● ● ● ● 大門みきし Daimon Mikishi  ● ● ● ●


■2007年12月18日  外交防衛委((防衛省発注の毒ガス弾処理事業での山田洋行の水増し請求疑惑
大門実紀史君 日本共産党の大門でございます。
 今日は、当委員会で日米平和・文化交流協会秋山直紀氏の参考人招致が決められました。私自身はいろんな委員会で要求してまいりましたので、外交防衛委員 会の決断に敬意を表したいというふうに思います。防衛利権全体を解明するためにはどうしてもこの交流協会のことを解明しなければいけないということと、東 京地検も今ここに大変注目しておりますので、重要な参考人招致になると思います。
 ただ、日程が、何か秋山さんがアメリカに行く等々のことがあるようでございますが、私が秋山さんに会いたいと言ったときも、彼はアメリカに行くから会え ないということを言っておりまして、実はアメリカに行っておりませんでした。そういうこともあるので、よく確認をしていただかないと、また先延ばしみたい なことにならないかという懸念を持っておりますので、是非御確認をお願いしたいということを申し上げておきたいと思います。
 今日は、その日米平和・文化交流協会について、私がこれを取り上げるのは国会で四回目になりますけれども、取り上げたいと思います。
 交流協会と山田洋行との関係では、今、東京地検が大変関心を持っておりますのが、図に、資料一に示しましたけれども、福岡県の苅田港での毒ガス弾処理事 業、この事業に絡んで一億円の裏金が山田洋行から交流協会に流れたのではないかということに今捜査が進んでいるところです。この苅田港についても国会で私 が取り上げるのは三回目になるかと思います。東京地検の捜査の前から取り上げていますのでそうなると思いますが、それも踏まえて質問したいと思います。
 若干概要だけ申し上げますと、図に示した流れですけれども、国土交通省が二〇〇〇年に福岡県苅田港のしゅんせつ工事を行ったときに旧陸軍の毒ガス弾を多 数発見して、その処理方法の調査を防衛庁に委託をしたと。防衛庁から、日米、当時は文化振興会と申しましたけれども、そこに九百八万円で調査が委託をされ ていると。この文化振興会、今の交流協会は制御爆破方式でやるべきだという調査報告をまとめます。
 毒ガス弾の爆破処理の方法というのは、専門的になりますが、二つ、主に二つございまして、加熱爆破というやり方、これは日本では日本鋼管、JFEですか がほとんど専門にやっておりまして、制御爆破というのは神戸製鋼がほぼ専門にやっているという、なかなか特殊技術が絡む問題です。
 この秋山さんが調査してまとめた方式、制御爆破となると、おのずと神戸製鋼が受注するという流れになるわけでございますし、実際、処理事業そのものは神 戸製鋼が受注をいたします。そして、その下請に山田洋行が入って、港に潜ってそれを回収する、毒ガス弾を回収するという潜水の事業に山田洋行が入って十八 億円の仕事を請け、この十八億円から交流協会に一億円還流されていたのではないかと。実際には六千六百万とか、まだ詳細は不明ですが、そういうことが山田 洋行の内部資料でも出てきているという段階で、東京地検も今ここに捜査の焦点を当てているということだと思います。
 ちなみに、右側に神奈川県の寒川でも老朽化兵器が発見されて、それも、今日は時間の関係で省略いたしますけど、要するに秋山さんのところの文化振興会が 処理方法の調査を受注して、そして調査方法を答申をして、それに基づいてまた神戸製鋼が受注をしているという構図で、同じような構図が寒川でも行われているということでございます。
 苅田港について既に数々、私自身疑問を呈してまいりましたけれども、私の疑問の中心は、この交流協会、文化振興会の秋山さん、そして神戸製鋼の受注に当時の防衛庁が協力をしていたのではないかというのが最大の疑問でございます。
 もう既に委員会で触れたことは省略いたしますが、私の疑問の一つは、この文化振興会、安保研究所と、この安保研究所というのはちなみに幽霊研究所でございます。何にも実体はありません。秋山さんが都合のいいとき使い分けるような屋号みたいなもので、この文化振興会がそもそも、これはもう再三指摘されていますが、こういう仕事の受注をしちゃいけないということが定款に書かれているのに、そういうところにわざわざ防衛庁が仕事をさせたという点が一つの疑問で ございます。
 二つ目の疑問は、これも私の所属しています財政金融委員会でも取り上げましたけれども、その入札説明会の前に、かなり前から秋山さんのところに対して防 衛庁が、あんたのところ、こういう仕事をする能力があるかと、仕事できるのかという問い合わせを都合書類があるだけでも四回にわたって事前に行っていると いう点でございます。これは委員会でお聞きしたときに防衛庁は、それはほかのところともやっているんだと、一般的な仕様書を作るためにやったやり取りだと いうふうなことを言われましたから、更に新しい資料を、資料の二枚目からですね、資料二の一、二、三、四ということでお付けしました。
 資料の二の四を見てもらえれば分かるとおり、何も仕様書を作るためとか一般的な聞き取りじゃなくて、非常に詳しく、おたくにその能力があるのかという問 い合わせをして、秋山氏が答えているのが資料の二の四でございます。要するに、うちは専門家はおりませんけど、体制もないけど、まあ外注でちゃんとやりますというようなことを再三にわたって確認をされている、それから入札が行われているということで、これを見ればこの前の答弁は違うんじゃないかと思うとこ ろでございます。
 疑問の三点目は、この前のこの委員会でも民主党の櫻井さん等も触れられましたけれども、そもそもこの交流協会がDランクにもかかわらず、入札資格をわざ わざ防衛庁がDランクに下げていたということでございます。ここまでは既に国会でもう質問をしてきたところですので、その次の話を質問したいと思いますけれども。
 これは資料の、予定価格の問題でございますが、資料の三に、これは防衛庁から出してもらった資料ですが、この秋山氏のところに結局受注させた調査委託事 業ですが、この予定価格は八百七十万円と言われておりました。じゃ、八百七十万どうやって積算したのかということを聞いたら、防衛省から出てきたのがこの 積算書でございます。要するに、日米文化振興会、秋山氏が出してきた参考見積り、これに対して細々削って、それで八百七十万円という予定価格を作ったということでございます。
 防衛省にお聞きいたしますけれども、これでは最初から交流協会、文化振興会、秋山氏のところに仕事を上げようと、予定価格までこうなると、そういうふうに見られても仕方ないんじゃないかと思いますが、いかがでしょうか。

○政府参考人(長岡憲宗君) 入札に際しましては複数の者から見積りを取りまして、一番見積りの安い価格、今回の場合は今御指摘のところでございますけれども、今御指摘になりました資料に基づきまして、これを基に予定価格を算定したものでございます。

○大門実紀史君 もう一個一個言えばいろいろその都度言われるんですけれども、どう見たって全体、手取り足取りこの秋山氏のところに受注させようということでやってこられたというのはもう全体から見て明らかではないかと思います。
 入札、落札の経緯もおかしいなと思うんですけれども、これはこの前、民主党の櫻井さんも取り上げまして、私もその前から取り上げていますけど、最後の入 札に参加したのがこの秋山氏のところの文化振興会とケービーエフという会社でございます。このケービーエフは印刷会社でございまして、例のKSD事件のと きにも名前の挙がった会社でございますし、そのときの舞台もこの交流協会等がある永田町のパレロワイヤルでございました。当て馬の疑いが非常に濃いという ことで既に指摘してきたところでございます。
 もう一つ一つ並べるとその都度いろいろ言われるわけですけれども、石破大臣にお聞きしたいんですけれども、何か防衛庁が、一つ一つ、こういう理由でやり ましたと言われれば言われるほど、私はかえってあの防衛庁がこの秋山氏のところに仕事が行くような便宜を図ったという疑いを、かえって更に深まってしまう わけですけれども。
 大臣は当時、この事業のときの防衛庁長官でもございましたけれども、全体を見て、やっぱりこの交流協会、文化振興会の受注に不自然さというものをお感じになりませんか。

○国務大臣(石破茂君)  委員、この件について御質問いただくのは四回目であります。なぜD等級以上としたのかねとか、なぜ処理技術を制御爆破に限定しなかったのか、あるいは定款 上どうか、入札公告前に、事前に安保研とやり取りしていたか、そういうような問題意識、私どもの方としてもきちんと受け止めて、いろいろと調査をし答弁を してまいりました。
 私自身、この技術が極めて特殊なものであります。だれでもできるというものでも全くございません。そしてまた、当該団体に限らず、事前の聞き取りというのは国問研あるいは産業技術総合研究所等々にも行っているものでございます。
 この秋山氏という者が今回の一連の事件の中でクローズアップされておりますので、この話も何かいろいろと突き合わせていくとそういう像が浮かび上がるの かもしれませんが、一つ一つ考えてみたときに、本当にこれが実に不自然であるというふうに私として断定できるという根拠、これを私自身として持ち合わせて いないところでございます。それぞれの、今委員が御指摘になったことそれぞれについて私なりに得心のいく説明だというふうに考えております。

○大門実紀史君 もうその問題は後でいずれにせよお調べになるようになると思いますので、さらに、神戸製鋼に対する発注のところも疑問が一杯ございます。
 先ほど申し上げましたように、制御爆破なら神戸製鋼という流れになって、前段でいろんな疑惑がなければ、通常なら随意契約で神戸製鋼に発注しても私は不思議はないと思いますけれども、実はそういうことで、〇三年の秋には随意契約ということで事が進んでおりました。
 ところが、自民党の矢野議員から、なぜ制御爆破なのかと、なぜ随契にするのかというような疑問が呈されて、そこで、加熱爆破もあり得るというふうな、排 除はしないということになって、日本鋼管も視野に、そして競争入札と。実際、日本鋼管も入札に参加したわけですね。しかし、結局、神戸製鋼が落札をして、 一期から四期まででいきますと合計二百十六億三千万の仕事を受注したという流れになるわけでございます。この入札になったわけですけれども、神戸製鋼、日 本鋼管の間のこのところにも同じような疑問が私わきました。
 といいますのは、資料四に、じゃ、このときの予定価格はどうやって計算したのということで防衛省から出してもらったのが資料四でございますが、これも同 じように、神戸製鋼が出してきた参考見積りに、それを基に査定して予定価格を決められているわけでございます。日本鋼管の方はこういう査定をしておりませ ん。このことからも、私は最初から神戸製鋼しか相手にしていなかったと言われても仕方ないんじゃないかというふうに思います。
 さらに、今問題になっています神戸製鋼から山田洋行への潜水事業の発注でございますけれども、これは二期事業のところだと思いますが、山田洋行が十八億 円で請け負って、日本人、日本の中にも、日本人でも潜水夫の方たくさんいるわけですけれども、どういうわけかアメリカの、調べてみましたら、テトラ・テッ クという会社に山田洋行が丸投げをしております。防衛商社が大体何でここに入ってくるのかという疑問もありますが、テトラ・テックという会社に丸投げをしております。
 テトラ・テックというのはどういう会社かと調べてみましたら、これはアメリカ国防総省の仕事を請けるいわゆる民事軍事会社といいますか、いわゆるよく戦争請負会社でございます。旧イラク軍の弾薬処理なども請け負ってきたアメリカの会社でございます。
 実際に潜水作業に加わったのはアメリカ人、オーストラリア人の元軍人ダイバーだったということで、小倉のホテルから通って潜水作業をしたと。外国人が日 本で潜水作業をしてお金を稼ぐというのは私は労働基準法違反に該当すると思いますが、そのことも指摘しておきたいと思います。
 いずれにせよ、お聞きしたいのは、神戸製鋼が下請に事業を発注するときは防衛庁に対して承認を得なければならないと。これは役務請負契約条項というのが ありまして、下請業者承認願とかいう言い方かどうか分かりませんが、そういうものを神戸製鋼が山田洋行を下請に入れていいですかということを防衛省に確認 しなきゃいけないというふうに条項ではなっておりますけれども、こういう下請業者承認願、山田洋行を使っていいかという承認願は防衛省に提出されているんでしょうか。

○政府参考人(長岡憲宗君)  株式会社神戸製鋼所が株式会社山田洋行に業務の一部を下請をさせる場合には、先生御指摘のように、防衛省と、当時の防衛庁と同社の契約に基づきまして、防 衛庁管理局会計課の支出負担行為担当官から書面による承認を得ることとされておりましたけれども、当該承認に係る書類につきましては確認をされていないと ころでございます。

○大門実紀史君 神戸製鋼は防衛庁に黙って山田洋行を下請に入れたということになります。
 この仕事は神戸製鋼から山田洋行に幾らで発注されたんですか。

○政府参考人(長岡憲宗君) 民間会社同士のことでございますが、化学弾の揚収費用ということでございますか。

○大門実紀史君 潜水事業ね。

○政府参考人(長岡憲宗君) 潜水事業につきましては、民民の契約でございますので私どもは承知しておりません。

○大門実紀史君 そうすると、山田洋行からさらにテトラ・テックに幾らで、ほぼ丸投げだと思いますが、その金額も防衛省は把握されていませんね。

○政府参考人(長岡憲宗君) 民間の会社同士の契約だと思っております。

○大門実紀史君 山田洋行の内部資料では、約十八億円ということで神戸製鋼から請けたというふうになっております。
 そもそも十八億円も掛かる仕事なのかという疑問があります。
 防衛省は当初の予定価格の積算の中で、この潜水作業を積算しておられます。金額幾らですか。

○政府参考人(長岡憲宗君) 揚収の作業に係ります経費につきましては、当時、予定価格を算出する際に、株式会社神戸製鋼所から参考に徴取をさせていただきました見積書を査定をいたしまして、約七億円程度と見積もっているところでございます。

○大門実紀史君 積算書だと七億一千八百万円で積算したものが十八億円で山田洋行に行っていると。その差額はどうなっているのかということが今注目をされているわけでございます。
 それが裏金づくりに使われたのか、交流協会に還流されたのかと、山田洋行もマージンを稼いだのかということで、その差額の部分ですね、山田洋行の内部資 料によると五億から六億そこで差額が生まれているということでございますが、いずれにせよ、大臣にお聞きしたいんですけれども、これは国民の大事な税金の 使い道の問題でございますから、水増しもされているし、裏金づくりに利用された疑いもあるということでございますので、この十八億円の事業、しっかり中身 を防衛省としてもお調べになるべきだと思いますが、いかがですか。

○国務大臣(石破茂君) 委員の問題意識は承りました。
 今局長から答弁を申し上げましたように、神戸製鋼から山田洋行への下請に係る契約金額について、民民の契約でございますので、私どもとして知る立場には ないということでございます。この揚収作業に係る契約、これが民・民ということになっております以上、私ども官の側からして、この金額についての妥当性につ いて云々する立場にはないのだというふうに考えております。
 ですから、水増し請求であるとか裏金づくりであるとか、そういうこととはどうも直接関係しないように私自身は思っているのでございますけれども、委員の 御指摘の観点も踏まえまして、私ども、見解もう一度整理をいたしますが、現時点で申し上げられますのは、民民のことについて私どもとして承知する立場にないというのが現在のラインでございます。

○大門実紀史君 通常なら、民・民のことでなかなか何でも調べろと私は申し上げません。ここまでいろんな疑惑が個々のお金のところに集中しているわけですので、そういう悠長なことをおっしゃらないで至急お調べになるべきだということを申し上げておきたいと思います。
 私、以上全体が苅田港の全体図でございますけれども、役者がすべてこの文化交流協会のメンバー、会員企業でございます。全体として秋山さん一人でこれだけのことはできないと思いますね。防衛省の幹部、当時の幹部あるいは、の便宜供与、協力あるいは政治家の関与もあったんではないかというふうに私自身は 思っているところでございます。
 石破大臣は当時、防衛庁長官でございましたけれども、秋山氏は交流協会や安保議員協議会等でよく御存じの方だと思いますが、この苅田港について秋山さんから何か依頼を受けたとか話を聞いたと、そういうことは、念のためにお聞きしますが、ございませんか。

○国務大臣(石破茂君) 全くございません。記憶にございませんと言うと何だそれはと言われるかもしれませんが、全くそのような事実はございません。記憶にもありませんし、そういういろんな書類等々から見ましてもそういう事実はございません。

○大門実紀史君 またいろいろ明らかになってくるというふうに思います。
 次に、日米平和・文化交流協会そのものの財政の問題を最後の時間取り上げたいと思いますが、資料の六でございます。
 この交流協会の収支報告書、決算書、全部私の方にいただきました。で、分析を重ねてまいりました。会費収入、企業からの会費収入がどうも不透明なので、 各企業に問い合わせをいたしました。上の方の欄が、まじめにしっかり三菱商事以下は答えていただきましたが、上の六社は、まあ連絡不通もありますが、回答 拒否ということで、重工系三社と渦中の神戸製鋼、山田洋行、まあアドバック・インターナショナルというのは秋山さんの幽霊会社ですからこれは郵便受取とい うことでございますが、こういうところだけ回答拒否です。
 下の方にこの決算書が個々にありますけれども、これをまとめてきました。こういう企業が入ってくるのは大体〇四年辺りからですので、まとめました。どう もおかしいのが〇六年の企業等からの収入九千四百万円ということです。先ほど言いました、回答があったのが五百五十万でございます。差し引きますと、八千 八百五十万。ただ、日米安全戦略会議関係が毎年三千五百万ぐらいあります。この年は明記されていませんので、仮にそれを引きますと五千三百五十万円どこか ら入ったか分からない、どこの企業から入ったか分からないお金がございます。これも一つの今焦点になっておりますし、外務省の所管でございますので、先ほど早急に立入検査を実施したいというお話でございました。私どもも年内にも早く検査に入られるべきだと思いますが、この点、高村大臣の所感を伺って質問を 終わりたいと思います。いや、大臣、いや、大臣。

○国務大臣(高村正彦君) ちょっと担当やってもらっているから、済みません。

○委員長(北澤俊美君) 大門委員、よろしゅうございますか。

○大門実紀史君 いや、もうさっき木村さんに聞いたから、大臣。

○副大臣(木村仁君) 御指摘の協会につきましては、十七年に立入検査を行い、定款外の仕事をしている疑いがありましたので、改善命令を発出し、問題になっていた安全保障研究会の部分は、これを事業から除外してその後の運用を行っていると聞いております。
 いずれにいたしましても、早期に次の立入検査を実施して明確にさせたいと思います。

○大門実紀史君 終わります。
戻る▲