● ● ● ● 大門みきし Daimon Mikishi  ● ● ● ●


■2008年4月10日  財政金融委員会
ガソリン税などの暫定税率再引き上げやめよ
○大門実紀史君 日本共産党の大門でございます。
 初日から長時間にわたる議論で大変お疲れさまでございます。時間も随分遅くなってまいりましたけれども、最初ですので、そもそも論を幾つかお聞きしたいというふうに思います。
 法案の中身に入る前に、今日から始まったこの法案審議そのものが何なのかという点でお聞きしておきたいと思いますけれども、内容もいろいろ問題点あるんですけれども、政府案というのは、私はこの提案のされ方というのは国会の常識をも逸脱しているというふうに思います。大変イレギュラーな形で参議院に送られてまいりました。
 午前中、辻委員からもありましたけれども、そもそも、内容以前の問題として、施行日が四月一日になっているものを、もう十日も過ぎております。本来な ら、何らかの形で施行日を直して改めて出し直すべきものですけれども、しかも、それを参議院でもしも否決をしたら、もしもというか、否決をしたら再議決を 衆議院でするという話も消えておりません。
 そこで、衆議院事務局にまずお伺いいたしますけれども、今まで、施行日が過ぎている法案が再議決されたという例は過去に前例がありますか。

○衆議院参事(鬼塚誠君) お答えいたします。
 再議決をして成立をしたケースというのは、さきの百六十八回国会における平成二十年一月十一日のテロ対策海上阻止活動に対する補給支援活動の実施に関する特別措置法案を含めて、二十九件過去ございます。
 内訳は、参議院の回付案に同意しないで本院議決案を再議決したケースが二十六回、それから参議院において否決した法律案を再議決したケースが二件……

○大門実紀史君 もういい。

○衆議院参事(鬼塚誠君) 済みません。
 ということで、二十九件でございますが、その事例は、施行日を経過して再議決したという事例は全くございません。

○大門実紀史君  私は、国会にとって前例というのはもうルールなんですよね。そういう前例、ルールからいって、こういう施行期日の過ぎた法案の再議決というようなことは あってはならないというふうに思いますし、提案者である額賀大臣の汚点にもなるんじゃないかと思いますが、大臣、いかがお考えですか。

○国務大臣(額賀福志郎君) 政府としては、政府提出案につきましては、一つの議院で議決した後はこれを修正できる立場にはないわけでございまして、法案の修正は立法府の判断でなされるべきものと思っております。

○大門実紀史君 これからどうなるか分かりませんが、この再議決というのは本当に認識をしてもらいたいわけですけれども、これはもう憲政の汚点になるということを申し上げておきたいと思います。
 今日一日の議論でももう既に明らかですけど、議論の焦点というのは、総理の新提案そのものの矛盾点です。つまり、〇九年度から一般財源化を打ち出していながら、打ち出していながら十年法案といいますか、暫定税率、財源特例法を含めて十年の法案を提案しておると。この十年と一年との矛盾が何度聞いても、も う既に議論ありましたけれども、説明が付かないという状況でございます。ですから、総理も与党にこの関連法案を、これは〇九年度からかどうかまだ分かりませんが、修正するよう、その案を週内にでもですか、週内でもまとめるようにと指示が出ていると、そういう流れになっておると思います。したがって、やっぱ り矛盾があるわけです、総理の提案そのものにですね。
 ただ、与党の場合は、繰り返し御答弁ありましたけれども、一般財源化はもうせざるを得ないかなという雰囲気がありますけれども、暫定税率水準、つまり今 の税収は維持したいと。しかし、野党は民主党さんも私どもも暫定税率を維持すべきではないと。この溝が大きいということに尽きると思います。
 また、仮に与党として総理の提案、矛盾があるやつを整合性取るとしたら、私は一つしかなくて、私どもはもう今すぐ暫定税率廃止しても所要の措置をとれば いいという考えですけれども、仮に総理の提案に整合性を持たせるとしたら、やはり暫定税率は一年間にいたしますと、その後は提案されているような環境対策か分かりませんが新しい税を創設いたしますと、こういうことで初めて総理の提案そのものが整合性取れるんじゃないかなと思ったりするわけでございます。
 いずれにせよ、与党で何が出てくるか分かりませんが修正、もう一歩何か踏み込んだ修正が出てくるような状況で、私はこの今閣法の十年提案のこんなものを審議しても仕方がないんじゃないかというふうにも思うわけですが、額賀大臣、いかがお考えですか。

○国務大臣(額賀福志郎君) これはもう委員も御承知のとおり、総理提案の前段には平成二十年度税収法案を一日も早く成立をさせていただきたいということを言っておるわけであります。
 そのために、与野党の間でいろいろと意見の隔たりもあるけれども共通するところもありますから、道路特定財源についてはこの秋の税制抜本改正時に廃止を して、そして一般財源化を二十一年度から行うという提言をしたわけでございますから、大門委員も話し合うべきだと言っておりますし、民主党の議案提案者も 話合いができると言っておりますし、暫定税率もまあ二十年度については廃止すべきだと言っているけれども、今後、担税力がどこにあるか、どの水準がいいか について話し合いたいと言っているわけですから、まず与野党の間でしっかりと議論をしていけば国民の期待あるいはまた日本の将来にいい展望を開くことがで きるのではないか、大いに頑張ってほしいと思っております。

○大門実紀史君 私も総理の一般財源化というのは評価しております。いつからやるかの問題がありまして、そこは違いますけれども。
 先ほど申し上げたとおり、恐らくこれ数日間、何回か議論していっても、さっき言った矛盾のところ、暫定税率を維持するのかしないのかというその差で、そこのところが違いがあって、それが埋まるかどうかということになると思いますが。
 通告をしておりませんけれども、額賀大臣が一生懸命民主党さんもと言われるんで一言お聞きしたいわけですけれども、例えば、今度与党何が出てくるか分かりませんが、例えばですけれども、一年間だけ、一年間だけ暫定税率を維持させてほしいというふうな与党の歩み寄りといいますか、が民主党さんに提案された 場合は、それは十分協議の対象の事項になりますか。

○大塚耕平君  若干私見が入りますことはお許しをいただきたいと思いますが、一たび暫定税率が下がっておりますことから、これを元の水準に戻す、たとえ一年間であったと しても戻すということはかなり難しいのではないかなと思っております。もしそういうことであれば、残り十か月とか十一か月、そういう期間の暫定税率分なわけでございますので、それこそ私は本会議のときも申し上げましたが、埋蔵金と呼ぶかどうかは別にして、政府が本来管理監督すべき当面使い道の決まっていない財源があるわけですから、それを手当てすることによって乗り切る方がより合意が得られやすいし、国民の皆様の支持も得られやすいのではないかと思ってお ります。

○大門実紀史君  そうすると、今お聞きのように、額賀大臣はかみしも脱いで協議したいと、お気持ちは分かるんですけれども、どうしても埋まらないんじゃないかと。だから、 幾ら与党が何回提案しても、その溝を埋めない限り、日銀総裁みたいに何度出しても断られるということにもなりかねないと思うんですよね。
 ですから、何を協議してほしいのか、もうちょっとはっきりとおっしゃったらいかがですか。

○国務大臣(額賀福志郎君)  ですから、総理は、提案はこういうことですよね。道路特定財源制度は今秋、税制の抜本改正時に廃止をして、来年度から一般財源化を図るということ、それか ら、これからの新しい交通量推計に基づいて中期計画も見直すと言っているし、それから、民主党が、野党が建設的な意見があれば二十年度でも協議したいとい うことも言っているわけですから、それはテーブルに着いて話合いをしていくことは大いにあるんだと思いますね。
 まず、これは第二次的に政治は権力闘争だと、相手にどうやってダメージを与えるかだと、そういう次元の話をしているようでは話合いのテーブルに着かない わけですよ。我々は、そうではなくて、日本の将来のこと、国民のこと、そしてまた税の在り方、あるいは環境のこと、社会保障のこと、教育のこと、様々なことを考えてこのテーブルに着いてほしいと。だから、政治家として本来の姿に戻ってテーブルに着いてほしいと。
 しかも、なおかつ衆参両院、それぞれ野党も多数を持って、参議院では多数を持っているわけでありますから、その国会のおける責任の一翼を担っているわけ です。だから、その責任を、いつまでも野党のような形を取っておかないで、責任を果たす、政権政党に近づく、そういう政党になってほしいということであり ます。

○大門実紀史君 それを私に言われても困るんですけれども、私たちみんな日本の将来を各政党が考えて、考えて責任を持ってそれぞれの政策提案をしているわけでございまして、与党だけが考えているというのはちょっとおごりじゃないかなと思います。
 要するに、私申し上げたいのは、結論から言えば、暫定税率の再引上げ、これをあきらめてもらうしか接点はないということを、今日から始まった審議ですけれども、最初に申し上げておきたいというふうに思います。
 ですから、今もう廃止されている状態でございますから、これから引き上げると増税になってしまうということですね。これはやっぱりよくお考えになった方 がいいと思いますし、私は、一般財源化したら暫定税率を維持する根拠がなくなるということを総理は繰り返し国会で御答弁されております。つまり、当たり前 ですよね、暫定税率というのは道路整備のために創設されて、一般財源化というのは道路整備以外にも使うことだから、これは当たり前の理屈でございます。
 ただ、ちょっと確認的に申し上げますけれども、どうしても総理も、新提案の四つ目、四項目めのところに、暫定税率分を含めた税率はそのまま環境問題とか ほかのことに移行していきたい、検討したいと。額賀大臣もこの国会でも御答弁されているのは、環境対策とか財政再建とかに、暫定税率の水準といいますか、 税収を維持して、それを移行したいというお考えを表明されていますが、これは改めて確認いたしますが、そういうことでよろしいですか。

○国務大臣(額賀福志郎君) そのとおりでございます。
 今度の改正案についても、一般財源化を図るという意味は、道路だけではなくて、財政事情とか環境問題等々に配慮して考えていきたいということでありますから、委員の御指摘のとおりでございます。

○大門実紀史君 いただいちゃったものはもう手放さない、名目を変えてでも続けてそれはいただくというのは、私は租税法律主義というものに反すると思います。財政金融委員会ですから、こういうことはやっぱりに大事にしないといけないと思うんですよね。
 憲法八十四条に書いてありますけれども、課税の要件というのは決まっているんですよ。新たに課税を課す、あるいはまた現行の租税を変更するには、法律又 は法律の定める条件によることを必要とすると。当たり前の話でございますけれども。したがって、ある租税の法的根拠がなくなったらその租税はいったん廃止 をされるべきでありまして、そしてまた新たな租税の法的根拠を示して、そして税率も考えて、提案して、国会で審議をして可決すると、別に考えなきゃいけないんですよね。それを、今入っている税収をそのまま持っていきたいということは口にすべきでないような、本来でしたら、話なんです。
 ですから、総理の四つ目の提案も、本来でしたら、額賀大臣の先ほどのこともそうですけれども、本来だったらいったん暫定税率は廃止をしますと、廃止をし ますと、そして環境対策の何とか新税とかそういうものを創設しますと、こういうことをおっしゃらないといけないんですね。入っているものはそのまま欲しい からいろいろ名目付けてそれで税率を考えるというのは、これは先ほどもちょっと変な議論がありましたけれども、そうじゃないんです、そうじゃないんです。 明確に分けなきゃいけないんです。それが租税法律主義というもので、非常にこれは税制の担当大臣としても大事にすべき原則であり、そういう表現をされるべきじゃないかと思いますが、いかがですか。

○国務大臣(額賀福志郎君)  ですから、二十年度予算の政府案は、暫定税率は維持してきちっと政府原案どおり通していただきたいと。その代わり、今度の国会の質疑の状況をよく踏まえ て、二十一年度からは一般財源化をするという考え方を提示させていただいたわけでありますから、その際に間断なくきちっとしていくためには与野党の間でそ の協議をしてほしいというのは、まさにそこのところを整合性を持って合理的に歳入をどういうふうに図っていくのか、税の使い方をどうしていくのかということを国会の場で御審議をしていただきたい、それによってしかるべき法体系を築いていただきたいということを申し上げているわけです。

○大門実紀史君  まだまだ議論する時間があるので、日にちがあるので今日はその部分にしておきますけれども、要するに、今おっしゃった整合性を取るためにも、再引上げとか じゃなくてもう一般財源化をやるということで、いったん暫定税率は廃止をしてこういう税制を提案したいというふうにお分けになるべきだということをはっきり申し上げておきたいと思います。
 あとは内閣府にお伺いしたいと思いますので、額賀大臣、G7でワシントへ出られるということで、もしあれでしたらもう質問ございませんので御退席いただいて結構でございます。
 気をつけて行っていらっしゃいませ。

○委員長(峰崎直樹君) ちょっと待ってください。
 額賀財務大臣及び副大臣は、G7に行かれる日程が詰まっておりますので、退席を許します。

○大門実紀史君  内閣府にお伺いいたしますけれども、この暫定税率の関連して二・六兆円が、公共投資がなくなって減税になった場合の経済効果ですが、午前中も辻委員からあ りましたですけれども、要するに大田大臣が、二・六兆の道路投資が減ったことと所得税減税に置き換えて減税がされたことのGDP、経済波及効果を、初年度 実質GDPを一兆円押し下げるということを答弁をされて、繰り返し答弁をされている問題でございます。
 その根拠は何かということで、午前中、辻委員から資料を出せという要求がございましたけれども、私の方で御用意をいたしました。
 資料をお配りいたしておりますが、それがこの根拠になっているものでございまして、基はこれですね、(資料提示)経済財政モデル、内閣府の計量分析室でございます。それを簡単にまとめたのがお手元の資料でございます。
 もう時間の関係で、私が説明するのも変ですけれども、大田大臣、何をおっしゃっているかといいますと、公共投資の乗数効果は初年度はマイナス一・〇一 と。そして、所得税減税の乗数効果〇・六一と。下の方を見ていただいて、公共投資が二・六兆減ったとすると、マイナス一・〇一を掛けると二・六二六兆円。 所得税減税とすると、二・六兆に乗数効果の〇・六一を掛けると一・五八六兆円。これ、AとBの差が約マイナス一兆円だと。だから、初年度、GDPが一兆円 マイナスになるというふうに大田大臣は説明されているということだと思いますが、内閣府、こういうことでよろしいですか。

○政府参考人(齋藤潤君) 今先生が資料をもって御説明された、基本的にはそのとおりだと思っております。

○大門実紀史君 これは資料をよく見ていただければ、違うことも見えてくるわけでございます。
 たしか初年度は差引き乗数効果はマイナス〇・四〇になっておりますけれども、二年目はプラスになります。三年目もプラスになります。そして、四年目もプラスになって、五年目でとんとんになるわけですね。
 だから、なぜ初年度だけ持ち出してGDPがマイナスになると、一兆円マイナスになるというようなことをわざわざ大臣が、出てこなくてもいいのに国会へ出 てきて、ああいうことを胸張って、張り切って答弁するのかと。内閣府にしては非常に政治的な答弁をされていると。おっしゃるならちゃんと五年間でどうなる かと、結局は減税効果も波及してとんとんなんですよとおっしゃるべきじゃないかと思うんですけれども、大臣いませんけれども、いかがですか。

○政府参考人(齋藤潤君) 御指摘のように、初年度は、この表で申しますと〇・四〇、乗数の比較で申しますとマイナス〇・四〇でございます。それから、二年度以降、〇・〇六、〇・〇六、〇・〇二、〇・〇〇というふうになるわけでございます。
 これは標準的な基準となる水準に対してこういう増減があるということでございまして、初年度のマイナスが一番大きくて、それが取り戻されることがないということで初年度についてお答えしたというふうに考えております。

○大門実紀史君  おっしゃるとおり、これ前提そのものを、この前提を使っていいのかどうかというのはある数字でございます。ただ、ほかにないからということで言われたんで しょうけれども。言うならば、これからもし国会答弁されるときは正確に五年分をお答えになるように大臣にお伝えをいただきたいということを申し上げます。
 もう一つ、この数字を、仮にその数字としても、よく見てみると何が分かるかなんですけれども、これは所得税を減税の乗数効果になっています、一にならな い。なぜ〇・六なのかというと、まあ〇・四ぐらいは減税があっても貯蓄に回るんじゃないかとか、いろいろあるわけですね、計算上はですね。分かりやすく言えばですけれどもね。そのまま消費に回らないと。
 これ逆に考えますと、増税の場合はストレートに増税なんですよね。この重みが物すごく違うというふうに、そういうふうにも見られる数字だというふうに思います。
 通告しておりませんけれども、経済学者の大塚耕平さん、どういうふうに御覧になるか、コメントをお願いします。

○大塚耕平君 御指名いただいてありがとうございます。
 この試算については私も申し上げたいことがたくさんありますが、非常に説得力に欠けると思います。
 一点だけ申し上げますと、今回のガソリンの問題ですね、それを裏付ける根拠としてお出しになったと思うんですが、あえて公共投資を削減し、所得税を減税 した場合というふうに限定しておりますが、実は今回の二・六兆円減税によって企業の収益はダイレクトに一兆円ぐらい良くなりますので、そのことは全く反映 されておりませんので、その一点をもってして根拠に欠ける試算だと思います。

○大門実紀史君 私も同感でございます。
 とにかく、ためにするもう宣伝はやめて、辻委員からも要求がありましたけれども、もっと、もっと実態に合った数字を研究してお出しになるべきだと。それぐらい今やっぱり、先ほど生活者という話がありましたけれども、本当にガソリン下がってどれだけの方が助かっているかと、どれだけの中小企業が助かっているかと、こういうことも考えますと、本当に再引上げということはすべきではないということを申し上げて、私の質問を終わります。
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