● ● ● ● 大門みきし Daimon Mikishi  ● ● ● ●


■2007年5月17日 内閣・財政金融委員会連合審査会(日本政策金融公庫法案審議)
               「貸出半減先にありき」の政策金融「改革」ただす
○大門実紀史君 大門でございます。
 十五分でございますので、マクロ的なそもそも論に絞ってお聞きしたいと思います。
 この法案の大本にあるのが政策金融をGDP比で半減するという目標、そこからいろんなことが始まってきたわけですけれども、一体そもそもそれはどこから出てきたのかというと、〇二年十二月の当時の竹中大臣が提案をされた経済財政諮問会議ですね。これはもう説明抜きに提案がされておりますけれども、将来的にGDP半減すると。その後、これは閣議決定までされた目標でございまして、行革推進法、そして今回の法案の出発点になっているということでございます。
 そもそも、なぜ半減かという説明はずっとされてまいりませんで、〇五年になって初めて経済財政諮問会議で日銀の福井総裁が竹中大臣に、なぜ半分なんですかという質問をされて初めて、三年前に議論したときに、国際比較をしたら比較的高い国と比べても二・五倍ぐらいだと、だから半分を目標にと、これが初めての説明でございまして、その後、政府答弁、国会答弁でも繰り返しこの話が使われているわけでございます。
 お手元に資料を用意いたしましたが、一枚目が、そのときの諮問会議で出された資料でございまして、比較的高い国というのはドイツのことでございます。ドイツが間接金融を除くと六・八%だと、日本はその二・五倍だということで、ばくっと半分にということになっていたと思います。
 これは二〇〇〇年度末の数字でございますけれども、その後、この数字がどうなっているのかということと、あるいはこれはGDP、名目GDP比を、GDPを分母にしておりますけれども、GDPの項目を国際比較するなら分かるんですけれども、いきなりGDPを持ってきて政策金融と比較しているというのも余り正確な数字ではないような気がいたします。
 そういう点で、ほかに客観的に日本の政策金融が外国と比べても大きいというような客観的に示すデータはあるんでしょうか。

○政府参考人(鈴木正徳君) 私どもの調査いたしました数字では、このGDP比のこの数値でございます。

○大門実紀史君 いや、それは分かっているんですよ、だから出したんでしょう。ほかにないんですかとお聞きしているんです。

○政府参考人(鈴木正徳君) 私ども、ございますのはこのGDP比だけでございます。

○大門実紀史君 ほかのいろいろ調べてみると、日本が幾らか多いのはいろいろ出てくるんですが、この二・五倍、だから半分と。この数字というのは非常に重要でございまして、ほかのデータではそういうものは出てきません。
 たった一つのデータを使って、二・五倍だから半分にと、余りにも話の始まりが乱暴ではないかというふうに思いますし、財務省の総合研究所が〇五年八月に「政策金融の国際比較」というものを出しております。要するに、書いてあることは、国によって実施主体もあるいはその中身も、直接金融以外に保証、利子補給、あるいは手法も違うと、単純に規模を比較するということはできないんだということを財務省の研究所もおっしゃっておりますし、このデータは意図的に住宅を除いておりますけれども、政策金融全体で考えると、アメリカはGDPでいくと、アメリカの場合はその占める割合は五〇・二%、日本は二七・九%とか、あるいは、この研究所の報告に出ておりますけれども、住宅分野とODA等実施機関及び地方貸付、中小企業向け信用保証を除けば全然違う数字が出てまいります。ドイツが一三・二%、日本は九・六%、フランスが七・六と。したがって、全然こんなものとは違う数字になるわけでございます。
 仮に外国よりも多いとしても、二・五倍じゃなかった可能性のが高いわけですね。二・五倍だから半分にというようなことで、ずっとこの話の最初が来て、いろいろやろうということになってこうなっているわけですけれども、もしもこれが一・一倍とか一・三倍だったら、話の流れが全然違って、今回のような法案にもならなかったんではないかと私はそもそも思うわけですけれども、大体こんな適当な話で、こういうふうな法案にまでなっていることについて疑問をお感じにならないのか、おかしいと思われませんか。

○政府参考人(鈴木正徳君) 先生今御指摘ございました、財務省の研究所の数字でございますけれども、ドイツにつきましてODAや地方貸付を除外すると一三・二%という数字を先生今お述べになられましたけれども、その一三・二%の数字は、先生お配りの数字の、ドイツの一六・七、これに対応する数字だと思います。したがいまして、この報告書では、ドイツの間接融資を除きました直接融資の残高の数字はたしか出ていなかったんではないかというふうに考えております。

○大門実紀史君 あなたに聞いていないんです、大臣にお聞きしているんです。
 そもそも、こういう法案の提案の出発点がこういうものだったと。半分というようなところが非常に、だれが決めた、竹中さんが言ったわけですけれども、机の上で考えた、政策金融の現場も知らないで机の上で考えただけ。しかも内閣府はこのときに適当な、適当とは言いませんが、聞き取りで作った数字です。したがって、後のフォローされたデータがないと。一発で作ったその場限りのデータで二・五倍だと、だから半分だと、こんなことでこの問題が始まっているということについて、提案されている大臣は疑問を感じられませんかということを申し上げているわけです。

○国務大臣(渡辺喜美君) 大門委員の作成された資料の二枚目にグラフと折れ線グラフのものがございますが、これを拝見いたしておりますと、政策金融のシェアというのはかつては一〇%ぐらいだったんですね。一九七〇年にも一〇・七%、一九八九年というと日本経済が絶好調といいますか、バブルの初期のころだったと思いますが、これも一割ぐらいなんですね。これがずっとバブル崩壊以降上がり続けて、最近ちょっと下がってきたというグラフになっておりますが、やはり二割近いという数字は、このグラフからもちょっとやはり膨らみ過ぎではないかということが言えるのではないかと思います。

○大門実紀史君 これの見方はそういうふうに見るんじゃないんですよ。あのね、政策金融とはそもそも何かをこれで見てもらいたいんです。政策金融というのは、要するに景気が悪ければ増えるわけですよ。景気が良ければ必要ないから増えないわけですよ。景気との関係で見てもらいたいというために用意したんで、それでおっしゃるとおり膨らんだわけですよね、膨らんだわけです。
 この竹中さんのときの資料は二〇〇〇年のときの一番ピークのときを取って半分にすべきだと、景気が良くなる、良くならないと関係なしに、ただ外国と比べて大きいから半分にすべきだと。おかしいと思いませんかということを申し上げているんです。おっしゃるとおり、景気が良くなればほっといたって半分になっていくんですよ、政策金融というのは。そういうこと抜きに、外国と比べて半分という話から始まっているのがおかしいと思いませんかということをお聞きしているわけです。いかがですか。

○国務大臣(渡辺喜美君) 日本経済が非常事態に陥っていたころ、政策金融はその役割を非常によく果たしたと思います。逆に、先ほどの御審議にもあったように、そのころのマイナスのツケが今来ているという面もあるわけであります。
 今回の一連の政策金融改革に当たっては、商工中金や政策投資銀行は民営化をするという形で、正に政策金融の外側に出ていくわけでございます。したがって、そういうことをやりながら政策金融の残りを一つにまとめるということをしているわけでございまして、これは取りも直さず国民のお金というものをより有効に使っていこうということにほかなりません。
 政策金融というのは、御案内のように、これは財政資金でございます。財政資金だけで金融をやろうという立場に我々は立たないのでございまして、そこのところは共産党との違いだと思います。

○大門実紀史君 別にうちはそんなこと言ってませんよ。勝手に解釈をしないでいただきたいと思う。
 要するに、おっしゃったとおり国民のお金ですからね、効率的に使うというのは大事なことですよね。どんどんお金がじゃぶじゃぶ入ってくるからじゃぶじゃぶ使っていいと、そんなことはないですよね。それを前提にしてこういう進め方についてお聞きしているわけでございます。
 ですから、私はこの最初の半減論というのは何だったのかというふうに思うわけですけれども、実はそのGDPと比較というのはどうでもよくて、結局、民営化、民営化論というところから最初に来ているんではないかというふうに思います。ですから、竹中さんにとっちゃ今の法案というのは失敗作ではなかったかと、もっと彼は民営化を徹底したかったということではないかと。まあ、だから今外でいろいろおっしゃっていますけれども。
 だから、そういう点でいくと非常にぐちゃぐちゃの法案になって出てきているというふうに思いますし、そもそも政策金融はどうあるべきかとか、これからどうあるべきだとか、こういう景気との関係も含めてですね、ちゃんとした議論の上にこういう法案が出てきたならば議論のかみ合いようがあるんですけれども、その動機がそういうところからですから、非常にみっともない法案になっているんではないかというふうに思います。
 林副大臣は竹中さんとお親しかったようですから、いかがお考えですか。

○副大臣(林芳正君) 特にお親しいお付き合いをいただいていたわけではございませんが、参議院の同僚の議員でおられましたので、竹中大臣時代にどういう御主張をされていたか、今、先生方のお顔を見ながら今思い出そうとしておるところでございますけれども。
 今の問題は、正に委員がおっしゃったように、じゃぶじゃぶじゃぶじゃぶ入ってきたお金をどんどんどんどん使うという財政投融資そのものの改革がございまして、大臣が何度もいろんな場で答弁しておりますように、それの出口の改革がこれを位置付けられると、こういうことでございますので、あくまで、このあるべき姿よりも肥大化してしまったものを改革をするときに、一つの目標としてこういう数値をお使いになったんであろうと、こういうふうに私は理解をしておりまして、そのことが、どうしても税金を使って必要なところを補完的にやっていくというところでございますから、もし万が一民間ができるところとダブっているということになりますと、どうしても競争上、法人税を御負担いただいたりしているところと比べてこちらの方が有利な条件になりやすいと。ということでモラルハザードみたいな問題もあるということで、ここを最小限の補完にしていく必要があると、そういう大きな方向の中でこういう目標をつくったものと、こういうふうに承知をしておるところでございます。

○大門実紀史君 で、中身出ておりますので、中身について一つお聞きしたいと思いますけれども、三枚目に資料をお配りいたしましたが、要するに大企業向け融資がまだ非常に多い、依然多いわけです。大企業は既に自己調達ができますので、大企業に対して低金利融資を続けるということは、民間とのその差額の利息分を、これは事実上補助金になっているというふうに委員会でも指摘したことがございます。これは竹中大臣も、もう大企業に向けた融資は必要ないということをおっしゃっていまして、その点は一致するわけなんですけれども。
 今回の政策金融公庫法案の中には、国際協力銀行の国際金融の部分がこちらに入ります。入ります。そうすると、私心配なのは、全体が何か訳の分からない数値主義がずっとまだ続くと。しかも、国際金融がグローバル化する中で、財界、大企業の皆さんも強めてほしいと言っていると。そうすると、結局この中小企業分野が新たな公庫の中でも圧迫される懸念がないかと、この二つの枠の中で心配されるわけですが、その点はいかがですか。
 ですから、余り数値目標とかそもそも論、さっきの話に戻りますが、中小企業金融に関してはそういうものではないと、景気との関係があるのでそういう設定をすべきじゃないという考えでお聞きをしたいと思いますが、大臣いかがですか。

○国務大臣(渡辺喜美君) まず第一に、GDP比半減目標というのはこれは着実に達成をしていかなければなりません。その後、数値目標を設定するかということについては、中小零細企業等への資金需要が的確になされているかどうか、あるいは民間金融機関の動向、経済情勢、また今回の法案で仕組んでおりますように、部分保証や証券化といった民業補完の手法がどんな具合に活用されているかといった状況を踏まえての検討でございます。
 行革担当大臣として私に与えられた使命というのは、新公庫の貸付けが政策金融改革の趣旨を踏まえて民業補完に徹しているかどうかと、適切な貸付けの規模となっているかどうかということを不断にチェックをしていくことであろうと考えております。

○大門実紀史君 終わります。ありがとうございました。
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