● ● ● ● 大門みきし Daimon Mikishi  ● ● ● ●


■2008年3月24日  予算委(介護労働者の処遇改善を要求)
○大門実紀史君 日本共産党の大門実紀史でございます。
 介護保険サービスを支えていただいている職員、ヘルパーさんの処遇問題を取り上げます。
 お手元に資料を配付しておりますけれども、時間の関係で細かくは触れません。とにかく賃金が低過ぎると、その主な原因は介護報酬の引下げ、それが事業所 経営を圧迫して、人件費にしわ寄せをされて人が集まらないと、この四月一日からもう人が集まらないという状況で、このままでは介護保険サービスを支える体 制が崩壊の事態になるんじゃないかということが言われております。
 緊急に改善措置をとる必要があるということで、我が党も緊急提言を出しました。そして、民主党さんも法案を提出をいたしました。野党は急いで改善措置を図るべきだという立場ですが、厚労省はいかがお考えですか。

○国務大臣(舛添要一君) 今、委員御指摘のように、介護労働者の人材確保は大変重要な問題だし、いろんな問題があることは私も承知しております。
 昨年八月の二十八日でしたか、介護福祉分野における人材確保の基本方針、これを取りまとめまして、関係団体、地方公共団体などと連携の下に必要な措置を 講じるということで総合的な取組を行っております。また、社会保障審議会の介護給付分科会で公益委員から成るワーキングチームを設置して、ここでもこの問 題への対応を考えています。
 さらに、二十年度の予算案においても人材確保推進のための予算を確保して、積極的に介護サービスの人材確保に努めてまいりたいと思います。

○大門実紀史君  今御紹介ありました新しい基本指針というのはすっきりしていまして、第一課題に労働環境の改善が必要ということで一定評価をさせていただいているところで すけれども、しかし、その後に出されたワーキングチームという報告は変節してきているんじゃないかという現場から心配の声が上がっております。
 資料の三枚目に、その報告のポイントという資料を付けました。この真ん中の介護労働の実態についていろいろ書いていますけれども、この報告に基づいて、 実際に現場説明会などで厚労省の役人が、介護労働者の賃金は必ずしも低くない、原因もいろいろだ、人それぞれだというふうな説明をしております。これは基 本指針の前提を否定するような話でございまして、現場ではかなり懸念の声が出ていますけれども、例えばこの報告、介護労働者の実態の一番に、性別は女性の 割合が高いと書いてありますが、これは何を言いたいんでしょうか。

○政府参考人(阿曽沼慎司君) これは、現実に働いていらっしゃる方の労働者の割合で女性が高いということで、こういうふうに御指摘をしていただいているところでございます。

○大門実紀史君 現場では女性が多いから賃金が低いのも仕方がないというふうなニュアンスで説明している人もおります。
 資料の一枚目に付けたように、男性も低いんですね。一般的な男女格差の問題じゃないんです。男女共に低過ぎると。なのに、わざわざ女性が多いと強調するのはなぜかということで疑問が上がっております。
 さらに、この中の四つ目にありますけれども、他産業と単純に比較すれば低いと。これは、単純に比較しなければ高いんですか。

○政府参考人(阿曽沼慎司君)  どういう形で比較をするかによっていろんな統計データがございます。それで、短時間の労働者の例えば一時間当たりの所定内の賃金というような形で比べれば それぞれかなりばらつきがあるということでございますし、時間数とか年齢とかあるいは場所とか、それぞれによって違ってくるということでございます。

○大門実紀史君 ですから、そういういろんな要素を含めると、比較したらやっぱり低くなるんです、単純じゃなくても低くなるんです。
 この丸ごとの三つ目と五つ目にあるのが非常に問題になっていますけれども、全産業より勤続年数が短いと書いておいて、五つ目に勤続年数に応じて一定の伸 びが見られる実態もあると、こんなの当たり前なんですけれども、この二つを結び付けると、ほうっておいてもそのうち賃金が上がると、こういう説明をしてい る人がいるんですけれども、それ正しい理解なんですか。

○政府参考人(阿曽沼慎司君) そういう具体的な説明をしているとは思っておりません。私どもとしては、講演会等で客観的なデータに基づいて今こういう実態にあるという御説明をしているというふうに承知をいたしております。

○大門実紀史君 それは私自身がそういう説明を受けたんです、厚労省のレクのときに。
 これも資料の一番目に付けていますけれども、勤続年数と賃金に相関関係はございません。勤続年数が短いのは、離職率が高くて辞めていく人が多いからです。厚労省はそんなことも把握されてないんですか。

○政府参考人(阿曽沼慎司君) 離職率が高いというデータは把握いたしております。ただ、その因果関係についてはいろんな原因があろうかと思いますので、ちょっと精査をしてみなければ分からないというふうに考えております。

○大門実紀史君 舛添大臣、こういうややこしい訳の分からない報告を出すようなワーキングチーム、もうこの際、私解散したらどうかと思いますが、いかがですか。

○国務大臣(舛添要一君)  いろんな有識者や専門家の御意見を賜りたいと思います。先ほどの委員の御指摘にあったような問題については、定着率をいかに高めるか、そしてキャリアアッ プのシステムをどうするのか、そういうことの総合的な取組で人材の確保、そして離職の少ない職場を目指してまいりたいと思います。
 したがって、ワーキングチームについても、いろんな御意見は賜った上で、総合的に私が判断を下したいと思います。

○大門実紀史君 極め付けは四枚目の資料ですけれども、これは今年の二月二十一日に神戸の事業所説明会で配られた資料でございます。ヘルパーさんも介護職員もそんなに低くないと、まあまあだという説明をされております。これはどういう意図でされたんですか。

○政府参考人(阿曽沼慎司君) この四枚目の資料でございますが、これは短時間労働者の女性の場合でございますけれども、の職種別の一時間当たりの所定内給与を一覧表にした資料でございます。
 平成十八年の賃金構造基本統計調査結果報告の一部を抜粋したものでございまして、短時間労働者の女性の一時間当たりの給与ということでございますので、これは単価といいますか、一時間当たりの給与としてこういう状態になるということをお示ししたものでございます。

○大門実紀史君 これはですから実態を反映しているんですかとお聞きしているんです。

○政府参考人(阿曽沼慎司君) 一時間当たりの所定内の給与としてはこのデータは事実であるということでございます。
 ただ、現実に、どれだけ時間数を働くかによって現実の賃金の水準というのは変わってくるということは御指摘のとおりだと思います。

○大門実紀史君  ヘルパーさんはお年寄りのところに直行直帰で行くんですよね。ですから通勤時間なんていうのはカウントされていないんです。実際の時給はせいぜい八百円が 今の現実でございますし、施設の職員も夜勤十六時間勤務で二十時間拘束とか、こういうのがあるわけですから、こんな単純に時給で比較して低くはないと、こ んな資料を出すべきではないと私は思います。
 大臣、いずれにせよ、先ほど言われました基本指針にしっかり基づいて進めてもらいたいと思いますが、いかがですか。

○国務大臣(舛添要一君) 基本的なこの考え方は昨年八月の指針にあるわけであります。これに基づいて総合的な取組を行ってまいりたいと思います。

○大門実紀史君 その指針の中に、介護報酬の改定と職員配置の見直しというのが書いてあります。この点はどうお考えですか。

○国務大臣(舛添要一君)  これは、今年度の予算におきましては人材確保の予算を組みましたけれども、来年度の介護報酬改定をどうするか、これ今検討中ですので、できるだけこの介護 報酬改定で働く人たちの処遇が好転、改善できるように努力をしてまいりたいと思います。また、配置についても、同様の視点から検討してまいりたいと思いま す。

○大門実紀史君 このままいくと〇九年度改正にいろいろなってしまうと思いますけれども、それまでに何か手を打たれないんですか。

○国務大臣(舛添要一君)  二十一年の四月を待たずに、先ほど申し上げましたようなガイドラインに基づいて今年度予算案についても措置をとっておりますし、それから事務負担の軽減と いうようなこと、これで労働時間が短くなりますから、そういうことを含めて、できるところから順次取り組んでまいりたいと思います。

○大門実紀史君 その指針の中で、給与の部分ですけれども、要するに、民間に努力をお願いして、国や自治体は優良事業所だけ公表するとなっていますけれども、民間任せだけで本当に賃金上げられるんでしょうか。

○国務大臣(舛添要一君)  これは事業所とそこに働く人たちの労働契約の問題ですから、いろいろな指導を行いますけれども、最終的にはその労働契約に帰着する。例えば、委員が念頭に おありなのは、国が直接賃金の上乗せというようなことも一つの手じゃないかとお考えになっているかもしれないんですけれども、そうすると、今度はほかの職 種についても同様な措置をとってくれという声が出てくる可能性もありますから、基本的には診療報酬の改定を目指すとともに、今申し上げた様々な手段で総合 的に取り組みながら、事業者の方にもその旨を指導していきたいと。
 ですから、ちょっと、国が直接税金を使ってということになると、様々な問題を解決しないといけないということだと思います。

○大門実紀史君 介護事業というのは公的事業で、介護サービスというのは公定価格ですね、国が決めるわけですね。あとは民間任せというところに今の事態を招いたと思うわけです。
 我が党は、処遇改善、保険料に跳ね返らないように税を使った特別助成でやるべきだと、それが給与に反映されるように公的関与も併せて提案すべきだと。民主党の法案も、同じように税で、そして公的関与でとなっています。
 こういう野党の提案を真摯に受け止めていただきたいと思いますが、一言いかがですか。

○国務大臣(舛添要一君)  それは、自助、共助、公助、この組合せをどういうふうにするか、そして、昔のように何かお国がすべて措置としてやるということじゃなくて、やはり様々な議 論の中で、介護保険という形で保険料を負担してやるというところに一つの自助、共助の側面があると思いますから、そのプラスの面も考慮しながら、また、今 おっしゃった様々な提案についても同時に参考にさせていただきたいと思います。

○大門実紀史君 終わります。

○委員長(鴻池祥肇君) 以上で大門実紀史君の質疑は終了いたしました。(拍手)
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