● ● ● ● 大門みきし Daimon Mikishi  ● ● ● ●


■2008年6月5日  財政金融委員会
銀行の投信などリスク商品の販売実態を示し、コンプライアンス上の問題を指摘。金商法改正でコモディティ形の新たなリスク商品が生まれることを、金融消費者保護の立場から批判。
○大門実紀史君 大門でございます。
 もう田村耕太郎さんが何か言うと、どうしても一言言いたくなるんですけれども、今日の証券化の万能論も危ないなというふうに私は思っておりますが、結構むちゃな提案をされているなと思って聞いていましたけれども、言いたいことありますけれども、今日はやめておきます。とにかく、私、純粋な日本人ですけれども、田村さん、見るからに日本人離れしている国際派でございますね。その辺の違いかなというふうに思っているところでございます。
 本法案の一つの柱がETFの多様化、金融商品の多様化といいますか、リスク商品、商品先物、現物も含めて、コモディティー商品ですね、こういうものを投資信託などに組み込んでどんどん販売ということですけれども、それそのものを否定するわけではありませんが、よほど気を付けないと、またまた被害、トラブルが起きるのではないかと思っておりますので、その上で、今投資信託がどういう販売実態になっているのかということをちょっと取り上げてみたいというふうに思います。
 資料をお配りいたしました。ちょっと細かい数字で申し訳ございません。太い線を引いときゃよかったんですけれども、真ん中の方に預貯金・証券等、特に投資信託というのがあります。これは国民生活センターに苦情が寄せられた件数でございます。見てもらってお分かりのとおり、要するに四年間で倍以上の苦情相談が国民生活センターに寄せられております。
 二枚目に、どんな相談が寄せられているのかということも内閣府の方からいただきました。まだまだ銀行で定期貯金のようなものと言われて契約したとか、定期預金より金利が高いと言われて契約したと、今八割、二割ぐらいロスが出ているということですね。元本保証というふうな説明を受けたとか、言った言わないとかあると思いますが、お年寄りが多いかと思いますけれども、こんな状態で今どんどん販売がされているということで、国民生活センターにもこれだけの苦情が来ているということだと思います。
 金融庁としては、なぜこれだけ苦情相談が増えているのか、どういうふうに認識されておりますか。できれば大臣、一言。

○国務大臣(渡辺喜美君) 証券会社や銀行を通じた投資信託の販売が趨勢として増加をいたしております。金融庁に寄せられる投資商品に関する相談件数あるいは御指摘の国民生活センターに寄せられた投資信託に関する相談件数についても増加をしてきております。
 販売チャネルが多様化をする中で投資家層も多様化をいたしております。投資信託などの金融商品の販売者は、それぞれの投資家の知識、経験に応じたきめ細かでかつ柔軟な説明の勧誘を行っていく必要がございます。このため、金融商品取引業者における適合性の原則、虚偽説明や断定的判断の提供の禁止といった行為規制の遵守を徹底をしているところであります。また、銀行等の登録金融機関において、投資信託などを販売する際の預金との誤認防止措置を徹底をするべく法令において求めているところでございます。
 金融庁としては、こうした法令にのっとり、厳正かつ的確な検査監督を行うことによって証券会社や銀行等における投資信託販売の適正化に努めてまいります。投資家が安心して投資できる環境の整備に努めてまいります。

○大門実紀史君 本当にそうしてもらいたいんですけれども、それで、販売数が増えたから苦情が比例して増えていいというものではございません。ですから、販売数増えたということとは別にとらえていただきたいと思います。
 若干まだ、金融庁の姿勢は分かっているんですけれども、現場ではそうなっていないということで、こちらで調査した現場の実態をお伝えいたします。
 今日は銀行の実名は避けますが、どんなことをやっているかといいますと、お客さんの中から国債の償還あるいは定期預金満期などで顧客リストを作るんですね。それを基に電話で投資信託の勧誘、電話を掛けまくります、ある銀行ではですね。電話で販売までは行いませんが、窓口に来てくださいということを目的に電話を掛けまくるわけでございます。
 これは、なかなか気を付けながらやっているところはあるんですけれども、投資信託という名前は出してもいいが、個別の銘柄の名前はその電話のときには出すなという指示が出ております。そのリストも、例えば投資信託の販売対象者リストというようなタイトルを付けるなと、タイトルは隠せというふうにしております。
 なぜ、こういう個別銘柄出したり、投資信託対象者リストと名前を付けないようにしているのかというと、それをやると勧誘規制に引っかかるからだと。それを逃れるために、そういうことを気を付けながらやっているわけですね。一般名称だけでお誘いをする場合は、単なる情報提供だというふうに言い逃れができるということでやっております。もちろん、電話を掛ける際は、低金利の時代ですから投資信託がお勧めですよとだけ言って、電話では元本割れのリスクがあることはその時点では言わないと。とにかく窓口に来てもらうと、これを目的に、もう来たらこっちのものということでやっていることでございます。
 うちの親戚のおじさんも、八十歳超えて三百万円ぐらい投資信託を買って、どんなふうに買ったのって話を、ちょっとリアルな生の話聞きたいんで聞いてみましたら、もちろん元本割れのリスクはありますというのは、小さい声ですけど、ちゃんと説明はしたそうです。ただ、それ言われたときに、やっぱりやめようかなと。元々農業やっていらした方ですから、詳しくないのでやめようかなと思ったんですけれども、殺し文句は、じっとしていたら預金が減るばっかりですよと。これ、当たり前なんですね、年寄りにとっては。年金と預金取り崩して生活しているわけですから当たり前のことなんですけど、それを言われると、これ非常に、そうかなと思ってしまったというんで、応対した女性もきれいで感じが良かったからということで購入したということでございますが、そんな程度の話なんですね。そんなレベルで投資信託というのは買われているということでございます。今、二割近く損が出ているということでございます。私はもう気長に待つしかないんじゃないかというふうに言いましたけど、もういつ死ぬか分からないのに何言っているんだといって、かえって私は怒られたりしましたけれども、それが、こういうのが今の実態です。
   〔委員長退席、理事円より子君着席〕
 私、このときに思ったんですけど、商品販売で消費者保護のことをやってきて、どこでも使われている言葉なんですけれども、一応リスクは説明すると。これは後でトラブルになりますんで、元本割れのリスクはありますよと。ただ、その後ですね、じっとしていたら預金が減るばかりですよというような言い方は、ほかでもされていると、かなりされております。
 これ、そんなものかなと思いがちですけど、商品販売等々でいろんな問題、勧誘で問題になってきていまして、それをやってきた私にとっては非常に引っかかる言葉でございまして、要するに、何々しなければ何々になってしまいますよというマイナスイメージトークといいますか、相手の不安とか恐怖をあおると、ひどい場合はですね。これは霊感商法のときに大問題になりまして、その後、今、普通の商品販売でも、そういう、何々しないとこんな目に遭うよとかこうなっちゃうよという言い方は、一般の商品販売でも広告でもかなり気を付けて、自主規制もされています。
 ところが、銀行の現場、投資信託販売の現場では、普通のセールストークの中に、このまま行ったら減っちゃうんじゃないですかというふうなことが、微妙なところだとは思いますけど、私はちょっと気を付けた方がいいというふうに、銀行の現場だけ商品販売と違って遅れているなと、こういうセールストークは、思いますが、初めての提案かも分かりませんが、どういうふうに思われるか、ちょっと感想を聞かせてもらえますか。

○政府参考人(西原政雄君) 適合性の原則をいかにして適用していくかというのは、相手に応じた対応という説明ぶり、これが必要だと思います。その際に、セールストークの問題も含め、やはり誤解を与えるような売り方をしてはこれは問題があるということだと思います。
   〔理事円より子君退席、委員長着席〕
 そういう意味で、先ほど、国民センターにおけるいろんな相談事例なんかを見ましても、やはり説明不足の点、あるいは預金と同じですよというような誤解を与えるような表現等々、非常に問題のある事例が並べられております。そういった点については、我々としてはしっかりとした検査、監督を通じて適正化に努めていきたいというふうに思っております。

○大門実紀史君 そういう問題もありますので、是非、監督指導のときに精査してもらいたいと思います。
 この前参考人で来られたフェルドマンさんがおっしゃったように、どういう判断であれ買ってしまえば自己責任と。私は、おじいちゃん、おばあちゃん、もう自分のことは自分で守れというのはちょっと違和感がありまして、もちろん、私も自己責任は否定しませんし、本人がよく商品特性を理解して自分の判断で主体的に買うという、これはもう自由でございます。
 ところが、世の中、先ほど申し上げたとおり、そうできる人ばかりではないのに巧みにいろんなことで誘導されているのが今の実態でございまして、政治の責任としては、そういう無理な誘導がないように、これだけは政治の責任として私はやらなきゃいけないんじゃないかと思っておりますし、それほどお金持ちではないおじいちゃん、おばあちゃんぐらいは政治が、行政が守らなくてどうするのかというふうに思いますし、後期高齢者もそうですね。あの医療制度もそうですけれども、何か何でも、お年寄りでも自己責任というのは、ちょっと政治全体が狂っているのではないかと思っているところでございます。
 先ほど申し上げましたある銀行は電話で、さっき言った、戻りますけれども、勧誘規制を逃れながらぎりぎりの勧誘をやっているわけですけれども、これは、勧誘規制をその銀行は逃れているつもりですけれども、実は私は、金商法の中にある広告規制に引っかかるんじゃないかという疑問を持っております。
 広告規制には、多数の者に対して同様の内容で行う情報の提供が規制されております。先ほど申し上げましたとおり、国債の償還があったとか定期が満期になったというのは、もう顧客でも膨大な数ですね。これはもう不特定多数に、メガバンクなんかはそうですけれども、該当します。そういうものに対して一斉に電話で情報の提供といいながらやるケースですね。これは実は、この広告規制の議論のときに、電話というのは余り対象の中に入れて研究されておりませんでしたけれども、私はこの広告規制の対象になるんじゃないかとこの事例を聞いて思いましたが、見解はいかがでしょうか。

○政府参考人(三國谷勝範君) 金商法における広告規制でございますが、これは、証券会社、金融機関が金融商品取引業に関し広告又は郵便、電子メールその他の方法により多数の者に対して同様の内容で情報の提供を行う場合に、リスクなど顧客の判断に影響を及ぼす重要な事項の表示、これを義務付けるものでございます。
 個々の電話勧誘行為が広告規制の対象となるかどうかにつきましては、あくまで個別事例に応じて判断されることではありますが、電話勧誘による場合であっても、多数の者に対して一律に同様の内容で情報の提供を行う場合には、その内容により広告規制の対象となる場合もあり得ると考えております。

○大門実紀史君 是非そういう観点で指導してもらいたいと思います。
 もう一つ、今やっぱり問題になっているのは、相変わらず銀行のノルマ主義の問題でございます。
 もうみんなそうですね。明治安田の保険不払、三井住友の金利スワップ、みんなノルマを与えられて、それで行き過ぎたことがあったということですけれども、これはある関西の地銀の例でございますが、もうはっきりと、定期預金を、銀行員に対してですね、行員に対して定期預金を取っても評価しないと。収益を上げるのは投信しかないということで、その銀行では、投資信託販売の担当者の成績を一位からびりまで全員のランク表を張り出して銀行で公表しております。
 もちろん、今いろんなことありましたけれども、金融庁の監督指針の中には、こういうノルマ主義は規制するというのが明確にうたわれておりまして、給与・賞与体系とか短期的な収益獲得に過度に連動し、成果主義に偏重していないかどうかと、そういうノルマ主義は駄目だということをやられておりますけれども、今申し上げたのは地銀の例なんですね。ですから、先ほど言ったのは主要行向けの監督指針には明確に書いてありますが、地銀とか中小の金融機関は主要行向けの監督指針を準用するだけになっておりまして、ちょっとあいまいなところがございます。
 また、この地銀のやり方は、私よく考えたなと思います。投資信託たくさん売ったら手当を上げるとか、給料上げてあげるというと、明確にノルマ主義ということで今の監督指針に違反になります。しかし、全員の順位を張り出すと、銀行の中に張り出すと。これ、どんな効果を生むかというと、別に手当を出さなくても、下位の人とかびりの人は、自分がその銀行の足を引っ張っていると思うし、周りからも白い目で見られると。お金出さなくても、手当を出さなくてもみんなを駆り立てる仕組みですね、よく考えたなと思いますけれども。
 こういうものも私はノルマ主義として該当するんじゃないかと思いますし、先ほどの地銀とか中小金融機関への監督指針の在り方と、これがノルマ主義にならないで何がノルマ主義かと思いますが、その辺、今後ちょっとチェックして指導していただきたいと思いますが、いかがですか。

○政府参考人(西原政雄君) 御指摘のとおり、主要行向けの監督指針の中には、今御指摘のノルマ主義、これにつきまして、収益・営業目標の設定と業務運営の管理、監督に関してということで規定をさせていただいております。
 これは、なぜそういう規定を設けているかといいますと、ついそういうふうなノルマ主義に陥りますと優越的な地位の濫用につながるような行為につながってくると、言わば利用者保護に欠けるような問題点が出てくると、こういう観点から規定しているものでございます。
 この点につきましては、今御指摘のとおり、地域金融機関に関しましても当該部分は準用はされておりますけれども、我々の意識といたしましては、両方共通にこの問題は重要な問題であるというふうに認識をいたしております。
 したがいまして、優越的な地位の濫用に関しまして、十八年当時、主要行のみならず各地域金融機関に対しましても、この問題の取組の徹底を図るということで、文書で二度にわたって要請を出しております。また、同じように、それに限らず、地域金融機関との意見交換会の場でも三回にわたってその徹底をお願いしているところでございます。そのほか、検査におきましても、こういった観点については、類似の事案の防止の観点から、検査の指摘事例集なんかにもそれを載せるというような形でこの防止の徹底に努めているわけですが、今後におきましても、地域金融機関においてそういうことが起こらないような適切な監督をしていきたいというふうに思っております。
 最近のことでございますが、私ども、ベターレギュレーションということで、より良い規制環境ということで取り組んでおりますが、そういった中でプリンシプルというのを業界と共有していこうという取組もしております。
 このプリンシプルといいますのは、法令等の個別ルールの基礎にあって、各金融機関が業務を行う際、また当局が行政を行うに当たって尊重すべき主要な行動規範、行動原則という位置付けでございますが、その一項目として、「利用者の合理的な期待に応えるよう必要な注意を払い、誠実かつ職業的な注意深さをもって業務を行う。」と。これが利用者保護の大原則に当たる項目ですが、それを項目として挙げております。それの具体的なイメージとして挙げておりますのが、優越的な地位の濫用の防止等、取引等の適切性の確保ということで、我々としては、これは大事な原則であるというふうに思っております。

○大門実紀史君 もう終わります。
 こういう法案が通ると、本当に監督局、検査局、大変になると思いますが、それはそれで頑張っていただきたいというふうに思います。
 終わります。
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