● ● ● ● 大門みきし Daimon Mikishi  ● ● ● ●


■2007年6月12日 財政金融委員会(一般質問)
              サラ金過払いの返還請求者にレッテル、指導要求
○大門実紀史君 大門でございます。
 今日はサラ金の信用情報の扱いについて質問をいたします。
 質問に入る前に、この間の金融庁の多重債務対策の取組については大変敬意を表したいと、大変頑張っておられます。今度の十六日のシンポジウムを含めて、現場の方は大変喜んでおられますので、山本大臣の指導のたまものだというふうに思っておるところでございます。別に上げたり下げたりするつもりはございませんが、上げたまま質問をしていきたいと思うわけでございますけれども。
 現在、昨年の最高裁判決がありまして、また貸金業法の改正の流れがあって、利息制限法を超える利息の返還、過払い金の返還といいますけれども、その動きが強まっています。それを元本に充当して借金を減らすとか、もうむしろ借金は全部なくなって返してもらえる状態になるというようなことでございますけれども、こういう中、新たな問題が発生してまいりました。
 お手元に資料をお配りいたしましたけれども、全情連、全国信用情報センター連合会、これは全国三十三の信用情報機関の連合体でございますが、そこが利用者の信用情報の区分をいたしております。
 先ほど申し上げました過払い金返還をした人を、現行では、今の時点では債務整理に区分をしております。債務整理に区分されますと、ブラックリストといいますか、要注意の情報にリストアップをされます。したがって、そのために過払い金返還、これはもう当たり前の正当な権利ですけれども、したのが債務整理という区分になって、ほかのクレジットカードの与信を制限されたり、あるいはスーパーマーケットのポイントカードまでいろいろ制約されるというふうな事態になっておりまして、いろいろ不利益が生じております。
 これが今問題になっているわけですけれども、まず、山本大臣、確認したいんですけれども、そもそも利息制限法を超えた利息を返してもらうというのは、これは私法、最高裁判決に基づいて行っておられることですけれども、これは正当な権利の行使だというふうに思いますが、大臣の御所見はいかがでしょうか。

○国務大臣(山本有二君) そのとおりでございます。

○大門実紀史君 そういう正当な権利を行使したのに、自己破産とか含めたような債務整理に区分をされてしまっていろいろ不利益が出ているということでございます。
 その債務整理という区分にしたら苦情が多いので、今年の九月三日から、右の欄ですけれども、契約見直しというふうなことにまた区分を変えようという動きにはなっておりますけれども、過払い金返還で債務が消滅をすると、先ほども言いましたけれども、元々払わなくていいものを払わない、返してくれということで債務が消滅したと、だからこれは完済で十分なわけですけれども、にもかかわらず、どうしてもほかの人とは違うんだということで、マーキングをしたいと、フラグを立てたいということで、全情連ではこういう扱いにしております。
 何でこういう扱いにしたのか、全情連の事務局長さんに直接聞きましたら、サラ金各社が要望しているからだとおっしゃいました。じゃ、どんな理由で要望しているのかというと、過払い金の返還を請求するような人は多重債務者であると。しかも、その多重債務者は、返済能力がないのに借りてしまうような人だと。何といいますか、ギャンブルとか身持ちが悪いとか借金癖があるとか、そういう人だというふうにまず決め付けた上で、そんな人にまた貸していいのかと。だから、現場で、窓口で見分けの付くように識別をしてほしい。それで、最初は債務整理、それでいろいろ苦情が出たので今度は契約見直し、いずれにせよマーキングをするということだそうです。
 何だかもっともらしいことを言っているように思います。金融庁の若い役人さんもころっとだまされたりするんですけれども、ここは気を付けてもらいたいんですね。気を付けてもらいたいんです。
 そもそも法的な権利の問題でいえば、だれであれ司法判断に基づく過払い金返還は正当な権利の行使でございます。大臣がおっしゃっていただいたとおりです。特別扱いされるのがまずおかしいと。そもそも論がありますが、実態論としても、過払いの返還をする人はみんなそういう人とは限りません。返済能力ないのに、せっかく債務整理してもまたサラ金行って借りてしまうと、そんな人ばかりとは限りません。そこには、従来からありましたけれども、多重債務者に対する偏見というものが根強く残っているのかなと思います。
 具体的に言いますと、まず、過払い金返還する人は多重債務者とイコールではありません。多重債務者じゃない人も、この間の新聞報道とか金融庁のお知らせを見ていろんな情報をつかんで、ああ、そうか、過払いだったのかと、利息返してもらえるんだといって、別にそんなにたくさん借金してない人でも過払い金の請求をすることはあり得ます。普通の人が過払い金請求することもあるわけですね。ですから、普通の人がいるということです。
 二つ目には、過払い金の請求の中には、もちろん多重債務者の方が一定割合、相当いらっしゃいます。その方々も、過払い金返還で債務がなくなった後、新たな生活に今スタートされている方がたくさんいらっしゃいます。もう二度とサラ金なんかから借りないということで、生活再建に入っていらっしゃる方がいらっしゃいます。しかも、そういう方々はそもそも生活費が足りなくて、どうしてもサラ金から取りあえず借りたと。しかし、三割近い高金利ですから、返すに返せなくて多重債務に陥ったと。だから、利息制限法超えた利息を取っていることで生まれた多重債務者でございます。こういう人たちがいらっしゃいます。
 そして、業界が指摘するような方々もデータ的にいうと一割か二割いらっしゃるのは確かであります。にもかかわらず、この業界の区分というのは、今申し上げた三種類大体いらっしゃるんですけれども、全部その三番目の、どうしようもない、また借りてしまうような人たちというふうに決め付けて、全部に同じ区分を当てはめて、クレジットカードが使えないとかいろんな不利益を生じているということで、今、だから十数件ですか、訴訟になっております、裁判になっているというところでございます。
 これも大臣に伺いたいんですけど、本来、今回の法改正の趣旨にのっとれば、そういうあれこれではなくて、窓口に借りに来た人の与信をきちっと見極めて、資料を出していただいて、過去過払い金やろうがやるまいが関係なくて、そのときの与信をきちっと判断して貸していきなさいというのが今度の法改正の趣旨ではなかったかと思うんですが、その点いかがでしょうか。

○国務大臣(山本有二君) 正にそのとおりが法改正の趣旨でございます。過払い金返還に支障のあるような行為は法改正の趣旨ではありません。正に過払い金返還は正当な権利の行使だと思っております。

○大門実紀史君 ありがとうございます。
 ですから、法改正の趣旨にそのままきちっと業界が取り組もうということであれば何も要らないんです、こんなことは。この余計な区分、しかも不明確で、みんなをそういう区分にしてしまうような、レッテルを張るような区分は何も必要ないというふうに思います。
 もう一つ問題なのは、このサラ金系の全情連だけこんなことをやっておりまして、これはテラネットといいまして、信販会社を含めて百五十社が加盟しておりますもう一つの信用情報機関に連動しております。したがって、サラ金で借りた人の情報が、さっき言った信販会社のカードが使えないというような不利益が今生じているわけでございます。
 例えば、CICというクレジット系の信用情報機関ありますが、ここでは過払い金返還でも完済は完済ということで余計なことは情報を書き込みません。すべて返したら完済というふうになっているわけですね。ですから、この全情連系の信用情報ではこういう余計なものを付けられる、CICではもう何もない、完済は完済と。これは、これから信用情報の統一というのは重要になってくると思いますけれども、片やの信用情報機関ではブラックリスト扱いになって、片や、何も、もう完済してかえって与信能力があると、こんな変なことが今起きているわけでございます。こんな勝手な区分をつくって、全情連系も、サラ金系は利用者に迷惑を掛けているというのが現状だと思います。
 この新たな九月三日からの登録情報も私、大変問題だと思っております。四つのパターンに分けておりますけれども、一番は、もう完済は当たり前ですけれども、二番目、債務が不存在になったと、過払い金返還してもらってこれはもう完済でいいわけです。何も契約見直しなんて要らないわけですね。完済だけでいいわけです。三番目も、債務残高が残ったもの、これは延滞せずに支払っていれば何も契約見直しなんて付ける必要はなくて、ちゃんと支払っているというだけで何も要らないわけですね。四番目も変なんです、これ。債務の整理を行ったら、これはもう債務整理だけでいいわけです。何もそういう余計なことを書かなくても十分与信活動を行えるわけですけれども、こういうマーカーを付けているわけです。
 こうやって考えると、業界が言っている貸してはいけない人に貸さないためというのが本当なのかと。それはもうさっき言ったように、窓口に来たとき、ちゃんと与信判断すればいいことでございますから、そんな理由が本当の理由なのかというふうに思います。サラ金もそんなにばかでもありませんし、そんなに善意でもありません。貸すときは貸します。
 だから、要するに、この契約見直しといいますか、とにかく過払い金請求をした人だというマーカーを付ける意味は、いろいろ消去法で理由を考えると、残るのは、窓口に来たときに、この人は利息制限法を知っていますよ、過払い請求したことがありますよ、つまりうるさい借り手だと、うるさい債務者だと、窓口で要注意人物ということをまず判断すると。その上で貸すかも分かりませんけど、いずれにしても、まず情報として要注意人物として指定するために、とらえるためにやると。
 もう一つは、今の債務整理の段階が特にそうなんですが、過払い金請求をすると債務整理扱いにされる、知らないところではブラックリスト扱いにされる。そうすると、ほかのクレジットカードは使えないよと。つまり、これはここまで言うとちょっと考え過ぎかも分かりませんが、過払い金請求をやるとほかのクレジットカードが使えなくなるよというふうな抑止効果を、悪く思えば、そこまでねらっているのではないかと思ってしまうところでございます。そこまでは思われたくないんで、今度、契約見直しということに変えていこうということですけれども。
 いずれにせよ、大変、今回の法改正の趣旨を分かっていない、非常にこそくなことを、ほかの信用情報機関じゃなくてサラ金系だけがやろうとしているというのは変だなと私は思います。
 金融庁は全情連には指導監督の関係にはないと、現在はですね、言うわけですけれども、全情連が言っているように、これは業界から出た要望でこういう情報区分をつくったということでございますから、金融庁は業界には指導監督の権限がございます。ですから、こんなこそくなことを考えずに法改正にのっとってちゃんとした与信活動をやるべきだということを是非指導してもらいたいと思いますが、いかがでしょうか。

○政府参考人(佐藤隆文君) 御指摘のとおり、信用情報は貸金業者における適切な与信審査のために使われるべきものでございますので、その目的に沿った運営というものが重要であろうかと思います。
 御指摘のとおり、私ども今、信用情報機関に対して直接の指導監督の権限を持っておりませんが、貸金業協会を通じた何らかの働き掛けが可能かどうか検討はしてみたいと思います。

○大門実紀史君 もう今の御努力に尽きると思いますが、大臣も一言いただければと思います。

○国務大臣(山本有二君) 改正の趣旨にのっとって誠心誠意な対応をしていただきたいというように思っております。

○大門実紀史君 そういう御答弁もいただきましたので、時間はありますけれども、是非、その点で急いで御努力をいただきたいということを申し上げて、質問を終わります。
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