● ● ● ● 大門みきし Daimon Mikishi  ● ● ● ●


■2009年4月6日  参院 決算委員会
○大門実紀史君 日本共産党の大門でございます。
 私の方は郵政民営化と民間企業との関係について取り上げたいと思います。
 鳩山大臣がかんぽの宿、オリックスへの売却について拒否権を発動されたといいますか、厳しく対応されたことについては私も心から敬意を表したいというふうに思います。
 日本郵政というのはほかにも様々な問題を抱えておりますので、引き続き厳しく監視指導してほしいと思いますが、今日はまず、一枚目に資料をお配りいたしましたけれども、全体の話なんですけれども、日本郵政、ゆうちょ銀行、かんぽ生命に民間企業出身者が役員でこれだけ入っていると、こういう資料をお配りいたしました。これは会長、名誉職だけではなくて、実動部隊の役員にこれだけ民間企業から事実上もう出向状態で入っているところでございます。
 何のためにこれだけの民間企業から役員に入り込んでいるのかということですけれども、郵政民営化の議論のときに私、特別委員やっていましたけれども、竹中さんは民間の知恵を借りるんだというようなことを言っておりましたけれども、そんなきれい事なのかと。民間企業というのは慈善事業をやっているわけではありませんから、何らかの自分たちのビジネスに、ビジネスチャンスに結び付けようとするのはこれは当たり前のことでございまして、その点で、あの郵政の資産、不動産にしても資金の流れにしても、国民の財産が一部の民間企業の食い物にされなければいいなというふうに、されてはならないなと思うところでございますけれども。
 大臣はこのお配りしました役員の一覧表を御覧になってどういうふうにお感じになったか、まず聞かせてもらいたいと思います。

○国務大臣(鳩山邦夫君) この役員の一覧表だけでは何とも感想を述べることはできませんけれども、私は民営化された民間企業のやることに横やりを入れる鳩山邦夫はけしからぬという論調の文章は随分耳にいたしました。そういうような論調は大体、民間はすべて正しく政治や官の方はみんな間違いだと、間違っているという非常に偏った偏見に基づいて議論されているケースが多いわけでございます。
 ところが、民間というのはどうしてもやっぱり、李下に冠ではありませんが、ある意味でいえば、意欲的であるならば、政府の関係の何か審議会だとかいろんな会議に参加をすれば、そこで発言権を持てば、自分の仕事や商売に何らかのプラスになる点はないだろうかと、こういうふうに考えてしまうものかもしれません。あるいは、長期的な展望で、大分先をにらんで、うまく頑張っちゃおうかなんという人も出てくる可能性もある。
 そういうことを考えますと、まさに官と民の関係というのは非常に難しいと思いまして、私は、とりわけ郵政というすばらしい文化、これは郵政文化だと私は思いますよ、その中で、貴重な国民の、もう税金よりも貴重な国民のお金によってそれは簡易生命保険というものも郵便貯金というものも成り立ってきた、それが一部の者にむしばまれるようなことがあってはいけないと。純粋民間の世界だったらまあこの程度は仕方がないということであっても、それは国民の共有の財産をどうしたかという問題であれば、私はあの十六の問題点は指摘せざるを得なかったと、こういうふうに思っております。

○大門実紀史君 もうおっしゃるとおりだというふうに思います。
 そういう点で、私も予算委員会でかんぽの宿、不動産売却取り上げましたけど、今日はゆうちょ銀行のカード事業について取り上げたいと思います。
 資料の二枚目に全体像を示しましたけれども、公社のときは各カード会社と共用のカードを使っていたわけなんですけれども、〇七年にゆうちょ銀行独自のカードを作ろうということになりました。そのカード事業の委託先が三井住友カードとジェーシービーに決定されたという流れを書いてあります。
 ブランドでいいますと、VISAカードとマスターカードブランドは三井住友カード、JCBブランドはジェーシービーというふうになったわけですけれども、実際には、三井住友のカード発行数のシェアでいきますと九八・六%ですので、事実上、三井住友カードが独占受注に近いわけでございます。もっとも、ジェーシービーも大株主に三井住友が入っているということもあります。
 三井住友は、委託開始の〇八年五月から十二月の半年間で既に四十二億円の支払を受けているわけですけれども、これはまだ三十万枚程度のカードの発行でこの収入でございます。ゆうちょ銀行が今目指しているのは数百万枚の発行ということですので、いずれはこれが数百億円のビジネスになるということで、小さな話ではございません。
 また、ゆうちょ銀行からカード事業を委託されるというのは、実はカード会社それぞれの戦略にもかかわるものでございまして、結論からいいますと、これからシステム再編が起きていくわけですけれども、そのときにこのゆうちょのカードの仕事を受けるというのは、後々カード業界全体の中で主導権を握るという上で大変、ゆうちょ銀行のカード事業を受けるということはカード会社にとっては重要なことだったわけでございます。
 この契約について様々な疑問がありますので質問をしていきたいと思いますけれども、まず第一点は、資料の三枚目を御覧いただきたいんですけれども、元々ゆうちょカードは、先ほど申し上げましたように、独自のカードを持つ前は共用カード、ほかのカード会社に乗っかってやっていたわけですけれども、そのときの実績では一位がクレディセゾンでございまして、三井住友カードというのは十八位、わずか〇・二%のシェアしかなかったわけです。むしろ、銀行系でいきますと三菱UFJニコスは二位でシェアを占めていたわけですけれども、なぜ実績のない三井住友カードが委託先になったのかと、これがまず第一の疑問でございます。
 もう一つは、二枚目に戻っていただいて、だれがこの三井住友カードを選んだのかということなんですけれども、全体の人脈を入れてありますけれども、もう三井住友だらけといいますか、三井住友出身者が非常に多いわけですけね。郵政社長の西川さんはもちろんもう御存じのとおり三井住友の元頭取でございますし、専務執行役の横山さんも三井住友と。この方はいまだ三井住友から社宅を提供されておりまして、株も保有しているということで、この間問題になっている方でございます。常務執行役の妹尾さんも、来てもらっていますけれども、住友銀行出身で、この方が全体の内部監査・コンプライアンス統括責任者でございますから、日本郵政内で何が起きても、おかしなことがあったかを点検する立場の人まで住友出身ということでございます。ゆうちょ銀行も副社長に福島さん、これは住友銀行出身でございますし、三井住友の株を保有されております。
 そして、今回のこのカード事業なんですけれども、これをどこに発注するかを決めた直接の責任者、常務執行役の宇野輝さんでございますけれども、宇野さん、どなたですか。確認のためにお聞きいたしますけれども、あなたは元三井住友カードの副社長だったということでよろしいですか。

○参考人(宇野輝君) お答えします。
 さようでございます。

○大門実紀史君 つまり、三井住友カードの出身者が三井住友カードを委託先に選んだということでございまして、私はオリックスの場合なんかよりも直接的な利害関係、李下に冠とか瓜田にくつを通り越しているんではないかというふうに思います。
 あなたをこのカード事業の、これは選定の体制、書いてありますけれども、このカードの委託先を決定する責任者はあなただったわけですけれども、あなたをこのポジションに任命したのはどなたですか、宇野さん。

○参考人(宇野輝君) お答えいたします。
 日本郵政株式会社に参りましたときに、郵便貯金銀行担当ということになりました。それは、当然社長から任命を受けております。

○大門実紀史君 じゃ、西川社長さんから任命されたということでよろしいですか。

○参考人(宇野輝君) はい。さようでございます。

○大門実紀史君 西川社長に任命されてこのポジションに就いて三井住友カードを選んだということですけれども、なぜ取引実績がほとんどないこの三井住友カードを選ばれたんですか。

○参考人(宇野輝君) お答えいたします。
 民営化後、新規業務としてクレジットカード業務に参入するに当たりましては、自前ですべての業務処理体制を整備し、システム構築して参入するよりも効率的な受託先に委託した方が結果として低コストで業務運営ができ、また事務リスク等の観点からも望ましい場合があることから業務を委託することといたしたものでございます。
 具体的な業務委託先の選定に当たりましては、企画コンペ方式により複数社からの提案をいただき、総合的に評価して判断したところでございます。

○大門実紀史君 宇野さんはまず、コンペなのかというのあるんですけれども、参加対象を八社に絞って、その八社、なぜ八社なのかもよく分からないんですけれども、コンペとおっしゃいましたけれども、普通なら企画コンペというのは、その八社なら八社を一堂に集めてまず説明会をやって、こういう趣旨、こういう趣旨の事業だと、提案してもらいたいと、説明会をやるのが普通なんですけれども、説明会をやらないでいきなりその八社に個別に面談をして決められました、今回は三井住友にですね。こんなやり方は企画コンペとは世間では言わないんですけれども、違いますか。

○参考人(宇野輝君) お答えいたします。
 企画コンペでございますが、今回のJPバンクカードにかかわる事業において業務委託する内容はカードの発行や一次審査、コールセンター関連等多岐にわたっておりまして、受託するカード会社が複数の担当者により説明を聞きたいとの要望がございましたことから、相当な人数に上ることが予想されるため、提案依頼書を、一度に呼ぶものではなく一社ごと呼んで説明することとしたものでございます。そして、各社ごとに同じ説明をさせていただきました後、時間を置きまして、別途日を定めまして各社から提案の御説明をいただいたということで、二度に分けてやらせていただいております。

○大門実紀史君 そういうのは、要するにコンペとは言わないんですよ。個別に当たって、どういうわけか三井住友に決まったということでございます。これは不透明でもう恣意的な契約だというふうに言わざるを得ませんし、三井住友カード元副社長のあなたが郵政クレジット業務では実績のない三井住友カードに業務を受けさせるために動いたと疑われても仕方がない、そう思われても仕方がない契約の仕方でございます。
 もう一つの疑問は、このカードを選ぶ体制の中に、担当部長Iさんというふうにしておきましたけれども、凸版印刷の社員が入っておりました。民間企業の人なので名前は言いませんですけれども、この方は凸版印刷ではただの係長さんです。ゆうちょ銀行でいきなりカード事業の委託先を選定する担当部長になりまして、しかもゆうちょ銀行にいたのはわずか一年ちょっとでございまして、このカード事業の委託先を決めるためだけに出向してきたことになります。なぜ凸版印刷の人間がこんなところに急に入っているんでしょうか。

○委員長(家西悟君) どなたに質問でしょうか。宇野さんでいいんですか。宇野常務執行役。

○参考人(宇野輝君) お答えいたします。
 当該職員は、当時JPバンクカード事業の立ち上げにかかわる業務を担当していたために、担当部長として評価者の一人になった者でございます。

○大門実紀史君 ちょっと、あなたに聞いていると長くなるので、私の方で全部説明しますね。
 要するに、おっしゃりたいのは、そういう専門家の知恵も欲しいということなんでしょうけれども、カード業界どうなっているかといいますと、ICカードというのは、そういうカード会社、クレジット会社が受けるんですけれども、実際の製造したり、印刷するのは印刷会社なんですよ。三井住友カードを主に印刷、製造してきたのは凸版印刷なんですよ。三菱ニコスカードの方は大日本印刷なんですよ。もしそうおっしゃるならば、大日本の社員を入れてもよかったわけですよね、あるいは両方入れてもよかったわけですけれども。凸版をわざわざ入れたというのは、これまた疑わしいわけでございます。
 実際に、じゃどうなっているかといいますと、三井住友カードがゆうちょ銀行のカードを委託されました。実際にそれを製造、印刷したのは凸版印刷でございます。十二億円、まだ始まったばかりですから、四十二億円のうち十二億円が凸版印刷のカードの印刷代、製造代として支払われたわけです。ただ、この十二億円というのは、三井住友カードに問い合わせたら、報告するのを拒否をいたしました。ゆうちょ銀行の方の資料によると、十二億円の印刷費になるはずだということで書いておきましたけれども、恐らく十二億払わないでピンはねしているんじゃないかということと思いますが、そういう関係でございます。
 つまり、これはあなたが、宇野さんが凸版印刷の社員をわざわざ呼んで、担当部署に座らせて、どこに決めるかというときに三井住友がいいですよということを言わせて、その見返りとして後で凸版印刷に仕事をあげたと、こういうふうに見られても仕方がないわけですね。凸版印刷の、今回まあわずか十二億ですけれども、これはどんどんどんどん大きくなるわけですよ、さっきみたいに、これからやっていけば。だから、そういう構図というふうに、もうみんなぐるでやっているといいますか、出来レースといいますか、そういう構図に見られても仕方がないというふうに思いますが、宇野さん、もう一度どうですか。

○参考人(宇野輝君) お答えいたします。
 当該職員は、日本郵政株式会社が公募をしていたところ応募がありまして、当時の郵政、日本郵政の雇用担当による面接が行われたものと記憶しております。

○大門実紀史君 あなた、私が言っていること分かっているんですか。何を言っているんですか、そんな話。
 西川さんに聞きますけれども、あなたが全体の責任者でございますし、あなたは三井住友の出身でございますが、この全体の取引ですね、契約ですね、全部承知されていたんですか、西川さん。

○参考人(西川善文君) お答えいたします。
 私は最後に報告を受けた覚えがありますが、当初から一切この選定作業には加わっておりません。

○大門実紀史君 作業に加わっていないのは分かっていますよ、分かっていますよ。この全体の経過について承知をされていたんですか。あなたの責任でしょう、最終的には。責任、どう考えておられますか。

○参考人(西川善文君) この経過、詳細については存じておりません。

○大門実紀史君 じゃ、今、仮に今分かったとして、これはおかしい取引だと思いませんか。

○参考人(西川善文君) これは、ゆうちょ銀行におきましてそれぞれ決めてこられたことでありまして、その範囲においてはおかしなことはないと思います。

○大門実紀史君 鳩山大臣、私は、かんぽの宿はオリックスとワンクッションありましたね。これは、まさに三井住友グループそのもの、これだけ入り込んでいるグループの人たちそのものが三井住友グループに利益をもたらしたと、ストレートにもたらしたと。こんなものあれですよ、李下に冠とか瓜田にくつじゃなくて、もう白昼強盗みたいなものでしょう、堂々とやっているんですから、そうでしょう。こういうのは、私思うんですけれども、先ほどからありましたけど、この西川社長といいますか、チーム西川と言われていろんなことやっているらしいんですけど、もう一掃すべきだと、こういう人たちを。私はそれぐらい思います。
 大臣は今のやり取りずっとお聞きになっていると思いますけれども、いかが思われるのかということと、私は、もう西川社長は、実は三年前の国会で西川さん辞めるべきだと。そのときは元々三井住友の頭取でございましたね。そのときには、中小企業に対する金融商品の押し付け販売をやられたときの頭取だったんですよ、そうですね。だから、郵政の社長になられたばかりでしたけど、こういう方を社長にすべきじゃないと竹中さんに言ったんですけども、竹中さんは、知見がある方だと、どんな知見かと思いますけれども、それでかばわれたわけですね。今こうなってみると、私はあのときに本当にお辞めになった方がよかったと思うし、先ほどもありましたけど、少なくとも次の社長の認可のときは認可されるべきじゃないと、こういう方を、というふうに思います。
 今日の話も含めて、大臣の所見を最後に伺いたいと思います。

○国務大臣(鳩山邦夫君) 今日の大門委員のお話を聞いて、今日私も質問通告を受けて初めてこの資料を見まして、〇・二%のシェアのところがどうして委託先になるのかなと。やっぱり思わなかったらおかしいですよね。そういった意味で、個別の事柄ですから今軽々に物を言うべきではありませんが、いろんなところでいろんなことが行われてきたと。
 しつこいようですが、これは国民共有の財産であって文化である郵政というもので、それは千年たってりゃ別ですけど、今はまだすべてが株式は国が持って、それを日本郵政が四つの会社の株式も持ってという状態ですから。民営化っていうと、みんな何か国が一気に民間会社になるように言いますが、民営化って実にいろんな段階があると思うんです。例えば、何ていうんでしょうか、国が一〇〇%出資している企業があって、これはまあ民営化というかどうかは別にして、その一枚だけ株を放出すればちょっとまた民に近づくわけですね。
 民営化っていうのは、決して国が一気に純粋民間になるものではないと。現在はまだ国民共有の財産という色彩が一〇〇%だと思いますから、そうした中で、一般の民間企業では許されるとしても、なあなあまあまあお互いの人脈だからといって、ずぶずぶとやって物事を決めることは絶対に許されないという問題があるわけです。
 実は、JPエクスプレスという会社がもうできてはおります。これは、要は日通のペリカン便とゆうパックが合体して一緒になると、十月ぐらいから全部一緒になるということでございましたが、私はその認可はいたしませんでした。というのは、やっぱりその全体図が明らかになっていなくて、とにかくペリカン便とゆうパックくっつければいいという力学だけが妙に働いた形跡があったものですから、JPエクスプレスに出資するまでは認めるけど、それ以上は認めないと。つまり、いいとこ取りされて、結局人口密度の薄い地域は全部、JPエクスプレスが配達をしないで郵便事業会社に押し付けるんだろうと思うんです。そうなる可能性が非常に大だと思ったもんですから私はその部分認可しませんでした。
 そういうことで、これは、郵政という国民共通の文化、そこで形成されている国民共有の財産については皆さんとともに徹底してこれを守る、そういう闘いを続けていきたいと思っております。
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