● ● ● ● 大門みきし Daimon Mikishi  ● ● ● ●


■2007年3月29日 財政金融委員会(関税定率法)
              EPA審議を不要とする改正の問題点、東京海上日動火災リストラ問題
○大門実紀史君 大門でございます。
 関税法の審議ですけれども、本題に入る前に、損害保険会社の問題について一、二点お聞きしたいと思います。
 今日はわざわざ山本大臣にお越しをいただきまして恐縮でございます。せっかく来ていただいたので、是非いい御答弁をお願いしたいと思いますけれども、まず山本大臣は、損保会社の不払事件、相次ぎました、これについてどういうふうにお考えか、またその根底に何があるとお考えか、簡潔にお聞かせいただければ と思います。

○国務大臣(山本有二君) 損保会社が相次ぐ不払事件、十七年、十八年、十九年と連年続いております。第三分野に係る不適切な不払が判明した損保会社十社に対しまして、三月十四日、業務改善命令を発出するとともに、うち六社に対しまして一部業務の停止命令を発出いたしました。
 保険金の支払というのは、基本的かつ最も重要な保険会社の責務でございます。多数の損保会社におきまして、第三分野商品に係る不適切な不払が判明したことは極めてあってはならないことであり、遺憾でございます。損保会社におきましては、十七年十一月の二十六社に対する業務改善命令以来、数次にわたって行 政処分が下されておりまして、にもかかわらずという感が否めません。
 そして、今後、こうした処分をもっと厳粛に受け止めていただきまして、二度とこのようなことがないような、言わば構造的な問題について原因究明に徹底していただきたいと思っております。その上で、利用者の保険事業に対する信頼を回復すべく、適切な保険金の支払管理体制、これに当たってもらって改善を進めていただきたいと願うところでございます。

○大門実紀史君 私は、その構造の問題の根底には、もうけばかり追い掛ける、もうこの間いろいろ起きていますけれども、そういう利益至上主義があるんじゃないかと思います。
 その不払で処分を受けた損保保険最大手の東京海上日動火災が、今度は東京地裁からそのリストラ計画が不当であるとの判決を三日前の二十六日に受けまし た。これは簡単に言いますと、時間がないので、外勤社員制度、つまり地域限定で保険募集にかかわる社員の方々ですけれども、九百二十一人が勤めておられましたが、この制度を七月に廃止をすると。そうすると、会社を辞めて保険の代理店になるか、あるいは既存の代理店に出向する配転を選ぶかということになるわけですけれども、事実上の解雇強要に等しいということで、東京地裁が厳しく断罪をしたということでございます。
 私は、この保険不払問題も取り上げてまいりましたけれども、この法律違反の不当労働行為も根っこは一つで、先ほど申し上げました利益ばかり追い掛けているその延長で、人の道に外れる脱法行為が起きたんではないかと思います。損保業界、競争激しいんでしょうけれども、この労働問題も含めて、やっていいこと と悪いことがあるんじゃないかと思いますし、利用者にもそういう不払を起こすし、働く人にも不当労働行為と、法律違反と。この東京海上火災の経営姿勢はいかがなものかというふうに二重に思ったわけでございます。
 大臣、もちろん裁判の個別のことについては言及される立場じゃないということも事前にお聞きしておりますので、私、大臣にお伺いしたいのは、いろんなことを起こす損保業界の経営姿勢、東京海上の経営姿勢そのもの、その根っこにあるものといいますか、もっと要するに利益だけじゃなくて、人を大切にするよう な経営というのがやっぱり、損保業界だけじゃないと思いますが、今失われているんじゃないかと、そういうところにいろんな問題を起こす原因、根本があるんじゃないかと思っております。
 ですから、経営姿勢が今問われているんじゃないかという点で、余り答弁書をお読みにならないで、大臣の率直なお考えをお聞きできればと思っているところでございます。

○国務大臣(山本有二君) 大門委員のおっしゃる趣旨は、大層私もそう思っておりまして、特にガバナンス体制の改善強化がこの分野では必ず求められていると思っております。
 そして、支払管理体制が不十分な点については、利用者の信用失墜することはもう火を見るよりも明らかでございますので、これについての具体的な方策、特 に苦情処理やあるいは不服申立て、こういったことが業務改善の計画の中に正確に盛り込まれているかというのが今後見極められるところだろうというように 思っています。
 また、契約者保護や利用者利便の改善、法令遵守、もとよりでございますが、一部の業務を停止する社は役職員の責任の明確化、こういうことも大事だろうというように思っております。

○大門実紀史君  もう一言お聞きしたいんですけれども、それは利用者の不払の方ですが、やっぱり全体として働く人も利用者も余りそういうことを頭に置かないでやっている と、こういう東京地裁から厳しく糾弾されるということも起こるんじゃないかと。やっぱり人を大切にする経営ということを、大臣、前、そういう話をされたこ とがあると思いますので、そういう点で一言お伺いしたいということでございます。

○国務大臣(山本有二君)  特に保険分野は、情報の非対称というものがありますし、資本力における巨大性と弱小性というものの対称もございます。そんな意味におきまして、とにかく地 位あるいは規模あるものはヒューマニズムというものが欠かせない、今後の社会の円滑化を図る上において最も大事なことだろうというように思っております。

○大門実紀史君 とにかく、まだいろいろ起きそうだと思うのがこういう経営姿勢のところでございます。
 不当労働行為というのは、控訴しても、この間負ける可能性が高いわけですし、時間延ばしで控訴して、時間延ばしなんかやると、もうとにかく社員の皆さん と家族の皆さんに苦しめるだけだと思いますし、不払問題ともう表裏一体で、そういうことをやればますます東京海上の、何といいますか、企業イメージもダウンするし、社会的な評価も下がるばかりだということに思いますので、控訴をしないようにということを国会の場でも私も要求をしておきたいというふうに思い ます。
 山本大臣、本当にありがとうございました。もう質問終わりましたので。

○委員長(家西悟君) 山本特命担当大臣、御退席いただいて結構です。

○大門実紀史君 ありがとうございました。
 それでは、本題の方に入ります。
 既に様々な角度から議論がございました。私は、この法案の最大の問題点は、経済連携協定の規定の整備の問題だというふうに思っております。改正理由が書 かれておりますけれども、なかなか意味が不明でございます。要するに、何か実務的な整理をするみたいなことが書いてありますが、それは本質的な問題ではございません。
 確かに、条文上、この関税暫定法の中の条文というのは、EPA、FTA、そのたびに国の名前が書き込まれて、ほとんど同じような法文が追加されるという ふうになっております。これをまとめたらどうかと。これそのものは実務的な整理なら何も反対することではないと。審議するたびに国の名前を加えていけばい いと思うわけですが、実はそうではなくて、国の名前を加えるというようなこともやらない。
 もっと分かりやすく言いますと、EPAが外交委員会で本体の協定が審議して採決されると。今までですと、その関税の部分はこの財政金融委員会で審議をして採決をすると。二重にチェックをしていたわけですね。もっと言えば、外交防衛委員会で、ある国とのEPAが、協定が、本体が承認されても、もしこの委員 会でその関税部分が否決をされたら、そのEPAは事実上発効できなかったわけです。そういう二重のチェックになっていたわけですが、今回、実務的な整理とか言っていますが、要するに包括規定にして、一個一個国の名前も書き加えないということで、要するに外交防衛委員会だけでEPAの審議が終わってしまう。 先ほどからあった国内産業の影響、農業の影響も含めて外交防衛委員会でやれば、それが採決されればもう発効まで行ってしまうと、こういうことでございます。つまり、今までは二回審議をしてチェックをしたというのを一回、一つの委員会で審議してチェックする、それだけでもう終わらせちゃおうというのがこの 包括規定の、それだけのことじゃないかと思います。
 制度の説明は必要ありません。そういうことかどうかというのだけ確認したいと思います。

○政府参考人(青山幸恭君) 御指摘のとおり、従来でございますと、経済連携協定が署名された際には、その都度、協定実施のための私どもの関税暫定措置法の一部を改正するということで、中身は何かといいますと、二国間のセーフガードと二国間の関税割当てに係ります規定の整備でございます。
 現在の、今の経済連携協定の進捗状況でございますが、まず、去る三月十九日でございますが、シンガポールの協定の改正が行われて署名がなされております。さらに、おとといチリの署名がございます。
 さらに、今後ありますので、それらを含めたところでの複数の協定に対応し得るよう、今回、実施協定をお願いしているというところでございまして、いずれ にしましても、今後また新たないろんな交渉が出てまいります。そういう際に今回の改正案によって対応できない部分が出てまいりますと、それは改めてこれ に対応いたしました改正案を御審議いただくということでございまして、いずれにいたしましても、政府が提出しております経済連携協定でございますが、通 常、外交防衛委員会において審議されておりますけれども、いずれにしましても、国会におきましてどのような形で御審議いただくかは国会側の御判断というふうに私どもは伺っているわけでございます。

○大門実紀史君 いや、そうじゃないんですよ。もういろいろいいから、私が聞いたのは、今までは両委員会でやらなければ発効ができなかったと、今度は外交防衛委員会でやれば発効はできると、そういうことでしょ。それだけでいいですよ。

○政府参考人(青山幸恭君)  くどいようでございますが、今回の改正は、今の既存の各協定における規定内容を踏まえて、今国会におきます署名が予定されている部分についての改正を包括 的に行うということでございますので、今後の交渉、また新しいこれからいろんな交渉始まります、そういう過程におきまして今般の改正案によりましては対応 できないような条文が出てまいるかもしれません。そういう場合におきましては、改めてこれに対応したような改正案を御審議、当委員会において御審議いただくということでございます。

○大門実紀史君  あなた、だれでしたっけ、関税局長でしたっけ。分からないんですか、法案の中身が。そうじゃないんですよ。それはイレギュラーな例が出てきたときだけやる わけだから、今回のことによって、今までのこの条文で包括規定になっちゃうのは、もう向こうで決まったらここでは審議しないということなんですよ。そんな こと分からないで提案しているんですか。
 それで、もう一つ申し上げたいのは、イレギュラーな例として、例えば日豪のEPAが来る、これはもう大変な今議論になっております。心配の声も上がって おります。その場合でも、私は、今回の包括規定にしちゃえば、日豪のEPAだけはセーフガードも関割りも、関税割当ても、よほど特別なものがあればこの包 括規定に合わないから関税法の、暫定法の改正をしなければいけないということがあるかも分かりませんが、日豪だって、この包括規定、非常に包括的ですから ね、手続だけですからね、中身は書き換えていませんからね、包括的にその枠組みに該当するということになれば、日豪だって何も法改正しないと、これに該当 すると、だから外交防衛委員会だけで済んじゃうということもあるんじゃないですか。

○政府参考人(青山幸恭君)  再三申し上げますように、日豪の例はこれからまた交渉をやる話でございます。これからスタートする話でございますが、いずれにしても、どのような今後二国 間セーフガードの形態になるのか、あるいは二国間の関税割当て制度をどういうふうにするのか、これはまちまちだと思っております。そういうことでございますので、今後の交渉次第でございます。
 委員御指摘のとおり、同じパターンであれば、今までどおりの二国間のセーフガードであり、あるいは二国間の関税割当ての基本スキームが変わらない限りは 確かに御指摘のとおりでございますが、今後の交渉というのはまたいろいろ紆余曲折あろうかと思います。したがいまして、私どもでは今、今現在におきまして 御審議をお願いしているということでございます。

○大門実紀史君  問題は、私思うんですけれども、やっぱり今日も群馬のコンニャクの問題ありましたし、いろいろ農業の問題、国内産業の問題もよく取り上げられました。それ は主にこの委員会でやってきたんですよね。その場がなくなって、余り経済のこと御存じないと思われます外交防衛委員会の中だけですべてが発効まで行っちゃうというのは、私は問題ではないかと思っております。
 あとはちょっと反対討論でもう申し上げますが、どうしても今日の委員会、もうしばらくないそうですので一言聞いておかなきゃいけないんで、またちょっと 別の話になって申し訳ないんですけれども、前回、国有財産処分の有識者会議の伊藤滋座長さんが、国有財産処分と利害関係のある不動産業界、個別企業から何 らかの収入を得てないかということを確認してほしいと申し上げました。理財局長さんは確認しますとおっしゃいました。その報告を簡潔にお願いします。

○政府参考人(丹呉泰健君) お答えいたします。
 先日、確認させていただくと答弁をいたしました。その後、伊藤座長に議事録を見ていただきまして、事実関係を確認いたしました。この結果、金銭関係につきましてはプライバシーの問題もあり具体的にお答えできないわけでございますが、財務省としては伊藤座長に有識者会議の座長をお務めいただく上で問題となるような事実はないものと確認したところでございます。
 それから、一言、国有財産の売却、有効活用の進め方について説明させていただきます。
 有識者会議は有効活用について検討いただく場でございまして、国有財産の個別具体的な売却先を決定する場ではございません。個別具体的な売却先は財務省が決定するところでございます。

○大門実紀史君 もう時間がなくなりましたので、次回、大きな問題ですので、もう時間ないときでもったいないですから、次の機会に全面的にやりたいと思います。
 財務省が問題があるないは、そんな主観的な判断聞いていません。収入があったかどうかということを聞いたわけで、何らかの収入があったから確認をされたんだというふうに思います。
 なぜこの問題を取り上げるかといいますと、思い出してほしいんですけれども、過去にも公務員宿舎跡地の問題では新宿の戸山開発の大問題がありました。これも大手町と同じように随契で、随契で大手不動産会社の連合体の開発会社に売却されました。これも大手町と同じスキーム。当時、中曽根総理でございました けれども、その参加企業の関係を我が党が追及をいたしまして、中曽根総理は、その企業からもらっている献金を御返還なされました。そういうことと同じス キームだということで申し上げているわけでございます。
 伊藤滋さんはあるフォーラムで、今回の都市プロジェクトについて自分でおっしゃっています。国家と大資本の癒着であると自ら放言をされています。さら に、こういうのは赤旗が書くかもしれないと。御希望どおり書いたわけでございますけれども。こういう問題でございますので、我が党も追及しているということだけ認識をして、次の機会をお楽しみいただきたいというふうに申し上げて、質問を終わります。

○委員長(家西悟君) 他に御発言もないようですから、本案に対する質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。

○大門実紀史君 反対討論を行います。
 反対の主な理由は、先ほど質問で取り上げたとおり、経済連携協定に関する包括規定への移行です。このことによりEPAの審議、チェックの機会が半減をいたします。特に財政金融委員会では、その国とのEPAの賛否にかかわらず、与野党とも関税と国内産業や農業との関係に時間を取って審議をしてまいりまし た。今後EPAが増えていく見通しの中で、ますます国内産業や食料自給率との関係を含め、農業問題との関係が深く議論されなければならないときに議論の場 を縮小することは、国会の在り方や、特に参議院のチェック機能からしても賛成するわけにはいきません。
 本法案には、米、麦など十一品目と牛肉、豚肉の特別緊急関税制度の一年延長や沖縄への関税優遇措置の延長など賛成できる内容も含まれておりますが、今後のEPAの審議を形骸化される重大な内容を含んでいることから反対といたします。
 以上です。
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