● ● ● ● 大門みきし Daimon Mikishi  ● ● ● ●


■2007年3月20日 財政金融委員会(予算委嘱審査)
              夕張市財政問題における大銀行の貸し手責任問題を追及
○大門実紀史君 日本共産党の大門でございます。
 今日は、夕張市の破綻と大銀行の貸手責任について取り上げたいと思います。
 この問題は、単に夕張市にだけの問題にとどまらず、後々他の自治体にも波及すると思われる問題ですので取り上げたいと思いますが、夕張市には私自身三回現地調査に参りました。昨日、予算委員会で我が党の紙智子議員が、テレビ放映されましたけれども、夕張破綻の直接的な原因は、北海道も指摘するように観光投資への過大な投資と。その観光投資にいかに大銀行が手をかしてきたか、過剰融資をしてきたかという実態を昨日明らかにしたところでございます。報道関係者も含め、たくさんの今問い合わせが来ているところでございますが、その続編ということで質問したいと思いますが。
 お手元に資料をお配りいたしました。一枚目は、昨日の予算委員会でも配付をいたしましたみずほ銀行、UFJの貸出し残高の推移でございます。九八年から〇七年二月までのみずほと三菱UFJ信託のそれぞれの残高の推移ですけれども、特にみずほは九八年の六億六千万から一気に翌年九十一億、そして百四十六億まで貸し込んできたと。このお金が例の赤字を隠すための一時借入金やその後の観光投資に使われたということでございます。資料の二枚目、三枚目は、これは初めて公表される資料でございますけれども、みずほ銀行、UFJ信託が夕張市のどの会計に貸してきたかの推移でございます。
 要するに、この過大な観光投資に関係して言いますと、地元の金融機関はかなり慎重姿勢、ここまで赤字があるのにそんな施設どんどん買っていいんですかということで、慎重姿勢といいますか、貸さなかったわけでございますけれども、昨日も取り上げたように、例えばマウントレースイというスキー場、ホテルがございます。あるいはホテルシューパロというのがございますが、地元の金融機関は、これは北海道も国も地方債の発行をオーケーしなかったということもありまして貸さなかったわけですが、みずほとUFJが貸して、その後、この二つの施設がどんどん赤字を膨らませる原因になったということでございます。
 地方自治体に貸すお金というのは、不良債権を取り扱ってきたこの委員会ではよく分かることでございますけれども、リスクはゼロ、優良債権、相手がどんなに赤字の自治体であっても、そこに貸す金は優良債権として扱われます。したがって、悪く考えれば、幾らでも貸して、仮に破綻しても取りっぱぐれはないと、しかも区分は優良債権というふうなことがございますので、そうはいっても地元の銀行は貸さなかったわけですけれども、みずほとUFJはどんどん貸したと。そういう点では、私は確信犯ではないかと思っているところでございます。
 しかも、こういう大銀行は今現在一時借入金を北海道に肩代わりしてもらうとか、あるいは都市開発公社が一番の元凶になったわけですが、そこに貸していたお金を前倒しで返してもらうとかなっておりまして、利息が、どれぐらいもうけるんだということを聞きましたら一切答えませんが、仮に二%という地方債で一番多い分布の利息を掛けましても、このみずほとUFJの二つの銀行だけで九年間で二十六億円ももうけたことになるということでございます。こんな大銀行が貸し込んで立ち去っていく、逃げていくと、市民には過酷な負担が押し付けられると、こんなことが許されていいのかということが、この問題での我が党の問題意識でございますけれども。
 これは夕張市だけにとどまらない問題だというふうに思いますし、山本大臣に、一般論で結構なんですけれども、こういう自治体に対する融資なんですけれども、リスクがゼロだからといって、相手が赤字でもどんどん貸しちゃおうと、こういう姿勢は私は不適切だと思いますが、一般論で結構ですが、大臣のお考えをまず伺いたいと思います。

○国務大臣(山本有二君) 一般論で申し上げる前に、個別取引についてはコメントを控えたいと思いますので、あくまで一般論ですが、やはり地域における地域振興のこの切迫感というのは著しいものがあろうと思います。その意味において、それぞれの地方公共団体及び三セクは、当初は計画をしっかりしているつもりであろうと思いますが、やはりそこに更なるマネージャーの質の高さ、人材を確保するかどうかという問題と、また、金融、財務、会計における専門性の知識というような点において少し備えをできる体制にないのではないかというように思います。
 そういった点において、金融機関が補完的にそうした経営ノウハウについて情報があれば提供するなどのそういうタスクフォース的な観点があれば、なおこれからの地域再生というのはもう少し前進するのではないかというようにも思っております。
 さきの産業再生機構における足利銀行等の栃木県における例におきましても、やはりそこには地方公共団体と民間企業と、さらには金融機関の一体的な協力システムがあったればこそ八十案件のうちほぼこれが完遂するというような実績も上がっておりますので、今後は、そういった意味で金融機関もリスクウエートゼロというだけではなくて、事業における情報開示の方法、あるいは地方公共団体側も職員一体となってこうした事業に対してどういうような取組や知識が必要なのかという研さん努力、こういったものを併せ考えていく必要があろうというように思っております。

○大門実紀史君 夕張はそんな難しいまともな話じゃなくて、もう赤字と、赤字で採算取れないのを分かっていて貸したという点なんですね。だから、サラ金で言えばもう過剰与信でございます。そういうことを大銀行がやったという点ですので、そういう一般的な話じゃないというふうに金融庁も認識をしていただきたいと思います。こういうことがほかの自治体でも行われている可能性があるという点を指摘したいと思いますけれども。
 総務省にお聞きいたします。
 竹中大臣のときに、自治体が破綻をしたら銀行も債権放棄をするというようなことも議論をされておりましたけれども、竹中さんは、金融機関の今申し上げたような姿勢に大変疑問を持っておられました。ところが、安倍内閣になってそういう話がとんと消えてしまったんですが、これはどういうことでしょうか。

○政府参考人(椎川忍君) 竹中大臣当時の二十一世紀地方分権ビジョン懇談会で確かにそういう議論がなされたことは事実でございます。そして、私どもとしてもその後引き続きその議論を続けてまいりまして、夕張市の問題もございまして、今回、地方公共団体の財政の健全化に関する法律というものを国会に提出をさせていただいておりますけれども、この債務調整にかかわる問題につきましては、債権者がどういうインセンティブがあって債務調整に応じるのかとか、あるいは裁判所が関与すべき事柄でございますので、行政権と司法権との調整をどうするかとか、いろいろ検討すべき課題が多いということがその後の研究会でも指摘をされておりまして、それらの課題につきまして更に具体的に専門家によりまして検討していただくということで、新しい債務調整等に関する研究会というものを現在もうけまして、鋭意検討中でございます。
   〔理事峰崎直樹君退席、委員長着席〕
 まだ結論を見ていないという状況でございます。

○大門実紀史君 是非、こういうケースをよく研究して、債権放棄もさせるということも視野に入れてもらいたいと思います。
 総務省にこの機会に一つ申し上げておきたいんですけれども、私、そもそもこの今述べたいろんな資料とかすべて独自で入手したものでございまして、破綻をして道や国から支援を要請をしている、あるいは市民にも過大な負担を掛けているにもかかわらず、そもそも三百五十三億という赤字がどうやってできたのか、何でここまで膨らんだのかという詳細が一切市当局は明らかにしておりません。それで、私は事実関係を知るために、基礎的な資料として、どの銀行にどういう理由で幾ら借りているのかと、もう当たり前の資料なんですけれども、提出を夕張市に求めたわけですけれども、一切公表しないと。
 国の支援を要請するならば、国会に資料を、事実関係を出すのは当たり前じゃないかと私は思いますけれども、市民にも当然知らせるのが当たり前ですし、市民にはその知る権利があるというふうに思いますが、夕張市当局は一切提出を拒みました。そのために大変な労力を掛けて、後で申し上げる資料も含めて、私は寒い中四日間も北海道の中を歩き回りました、個別の金融機関を訪ねて。実際に私が行って聞かないと教えてくれないということで、相当の苦労をしてこれだけの資料を手に入れましたけれども、こんなことは提出するのは当たり前だと私は思います。
 総務省はどうしてこんな夕張市の姿勢を許してこられたのか、伺いたいと思います。

○政府参考人(椎川忍君) この情報につきましては夕張市と金融機関の間の事柄でございまして、夕張市につきましては、一時借入金や地方債の借入先の金融機関名、借入額については、情報公開条例の非公開情報に当たるということから公表をしていないのではないかというふうに承知しているところでございます。三セク、公社の債務等につきましても同様の考え方ではないかというふうに承知しているところでございます。
 私どもとしましては、財政に関する情報の開示は極めて重要であるというふうに思っておりますけれども、この具体的な運用については当事者であります夕張市が判断すべきであるというふうに考えているところでございます。

○大門実紀史君 夕張市は情報公開条例で非公開と。じゃ、非公開はだれが決めるのかというと、夕張市当局が決めると。したがって、黙るつもりならいつまでも隠して隠し通せるという仕組みになっております。しかも、今や、これは普通の自治体なら分かりますけれども、国の財政再建団体、国の管理下の財政再建団体と、もう市と金融機関という個別の話を超えているわけですね。それについて、そういう総務省の姿勢では大変困ると思いますし、もう一言申し上げれば、夕張市は私の調査の妨害までいたしました。
 夕張市は、自分たちは出せないけれども、銀行がそれぞれ独自の判断で出すのは結構ですと最初言っていたわけです。それで、このみずほとUFJは出してもらったわけですが、途中で、金融機関、ほかの金融機関にも出してほしいと言ったら、夕張市は出すことを了解いたしませんというふうに態度を変えまして、出てこなくなったと。で、みずほとUFJが先に出てきて、昨日、テレビの前でたたかれてちょっとかわいそうじゃないかと思いますけれども、ほかのところも一杯あるわけですよね。こういう事態になっておりますし、国会の調査に対して、国の管理下にある財政再建団体が調査の妨害までするという点は厳しく指導をしてもらいたいというふうに言っておきたいと思います。今後のこともありますので申し上げたいと思います。
 そういう困難の中、資料の四枚目をごらんいただきたいと思いますけれども、やっと入手した資料によって分かった事実でございます。要するに、ここまでなぜ夕張市が口をつぐむのかと。そこにはもう何かがあるとしか思えないわけでございまして、それで更に調べたら事実が分かりました。
 実は、マウントレースイ、ホテルシューパロというのがございまして、これはさっき言った赤字を生んだ施設でございます。これは、松下グループの不動産開発会社であります松下興産、これ初代社長は松下幸之助さんでございますけれども、それが今はMID都市開発となっていますけれども、そこから夕張市が大変な高い値段で買ったものでございます。UFJはホテルシューパロの購入に十五億円融資をしております。
 そこで、マウントレースイの方に話を絞りたいと思いますけれども、どういう裏事情があって夕張市が買い取ったのかということで、図解にしてあります。
 松下興産は二〇〇二年の三月に突然撤退を表明します。九月までに閉鎖すると宣言をするわけでございます。夕張市はこれを二十六億円で松下興産から買いました。不良債権として二十六億円は高過ぎると。道庁の人間に言わせると十億円だって高いというふうに言っております。
 なぜ赤字の観光施設にこれだけの高額な値段が付いたのかということなんですけれども、これは夕張市長は当時、僕は六十億円だったからその半分以下だということで安いんだということを市民に説明していますが、不良債権処理の常識を知る者としては、半分の値段なんていうのは安いわけはございません。にもかかわらず、不動産鑑定も行わないで、ろくな手続も踏まないで購入を決めたと。正規の契約の手続を踏んでいないということも私の調査で分かりました。それを無理に買うために夕張市は地方債を発行しようとしたんですけれども、採算が取れる事業ではないということで、北海道庁、国も起債をオーケーしなかったということです。地元の信用金庫も、北海道信金に直接お会いしましたけれども、地方債の発行が許可されないものにお貸しするわけにはいかないということで、これは大変健全な姿勢を示されたなと思いますが、そこに登場したのがみずほでございます。
 図を見てもらった方が分かりやすいかも分かりませんけれども、みずほは独自の動機があって、このマウントレースイに対する融資を行いました。そもそも、二〇〇二年当時の状況なんですけれども、これ、メガバンクが例の竹中プランで、この委員会でもさんざん議論がありましたけれども、不良債権処理ということで追い立てられていた辺りでございます。そのちょうど前の段階でございます、前後の段階です。
 松下興産というのは二〇〇〇年には四千億もの巨額の負債を抱え込むという破綻に追い込まれておりました。その松下興産にみずほは巨額の融資をしていたという関係になります。みずほにとっても松下興産というのは大変なお荷物になっていたわけです。図に書いていますとおり、二〇〇二年の春には債権放棄も含めて千五百億の金融支援を松下グループと一緒にやっているわけですね。ですから、要するにみずほとしてもこの不良債権の一つでありますマウントレースイを早く処理したかったわけです。
 そこで、みずほ銀行が、夕張市がほかから借りられないということで、ここで顔を出して登場して、二十億の融資をしてこのマウントレースイ、スキー場とホテルでございますけれども、を買わせたという構図でございます。松下興産がマウントレースイを高い値段で売れれば、これは資金が、不良債権の資金が回収できるわけですから、みずほにとってもプラスになりますし、夕張市に対して多額の融資をすれば、その利息が入ってくるという関係になります。つまり、一石二鳥のやり方でこの赤字の原因を生んできたマウントレースイが夕張市に購入されたというふうな流れになります。正にみずほの自作自演ではないかと思います。
 これに関しては、夕張市の当時の幹部、今も残っていると思いますが、市長さんも知っていると思いますけれども、何も知らないわけがないと。この点、こういう銀行との関係があるんで一切資料を出さないんではないかというふうに私は判断をせざるを得ないと、そうでなければ資料を出すべきだと。今日もインターネットで多分質問を見ていると思いますので申し上げたいですけれども、資料をなぜ隠すのかというのはこういうところに原因があるんではないかというふうに思っているところでございます。
 山本大臣、何か御感想はございますか。

○国務大臣(山本有二君) この不良債権のスキームの話はすぐれて個別の話でございますし、夕張市の購入するときにおける価格決定のメカニズム等、また今後検討をされることになろうと思います。
 そんな意味で、一般的に健全な融資であるべきところに何か問題点があるならば、厳正に対処するしかないと思っております。

○大門実紀史君 とにかく三百五十三億円という数字そのもののなぞが一つも解明されていないまま市民の皆さんに大変な負担が押し付けられようとしているわけで、このままでは市民の方は納得しないということと、総務省も含めて、金融庁の協力もいただいて真相を解明しなきゃいけないというふうに思います。また、これは後々多くの自治体で同じことが起こる可能性のある問題ということも指摘して、私の質問を終わります。
戻る▲