福井さ ん自らアドバイザリーボードになり、なおかつここの傘下にある投資ファンドに一千万円出資されたと、こういう関係でございますね。ですから、ほかの方には 十億円ですよというふうな募集されているわけですね。それがなぜ一千万を特別に受け入れてもらえたのかというところを思うわけでございますけれども、御認 識ないということでしたら、ほかの、ちょっとこちらでも調べておりますので、また質問したいと思います。
 時間がないんで、幾つかまだ分からないところありますので。
 先ほどもありましたけれども、私は、今回の村上ファンドのインサイダー取引、これによって生み出された利益、不正利益ですね、これが福井さんの今度の決 算に入って、何分の一かは入ってくると思います。入ってこないという証明は難しいですよね、仕組みからいってですね。これについて、気持ちが悪いというよ うなこともおっしゃいましたけれども、私はこれを受け取ることそのものが大変な問題だと、中央銀行総裁としてはですね。受け取った後寄附するとか何か、そ れはもう御自由にやってもらって結構なんですが、受け取ることそのものが大変な問題だと思います。私は、受け取ってから寄附とかじゃなくて、まず受取を拒 否すると、そんな不正な利益が含まれているかもしれないと、受取を拒否すべきだと、これがまず筋だと思いますが、いかがですか。

○参考人(福井俊彦君)  私の行為は最初から最後までやはり自分の責任でこれを完結させる方がいいんではないかと思っています。受取を拒否するというのも今初めてのアイデアとして お聞きしましたけれども、拒否したら一体そのお金はどうなるんだろうと。だれかほかの投資家に行くのか、ファンド自身のお金として残るのか、私も分かりま せんし、そういう、それはどうなるんだと聞かれて、私が結末を言えないような後始末は私はやっぱりしたくない。私が最後の結末のところも責任を持って処理 したいと。後はどうなったんでしょうと聞かれて分からないような後始末が本当にいいかどうかという点だけはちょっと、御提案については疑問が残るんでございますが。

○大門実紀史君  福井さんが受け取らなかったお金がどうなるかは御心配なさらなくていいんですよ。それは向こうの話なんですよ。中央銀行総裁、世界で二番目の経済大国の中 央銀行総裁がインサイダーで得た利益のうちから何分の一か受け取ることそのものが、受け取っちゃいけないと私は申し上げているわけです。
 よく、初めて聞いたアイデアということでしたら、御検討された方がいいと、どちらが正しいのか。受け取ってしまった瞬間に事態が違うことになると。受け 取らなければ、まだその不正行為にかかわっていないとなりますけれども、受け取ったら、後でどう処理しようと、泥棒がお金稼いで寄附しようと同じことに なってしまうわけです。まず、受け取っちゃ駄目だということをよく検討された方がいいと思います。
 もう一つは、先ほどありました九九年、それから〇一年二月のMACの投資事業組合、最初に五人で始められた投資組合の話ですけれども、私が調べてつかんだものと先ほどの答弁違いますので、確認をさせてもらいたいと思います。
 まず、契約書がないということですけれども、私は一部入手しております、全部ではございませんけれども、契約書はあるはずです。ですから、あれこれ言わ れないで、全部、櫻井委員からもありましたけれども、この委員会に提出してもらいたいと。ただし、五人の方が組合員というのは分かっております。その福井さん以外の四人の方は名前を消していただいて結構です。名前は塗りつぶしていただいて結構ですから、福井さんのかかわり方が分かればいいわけですから、そ ういうものを消してもらって結構ですから、契約書はあるはずですから、出していただきたいというふうに思います。
 先ほど、この九九年当時の最初の組合が、業務執行組合員は存在しないと福井さんおっしゃいましたけれども、私の方の入手した資料によりますと、業務執行 組合員はM&Aコンサルティングというふうになっていると思いますが、これすぐ答えられるのなら、ちょっと確認していただけますか。

○参考人(福井俊彦君) たしか、先ほど櫻井委員の御質問に答えましたのは、その当時の仕組みが分かるような資料は提出申し上げると申し上げました。契約書そのものは出せない立場にございます。
 それから、そのときの業務執行、それはもう組合そのものが解散されていますので、業務執行組合員というものも形式上はもう存在しない、今おっしゃったと おり、M&Aコンサルティングというところが業務執行組合員であったと、当時あったと、そういうことは御指摘のとおりです。

○大門実紀史君  いや、私も事前に契約書出せないのかと申し上げたら、福井さん以外の四人の方の名前が載っているんで出せないという話でしたので、私申し上げているのは、 四人のお名前要りませんので、黒塗りにしてもらって結構ですから、そのMACの、私なぜこれ申し上げるかというと、このMAC投資事業組合のとき、この話 の始まりでございます、十三日の委員会の始まりの話でございます。志に打たれてみんなでお金を集めて出資したと。このときのこの組合の形そのものに違法性 がないかという疑念を実は抱いております。いろんな、民法上あるいは投資顧問業法上ですね、これ違法性があるとは今日断言できませんので、いろいろ調べて ほしいというのと、その契約書そのものを見せてもらわないと明らかになりません。で、その契約書の一部はここにありますから、本体もあるはずです。
 したがって、その名前を塗りつぶしてもらって結構ですから、ほかの方は、その契約書そのものをこの委員会に提出してもらうということを改めてきちっと求めたいと思いますけど、いかがですか。

○参考人(福井俊彦君)  今おっしゃいましたのは、最小単位の組合、当時のですね、それは数多くの組合があって、恐らく同じような類似の契約だろうと類推されます。したがって、そ の名前を消してとおっしゃいましたけれども、当該関係者数人の了解があればこれが開示できるという性格のものではないので、契約書そのものは私の立場から は出せないと、仕組みを御理解いただく上に必要な資料をお作りして出すと、これは先ほど確約したとおりであります。そういうふうに御理解いただきたいと思 います。

○大門実紀史君  そうしたら、その五人の中の代表者が決まっていたはずですけれども、代表はどなただったのか。あるいは私の入手した中では、そんなきれい事じゃなくて、志 でやろうじゃなくて、キャピタルゲインを目的として設立と、はっきりもうけだということも明記されているわけですね。等々、いろいろおっしゃったことと始まりが違っておりますのでお聞きしているわけですが、まず組合代表は五人のうちだれがなされたのか、あるいはその目標利回り、あるいは一任勘定についてどういう規定があったのか、この三つは少なくとも今答えていただけますか、出せないということならば。

○参考人(福井俊彦君)  後ほど資料で正確に答えたいと思います。うろ覚えでお答えするとまた間違ったお答えをすることになると思いますが、唯一、組合代表とおっしゃいましたけ ど、この私のような普通の資金拠出者、これは何人いても代表ではないわけでございます。代表、代表という言葉は適当かどうか分かりませんが、先ほどおっ しゃいました業務執行組合員ですか、これがまあ事実上代表でございます。それはM&Aコンサルティングと、これは申し上げられるというふうに思います。

○大門実紀史君 後で結局出していただけるということですね、資料、ある資料を全部ですね。

○参考人(福井俊彦君) そういうふうに御理解いただける資料をお出しするということでございます。

○大門実紀史君 いろんなことを私先ほど申し上げましたけれども、要するに、最初、十三日、大久保委員と平野さんと私が質問したときは、みんな初めてでしたんでよく分からなかったからそんなに否定的には聞かなかったんですけど、出てくる後の話がどんどん違ってきております。
 やっぱり村上ファンド、三つ目に、道義的責任は、これは申し上げておきたいんですけど、質問する時間ありませんけれども、村上ファンドがなぜこんなに大きくなってきたかと、大きくなったかと、なり得たかと。これは明らかにこの二〇〇一年の七月のMACのこの募集を掛ける、このときにアドバイザリーボード として、ほかの方もおりますけれども、やはり福井さんの元日銀副総裁というこの信用付けは物すごい大きいものあるんです。このファンド政策というのは日銀 の金融政策と違う方向ではやれません。いつゼロ金利解除もあるかとか量的緩和がどこまで続くかとか、全部絡むわけですね。インフレ方向で想定してやってい ますし、あるいは解除になったときにはいつ解除になるかということも早く知らなきゃいけない。
 私は、福井さんが村上さんに一々そんな情報を流したとは思っておりません。しかし、村上さんにとっては福井さんの名前を使うということによって、この ファンドは日銀の金融政策について確度の高い情報を持っていますよと、そういう宣伝に使われたのはこれは間違いないわけですね。このことによって十億円単 位で相当のお金を集めて最初大きくなって、さらにマスコミに出ていろんな派手なパフォーマンスをやると。そういう中で、一般のそういう投資家も含めてどん どんどんどんお金を膨らましていったと。
 始まりのときにあなたがやはり村上ファンド、今日、証券業法違反の違法行為やったわけですが、ここに至るまでの最初の段階、最初の二、三年の段階であなたの役割が、御本人が意識するかどうかは別として、結果責任として大きかったと、これが三つ目の私は道義的責任で、実はこのことが一番大きいというふうに 思っております。
 もう時間過ぎましたが、このことについて、最後の点についてコメントございましたらいただいて、質問を終わりたいと思います。

○参考人(福井俊彦君) 村上氏ないし村上ファンドが実際にどういう広報活動、キャンペーンをしたかっていうことは私は承知しておりません。あるいは大門委員のおっしゃったようなことをしていたのかもしれないと。しかし、私は事実は承知しておりません。
 いずれにいたしましても、最終的に起こりました結果は大変遺憾なことであり、当初の彼の志と比べますと余りにも距離感の大きいことが起こったと。しか し、その時点から振り返って過去を反省する余地がないかと、私は十分反省していると、重ねてそのことを申し上げたいというふうに思います。
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