● ● ● ● 大門みきし Daimon Mikishi  ● ● ● ●


■2008年11月19日  財政金融委員会(金融機能強化法案審議)
 参考人質疑で宮園農林中金専務理事に証券化商品への資金運用の問題点をただす。成城大学学部長・牧本氏に不動産投資をめぐる問題点について質問。
○大門実紀史君 日本共産党の大門でございます。今日はお忙しい中、ありがとうございます。
 今日は余り農林中金に伺う気はなかったんですけれども、村本先生とできればリレバンの話をしたかったんですが、ただ宮園さんの方から大変挑発的な意見陳述がありましたので、ちょっといろいろお聞きしたくなりましたけれども。
 実は、ちょっと基本姿勢の問題なんですけど、農林中金、今回の法案で公的資金、国民のお金を受ける立場ですよね、そんなもの要らないというのなら別なんですけれども。実は今日の話なんですけれども、私が農林中金の方を呼んで、こういう資料が欲しいと言ったら、このディスクロージャー誌にある以外のものは出せないというようなことを言われて、横にいた農水省、びっくりして、出しますと言っていましたけど、ちょっと何か勘違いをされているんじゃないかなと。国会というのは、何も面白がっていろんなことを聞いているわけじゃないんですよ。国民のお金を使うものですから、きちっとした議論をするために資料も出してもらうということなので、何かちょっと基本的な、先ほどのお話もそうですけれども、基本的なスタンスがお分かりになっていないんじゃないかなというふうに思ったりするわけです。
 まだまだ法案審議、延々と続きそうということもあるので、是非国会の審議に対してもっと協力してもらうということと、謙虚に、謙虚に職員の指導監督もしてもらいたいと思いますが、ちょっと一言いかがですか。

○参考人(宮園雅敬君) 不慣れな対応で大変失礼があったかと存じますが、今後、また是正してまいりたいと思います。大変申し訳ございませんでした。

○大門実紀史君 先ほど意見陳述の三つの中に、資産運用は慎重にやってきたと。聞き方によっては、今回のいろいろ損失は外的要因だというふうに聞けちゃったわけですけれども、そうすると、何か農林中金の責任はなくて、何といいますか、世界が悪かったんだというふうに聞き取れなくもなかったんですが、そういうことはないと思うんですけれども、その辺はいかがお考えですか。

○参考人(宮園雅敬君) 未曾有の大混乱といいましょうか、非常にストレスが掛かったことは事実であると思いますけれども、そこをカバー、十分にカバーできずに、先ほど申し上げましたような損失を計上したことにつきましては、やはり今後の運用に向けて十分反省材料としていくべきというふうに真摯に受け止めております。

○大門実紀史君 もう一つ、先ほど鶴保さんとのやり取りの中で、農林中金は公的資金が必要な状況じゃないと、今はと。その今はという意味なんですけれども、九月決算が十一月、今月の二十七日に出るわけですね。そうすると、損失が更に膨らんでいるというのが出ると思うんですが、その今はという意味は、十一月二十七日に九月決算、つまり今回のいろんな暴落の結果が出た上でも農林中金は公的資金が必要な状況じゃないという御判断の発言ですか。

○参考人(宮園雅敬君) 九月末半期決算の段階で申し上げますと、全く必要のない状況であると思っております。

○大門実紀史君 もう一つは、先ほどの陳述に絡むんですけれども、民間法人だというのを強調されました。形はもちろんそうですし、それで何かほかと分け隔てされるのはおかしいというお気持ちもよく分かります。
 私は、農協の事務所にいろんな懇談で何か所も回っていますけれども、あそこにポスターが、自民党のポスターが張ってあるから今回の法案で別に扱うべきだというふうには思いません。それはもう別の問題で、それは別の問題できちっとしてもらう、議論すべきだというふうに思います。ただ、しかし実際は、ポスターどころか、農協として自民党の議員を支援決定して選挙活動もやっているという実態があることはあるわけですね。これ、構成員の思想信条の自由にとっては大変やっぱり改善してもらうべき問題だというふうに思っていたりするわけですが、いずれにせよ、それはこの金融法案に絡めるべきでないというのが私の立場でございます。
 ただ、何であれだけ自民党ばっかり応援されているのか。なぜなんでしょうか。

○参考人(宮園雅敬君) お答えになるかどうか分かりませんが、私ども、金融機関、金融業務をやっておりますので、政治的な中立性にはとりわけ慎重にやっております。それでお答えになりますでしょうか。

○大門実紀史君 また別の機会にいたします。
 農林中金、対象の金融機関ですのでずばりお聞きしたいんですけれども、我が党がこの法案に反対しているのは、この前の委員会でも申し上げたんですけれども、公的資金を入れる場合はあり得ると、もちろん返してもらうと、ただし、何らかの欠損が出てというか返せない部分が出た場合、これやっぱりその業界なり団体、農林中金なら農林中金全体で損失が出た場合も最後まで、何年掛かっても結構ですから、体力が付けばでいいですから、その場合も返済してもらうべきで、その場合は国民にと言われても、もしそういうことが事実で、何らかのことが出てきたら、国民にとっては何で農林中金の欠損を、損失を自分たちでかぶるんだと、絶対そんな議論になりますから、この法案も最後は、最後の最後まで、最終損失まで業界なり団体の負担にすべきだというのが我が党の立場でございます。
 先ほど、うちはそういう心配ないみたいな話ですが、万が一、農林中金に公的資金が入って、もちろん返してもらいますが、返せないというか損失が出た場合、これ農林中金で負担しますと、しようというふうなこと、国民感情からいって当然考えられるべきだと思いますが、いかがですか。

○参考人(宮園雅敬君) 御質問の趣旨は、農協、信連に資本が注入された場合にそれが返済できないケースということであろうかと思いますが、これは私どもJAバンクグループで責任を持ってすべてお返しするということになると思います。ただ、実際にはそういうお借りするケースはないと思っておりますけれども、仮定の話として申し上げますれば、そういうつもりでございます。

○大門実紀史君 今大変大事なこと言われたんですが、この法案はそうなっていなくて、最終的な損失は業界とか団体じゃなくて国民になっているんです。しかし、そういう不安があろうと農林中金は最後まで自分たちで返しますという決意表明をされたということでよろしいですか。

○参考人(宮園雅敬君) そういう心づもりでおりますということであります。

○大門実紀史君 なかなか御立派な答弁だというふうに思います。法案修正してもいいんじゃないでしょうかね、思います。
 それでは、残された時間、ちょっと地域金融の問題で村本先生中心にお伺いしたいんですけど、地域金融機関の中間決算が出まして、地銀の三割が赤字ということで純損失に転落、三割ぐらいしているわけですけれども、その理由が不良債権処理の急増と保有する有価証券の損失ということが言われております。具体的な資料も出てきておりますけれども、もう結論だけ申し上げますが、その最大の要因が不動産業、建設業の融資先の経営悪化ということが指摘されております。
 次回の委員会で私、細かくやろうと思ってはいるんですけれども、全体の認識をお伺いしたいと思いますが、その地域金融機関のこの間の不動産投資というのは、私、大変問題があったんじゃないかというふうに思っておりますが、村本先生、全体としてで結構ですが、どういうふうにとらえておられるか、聞かしていただきたいと思います。

○参考人(村本孜君) 正確に数字を私はフォローしているわけではないものですから、ざっくりベースの話でございますけれども、多少そういうおっしゃったような不動産に傾斜したのがあったのかもしれないなという感じは持っております。特に東京でそういう状況があったのではないかなというのは、感じでございますけれども、持っております。

○大門実紀史君 井上参考人は何か御所見あれば、その不動産投資の問題、金融機関のですね。

○参考人(井上裕之君) いや、特にございません。

○大門実紀史君 商工会議所、問題意識を持ってもらいたいなと思います。これだけ大問題になっているわけですね。これは金融機関だけじゃなくて、不動産業、ばたばた倒れております、建設業も含めて、今連鎖倒産ですから、商工会議所として是非勉強してもらいたいなと思いますけれども。
 じゃ、村本先生にお伺いいたしますけど、私、今サブプライム問題ばっかりが話題になっておりますけれども、もちろんそれが日本の金融機関に与えた影響というのは大きなものがあります。しかし、日本の金融機関自身の問題として、やっぱり有価証券取引にハイリスク・ハイリターンかは別として、リスクの高いものに投資してきたということと、もう一つはこの不動産投資が命取りになりかけていると、爆弾じゃないかというふうに思っておりますし、事実もう発火しているんじゃないかと思っているところでございます。
 ちょっと専門的になりますけれども、私、不動産投資の根本にあります収益還元法、これが最初はバブルを起こさないためのいい方法だというふうに言われてきましたが、実際には還元利回りを低くすると不動産価格を上げることができるというふうな恣意的な運用もあって、都市部での不動産バブルを引き起こしてきて、そこに私募のファンドが入ってきて、外資系が入ってきて、そのお金を引き揚げるということも含めて、上がったものが今バブル崩壊と言われているんですけれども、そこに地域金融機関がかかわってきたということも思います。
 収益還元法というのは今までいいことのように言われてまいりましたが、村本先生、いかがとらえておられるでしょうか。

○参考人(村本孜君) 一九八〇年代後半のいわゆるバブルのときの地価形成について非常に日本では問題があったのではないかという反省といいましょうか、それで収益還元法というのが一つのリーズナブルなやり方ではないか、これがある種のグローバルスタンダードではないかということで定着しつつあるんだろうと思いますが、今おっしゃったように還元利回り、要するに割引率をどう設定するかが最大の問題になりますので、そこに問題があるとすればそれは問題、まさに問題だろうと思います。
 したがいまして、ちゃんとした金利設定ができるという、つまり割引率がきちっと設定できるというような環境が、あるいはそういう取引慣行がきちっと整備されないとおっしゃった問題は出てまいります。
 背景としては、多分この間の日本の金融システム全体としては、まあ金利が非常に低い水準にならざるを得なかったという別な事情があるのかもしれませんけれども、そういった事情が加味されて、恐らくおっしゃった問題が、ですから収益還元法がオール・オア・ナッシングで駄目かと言われれば、これは有益な方法であると。ただし、そこに問題点があるということは御指摘の問題のとおりかもしれません。

○大門実紀史君 もう一つ、不動産投資信託、J―REITというのがございます。これは、今の収益還元法を基にいろんなことが組み合わさった、投資信託といっても事実上の株みたいなものなわけですけれども、これもサブプライムと似た共通点があるんじゃないかなというふうにこの間思っております。つまり、リスクがどこへ行ったか分からなくなると。実際の取引された不動産とは別のところにリスクが行ってしまうということと、それと不動産と絡んでいると。大変サブプライムとも似ているなというふうに思うんですけれども。
 このJ―REITについて、村本先生、どういうふうにとらえておられますか。

○参考人(村本孜君) 土地そのものを売買するというのではなくて、証券化された形のJ―REITでやること、一つの金融の手法としては正しい方法の一つではあろうと思うんですけれども、おっしゃったように、リスク管理がきちっとできませんと同じ問題が発生するというのはまさにそのとおりでございますので、これまだ残念ながら我が国ではこの問題については発展途上なのではないかと。きちっとしたリスク管理ができるような、まあルール化と言ったらいいでしょうか、そういうことを進めて健全な発展を実はしてほしいと内々私は思っておりますけれども。

○大門実紀史君 村本先生の御意見を参考に質疑に生かしていきたいというふうに思います。
 これで終わります。
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