● ● ● ● 大門みきし Daimon Mikishi  ● ● ● ●


■2007年5月31日 財政金融委員会(政投銀法案審議)
               青木が原樹海の自殺防止看板問題。防災など必要な長期低利融資を行うスキームを
○大門実紀史君 大門でございます。
 もう朝から政投銀の話ばかり続いておりますんで、少しお疲れではないかと思いますので、ちょっとだけ気分を変えまして、その間一休みをしていただいて結構ですけれども、本題に入る前に一つだけ、この間起きていることで総務省にお聞きをしておきたいと思います。
 多重債務対策についてでございますけれども、昨年、高金利の引下げ法案が成立いたしまして、同時に、政府に多重債務対策本部ができて、政府を挙げて多重対策に取り組もうということになっていて、自治体レベルでも頑張ろうということで総務省も大変努力して、いい方向に今なっているところでございます。この多重債務者の最悪の結果が自殺ということになるわけで、多重対策本部の重要な仕事として自殺防止対策というのも掲げておられるところでございます。そういう中で、ちょっと首をかしげることが山梨県で起きておりまして、マスコミでも出ておりますので、その問題について一点だけお聞きしたいと思います。
 市民団体の全国クレジット・サラ金被害者連絡協議会というのがございまして、これは被連協と言います。参考人質疑でも来ていただいた団体ですけれども、この団体の人たちが、今年一月、自殺の名所であります、言われておりますが、青木ケ原の樹海に、ここは一年間で百七十人ぐらい遺体が発見される場所ですけれども、そこに借金苦で自殺する人が今年間七千人ぐらいになっておりますから、看板を立てられました。借金の解決は必ずできますと、まずは相談に来てくださいという看板を立てられて、非常にいいことだと思います。マスコミでもこれは大きく取り上げられました。
 その設置のときに富士吉田警察と山梨県に一応問い合わせをして確認をして看板を立てられました。この看板を見て自殺を思いとどまった人とか相談に来た方もたくさん出てきたということで効果を上げているんですけれども、ところが、三月になって山梨県が、看板は無許可だから撤去しろと。まあ何といいますか、そういうことを言いまして、ただ、地元の富士吉田警察は大変協力的な警察署で、富士吉田署がもう既に立てたわけですね、自殺するなと。それをリニューアルをしてその市民団体と共同で一緒に看板を立てていいよと、連名で立てたわけですね。そうしたら、また県から、リニューアルした看板はまた申請しなきゃ駄目だと、撤去しろということが参りました。
 その日にも看板を見て、相談をして、命が救われた方がいるわけですね。大体二日に一人あそこで自殺しているということになると、四か月間も掛かっているわけです、撤去しろとか何だとかですね。こんなことを今どき、ばかなことをやっていていいのかと思います。最近になってやっと、申請があれば認める方向みたいなことまで出てきましたけれども、いずれにせよ、一月から四か月も掛かってまだちゃんと看板一つ立てられないということですね。
 私から言わせれば、もう県がそもそも看板設置してもいいぐらいの話なんですよね、国挙げての取組ですから。それをまだ申請手続云々ということになっていて、今のところはですが。これは看板というのはもちろん申請して立てるものですけれども、そういう問題じゃなくて、この山梨県のレベルの低さといいますか、意識の低さが表れているのではないかと私は思います。
 今国を挙げての取組になっておりますので、是非総務省から、国を挙げて今そういうことが取り組みになっているんだということを、看板をすぐ設置しろとかは総務省が言いにくいと思いますので、意義を伝えていただいて早急に設置できるようにしてほしいということと、ほかの都道府県もまだまだこんなレベルにある気がいたしますので、その辺の徹底を図ってもらいたいと思いますが、いかがでしょうか。

○政府参考人(久保信保君) 多重債務者問題につきましては、もう御指摘のとおり、去る四月二十日、政府の多重債務者対策本部におきまして多重債務問題改善プログラムが決定をされました。
 私ども総務省といたしましては、同日付けで、金融庁と連名で各地方公共団体に対して、その趣旨を十分理解の上、関係団体との緊密な連携の下に多重債務者対策に積極的に取り組まれるよう強く要請をいたしております。
 多重債務者対策におきます地方公共団体の役割、これは、この委員会でも御指摘がございますように大変重要であると存じますので、山梨県も含めまして、今後とも、多重債務問題改善プログラムの実施について理解を求めてまいりたいと考えております。
 なお、御指摘がございました山梨県の事務手続でございますけれども、私どもはこの事実関係を承知をしておりませんけれども、昨日、御指摘がございましたので、同県の担当部局に対しまして委員御懸念の点をお伝えをいたしております。

○大門実紀史君 ありがとうございます、早速手を打っていただいて。是非これからも取組を強めていただきたいと思います。
 総務省の方は私はもう結構でございますので。

○委員長(家西悟君) 審議官、御退席、結構ですので。

○大門実紀史君 それでは法案に入りたいと思いますが、朝から質疑を聞いておりまして、何だかよく分からない法案だというふうに、一日聞いていても思います。これは何ですか。要するに、嫌がる政投銀を無理やり財務省が身売りをしようと、こんな話ですか。
 どうも、小村さんの顔を見ていても元気がありませんし悲壮感が漂っていますし、財務省はただ冷たく突き放した答弁ばっかりしております。一体何の法案なのかと。もっと自信があれば明るく団結して答弁ができるはずですけれども、何か暗い雰囲気の審議が続いていると。
 私は、この法案そのものも、既に御指摘があったとおり、これからどうなるかみたいなことばかりで、抽象的な答弁ばっかりしか出てこないと。もうDNAという言い方はやめた方がいいですよ。そんなことで国会審議で答弁しない方がいいと思います。
 しかし、具体的に聞いても、法案そのものがざるみたいなといいますか大ざっぱな法案ですから、答える方も抽象的になるし、聞く方は幾ら聞いても、ざあっと大体みんな同じ観点でやっていますけれども、同じようなことで繰り返しがあると。こういうような法案というのは大変困るんですよ。皆さんが聞くと、もう私のところまで来るともう聞くことなくなってしまうような、そんな法案でございます。
 非常に何なんだろうという法案で、出すのが早かったのではないかと、もっと具体化してから出すべき法案ではなかったかというふうに思います。与党の皆さんも大変心配される声の方が今日は多かったと思います。この際一遍引っ込めて、出し直したらいかがでしょうか。

○国務大臣(尾身幸次君) 官から民へという大きな流れで、官中心の金融を非常に限定的にして、例えば中小企業の問題とかあるいは円借の問題とか、そういうところに限定をしていくという、その方が経済の活性化に役に立つと、こういう考え方から政策投資銀行を将来完全民営化にするということでございまして、お聞きになってそういう印象を受けられたことにつきましても、私自身も理解はできるわけでございますが、しかしながら、やはり日本の新しい社会経済を構築するために、言わば明治以来続いてきた官中心の経済の運営というものを、民間の活力を活用していくという方向に大きくかじを切るわけでございます。
 その具体的な内容については、やはり民間主体でございますから、私どもがこうしろ、ああしろと言えないという前提で、いろんな意味で創意工夫を凝らしていただくと、こういう考え方でございまして、しかるがゆえに、まだみんな、この政策投資銀行も今一〇〇%政府出資でございますから、そういう、先ほどのお嫌いな言葉で言うとDNAが残っておりまして、今のような、この先行きですね、非常にはっきりとした方向が出ない説明になっているかと思います。
 しかし、同時に、民間中心のものでありますから、逆に言いますと、将来、いわゆる官庁の監督などを不必要に受けることなく、伸び伸びと今までの持っている長所を生かして、民間銀行として大きな活躍分野が開けてくる。しかし、その分野がどう開けてくるかということは今はよく私どもの目から見えないところもあるというのが実態であろうというふうに思っておりまして、そういう中で創意工夫を生かして大変大事な役割を果たしていただきたいなというのが私どもの願いでございます。

○大門実紀史君 私は、そういうのは後からくっ付けたような、そんな高尚な話じゃないと、こんなのはですね。
 大本をたどればどこにあるかというと、何年前ですか、経済財政諮問会議で竹中当時の大臣が、日本の政策金融は世界に比べて何倍、二、三倍だと、GDPの半分にすると、そんなところからですよ、それもよく議論されないでですよ。この前、決算委員会でその矛盾を言いましたけれども、よく議論されないまま、じゃ民営化と、先に民営化ありきという、ただその流れだけで来て、どことどこを民営化すると。そんなもんでとばっちり食ったといいますか、政投銀がもう民営化だというふうになっている。そんな話で、そんな大した、後からくっ付けたような話ですよ、その活性化とか民間どうのこうのはですね。
 だから、もう法案を作るというか、今日もお話、円先生からもありましたけど、政策金融の何たるかということをよく議論して詰めてきて、今終わった役割とまだ必要な役割を整理してと、こういうことじゃなくて、民営化先にありきなんですよね。だからこんな変な話になっちゃうということに、私はそういう流れだと思います。ですから、私は、政投銀がやっている中身をよく吟味して、政策金融、公的な役割も残すなら残すということをきちっと考えるべきだと思います。
 今日、資料をお配りいたしましたけれども、これは有価証券報告書で独自に調べて作りました。もう細かいこと触れませんけど、これは決算委員会でも申し上げましたけど、もう全体として大企業に対する補助金化している部分もあると。つまり、大企業が自分で調達できる、あるいは民間から借りると、しかしコストは高いです。政投銀から借りた方が安くなります。その差額が補助金化しているということを指摘をいたしましたし、もう西武のことは皆さん御存じでございますけれども、例えば電通、何でこんな融資しているかというと、電通の汐留の本社ビルですよ、本社ビルに政投銀がお金を貸していると。ちょっと、まあいろんなスキームにのっとって合法的かも分かりませんが、ちょっと異常なことが国民の目からすると起きております。こういうものはやっぱりやめた方がいいと。竹中さんも言われたとおり、大企業に対する融資はもうあんまり必要ないと、この辺は私も一致して思います。
 ところが、大事な公的な融資もやっていらっしゃるわけですよね。国民生活にかかわるようなインフラ整備もやっていらっしゃるわけです。そういうところはきちっとこれからどうするのかということをちょっと詰めて今日お聞きしたいと思います。まあいろんなものがありますよ。分かりやすいのが災害復旧とか防災対策でございますので、話が分かりやすいんでその話をしますが。
 例えば、政投銀は阪神・淡路大震災のときにどういう役割を果たされたか、簡潔で結構ですが、説明してもらえますか。

○参考人(多賀啓二君) 事実に関することでございますので、私の方から答えさせていただきます。
 先生御指摘の阪神・淡路大震災でございますけれども、大変な地震だということで、あのエリアの鉄道を始めとしまして、電力とかガスとか通信とか、こういった通信といいますか生活インフラが大変な被害を受けたわけでございますけれども、私ども、こういったところにつきまして、事業所でございますとか、あるいは事業用資産、これの復旧のために、累計といたしまして一千八百億円強の融資を実行しております。当時はまだ日本開発銀行でございました。

○大門実紀史君 そういう大事なこともやっていらしたわけですね。こういうことは、民営化した後、この災害復旧に関してはどういうふうになりますか。

○参考人(多賀啓二君) 今回の私どもの民営化の法案の制度設計ということでいいますと、まず移行期間というのがございまして、移行期間につきましては、私どもはみなしの指定金融機関になるということで、今回、先般、法案が通過をいたしました新政策金融公庫、これを通じてそういうふうな災害融資等も一応制度的に対応ができるような措置をしていただけるというふうに伺っております。
 それから、完全民営化後につきましても、これは当然、民間金融機関とのイコールフィッティングという前提は付きますけれども、その指定金融機関ということでは、災害融資については私どもも活用していただけるというふうに理解をしておるところでございます。

○大門実紀史君 それは、あれですか、あの公庫法、公庫の合同審査もやりましたけれども、あの危機管理対応スキームというのありますよね、こういう災害とか何かの場合。その場合、公庫は独自で調達資金があります。それを、もちろん政投銀だけじゃありませんが、金融機関にもいざというときそれを使っていろいろ助けてもらうと。そのみなし指定金融機関に政投銀がなって同じことがやれるというふうに理解してよろしいわけですよね。そういう仕組みですよね。

○参考人(多賀啓二君) そういうことができるような制度的措置をいただけるのだろうというふうに了解をしておるところでございます。

○大門実紀史君 災害が起きてからは、今までのようなことも続けられるということですけれども、災害対策は、もう当然のことながら防災の方が大事でございます。
 現在、防災対策で政投銀はどんな役割を果たせるのか、これも簡潔にスキームだけで結構ですから、ちょっと説明してもらえますか。

○参考人(多賀啓二君) 防災と一言で言いましても、非常に概念が広うございますんで、先生がおっしゃっておられる防災がどこまでの範囲のことをおっしゃっておられるかということがございますが、私どもの理解ということで申し上げますと、例えば先ほどのこの融資の状況にも出ておりましたけど、鉄道会社に対する融資というようなことでいいますと、例えば踏切の安全対策とか、地震があった際に、例えば鉄道の線路が壊れたりしないようなための耐震の工事でございますとか、そういうふうなプロジェクトに対して融資もしておりますし、あるいは電線の地中化でございますね、これやっぱり何か地震等の災害がありまして電信柱が倒れたりすると、それがいろんな意味で被害をつくり出すとか、そういうリスクがございますんで、そういうふうなものもやっております。
 これがいわゆる非常にある意味伝統的な防災融資ということだと思うんですけれども、最近の新しいケースとしましては、一くくりで言いますと、いわゆる新金融技術を使った融資の範疇に入ろうかと思いますけれども、例えばあるエリアで一定の規模以上の震災が起こった場合には、もう自動的に一定の、もう無条件で融資をするというような仕組み、これは地震災害時発動型ファイナンスと、こういう私ども言い方しておりますけど、こういうふうなものも取り組んでいるというところでございます。

○大門実紀史君 非常に重要なことを今やっていらっしゃると思いますが、それは民営化されたら政投銀としてできるんでしょうか。

○参考人(多賀啓二君) 先ほど申し上げました危機対応、その危機対応という範疇にどこまで入ってくるかということかと思います。

○大門実紀史君 私、危機対応のことでいくと、防災の方は入らないと、あるいは、いざ何か起きたときということになりますから、まあ非常に何か危険性がもう目に見えている場合は入るかも分かりませんけど、例えば鉄道で震度幾つのことがあるとこの区間は心配だと、これは危機対応には入りませんので、恐らくそれが入らないということは、政投銀としては民営化されたらそれに対する長期低利融資というのはもうできなくなるというふうに思います。
 それで、財務大臣、財務省にお伺いしますけれども、この防災対策というのはどう考えるかとあるんですが、企業にとっては当面の利益に結び付かないということもありますから、なかなか後回しになりがちだというものでございます。ですから、今まで政府が政策的なインセンティブを与えていろいろ政投銀の融資も含めてやってきたわけですね。分かりやすい話をすれば、さっき言った鉄道のある区間を防災対策として何とかしなきゃいけないという場合に、今までは政投銀の融資も含めて手当てといいますか、政策ができたわけですけれども、政策的な援助ができたわけですが、こういう場合、今政投銀が言われたように、特別なもの以外はできなくなると。
 大臣が今日一日何回か御答弁された中だと、各省庁が立法措置、予算措置をとってもらうと、これからは。そういうふうにお答えがありました。
 例で鉄道の話をしていますので、鉄道ですと国交省が、立法まで行くかどうか分かりません、何とか法とかあるいは何とか事業ということにして、それで支援をする、そういう防災対策に支援をするということを今日御答弁されているというふうに思いますけれども、つまりそれは補助金として出すという形になると思いますが、そういう理解でよろしいんでしょうか。財務省。

○政府参考人(勝栄二郎君) お答えいたします。
 先生おっしゃいましたとおりでございまして、政策的観点から引き続き政策金利での低利融資、そういうものを行う必要があると判断される場合には、一つは危機対応でございます。ここについては日本政策金融公庫法で一定の仕組みができたと考えております。その他の分野につきましては、先生おっしゃいましたように、それぞれの分野を所管する各省庁、これにつきましては立法措置とか予算措置、予算措置は先生おっしゃいましたように補給金等だと思っています、により、民営化後の新会社を含めた民間金融機関を活用していくということになると思っています。

○大門実紀史君 私は、ここでよく考えてほしいんですね。政策とは何か、国の役割は何かと。補助金と、補給金という言い方でも結構ですが、いわゆる補助金というものと長期固定低利融資というこの二つの政策手段というのは、実は相当な違いがある。これよく見極めてほしいと思います。
 現場でやっていらっしゃる政投銀の方がその説明は分かりやすいと思いますので、補助金と長期固定低利融資という政策手段として比べた場合、どういう違いがあるのか、現場から見ていかが思われますか、政投銀の方は。

○参考人(小村武君) 私ども現場から見ていまして、補助金、これはもう国民の税金、負担のそのものであります。私どもがやっております政策金融というのは、政府から信用をおかりをしておりますが、政府のコストとしては、私どもがやる限りはほとんどゼロ、むしろプラスになるんではないかと思いますが、政策を遂行する場合に、財政当局のお立場としてもできるだけ補助金によらないで政策金融、金融で解決するものはそっちの方を選んでいこうというのが基本的な態度だと思います。
 ただ、私どもの現場から見ていまして、例えば先ほどお話のあった防災で、日本のこの東京は世界で一番危ない、災害の危険度が一番高い地域でありますが、このところで、例えば鉄道の事業者に聞いてみましても、必ずしも安全な地域、ものではないんです。ただ、先生おっしゃるように、自らインセンティブを出してやっていくというところは非常にできにくい分野であります。
 そういった場合に、政策誘導というものが一つの手段としてあるわけでありますが、彼らが必要とするのは、やはり長期のリスク、期間リスクを取ってもらいたい、こういう要望が非常に強うございます。もちろん、金利が低いということも一つの魅力でありますが、期間リスクをどう取っていくか、こういった点において関係省庁において立法化をされる場合には、知恵を出し、最も国庫に御負担を掛けないような方法でこの問題の解決を図っていっていただきたいと、こう思っております。

○大門実紀史君 私は大事なことを教えてもらったと思っているんですけれども、今二つのことを言われました。一つは、補助金はそのまま国民の税金ですから、そのものになりますが、金融の場合は直接国民にとって負担にならないと、この大きな違いがありますね。
 ちょっと尾身大臣、お聞きしたいと思いますが、これ大臣の、財務省の基本的な問題でございますからね。
 財務省としては、お金少ない方がいいですよね、出すのに。補助金でやっていくよりも政策金融でやった方が、そういう防災とかの一定のものはコストが掛からないと、国民にとってもコストは掛からないということになります。これが一つですね。
 もう一つは、すべてに私そうしろと言っているわけじゃないですよ。一定時間が掛かる中長期的な防災事業というような、しかも国民にとっても大事な事業、これは、長期であるものというのは、いわゆる補助金とか補給金、たとえ融資という形でも短期の借換えとかになってしまいますね、補助金の場合は、当然そういう仕組みですから、年度ごとですからね。
 そうすると、そういうものよりも、やっぱり長期、低利の融資でやった方が、その方が政策的な効果がある分野があると思うんです。こういう点はよく認識をされた上で、さっき言った、すべて省庁で立法化、予算措置すればいいというふうに判断されているのか。私は重要なことだと思いますが、その辺いかがですか。

○国務大臣(尾身幸次君) 今まで政策投資銀行が政策金融を行っていた分野におきまして、新しい移行期間の新会社の発足以前に契約等が成立した案件につきましては、新会社の発足以後におきましても、引き続き政策金利等の、今までの条件で融資を行われることになりますが、これ以外には政策金融として新たな融資は行われない、移行期間においてですね、というふうに考えております。
 それから、移行期間中の新会社は、長期の事業資金に係る投融資機能の根幹を維持することとされておりまして、事業評価能力等のノウハウを生かして、引き続き、地域再生やあるいは活力創造等の分野への投融資機能の提供を行うことは可能であるというふうに考えております。
 ただし、これまで日本政策投資銀行が政策的要請に基づいて行ってきた低利の政策金利での融資は行うことは困難となり、他の民間金融機関と同様に、個別契約ごとにリスク相応の収益性を確保されるような貸出し要件を設定することが前提になると考えております。
 いわゆる完全民営化の後にも長期の事業資金に係る投融資機能の根幹を維持することが期待をされているわけでございまして、そのためには、移行期間中において完全民営化後の株主等の在り方について専門家の間でいろいろ議論をして、そういうことができるだけやりやすくなるような株主構成等についての検討をしていただくということになり、かつ完全民営化後は、政府としては長期の事業資金の投融資を行うということを期待をするわけであります。ただし、その場合に、低利融資でやるという政策金融としての活動は、この日本政策投資銀行法そのものの在り方としては期待をしていない。
 先ほどの申しましたような政策金融としての、引き続き政策金利で低利融資などの政策的誘導が必要であるという判断される場合には、そのことは、例えば危機対応分野については日本政策金融公庫法に基づく危機対応スキームに基づく対応を行う。それから、その他の分野につきましては、当該分野を所管する各省庁が、新たな立法措置や予算措置等によりまして、民営化後の新会社を含めた民間金融機関を活用していくということであります。その活用の仕方がいわゆる補助金という形で活用するのか、低利融資という形で活用するのかということは、今後この政策を担当する機関を、機関というのは各省庁を中心として判断をして枠組みをつくっていくと、こういうことになろうかと考えております。

○大門実紀史君 ちょっと御理解されていないと思うんです。私言っているのは、国からすると、それは今最後に言われたのは補助金の世界です、しょせん補助金の世界です。利子補給しようが、直接事業に補助金出そうが補助金の世界です。それは、国民にとって大切な事業ですよ、もちろん何でもかんでもじゃないですよ。国民にとっては補助金の方がコストが掛かると、融資で長期的なものをやってもらった方が国民にとってコストが少ない。つまり、財務省からも出るお金が少ないということですね、まず、これを一つ考えてもらいたい。長期的なものは政策効果としても長期低利の融資でやった方がいいと、これももう明らかです。
 私が言っているのは、何も法律を変えろというんじゃなくて、だったらばそのままと考えても、それはそれとしたと考えても、危機対応スキームの場合は新公庫のその資金を持ってきて、いざというときに政投銀がみなし指定機関として今までのノウハウを生かして長期融資やれるわけですよね、危機対応の場合はできるわけですね、そういうことですね。だったらば、こういう防災とか必要な事業とか幾つか限定しても結構ですけれども、そういうものは危機対応と同じスキームを考えて、だから政投銀が自ら低利融資をやるのじゃなくて、資金そのものを、安い資金を政投銀がそれを使えるようなスキームを考えたって、別に法に何も触れませんから、私は十分可能じゃないかと思うわけですね。
 ですから、危機対応スキームというのはあるわけですから、そのときやれるわけですから、何もかもに広げるといったらまた話が違うと思いますが、政投銀がやってきた今までのその大事な役割もありますんで、ノウハウもありますし、その点ではいい意味のDNAがあるかも分かりません。そういうものを活用するためにも、危機対応スキームの新公庫の資金を政投銀がノウハウを生かして、防災対策とか国民にとって重要なことにはみなし指定金融機関になってやれるようにすれば、私はいろいろ心配されていることは事実上この法案のままでも可能じゃないかという提案をしているわけですね。
 是非、これは別にだれもそんなに反対するような話じゃないと思うんですね。いずれにしろ、これはこれからどうなるか分からないような法案ですから、検討していってもらう、研究してもらう価値はあると思いますが、いかがでしょうか。

○国務大臣(尾身幸次君) 先ほど申しました、最後に申しましたいわゆる政策金融としてこの民間企業になった政策投資銀行をどのような形で活用するかということは、いわゆる補助的な対応を予算措置あるいは法律措置でやるか、あるいは債務保証というような形でやるか、いろんな方法が考えられると思いますけれども、これは日本政策投資銀行に固有の措置としてあらかじめ決められているものではない。政策的な要請がある場合には、その関係の省庁がどういう枠組みでやるかということは政府部内でも検討した上で、民間銀行であるこの政策投資銀行を新たなその観点から活用することは将来可能であろうというふうには考えております。
 しかし、その場合に、政策投資銀行は民間銀行になるわけでございますから、ほかの銀行との競争条件上のイコールフッティングというような観点も考えていかなければならない。その具体的な在り方について私が今ここで申し上げる状況ではありませんが、そういう政策的ニーズが生じたと関係の省庁が考えたときには、これはある種の提案をして政府部内で検討するということも可能であろうと、こういうふうに考えております。

○大門実紀史君 今の流れで結構です。つまり、申し上げたいのは、この政策投資銀行法案の中でやろうとしてもちょっと難しいところがございますよね。危機対応スキームは公庫法案の方から来ているわけですよね。だから、政府全体で、全体で、そういう大事な長期低利融資の分野がありますので、そういうことを、今おっしゃったとおり、政府部内全体で検討していってほしいということを御提案したわけでございますので、その方向で検討してほしいと思いますが、小村さん、何か一言ございますか。

○参考人(小村武君) ただいま大臣が御答弁なさったとおり、関係省庁において大いに知恵を絞ってもらいたいと思います。
 それから、私どもだけにメリットを与えろということではございません。大臣がおっしゃったように、民間金融機関とイコールフッティングの下で措置をされるべき話だと思います。その際、私どもはデータベースなりノウハウなり大いに駆使して、お役に立てるところはそれに対して取り組んでまいりたいと、こう考えております。

○大門実紀史君 終わります。
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