● ● ● ● 大門みきし Daimon Mikishi  ● ● ● ●


■2007年6月5日 財政金融委員会(政投銀法案質疑)
             病院経営へのセコム、ヘルスケアファンドの進出による営利主義の問題を追及
○大門実紀史君 大門でございます。
 いよいよ最後の質問でございますけれども、いまだによく分からない法案でございまして、何のために民営化するのか、民営化した後どうするのか、両面ともよく分からない法案だと思います。
 ちょっと角度を変えて、最後ですので、今後政投銀がやろうとしておられることに沿って質問したいと思います。お手元に資料をお配りいたしましたけれども、政投銀の医療分野への進出という点について質問いたします。
 この間、民間企業も医療分野への進出が大変著しいわけですけれども、政投銀もこういうファンドをつくって、三菱商事と一緒にファンド、MCというのは三菱商事でございますが、三菱商事と一緒にファンドをつくってやっていこうということですけれども、まず、このスキームについて、簡潔で結構でございますから、説明をしていただけますか。

○参考人(多賀啓二君) 御説明いたします。
 先生御案内のとおりでございまして、最近の病院の経営状況ということでいいますと、診療報酬のマイナス改定等とかいろいろ影響がございまして、非常に難しい経営状況に陥っている病院も増えてきて、それが、地域の医療といいますか、そういう点で非常に悪い影響を与えているという事例もあるというふうに聞いております。
 私どもにつきましては、先ほど先生お話ありましたように、三菱商事とこの件について組みまして、それで、こういった病院についての事業再生でありますとかあるいは事業再構築、これを支援するということでヘルスケアファンドをつくったということでございますが、具体的なスキームで申し上げますと、先ほど先生のお配りになられましたあの資料にございますように、まずトリニティヘルスケアファンドというそのファンドに、これは投資家としては機関投資家が中心になりますが、二百億円を上限に資金を集めるということでございます。
 続きまして、その上に書いてございますのがマネジメント会社でございまして、これが私どもと三菱商事、これが出資をいたしまして、これが正にその運用のマネジメント、運用についての助言を行うということでございますが、具体的な運用としましては一応二通りやり方を考えておりまして、一つは地銀等の金融機関、これは地域の病院に融資をしているような事例が多いわけでございますけれども、こういった病院に対して融資をしているその地銀の債権を、これをそのファンドで買い取るということ。それからもう一つは、流動化の手法を使うわけでございますけれども、病院施設そのものの信託受益権ですね、これを購入するという中で、実際にそのファンド及びそのファンドのマネジメント会社がハンズオンで事業再生、事業再構築を支援していくと、こういうスキームでございます。

○大門実紀史君 大変ちょっと見た感じ複雑なんですけど、要するに左の上の方は、金融機関と連携して、金融機関が持っている債権をこのファンドが割り引いて買うと。で、この病院を立て直してその債権を高く売るというスキームですね。下の方は、後でも触れますが、リースバック方式といいますか、不動産を買収すると。買い取って、代わりに医療法人は賃貸料を払うというようなスキームでございます。
 前提として、最近この民間企業の医療福祉分野への進出がすごいわけですけれども、特に最近はこういう資金提供と一体に経営コンサルもやるというのが特徴でございまして、こういう病院とか介護に投資する大型のファンド、ヘルスケアファンドというのが次々に今立ち上げられているところでございます。病院に特化したものを病院ファンドという言い方をするそうです。
 これは、このファンドだけではありませんが、いろんな民間企業が医療分野に進出するというのは営利主義を持ち込むんじゃないかということで、医療の専門家からも大変今心配な声が上がっております。要するに、日本は国民皆保険ですから、アメリカとは違いますから、そういう中で民間企業がどんどん医療に入ってくると、営利主義、医療のさたも金次第といいますか、そういう医療格差が生じるんじゃないかということが大変心配されています。実際、アメリカではもうそうなって、お金を持っている人、持っていない人の医療が違うということが生まれております。そういう方向に日本が行っているんではないかということで大変心配をされているところでございますし、逆に言えば、この三菱商事含めて業界の方は、このマーケットは三十兆円マーケットだというふうに豪語して、入ろうということで虎視たんたんとやっているところでございます。そういう中で、政投銀が三菱商事と一緒にこのファンドを立ち上げたということになるわけです。
 もちろん、この背景には病院の経営が大変苦しくなっているというのがあります。これは今日の本題ではありませんけれども、この間の診療報酬の引下げですね、これが、例えばもう簡潔に例をこちらから言いますと、小泉内閣になって診療報酬引下げが七・二五%もされております。〇二年の二・七%の引下げで、これは試算をしてみますと、平均的な病院、大体百六十四床ぐらいですけれども、年間一億円の収入減になると。大変な、さっき言った七・二五%にすると何億円というような収入減になっていますから、赤字の病院が物すごく増えています。
 例えば、これは全国公私病院連盟が行っている調査ですけれども、公立とかを除いた私的な病院でいきますと、二〇〇〇年当時は赤字の病院というのは全体の三二%だったんですけれども、〇六年にはもう四七%に増えていると。医療法人でいきますと、二〇〇〇年には二七・六%だったのが〇六年には四六%と、半分がもう赤字状態に陥っております。これは診療報酬の引下げが最大の原因で、しかも親切に診療をやればやるほど赤字になるというふうなことがあるわけです。
 本来ですと、資金が足りなければ独立行政法人の医療福祉機構が貸出しをするということになるわけですが、これも特殊法人改革で減らせということになっておりまして、貸付けについては二割ぐらい削るというような状況になっていますので、何もそんなに放漫経営じゃなくとも苦しい病院が増えて、資金はもう民間から借りるしかないと追い込まれているわけですね。そういうところにこういうところが、ファンドとかですね、いろんなものが今入ってきているということでございます。
 その点では、そもそも論ですけれども、こういう医療機関に民間の資金が入ってくるというのは、そもそも医療法では大変警戒をしてきました。病院というのは非営利でなければいけないというのが医療法で決められております。もうけを上げちゃいけないということになっておりますね。ですから、民間から資金を入れることに大変警戒をして注意をしてきたわけですけれども。
 ちょっとそもそも論でお聞きいたしますが、厚生労働省に、医療機関というのはなぜ非営利でなきゃいけないのかと、それはどうやって本来担保されるものなのかと。もう一つは、病院に対して民間企業が出資していいのかどうかと。この辺ちょっとまとめて簡潔に教えていただけますか。

○政府参考人(松谷有希雄君) お答え申し上げます。
 医療法は国民の健康の保持に寄与するということをその立法の目的としておりますけれども、医療を行う主体が高い収益率や採算性を追及するということになりますれば、国民が必要とする医療サービスが適切に提供されなくなるおそれがあるため、その主体に非営利性を求めているところでございます。
 具体的には、医療法の第七条におきまして、営利を目的とする主体については病院、診療所又は助産所の開設の許可を与えないことができる旨を規定し、また、開設申請者が実質的に営利を目的とするものでないか否かを審査するに当たりましては、開設申請者からの説明聴取だけではなく、事実が判断できる資料の収集に努めるよう各都道府県に通知をしているところでございます。
 また、医療法人につきましては、その非営利性を担保する観点から、医療法第五十四条におきまして剰余金の配当をしてはならない旨を規定し、医療法人がこうした医療法の規定に反している疑いがある場合には、医療法の規定にのっとりまして、医療法人への立入検査、医療法人の役員の解任勧告、さらには医療法人の設立許可の取消しなどを行うということといたしているところでございます。
 出資ができるかどうかということについては、借入れ等は当然できるということになっておるところでございます。

○大門実紀史君 今申されたことは、もう実態としては既に、これから政投銀と三菱商事やろうということですけれども、既にこの前の段階で、今現在既に、今申された、おっしゃったような原則はもう崩されているんじゃないかというふうに思います。
 分かりやすいのがセコムの例でございます。セコムというのは、九〇年代から病院経営のコンサルティングをやっておりましたけれども、この間、いろんな関連子会社立ち上げて、今十を超えると思いますが、十の病院と提携をしております。この提携という中身が、ぎりぎりこの医療法に引っ掛からないような形式だけ取ってはおりますけれども、私はもう事実上経営権を握っているところが幾つもあるというふうに見ておりますけれども。
 ちなみに、私この委員会でも取り上げたことあったかと思いますが、セコムの代表の飯田さんというのは、政府の有識者会議にも入って、規制緩和をどんどんやれと、あの例のオリックスの宮内さんと同じようにやってきた方でございます。
 そういう方の病院のことですけれども、つまり、今申されたように、株式会社に病院をすることはできないということとか、そういう投資はできないということがありますので、出資とは別の方法で資金提供をする、そういうことを考え付かれたと思います。先ほどあったリースバックがそうでございますけれども、具体的に言えば、九八年に経営危機に陥った千葉県船橋市の倉本記念病院というのがありますけれども、この土地と建物をセコムが買収をいたしました。その医療法人に貸し付けるという形ですね。で、賃貸料を取ると、これがリースバック方式でございます。
 病院にとっては、それそのものは悪いこととは言いません。病院にとっては、土地と建物を売却することによって、そのお金で借金が返せるということになりますね。ただ、家賃は払わなければいけないと、こうなります。お金を出した方から考えると、ただ家賃もらうだけでは、慈善事業じゃありませんから、その投資したものの利益が稼げないと。だから、その賃貸料の問題とかいろいろ疑問が出てくるわけですけれども。
 このリースバック方式というのは、一見出資とか何か、逃れていると、引っ掛からないということでいいことかなと思ったりしますけれども、ただ、先ほど言ったような危険性がありますが、こういう点でこのリースバック方式、政投銀もやろうとしておられますけれども、これが経営の非営利性とか自律性を担保するために、どういう点を厚生労働省としてチェックされていますか。

○政府参考人(松谷有希雄君) お答え申し上げます。
 先ほど申し上げましたように、医療法におきましては医業を行う主体の非営利性が求められているわけでございまして、非営利法人である医療法人につきましては剰余金の配当の禁止が定められております。医療法人がこうした医療法の規定に反するような形で資金調達を行う場合には、医療法の規定にのっとり指導等を行うこととしているところでございます。
 具体的な事案が医療法の規定に反するか否かにつきましては、事案ごとに判断すべきでございまして、一概には申し上げられませんけれども、例えば今のリースバックの例で申しますと、賃料が周辺の賃料の実勢に比べて著しく高く設定されているような場合、また、賃料が医業収益に連動するような形で設定されている場合には剰余金の配当が行われているものと考えられることから、その旨を所轄庁である都道府県等に通知しているところでございます。
 先般の医療法改正におきましては、医療法人の運営の透明性を確保するという観点から、医療法人について毎事業年度の事業報告書等の作成を義務付けるとともに、当該事業報告書を都道府県におきまして閲覧に供するなどの改正を行ったところでございまして、今後ともこうした取組を通じまして、非営利法人たる医療法人の適切な運営を図っていきたいと考えております。

○大門実紀史君 今おっしゃったように、この賃料、リースバックの家賃の中に特別のものを加えると、それは医療法五十四条ですか、剰余金の配当をしちゃいけないとなっていますけれども、それに反する行為になるということですが、幾らに決めるかそのものは明確な基準がないと。個別の判断ですよね。
 そこで、もう具体的にお聞きしますけれども、このセコムの病院は、その賃料を適切な水準に設定しているかどうか、これ、いかがですか。

○政府参考人(松谷有希雄君) そのセコムの病院の具体的な状況、賃料等を私手元に今持っておりませんので、その答弁については今の段階では明確な答弁ができないということでございます。

○大門実紀史君 セコムは民間企業でございます。利益を追及するのは当たり前、投資したお金で運用益稼ぐのも当たり前で、それは責められません、責められません。ただ、医療法がきちっと、病院に関しては非営利でなきゃいけないと、剰余金の分配をしちゃいけないと、こうなっているわけですね。それに違反しているかどうかで、本来私はそういうところがこういう医療に入ってくるべきじゃないと思いますけれども、それが問われるわけでございます。
 もう一つは、この医療法関係、あるいは厚労省の通知、通達によりますと、経営権を握っちゃいけないと、一言で言えばですね。経営権を握っちゃいけないということになっておりますけれども、セコムは病院に具体的に理事など役員を派遣しています。これは合法なんでしょうか。

○政府参考人(松谷有希雄君) 先ほどからの御答弁で申し上げましたように、医療法におきまして、医業を行う主体につきましては非営利性が求められているわけでございまして、医療法人につきましては剰余金の配当の禁止が求められております。こうした医療法の規定に反して営利企業等が医療法人の経営を実質的に掌握しているような実態がある場合には、医療法の規定に従いまして指導等を行う必要があると考えております。
 営利企業等による実質的な関与に当たるかどうかということにつきましては、具体的な事案ごとに判断すべきでございまして、一概には申し上げられないわけでございますけれども、例えば医療法人の役員等を利害関係のある営利企業等の役員等が兼務している場合には医療機関の経営に影響を与えるものではないといったこと、また、第三者からの資金の提供がある場合には、当該第三者が医療機関の経営に関与するものではないといったようなことを都道府県において確認することが必要であると考えておりまして、その旨通知しているところでございます。
 先ほど申しましたように、先般の医療法改正におきまして、医療法人につきまして毎事業年度ごとの事業報告書等の作成を義務付けるとともに、当該報告書を都道府県において閲覧に供するといったような改正を行ったところでございまして、医療法人の運営の透明性の確保という観点から、今後ともこういった仕組みも活用しながら適切に指導していきたいと思っております。

○大門実紀史君 今申されたようなことは、平成五年の段階の通知ですね。この段階では、こういうセコムのような企業の参入とかあるいはこのファンドとかを想定していなかった時代です。むしろ、民間の金融機関、銀行は、病院にお金を貸すときに気を付けなさいと。ただ、それ古い段階での、今の時代を想定していない通知でございます。ですから、それにそぐわない、こういうものを簡単に形の上でクリアする方法で実態として経営の実権を握るというようなことが今もう生じているわけです。
 具体的な話でいきますと、セコムはセコメディック病院というのをつくっております。これは、当初は名前をセコム病院にしたかったんです。これについては、厚生労働省もわざわざ通達を出されて、やめろというふうにされて、セコメディックという名前になったわけですね。これは英語で書けばセコムというのが出てきて、もう明らかにセコム系だと分かるわけですけれども、このとき厚労省は、何でわざわざ通達を出して、セコムの名前をセコム病院じゃなくてセコメディックに変えろというふうに通達まで出されたんでしょうか。

○政府参考人(松谷有希雄君) 委員御指摘の通知は、平成十年に発出をいたしました「医療機関の非営利性の確認と名称について」という通知であるというふうに思われます。
 この通知は、個人等が開設する医療機関について、土地等を営利法人から賃借している場合など、開設者と営利法人との間に関係がある場合に、同営利法人の名称を同医療機関の名称の中に用いることは、同営利法人が同医療機関を経営しているかのような誤解を与えるおそれがあることから望ましくない旨を示したものでございます。

○大門実紀史君 もう名前の問題じゃないんですね。名前で誤解与えるんじゃなくて、中身としてもうこの病院はセコムが経営権を握っているわけです。
 ちょっと想像してみてください。ただ土地と建物を貸している家主さんがですよ、家主の立場でどうして、病院の名前を変えろと、家主の名前にしろと、そんなこと要求できるわけございません。もう経営権を握っているから、病院としてセコム病院にしようということを決定したわけですよ。それを申請したら、地元の千葉県と厚労省と医師会に猛烈な反発を受けたと。ただ、名前をちょっといじっただけで、中身としてはもう明らかにセコムがやってはいけない病院の経営権を握っていると、これは明らかだというふうに思います。そうでなければ、こんなことは常識から考えてあり得ないわけですね。
 この際、先ほどからまだ確認をしていないとおっしゃっているわけですから、千葉県にこのセコム、セコメディック病院の実態について確認をしてほしいと思いますが、いかがですか。

○政府参考人(松谷有希雄君) 医療法人また医療機関につきましては、医療法に基づいてその都度適切に指導をしているところでございまして、都道府県にはその旨お願いをしているところでございまして、引き続きその指導について各都道府県にお願いをしていきたいと考えております。

○大門実紀史君 あなたね、私は今まで具体的に指摘しているんだよ、具体的な事案を。それを確認してくれと言っているのに、その何だ一般的な話は。ここまであなたたちが調べ切れていないことを調べて教えてあげているわけでしょう。千葉県を通じて確認するぐらい当たり前じゃないの。どうなんですか。

○政府参考人(松谷有希雄君) 御指摘の医療機関についてどのようなことがあるかにつきましては、千葉県御当局に問い合わせをして調べてみたいと思います。

○大門実紀史君 私はなぜ先にセコムの話をしたかといいますと、政投銀がこれからそういうところに踏み込まれようとしているんではないかと、数年後にこの委員会で私に、政投銀がやられた病院について同じような指摘をされるんではないかと。逆に言えば、この政投銀と三菱が一緒に入る病院というのは、名前も三菱DBJ病院とかですね、そんなことになる可能性だってあるわけですよね。だから申し上げているわけです。非常にセコムが分かりやすい例でございますので。
 三菱商事の戦略を資料で読みますと、もう明らかですね。一つは、銀行の債権を安く、この上のスキームですけれども、安く買って、立て直して後で高く売ると。これは正にもうファンドのやり方です。二つ目は、資金提供をすると、リースバックもそうですけれども。そして経営コンサルタント業務もやると。これセコムと同じパターンでございます。もう一つは、セコムもそうですけれども、三菱商事もヘルスケアの関連子会社を一杯持っています。それをこの病院に入れて、いろんな医薬品も含まれると思います、三菱商事の場合は。そういう自分たちの関連子会社をこの病院の中に入れていくと。もう一つは、三菱商事の方は、もう大体このヘルスケアファンドってみんなそうですけれども、出口戦略というのがありまして、これは病院や施設を組み込んだREITですね、不動産投資ですよ、REITで上場すると。これはもう常識です、こういうヘルスケアファンドの。そういうことになっております。
 そういうファンドが現在次々と立ち上げられているわけですけれども、私が思ったのは、三菱商事は別に単独でも自分たちだけでもファンドをつくれるはずです。なぜ政投銀が参加する、こういうことになったかというと、私以前カーライルのファンド問題取り上げたことありますけれども、これは今次々立ち上げられている、これは非常に、政投銀と三菱商事というのは、二百億の出資ですけれども、ファンド全体としては一千億の規模になるかもしれないと、非常に大きなファンドを想定されております。したがって、ほかのファンドと差別化するためには、やはり政投銀という信用付け、あるいは広告塔と言ってもいいかも分かりませんが、三菱商事は政投銀と一緒にやりたかったのはそういうところにあるんじゃないかなと私は思っております。
 いずれにせよ、政投銀のこれからの在り方で、四つのDNAの一つにパブリック何とかというのがございますよね、公的な役割を果たしていきたいというのがございましたけれども、このスキームが、三菱商事がその病院の経営権を握る、あるいは非営利原則がもう捨てられるというような病院にならないように政投銀として努力されるべきだと思いますけれども、最低限その辺だけはいかがでしょうか。

○参考人(小村武君) 先生、御指摘のとおりだと思います。
 日本がこれだけの膨大な医療費が国民負担としてなっておりますが、現場の病院を見ますと、私も社会保障関係の仕事を長くやってまいりましたが、お医者さんは朝早くから夜遅くまで、看護婦さんもそういう勤務をなされている、しかしながら、経営そのものがうまくいかない、そういう病院が非常に多うございます。
 私どもは、これまでも幾つかの病院を再生してまいりました。そういう意味におきまして、ノウハウを持っております。信用力もあります。三菱商事もこの分野においては大変良心的な行動を起こしているということで、私どものこういうストラクチャーを組む能力等々、また三菱商事において、病院経営のノウハウ、例えば、必要もしない医薬品を大量に抱え込むというようなこともやりがちなところもあります。そういう、経営者そのものがやはり私は遅れている世界だと思いますので、そういう意味で、より前向きな、お役に立つ、そういう金融をやってまいりたいと思っております。
 御指摘ありがとうございました。

○大門実紀史君 もうそろそろお集まりのようでございますので、最後の質問をしても大丈夫でしょうか。
 今、小村さんのお気持ちは、決意はよく分かるんですけれども、民間の世界はそんなに甘くはございません。
 一つだけ、この三菱商事とのスキームで心配なのは、先ほど最後に申し上げたREITを使って上場させて、もう正にファンドの一番まずいところじゃないかと思いますが、少なくとも政投銀がかかわるこのファンドについては、そのREITで上場させて、売り抜けると言ったら何ですけれども、そういうことではないと、その病院を地域のために本当に再建するために政投銀は力を尽くすんだと、そのREITの部分についてだけ、もう一回お聞かせいただけますか。

○参考人(小村武君) いろんな再生の手法があると思います。私どもが対象とする病院が、家賃の負担とかそういう面において経営が成り立たないようにならないように、それはきちっとやっていくということで、具体的な手法については、御指摘の点も含めてこれから私どもが個別の案件を取り組む際には知恵を絞ってまいりたいと考えております。

○大門実紀史君 じゃ、もうそろそろにしますが、とにかく大変民間というのは厳しい世界でございますので、そうおっしゃっていてもこれはただの不動産ファンドみたいになりかねない、成り下がる危険性があると、そういう法案であるということを申し上げて、早いですけれども、質問を終わります。
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