● ● ● ● 大門みきし Daimon Mikishi  ● ● ● ●


■2009年6月18日  財政金融委員会
 税務署の中小企業への非情取り立て、オバマ政権の大企業大資産家優遇税制の是正について。格差固定の贈与税改正などが盛り込まれた租税特別措置法改正案への反対討論。
○大門実紀史君 大門でございます。民主党さんの御配慮で、今日も三十分質問時間をいただきました。
 大臣とはいろいろ意見が一致するというか、私、考え方賛同するところもあるんですけれども、どうしても税の問題だけは考えが一致しないんじゃないかと思いますけれども、少し根本的な話もお聞きしたいと思いますが。
 先ほどからありましたけれども、贈与税減税、どう考えるかなんですけれども、大臣がおっしゃったような、高齢者の資産を、何といいますか、若い世代に移動させたいということなんですけれども、大体、今高齢者層の資産分布を見てもらえれば分かるんですが、ほとんどの高齢者、みんなお金持ちじゃないんですよね。ほとんどの高齢者は大変厳しくなっていまして、そういう移動する資産がない人が増えておりますし、少し持っていても、自分の老後が不安で子供に移したくても移せないという方がむしろ増えているわけですね。
 そうすると、仮に五百万に抑えたという話がありますけれども、いずれにせよ、この制度でメリットを受けるのはやっぱり一定の資産家層になるというのは、我が党が言っているだけじゃなくてマスコミも指摘しているし、党内でも御意見があったとおりでございます。この点で、ですから私、どうなるかといいますと、格差が固定されてしまうんではないかと。一定の資産家層のお金が子供に移るというのは格差が世代間で固定していくということにつながるおそれがありますので、この点は反対なわけですけれども。
 ただ、大臣の考えと私の考えとを両方満たす方法もお聞きしていてあるのかなと思ったんですけれども、こうしたらどうなんですかね。相続税と贈与税の最高税率を何年後かに上げますよということを打ち出されたらどうなるかというと、別に非課税にしなくても、最高税率上がるんだったらば、その資産家層がですね、先に贈与しちゃおうということで、駆け込み贈与ということが生まれますですよね。ですから、わざわざ非課税になんかしなくても、何年後かに最高税率上げますよということを打ち出せば、私が言っている格差の是正にもつながるし、大臣がおっしゃっている世代を移すと、資産を移すということの一石二鳥だと思うんですけれども、このアイデアはいかがですか。

○国務大臣(与謝野馨君) それと非常に似た話をスタンフォード大学の青木先生から伺ったことがあって、これは、与謝野さん、消費税をゼロにしろと、毎年一%ずつ元に戻すということにすると、毎年年末にかけて駆け込み需要が出てくる、消費が促進されるぞと。君は奇抜なアイデアと思うかもしれないけど、そういうのもあるんだよといって青木先生に教えていただいたことがあるんですが。
 大門先生のとおり物事を仮にやるとすれば、確かに駆け込み贈与とか、駆け込み相続というのはないんですけれども、相続に代わる贈与をやっておこうという現象は起きる可能性はありますが、ただこれは、今相続税で課税されている人というのは全体の四%しかないということを考えますと、実際は、よほどいわゆる相続税の、課税最低限というのがあるかどうかは別にして、相続税の掛かり始めの水準を低くして最高税率を高くしないと、そういう現象が起きない可能性もあるんじゃないかなと。余り勉強しないでお答えしているのでこの程度しかお答えできないんですけれども、そういう感じを受けました。

○大門実紀史君 せっかく一致する提案をしたんですけれども、合わないということでございますが。
 実は、海外の例を調べていただければ、相続税の最高税率を引き上げるときには駆け込み贈与というのが起きておりますので、大臣が言われる移動主体だけだったらばそれで十分だし、私が言う格差是正ならまさにそれをやるべきだということで、是非今後検討してもらいたいということだけ申し上げておきますけれども。
 ただ、もう細かい法案の問題、中身に触れませんが、世界の流れはどうなっているのかということで、お手元に資料をお配りいたしました。今まで格差の問題では、格差が開いて何が悪いと言ってきたアメリカとかイギリスですね、資産家優遇したり大企業にも優遇してきた国が、いわゆる新自由主義といいますか、市場原理の国が、この間、税の在り方の方向転換に入っております。見直しが進められようとしております。
 まず財務省に、オバマ政権が二月に発表した大統領予算教書で高額所得者への増税を打ち出しました。一応資料にも付けておりますけれども、もう少し詳しく、どれぐらいの規模でどういう内容か、説明してくれますか。

○政府参考人(加藤治彦君) 御指摘の二月に発表されましたアメリカの予算教書で提案されている高所得者増税の主な点でございますが、一つは、いわゆる二〇一一年より所得税の最高税率をブッシュ減税以前の水準に戻すということが指摘されております。これは、ブッシュ減税で従来三九・六%が三五まで引き下げられておりますが、それが三九・六に戻す。かつ、その適用所得帯も二十五万ドル以上ということで、今は三五%は三十七万ドル以上に掛かっているわけですけれども、その点も引き下げて課税強化をするという指摘がございます。それからもう一つは、ヘルスケア改革に必要な財源を確保するということで、所得控除の上限を設けるということを提案されています。
 ただ、いずれにしても、アメリカの場合は予算教書に基づいて具体的な税法を議会の方で議論されますので、細目についてはその具体的な法案の成立を待って判断すべきものと考えております。

○大門実紀史君 おっしゃるとおりですけれども、オバマ大統領の政策方向ですから、政権としての方向でございます。
 総額でいきますと、要するに、この資料でいきますと、高額所得者の所得増税の部分、それとヘルスケアに入っている部分で、合わせて九千五百四十五億ドル、九十兆円もの高額所得者に対する増税をやろうというところに来ているわけですね。今触れられませんでしたけれども、所得税の控除の点では、高額所得者の控除について上限を課すというのも含まれておりますので、さらには株式譲渡所得ですね、日本は延長しましたけれども、これを見直すということも入っているところでございます。
 一方、この資料にも入っていますね、オバマ政権の大企業課税といいますか、国際課税はどういうふうになっているかということもちょっと説明してくれますか。

○政府参考人(加藤治彦君) 同じく予算教書で示されておりますのは、まず企業、個人による租税回避の防止、国際課税におけるですね、それから、そのために内国歳入庁の国際課税部門の人員強化等々も含まれておりますが、ただ、これも非常に我が国の制度と若干異なった部分もございますので、もう少し私どもきちっと勉強させていただきたいと思っております。
 いずれにしても、二重課税の排除を目的とする外国税額控除制度の濫用等を適正化するという趣旨で幾つかの改正の方向が検討され、課税強化が図られようとしております。

○大門実紀史君 私もちょっと勉強中でございますけれども、ここに書いてある国際課税の強化、三千五百四十億ドルのうち、外国税額控除制度とタックスヘイブン、この委員会でも議論いたしましたけれども、その部分で、十年間で約二千百億ドルですから、二十兆円以上の増税というか課税をしようというふうになっているところでございます。あと、イギリスの例も参考に付けてございます。高額所得者の所得増税をやるということです。
 ざっとまとめると、資料の二枚目に付けておきましたけれども、アメリカとイギリスと日本の政策方向なんですけれども、かの本当に新自由主義、サッチャリズムあるいはレーガン以来進めてきたそういう流れはアメリカ、イギリスは方向転換に入ってきたということでございます。
 日本の方は、最高税率の話は、〇五年の政府税調の答申から課題になっていますけれども、依然先送りになっております。やるなら消費税増税と一体というような話しか出てきません。アメリカがやろうとしております証券税制は日本は延長されました。海外子会社からの配当金の問題、この委員会で私質問いたしましたけれども、まだまだタックスヘイブンについても実質的な議論は何もないということで、方向転換が示されないままですけれども、大臣はこういう、これは金融危機を踏まえて、資本主義の在り方といいますか、今までの経済の運営でよかったのかというところから、アメリカもイギリスも、一番最先端といったところはこういう方向に切り替えてきたわけですけれども、大臣としては、日本もその後くっついてやってきたわけですけど、こういう大資産家にきちっと応分の負担を求めるとか、大企業にも応分の負担を求めるとか、格差を是正する方向に踏み出すとか、そういうことについて日本の政府ももう方向転換すべきだと思いますが、大臣のお考えを聞きたいと思います。

○国務大臣(与謝野馨君) この十五日に麻生総理の下で開かれました安心社会実現会議というのはまさに大門先生言われるような方向転換であると私は思います。これは、大きい政府、小さい政府という議論はやめようということも書いてありまして、やはりその議論は無意味なんであってということで、言わば新古典派的な考え方を捨てたやっぱり局面が転換する私は報告書だと思っております。
 もう一つは、やはり昨年の暮れ、御賛同はいただけないんですけれども、中期プログラムの中では、所得税の再分配効果というものがやっぱり少し失われている、やはり所得税が持っていたはずの所得再分配機能というものを回復させると、その一つとしてやはり最高税率の問題を当然政府も考えていますし、与党も考えているわけでございます。
 そういう意味では、全体としてやはりここ十年ぐらい、非常に市場原理主義とか競争絶対主義とか、そういう何か荒々しい考え方というものは方向転換されつつあるんだと私は思っておりますし、私は日本の社会の在り方としてはそうでなければならないんではないかと思っております。

○大門実紀史君 よく分かりました。
 次に、ちょっと具体的な問題を残った時間、取り上げさせていただきたいと思います。
 税に関する問題ですけれども、今この不況で、中小業者、中小企業の税の滞納が高い水準のままといいますか、件数では増えているところでございます。それに対しての税務署の取立て、差押えの問題をちょっと取り上げたいと思いますけれども、もちろん悪質な滞納者に厳正に対処するのは、これは当然のことでございますけど、今申し上げたように、不況の影響で払いたくても払えないと、ちょっと待ってくれという中小業者が生まれているわけなんですけれども、その人たちにも、全部の税務署とは言いませんけど、税務署が容赦のない非情な取立てをやるという例や相談が私のところにも来ておりますので、若干ちょっとどんなことが起きているか、簡単に申し上げますと、例えば鳥取の米子税務署では、自動車販売の方、Tさんとしておきますけれども、五年前に商品の車を盗まれちゃったんですね、五百万円の。それ以来、その穴埋めのために税が滞ってきたんですけれども、税務署員はそのTさんのところに来て、分納したいということも受け付けずに、とにかく払えということで学資保険を差し押さえると。Tさんは納税の猶予を申請したいと言っても、その税務署員は、そんな申請書勝手に出すなら出せ、差押えはさせてもらうということで申請を拒否するというようなことが起きていますし、電気工事の方ですけれども、この方も工事代金の不払詐欺に引っかかってから、二千五百万の不払詐欺に引っかかってから負債を抱えて、それで滞納が始まって、本税三十万、延滞税を含めて三十六万ですけれども、少しずつ払ったんですけれども、この米子税務署の税務署員が分納はさせないということで、売掛金を押さえるというようなことが行われています。
 こういう例はもうほかに大阪、全部言いませんけど、泉佐野でも大分でも行われていますし、私が直接相談を受けた東京の、これはT税務署としておきます、国税庁に指導しろということを言ったら改善してくれたのでイニシャルだけにしておきますけど、事例の中身はひどくて、ずっとまじめに納税してきた人が、この方は、社員が会社の金を持って逃げちゃった、横領事件が二回もあったんですけどね。それでまた滞納が始まったりしたんですけれども、要するに、この場合も税務署が相談に乗らないで売掛金の差押えをやるということで、五月中の社員の給料を払えるか払えないかと、資金繰りが回らなくて会社が倒産するか倒産しないかというところで相談があって、国税庁を通じて対応の仕方を改善してもらって差押えの解除をしてもらいました。今は一応分納の相談となっていますが、こういう事例が、もう言えば切りがないですけど、いっぱい来ているところでございます。
 特にこの間、売掛金の差押えというのが非常に増えているんですけれども、こんなことをむやみにやられると、中小企業は資金繰りが回らなくて、税金、滞納を払うどころか会社がつぶれてしまうということになるわけでございます。こういう滞納処分、差押えについては、既にかなりきちっとした指導監督の文書とか通達が出ているんですけれども、それを現場で、知らないのか、守らないという例が非常に起きているわけでございます。
 そういう点で、改めて国税庁に確認をしておきたいと思いますけれども、まず、納税者がなかなか納付できないと、そういう申出があったときは、税務署はまずどういう対応をすることになっているのか、ちょっと簡潔に説明してくれますか。

○政府参考人(岡本佳郎君) お答えいたします。
 まず、大原則でございますけれども、我々、納税者に対しては、滞納が生じた場合にも親切な態度で接する必要があるというふうに考えております。したがって、滞納整理に当たりましては、まず一括で納付慫慂をいたしますけれども、滞納者の方から一括納付が困難であるという相談があった場合には分割納付の相談に応じるなど、個々の実情を十分把握した上で、滞納者個々の実情に即しつつ、法令等の規定に基づき適切に対応しているところでございます。

○大門実紀史君 昭和五十一年、ちょっと前の通達なんですけれども、納税の猶予等の取扱要領というのが国税庁通達で出ておりますけれども、そういう場合には、ちゃんと書いてあるんですけど、その納税者の実情を十分調査して、納税者に有利な方向で納税の猶予の活用を図るように配慮すると、非常に親切なことが書かれているわけですね。このとおりやられていないというのは先ほど言った事例でございます。
 もう一つ申し上げたいのは、これは去年、我が党の佐々木憲昭衆議院議員が額賀大臣あるいは前佐々木国税庁次長のときに質問した問題ですけれども、この納税の猶予というのは、災害とか火災だけじゃなくて、経済状況の悪化、これも適用要件に該当するというふうに答えておられますけど、この見解は今も変わりませんか。

○政府参考人(岡本佳郎君) お答えいたします。
 納税の猶予の要件といたしましては、納税者がその事業に著しい損失を受け、それによりその国税を一時に、いっときに納付することができないと認められるときに、その納付することができないと認める金額を限度として、納税者の申請に基づき、一年以内の期間に限り行うことができるというふうに国税通則法第四十六条に定められております。
 御指摘のような、資材の高騰などにより国税の一部を納付することができないと認められる場合も、その要件に該当するものとして取り扱っております。

○大門実紀史君 先ほど言いましたけれども、現場ではそのとおりになっていないんですね。横領に遭ったとか盗難に遭ったとか、そういうことさえ考慮しないと。経済の悪化以前の問題ですよね。それも考慮しないで差押えをやっているというのが米子とか大分などの例で、東京のT税務署の例だったわけでございます。
 もう一つは、税金をすぐ納められないという場合は納税の猶予の申請を提出することはできるんですけれども、これも何だかんだ言って受け付けないと。受け付けるといろいろ対応をしなきゃいけないから受け付けないということが実例で起きておりますが、これは、要件を満たした書類ならば必ず受け付けなきゃいけないということになっていると思いますが、いかがですか。

○政府参考人(岡本佳郎君) 納税の猶予の申請に当たりまして、猶予を受けようとする理由や猶予を受けようとする期間、法令に定める事項を記載した申請書が提出された場合には、これを受理しているところでございます。ただ、提出された申請書の記載に不備がある場合には、その補正を求めている場合もあろうかと思います。
 個別のことについてはちょっとここではお答えできませんけれども、場合によっては、納付相談の際に、納税者から納税の猶予に該当するかどうかというお尋ねを受けた場合において、法令が定める納税の猶予の要件に該当しないという場合は申請書を提出いただいても不許可になりますという説明を納税者の方にしているケースもあるかとは思います。

○大門実紀史君 そうなっていないケースでございますので、後でまたお伝えしたいと思いますけれども。
 もう一つは、これも重要な通達なんですけれども、国税徴収法の基本通達四十七の十七では、差押え財産の選択は、生計や事業に与える影響が少ないことを考慮しなければならないと。したがって、商売をやっている人の売掛金なんかをばんばん押さえるというのはそう簡単にはできないわけですけれども、東京のT税務署の場合は、差し押さえたらその会社つぶれるというのが分かっていても、おたくの会社つぶれようが知ったこっちゃないと税務署が暴言を吐いてやった例でございます。
 この通達というのは今も生きていますよね、当然。

○政府参考人(岡本佳郎君) 御指摘の通達ですけれども、差し押さえる財産の選択につきましては、第三者の権利を害することが少ない財産であることとか、滞納者の生活の維持又は事業の継続に与える支障が少ない財産であること等々に十分留意して行うという通達でございます。
 ただ、現実には、納付慫慂や差押え予告を行っても納付の意思を示されないような場合とか、納付約束の不履行を繰り返されるような場合などについては、期限内に納税した納税者との公平性の確保を図る観点から、このような財産以外であっても差押えをすることがあると承知しております。

○大門実紀史君 もちろん私も、先ほど、冒頭申し上げたとおり、悪質な事例ではこれは当然あり得ることで、何もかもやっちゃ駄目と言っているわけじゃありません。そうじゃない事例でずっとお話ししているんですね。
 今もいろいろ確認しましたけど、既に法令上、通達上やってはいけないことは決められているわけですね。それをちゃんとやってくれれば、こんないろんなトラブルはないわけでございます。法令とか通達に決められているのに、それを逸脱したことを現場の税務署員がノルマ主義に追われてやっているところからこういう問題になっていると。私のところにも相談が来て、国税庁も出向いてもらって、指導、改善してもらったということになるわけでございますから、こういうことが起こらないように、ちゃんと通達を守るように、法令を守るようにということを税務署員にきちっと再度徹底してほしいと思いますが、いかがですか。

○政府参考人(岡本佳郎君) 繰り返しになりますけれども、滞納の整理に当たりましては、個々の納税者の実情等も十分把握した上で分割納付の相談に応じるなど、実情に即しつつ、法令の規定に基づき適切に行うというのが大原則でございます。
 現場においてもこうした趣旨が徹底されるよう、改めて指導してまいりたいと思います。

○大門実紀史君 では最後に、与謝野大臣に伺いますけれども、こういう税務署が、一年に一遍ぐらいこうやって確認したりいろいろやらないと、また現場が先走ってやるんですね。それで、絶えずこうやって国会で取り上げてきているんですけれども。
 額賀大臣のときも、生かせるものをつぶすような、殺すような取立てはやるべきではないと、生かしていくものは生かしていって、それで税金を払ってもらうというのが一番いいんだということを答弁されました。与謝野大臣には初めてお聞きすることになると思いますけれども、取立てすりゃいいというものじゃなくて、生かしながらちゃんと払ってもらうというのが基本だと思います。
 そういう行き過ぎた税務行政のないように、大臣からも一言いただきたいと思います。

○国務大臣(与謝野馨君) やはり法令は厳格に適用しなければならないことは当然であるにしても、やっぱり法令を適用するときにはその適用の仕方が事案に対して相当性を持つか、妥当性を持つかということをよく考えながら法令を適用しなきゃいけないと。これは税法だけでなく、すべての法令は、そういう相当性とか妥当性とかということを考えながら適用していくことが法治国家の原則の一つだと私は思っております。

○大門実紀史君 もうそれは次長が言われたんですけれども、そこのところで恣意的になるわけですよ。もうやっちゃおう、取っちゃおうと。このノルマ主義といいますか、やっぱり中小企業は一番大変なときですから、生かす方向で税務行政が当たるべきだという、この姿勢について大臣にちょっと聞きたかったんです。

○国務大臣(与謝野馨君) それはやはり、税を払ってくださる方を破綻まで追い込んで税を取ろうということは妥当性に欠くと思っていまして、やっぱりそこは何とか工夫して払えるようにという、許される行政の裁量の範囲内で精いっぱい納税者のことも考えながら徴税行政に当たるべきだというふうに私は考えております。

○大門実紀史君 終わります。

○大門実紀史君 日本共産党を代表して、本改正案に反対の討論を行います。
 反対の第一の理由は、中小企業より大企業を優遇する対策になっていることです。
 企業の研究開発減税は、二〇〇七年度実績でいえば、減税額の九三%が資本金十億円以上の大企業であり、中小企業はわずか二・七%にすぎません。中小企業の交際費課税を軽減するといいますが、これも黒字企業が対象であり、赤字経営に苦しんでいる約七割の中小企業にとっては無縁の措置であり、経済対策としてほとんど効果がなく、誠に筋の悪い政策です。
 反対する第二の理由は、住宅取得のための贈与税減税は、一部の資産家への恩恵をもたらすとともに、資産格差を固定するものとなるからです。
 以上の理由から、本法案に反対をいたします。
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