● ● ● ● 大門みきし Daimon Mikishi  ● ● ● ●


■2009年3月24日  財政金融委(財源確保法、所得税法改正審議)
○大門実紀史君 大門でございます。
 私は、北洋銀行の一千億円の公的資金注入について質問いたします。
 これは昨年成立したばかりの金融機能強化法に基づくものでございますけれども、民主党の皆さんとか公明党の皆さんはもっとこれを使うべきだという質問をされましたが、私はこのスキーム、大変問題があるというのはもうこの北洋銀行問題で分かってきたんじゃないかなという点で質問したいと思いますけれども。本来であれば、経過からいって中川前大臣にお聞きすべきことがたくさんあるのですけれども、おられなくなりましたので、金融庁の担当局中心にお聞きしていきたいと思いますが、まず、そうはいっても、与謝野大臣に大きな点だけ先にお聞きしたいというふうに思います。
 資料を二枚お配りいたしましたけれども、要するに、この北洋銀行というのは、有価証券取引、リスクの高い有価証券取引に大変のめり込んだわけでございます。しかも、ほかの銀行もそういうところあったんですが、特にほかの地銀よりもこの北洋はちょっと異常なぐらいこれにのめり込んだわけですね。そういうところにまず公的資金を一千億も入れるということと、二枚目に、もう結論だけ先に申し上げますけれども、二枚目に、これは金融庁が認めた経営強化計画の中にあるんですけれども、中小企業に対しての融資でございますが、一千億公的資金を入れても二年半で中小企業融資は八百十三億円しか増やさないと、率にすると一%どころか〇・七八%しか増やさない。こういう計画を金融庁はこれでいいですよということを認めたわけでございます。
 一千億円、資本増強一千億円で八百億増やすというのは多いか少ないのかよく分からない方もいるかも分かりませんけれども、資本が一千億増えるということは、これは信用供与の世界ですから、こう回していくわけですから、大体十倍ぐらいの融資を増やしてもいいわけですね。一千億だと、全部それを融資に回すと、融資で考えていくとしたら、一兆円ぐらい融資が増えてもいいわけなんですよ。ところが、八百十三億という、もうその何十分の一といいますか、一千億入れて、それ以下の効果しか中小企業融資はないということでございます。
 こんなものを金融庁は認めて公的資金の注入を決定したわけですけれども、こういうふうなことだったら、あのときさんざん、去年議論をしたんですけれども、中川大臣に。中川大臣も、もう年末で大変だから、とにかくこの法案通してくれと、中小企業を救うんだと、中小企業融資を増やすんだと。与党の議員ももうそればっかり質問されていたわけですね。これだったら何のために、そんな何の効果も出ていないというか、全然違う話になっているんじゃないかと私は思うわけでございます。
 要するに、じゃ、一千億円どこへ行ったのかというと、この有価証券取引での穴埋めにほとんど回って融資には回らなかったというのがこの数字じゃないかと。厳しく見れば、見なくても、普通に考えてもそういう話でございまして、何か中小企業の貸し渋り、貸しはがし防ぐためというのをさんざん中川大臣はここで答弁されたんですけれども、話が違うじゃないかと私は思います。
 これじゃ、ただの銀行の不始末のしりぬぐいを、しかも経営責任を問わないというおまけ付きでやってやったと、それに公的資金を入れた、これだけのことになっているんじゃないかと。もうこれは数字が示しているんじゃないかと思いますが、こんなのおかしいんじゃないですか。
 与謝野大臣、いかが思われますか。

○国務大臣(金融担当大臣与謝野馨君) 北洋銀行は、今般提出した経営強化計画において、中小企業の潜在的な資金需要を喚起するよう、課題解決の提案や経営改善支援への積極的な取組、中小企業向け営業人員の強化等の施策を展開し、中小企業向け信用供与の残高を着実に増加させる旨を明らかにしております。
 当行では厳しいと見込まれる地元経済の中でこうした取組を着実に実施することで、二十年九月末に一兆七千四百二十七億円であった中小企業向け信用供与残高を二十三年三月末には一兆八千二百四十億円へと八百十三億円増加させるとともに、中小企業向け信用供与残高の総資産残高に対する比率について、二十年九月末の二四・二五%から二十三年三月末には二五・〇三ポイントへと〇・七八ポイント上昇させると計画しているところでございます。
 北洋銀行においては、本制度の趣旨、目的を踏まえ、経営強化計画で掲げた各種方策の確実な履行を通じて中小企業向け信用供与の残高等の目標の達成はもちろんのこと、地域の中小企業等に対する円滑な信用供与に努めていただきたいと考えております。
 金融庁としても、同行の中小企業向け貸出しの取組状況について適切にフォローアップしてまいりたいと考えております。

○大門実紀史君 いや、それはこれの説明なんですよね。私、この数字を与謝野さんはどう思われますかと。こんな一千億も入れなくたって、一%や二%中小企業融資を増やす、そういう計画を立てているところはどこでもありますよ。一千億入れて何でこんなしかならないのかと、〇・七八と、これおかしいじゃないかと、この法案の趣旨からいってと、普通の話をしているので、普通に与謝野さん自身の言葉で答えてもらえませんか。

○国務大臣(与謝野馨君) 単純に一千億の資本増加があったからその十倍ぐらいになるだろうというのは、そうは多分ならないと思っております。
 これは、北洋銀行の自己資本比率が厳しくなっているという状況の下で資本充実をするために一千億の国の資本の供与を申請したわけでございまして、当然ながら、その一千億がなければ他の中小企業に対する信用供与というものが続けられるかどうかという問題はありますので、この一千億の増分がそのまま融資残高の増加につながるというのではなくて、やはり北洋銀行が全体として、中小企業を含めた大中小の企業に対する金融仲介機能を今後とも発揮していくための私は増資だと思っております。
 中小企業の増分が二年掛かりで八百億しか増えないというのは、そういう御指摘を受けるとそういう気にもなりますけれども、北洋銀行には北洋銀行の事情があっての国の資本注入の御申請だと思っております。

○大門実紀史君 ですから、中川大臣と本当はやりたかったんですよね。もうさんざん中小企業融資を増やすためだと。これは普通の銀行でも出している程度の融資計画だと、何のあれにもなっていない。ただ、私は、その十倍というのは普通の話をしただけで、全く十倍にしろと言っているわけではないんですよ。少なくとも、もっと増えていいんじゃないかと。こんな程度の計画で、何が中小企業のためにあの法案を通したんだと言えるんですかと、これを言っているわけでございます。
 与謝野さんはちょっと御予定もあるみたいだし、もうちょっと研究して、次のときまたお聞きしますので、きちっとしてもらいたいと、三國谷さんに聞いていきたいというふうに思います。
 それで、まずこの経過がちょっとうさんくさいんですよ。大体、この北洋銀行頭取の横内さんは、十二月の時点では、この機能強化法を利用しないと、もう自力で資本増強やると。北洋が大変なのはみんなも知っていたこと、周知の事実だったんですけれども、自分で、自力で、劣後ローンなども含めて自力で資本増強を考えていたわけですけれども、わずか一か月後に百八十度方針転換して、一月の十九日ですか、公的資金の申請を検討するということを突如表明されて、その後、金融庁と相談して、それで検討の末、一千億の資本注入が決定されたという流れなんですが、最初は自力でやるといっていたのが、急に、急にこの金融機能強化法を使うというふうに変わったんですけれども、これはあれですか、金融庁がこのスキーム使ってくれというふうに要請されたんですか。

○政府参考人(金融庁監督局長三國谷勝範君) まず、私どもとしては、広く金融機関に対しまして、この法律が積極的に活用されますよう、本制度の活用の検討につきまして積極的な呼びかけを行ってきているところでございます。
 その一環といたしまして、他の金融機関と同様に北洋銀行に対しましても本制度の活用の検討について呼びかけを行ったところでございます。こうした中、同行におきましては、自らの経営判断に基づき国の資本参加の検討に着手し、今般の申請に至ったものと承知しております。

○大門実紀史君 金融庁は、この法案が成立してどこも使われなきゃメンツ丸つぶれですから、使ってくれ使ってくれと地銀業界とかに要請されていたわけでございます。
 しかも、この北洋は、第二地銀協会の会長行でございます。経営内容も良くない、この北洋が自力でやりますと、自力で資本増強しますと公言していたわけですよね。そんなことを許しちゃったら、金融庁としては、この法案もうどこも使わなくなりますよね。会長行が、一番ひどいと言われている会長行が自分自身で自力でやるといったら、もうほかのところはこの機能強化法案のスキーム使わなくなってしまうわけですね。
 また、北洋は、前大臣の中川さんの地元である北海道でございます。そういう点からいくと、私は非常に政治的に、北洋は自力でやろうとしたのを、使ってくれという相当な働きかけがあったんじゃないかと思いますが、平たく言えばそういうことじゃないですか。

○政府参考人(三國谷勝範君) 私どもは、この金融機能強化法の運用に当たりましては、北洋銀行さんにつきましても他の金融機関と同様に私どもは事務的に一般的な呼びかけを行いますとともに、その結果として自らの判断に基づきましてこのような申請に至ったものと承知しております。
 過去におきまして、恐らくいろんな報道等ございますけれども、そのときどきの報道についてはコメントする立場にございませんが、私どもはいろんなこの法律の活用等を広く呼びかける中で三行の申請と参加に至ったものでございまして、北洋銀行につきましてもその一つということでございます。

○大門実紀史君 そもそも一千億円というのはどういう根拠の数字なんですか。

○政府参考人(三國谷勝範君) 金融機能強化法に基づきます国の資本参加額は、金融機関が申請時に必要額を記載いたしまして、当局の審査の上、決定されるものでございます。
 北洋銀行に対します国の資本参加額一千億円につきましては、同行の経営強化計画によりますと、一段の有価証券価格の下落への耐性を確保し、金融市場に急激な変動が生じた場合でも、財務基盤を安定させ、適切かつ積極的な金融仲介機能が発揮できるようにする、そのために必要な金額として一千億円の申込みがなされたものと承知しているところでございます。

○大門実紀史君 だから、一千億円の内訳を言ってくださいよ。融資には回らないんだから、どこを埋めたんですか、一千億円で。

○政府参考人(三國谷勝範君) 一千億円というのは、全体としての資本の強化につながるというものでございます。この考え方につきましては、今申し上げましたとおり、同行の経営計画の中で一段の有価証券価格への下落への耐性を確保し、金融市場に急激な変動が生じた場合でも、財務基盤を安定させ、適切かつ積極的な金融仲介機能が発揮できるようにすると、こういった観点から一千億円の申請がなされたものでございます。

○大門実紀史君 北洋は、この一千億円の資本注入がなければ自己資本比率は何%になるのかということに対して、大体七%台になると言っていますね。国内行ですから四%以上あれば十分なわけですが、七%でも十分な自己資本なんですけれども、だったら別にこんな、自分たちで資本増強するといっていたわけですし、一千億なくたって八%ぐらいの自己資本比率は確保できたということになりますけれども、全然心配なかったんじゃないですか。

○政府参考人(三國谷勝範君) 北洋銀行の資本参加につきまして、これも同行の経営強化計画によりますと、一つには、世界的な有価証券相場の混乱にいまだ出口が見えない中、当行も更なる有価証券価格の下落リスクに備える必要があり、二点目といたしまして、今後、金融市場に急激な変動が生じた場合でも、安定的に北海道内での中小企業向け信用供与を維持、拡大していくためには、予防的に自己資本の積み増しが必要であると判断したものと承知しております。

○大門実紀史君 そうじゃなくて、金融庁がこの決定されたのは、この経営機能強化計画を含めて金融庁の判断を私は聞いているんだけど、とにかく法案作ったと、使ってもらわないと困ると。それで押売、セールスのように使ってくれ、使ってくれと言って、自分たちでやると言っているのに使ってもらって、で、金額も何かよく分からない腰だめの一千億で、自己資本九%ぐらいになっちゃうんですか、これで。じゃ、貸出しやるのかといったら貸出し増やさないと。何のための資本注入なのかと。まだこれで貸出しがわっと増えるという計画なら、少なくとも頑張ってほしいという気にもなりますけれども、こんな計画でよく認めたなというふうに思います。
 実は、北洋銀行は元々この間、去年一年でいくと七百億も中小企業融資を減らしているんですよ。これは資金需要がないからだけとは限らないんです。確かに北海道経済大変ですけれども、もう一個一個取り上げませんが、貸し渋り、貸しはがしの苦情がいっぱい来ております。です。ですから、元々貸し渋り、貸しはがしをずっとしていたわけですね。していたわけです。何も資金需要がなくて、借りてくれなくて数字が伸びなかったんじゃないんですよ。そのときにこうやって公的資金を入れて、それでも伸びないと、こんな程度の計画だと。これはどう考えてももうちょっとこれが明らかになっていくと納得されるものではないというふうに私、思います。
 少なくともこの計画は、このわずか八百十三億、〇・七八%というのは、これ以上これはクリアしなさいという意味でしょう、三國谷さん。──ですよね。これでいいですという意味じゃないですよね。こんなもんでいいわけないということで、これよりもっと頑張れという指導は少なくともされるべきじゃないかと思いますが、いかがですか。

○政府参考人(三國谷勝範君) まず金融庁といたしましては、こういった資本参加した銀行につきましては、その後の中小企業向け貸出しの取組状況などにつきまして適切にフォローアップをしていくこととしているところでございます。
 北洋銀行におきましては、本制度の趣旨、目的を踏まえました経営強化計画で掲げました各種方策、この確実な履行を通じまして中小企業向け信用供与残高等の目標の達成はもちろんのこと、地域の中小企業等に対する円滑な信用供与に一層努めていただきたいと考えているところでございます。

○大門実紀史君 時間が来たので終わりますが、金融機能強化法というのは何だったのかというのがのっけから、のっけからぼろを出したというふうに厳しく指摘して、質問を終わりたいというふうに思います。
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