● ● ● ● 大門みきし Daimon Mikishi  ● ● ● ●


■2009年3月17日  財政金融委員会
○大門実紀史君 大門でございます。
 資料を見ていただきたいんですけれども、今日は金融所得と税制の在り方について質問をいたします。
 この資料は、折れ線グラフが国の税金、国税の所得別の負担率が折れ線グラフでございます。ピークになっているところを見ますと、これはちょっと帯で測っているんですが、言い方としては所得五千万から一億円のところが国税の負担率としては二六・五%、ピークになりまして、それを超える所得になりますと負担率が下がると、下がってきております。ちなみに、百億円の所得がある方は日本には十数人ぐらいかも分かりませんが、その方々の負担率というのは年収、所得一千三百万ぐらいの人と同じぐらいの負担に下がってしまうということでございます。
 仮にも今まで日本は累進税率の国でございました。つまり、所得が高くなるほど負担率も高くなる国でございましたけれども、今こういう状況になっているわけでございます。なぜこんな事態になってしまったのか、与謝野大臣はいかがとらえておられますか。

○国務大臣(与謝野馨君) 議員御指摘のように、合計所得金額に占める税負担率は所得五千万円を超えたところで低下している状況でございます。これは、上場株式等の譲渡所得等について一〇%の軽減税率が適用されていることを含め、金融所得課税の在り方が影響している面があると思われます。
 金融所得課税については、総合課税ではなく、他の所得と分離して一律の税率で課税する分離課税とすることが適当であり、また国際的な潮流でもあるということも主張をされております。

○大門実紀史君 おっしゃるとおりでございまして、この薄い方に金融所得の分布を入れておきました。つまり、高額所得者になるほど金融所得が増えるわけです。ほとんど金融所得ということになるわけです。それが、大臣おっしゃっていただいたように、この証券優遇税制で半分の税金にしているところからがばっと減税になって、こういう国税負担率のゆがみが生じているわけでございます。
 今、格差格差と格差問題言われていますけれども、年収二百万以下の層が増えている一方で、超大金持ちがどんどん増えていると。もちろんこの間大損されている方もいると思いますけれども、増えてきているというのは、実はこの税制が大きく影響を与えているということでございます。
 国際的には、証券優遇税制云々という話がありましたが、実はアメリカもヨーロッパも金融に関しては総合課税にしているところが多いわけですね。ですから、実際にはこういうゆがみはそういう国ではほとんど生じていないというふうに見た方がいいわけでございます。証券優遇税制が必ずゆがみを、その部分だけ優遇したからといって必ずこんな大きなゆがみをもたらすとは限らなくて、総合課税にすればここまでのゆがみにならないということもあるわけですね。
 こういう点でいきますと、私、今回また延長するんですか。これは、尾身大臣のときでしたかね、そのときにはここまで詳しいグラフじゃありませんでしたけれども同じような資料をお見せしたときに、もう延長はしない方向だというような御発言をされていたんですけれども、今回金融危機だからということでまた慌てて延長とか拡大とかになっていますけれども、私は税をゆがめるという点では本当にどうなのかなと思います。それと、これを個々で優遇したからといって、個人投資家が増えるという根拠もないわけですね。何をばたばた慌ててまた延長しようとしているのかと思いますけれども。
 この税のゆがみという点を考えて、総合課税の問題もありますけれども、今後どうされるか、与謝野大臣、もう一言お願いしたいと思います。

○国務大臣(与謝野馨君) おととしの暮れは私は党の方の税制の方をやっておりまして、そのとき、金融から出てくる利益、これはやっぱり一本の税率でやることが正しいのではないかというので、段階的ですけれども、二〇%に統一しようという段階的な措置を決めたわけですが、金融危機が参りまして株価も下がるというので、将来はまた二〇%に一本化することはあっても当面は一〇%でお願いしようということで元に戻すことにしたわけですが、将来的にはやはり金融課税はすべてのものが同じ課税であることが望ましいし、そうあるべきだと考えております。

○大門実紀史君 このゆがみは今申し上げたとおり整理しますと二つありまして、証券優遇税制ともう一つは分離課税になっている、この二つでこういうことが起きているわけですね。私は、証券優遇税制もそれほど思われるような効果はありませんからやめた方がいいと思いますし、総合課税にすべきだというふうに両方思うわけでございます。是非そういう方向に、思っていらっしゃることを実現の方向で踏み出されるべきだということを申し上げておきたいと思います。
 ただ、今金融担当大臣と財務大臣兼ねておられますけれども、元々これは、財務省はこれを見直したいと、この証券優遇税制ですね、そういう考えでずっと来て、金融庁は延長してくれ拡大してくれと、こう来ているわけですね。今両方とも兼ねておられますけれども、その辺はどういうふうに判断されるんでしょうか。

○国務大臣(与謝野馨君) 前回私が金融担当大臣をやっておりますときに、金融庁が要求した、したいと思った税制は全部無理だといって止めたことがありますので、別に金融担当大臣やっているから金融庁の味方するというわけではないと。税制として正しい姿を追い求めるというのはどこにいても同じことであると思っております。

○大門実紀史君 それでは次の問題で、二枚目の資料でございますけれども、私、ずっと気になってきた問題、ちょっと機会ができましたので伺いますけど、先月ですかね、峰崎先生の質問のときに与謝野大臣が答弁をされて、耳に残っていて気になっていたんですけれども、消費税を上げても社会保障に全部使えば所得再分配に貢献すると、貢献度は大きいというふうな趣旨の発言をされて、逆進性の議論だけでは消費税は否定できないんだという意味の発言をされたんですけれども、それについて聞きたいなと思って聞いたわけですが、聞いてみようと思いますけれども、資料をお配りいたしましたが、これ前、去年の十二月にもこの委員会で内閣府、与謝野大臣が呼べないということでございましたので、内閣府の審議官にただしたんですけれども、この資料が頭の中に残っておられてああいう発言をされたんじゃないかというふうに思いますけれども、そうなんでしょうか。

○国務大臣(与謝野馨君) まず、二つのことを申し上げなければならないわけです。
 一つは、ずっとこの十年以上やってまいりました所得税制のフラット化によりまして、所得税自体が持っている所得再配分機能というのが相当落ちてきたと。これは、我々としては直さなければならないと実は思っているということが一つ。
 それから、消費税ということを言いますと逆進性ということを非常に強く言われまして我々も本当に往生するわけでございますが、消費税を仮に御負担をお願いをしても、これが全部社会保障費、医療、年金、介護プラス少子化対策に回ると、実は所得の低い階層の方の方に配分は余計行くということで、逆進性というのは消滅するというふうに我々は考えておりまして、その点を御説明するためにさきの答弁になったというふうに御理解をしていただきたいと思います。

○大門実紀史君 まさにそれがこの諮問会議で議論された中身であり、この資料だと思うんですが、私はこの資料は、もう二回もこんな、委員会で言いたくないんですけれども、いかにでたらめな話かと、このタイトルも含めてですね。
 大体、これを出したのはトヨタの、諮問会議の民間委員が提案する資料というのはろくなものがないんですよ、提案する内容というのはね。よく内閣府が何か事務方で資料を作っているみたいなんですけれども、本当にこのタイトルからいっておかしいでしょう。大臣が言われている意味と違うんですよ、これは。
 要するに、消費税を増税しても社会保障に充てれば所得再分配は強化されると。もう途中の言葉を抜きに、いかにも社会保障目的税は再分配機能を強化するというふうな書き方、そういう資料になっていて、これは違うと。これ当たり前の話で、所得税でやればもっと再分配機能が強化されるわけです、所得税でやれば。ところが、消費税でやりますと逆進性、大臣がおっしゃった逆進性がありますから、社会保障の再分配機能が足を引っ張られて、足を引っ張られて少なくなると。しかし、それでも差引き、それでも所得再分配機能が残りますよというのがこのグラフなんですよ。グラフなんですね。
 ですから、そういうふうなことで説明するならまだ分かりますけれども、いかにも社会保障目的に使えば再分配機能が強化されると。もうこんなことを、そしてこの言葉だけを、総理も以前おっしゃっていましたので、そのときは総理もいらっしゃいましたから、そういう誤解されるというか、欺瞞的な宣伝に思われるので、お使いになるべきじゃないということを御指摘したところでございます。
 なぜ、私の指摘を西川さんは大臣に伝えなかったんですか。

○政府参考人(西川正郎君) 議員御質問の資料でございますが、こちらの資料では頭のところに「社会保障目的の消費税増税により所得再分配は強化される」と書いてございますが、今回こういう試算が出てきます背景としましては、社会保障の安定財源確保の考え方については、新たな国民負担はすべて国民に還元するのである、経済動向等に左右されにくい消費税をこれらの費用を賄う主要な財源として位置付けた上で社会保障財源を充実することを検討すると、そういう基本方針がございまして、そういう基本的な考え方を踏まえられて有識者議員が御提出されたんだというふうに理解しております。
 その有識者議員のお考えの中では、社会保障制度の持続可能性を基本理念とするんだと、そのためには国民全体の広く薄い負担である消費税を軸に安定財源を確保することが重要であり、社会保障に係る負担はそれが給付として国民に確実に戻ってくる仕組みとするべきであるという趣旨の御意見を御提示された上で、こうした試算を御提出されているというふうに理解しております。
 したがいまして、ここでは、消費税一兆円の社会保障に還元した場合と消費税による安定財源確保も社会保障への還元も行わなかった場合を比較した、そういう試算を出されているわけでございます。

○大門実紀史君 もういいよ。私が言っているのは、わざわざ国会の場でこの資料をそういう言葉の使い方で総理大臣とか財務大臣とか経済財政担当大臣がお使いになると、お使いになるとその言葉だけ、消費税増税しても社会保障に回せば再分配機能は強化されると、その言葉でしか国会では答弁されていないから、そんなふうに使われると、違うんじゃないかと、この資料は、ということをあなたに指摘したでしょう。大臣にそのことをお伝えしたんですかと聞いているんですよ。国会の質問を何だと思っているんだ。国会で指摘されたことを大臣にちゃんと伝えたんですかと、その後、与謝野さんはそういう発言をされているわけだから言っているわけでしょう。伝えたのかどうかを聞いているわけで、ぺらぺらしゃべるんじゃないよ、本当に。

○政府参考人(西川正郎君) 御質問いただきました趣旨は、この民間議員の資料についてお問い合わせを受けましたので、その説明をさせていただいたわけでございます。
 答弁につきましては、私どもの方で、政府参考人として答弁したものでございます。

○大門実紀史君 大臣にあなたが伝えたのかと聞いたんだよ、私の質問は。

○政府参考人(西川正郎君) 大臣に直接伝えるということはしておりません。

○大門実紀史君 どうして。なぜ伝えないの。国会で指摘されたことについて、なぜ大臣に伝えなかったんですか。国会で指摘されたことは何なんですか、そしたら。国会議員が質問するということは何なの。何で大臣に伝えないの、これ。与謝野担当大臣がこの委員会に来られたならば、大臣と直接議論する話だったんです。この委員会には来られないということだから、あなたに代わりに質問してただしたわけですよ。何で大臣に伝えないの。それを聞いているんです。

○政府参考人(西川正郎君) 諮問会議におけます民間議員の提出資料の趣旨について御質問を受けましたので、その説明をさせていただいたというふうに理解しております。そのため、直接御報告するということはしておりません。

○大門実紀史君 とにかく、国会で質問されていろいろ指摘されたことというのを大臣にも伝えないと。ただあなたの答弁求めただけじゃないんで、私は指摘したんですよ、この諮問会議の資料について。しかも、総理大臣までこんなことをぺらぺらしゃべっておられるから、そこに麻生さんがおられたときに。それを担当大臣に伝えないというのは何事だ、それは。
 与謝野さん、私言いたいのは、誤解されますから。正確にお使いになるならいいですよ、この意味も含めて。知らない人は、ああ、そうか、社会保障目的税だったら格差は縮まるのかと思っちゃいますから。使うならば正確に、所得税ならこうだけど消費税ならこうだと、まだまし、まだ少しは再分配機能が残りますよと、そういう謙虚なことでお使いになるならいいけれども、そういう宣伝に使われているので厳しく指摘したわけでございます。一言コメントをいただけますか。

○国務大臣(与謝野馨君) まず、元々フラット税制である消費税について逆進性ということを論ずることが適当な議論なのかどうかという根本的な実は問題があります。しかし、仮にそういう議論が許されたときに、何か所得の高い階層が一方的に助かるというようなイメージは持っていただきたくない。やはり社会保障制度を通じて、集めるときにはフラットな税制として集めるけれども、やっぱり分配するときには所得階層の低い方々の方に統計的に見ればより手厚く分配がなされると、こういうことを申し上げているわけでして、私らが申し上げていることは正しいことを申し上げているつもりでございます。

○大門実紀史君 もう時間なのでやめますけれども、私はそういうことを申し上げているんじゃない。そういう議論は大いにいたしましょう。この資料の扱い、この資料の言葉、それを指摘しているわけですから、正すものは正してほしいし、まだホームページにその資料載っかってますしね。何だよ、この審議官、大臣にちゃんと伝えないなんてね。ちょっと、ちゃんと注意してください、後で。
 それだけ申し上げて、質問を終わります。
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