● ● ● ● 大門みきし Daimon Mikishi  ● ● ● ●


■ 2010年4月20日  財政金融委員会 みずほ銀行による中小企業への通貨オプション押しつけによる金融被害について
○大門実紀史君 大門でございます。
 今日は、第一生命問題は一回お休みをさせていただいて、先週出た監督指針に関して質問をいたします。
 ただ、せっかくですから、畑中局長来られておりますので、第一生命問題、引き続き、大臣の御指示もございましたので、きっちりと調査お願いしたいと申し上げておきます。
 今日はみずほ銀行の通貨オプション問題に関係して質問いたしますが、去年の六月、この委員会で、銀行、特にみずほ銀行が中小企業に対して通貨オプション契約の金融商品を販売して多くの被害者が出ているという問題を取り上げました。要するに、例えば一ドル百円なら百円というオプション契約を銀行が中小企業との間に結んで、円高になったら中小企業が銀行にお金を払うと、円安になったら逆に銀行が中小企業にお金を払うというふうな通貨オプション契約でございますが、これが金融危機以前にみずほ銀行は盛んにこの金融商品、契約を、商品を販売して、これから円安になるということを説明して中小企業に売りまくったわけでございますが、これが円高になって大損害が中小企業に出ているということで、資料の一枚目に、金融庁もいろいろヒアリングをしていただいたらそういう苦情が増えているというふうなことが資料にございますけれども、そしてやっと先週の四月の十六日ですか、金融庁は銀行とか金融取引業者向けの監督指針の見直しをされたということでございます。
 この監督指針の見直しで、私が去年、みずほ銀行の例で指摘した点がどういうふうに盛り込まれたか、簡潔に説明をしてもらえますか。

○政府参考人(畑中龍太郎君) お答えを申し上げます。
 昨年の六月、当委員会での委員の御指摘も踏まえまして、通貨オプションを含みますデリバティブで苦情等のございました大手行及び苦情のありました地域銀行、こうした先に対しまして、苦情相談の発生原因や販売体制の見直し状況について昨年末までに報告を徴求をいたしました。その結果も踏まえまして、ただいま御指摘ございましたように、本年四月十六日に監督指針の改正を公表、施行いたしたところでございます。
 例示的に申し上げますと、デリバティブの販売時点で最悪のシナリオを想定した損失でありますとか解約清算金額を説明しているか、こういったところを重点的に検証していくと。あるいは、顧客のヘッジニーズに応じたデリバティブ取引の有効性などを確認しているか、実需に基づくものかどうかということでございます。またあわせて、先般、委員会で御指摘ございました、不招請勧誘の禁止の例外とされております外国貿易その他の外国為替取引に関する業務を行う法人には、例えば、国内の建設業者が海外から材木を輸入するに当たって、海外の輸出者と直接取引を行うのではなく、国内の商社を通じて実態として輸出入を行う場合は含まれると、この辺の解釈を明確化いたしたところでございます。
○大門実紀史君 すべて私が指摘した点を監督指針に入れていただいたというふうに思います。つまり、みずほの場合は特にそうだったんですけれども、契約を解約すると巨額の清算金取られるということを最初に説明していなかった点を今度はちゃんと説明をしろということになっておりますし、為替変動について断定的なことを言うなと、円安になるとか断定的なことを言うなということも、そういう説明をしちゃいけないということと、不招請勧誘の例外に、貿易をやっている中小企業にはどんどんセールスをやっていいというふうになっているわけですが、その貿易をやっている中小企業という中に国内の材木屋さんから材木を仕入れている建設業者まで入れていたと、拡大解釈をしていたと、この点も、当時の内藤局長が私に答弁されたそのままの言葉を監督指針に具体例として入れていただいておりますので、この指針の改定は大変評価をしております。これからの被害を防ぐために役に立つんだと思いますけれども。
 問題は既にたくさんの被害が起きているということなんですが、この既に起きている被害については、金融庁、どういうふうにされますか。

○政府参考人(畑中龍太郎君) 様々な苦情がございますので、これは、あっせんでありますとかいろいろな経路をたどって金融機関と当該当事者の間で様々な話合いが行われていると思いますが、私どもといたしましては、先ほど申し上げましたように、金融商品取引法など関連法令にのっとった勧誘を行うこと、あるいは優越的な地位を不当に利用して取引において顧客に不利益を与える行為を行わないこと、また、最悪のシナリオを想定した損失でありますとか解約精算金額について創意工夫を凝らしながら書面を交付して説明するというようなことを強く求めておりまして、個別の紛争においても誠意ある対応を促してまいりたいと思っております。

○大門実紀史君 今回の監督指針の改定というのは、別に指針の趣旨を変えたわけでも何でもなくて、元々、指針には金融商品の販売の説明はちゃんとしなさいとかですね、不招請勧誘の例外を拡大解釈するなんというのは元々とんでもない話でございまして、強いて言うなら今回の改定は手取り足取りこういうことをやっちゃいけないよというふうに念押しをしたような改定でございます。
 逆に言うと、今回改定で明らかにされたことによって、みずほ銀行がやってきたことは監督指針に逸脱していたということが逆にはっきりしたわけでございます。みずほは円高にはならないといった断定的な、為替変動について断定的に説明しておりました。これは私がみずほ呼んだときも認めておりますし、不招請勧誘の例外になぜしちゃいけないんだと、建設業者が材木買うのに影響あるだろうというようなことを平気で言っておったわけでございますから、それを組織的にやっていたわけでございます。
 したがって、今度の監督指針の例、逆に言うと組織的にやってきたみずほというのは指針に反することをやってきたということがはっきりしたと思うんですけれども、みずほ銀行の個別の案件ではなくて、みずほ銀行全体がこれ組織的にやってきたことについて、これ何のおとがめなしでいいんですか。

○政府参考人(畑中龍太郎君) 個別の金融機関に対する監督対応につきましてはコメントすることは差し控えさせていただきたいと思いますが、いずれにしましても顧客保護の観点から、私どもとしては引き続き厳正な検査監督に努めてまいりたいと思っております。

○大門実紀史君 みずほは不招請勧誘の問題だけではないんです。私、この通貨オプション被害事案を多数取り扱っている弁護士さんから事例をヒアリング、お聞きいたしました。金融庁にも話が届いているかも分かりませんが、実はみずほ銀行は輸入じゃなくて輸出の業者、つまり円高のメリットがない業者にまでこの通貨オプション契約の販売をしております。
 資材の実際の取引から見て、こんな過大なリスクヘッジする必要がない中小企業にまでこの契約を結ばせております。つまり、不招請勧誘の問題だけではなくて適合性の原則ですね、これにも反する事例がたくさんございまして、特に悪質だというふうに思います。みずほ銀行自身に資料を出させましたら、二年間で百件を超える苦情が出ておりますということを認めております。
 今、畑中さんおっしゃったとおり厳正に調査をしていただきたいし、指導してもらいたいし、指針に明らかに違反することを組織的にやったということが明らかになれば、これ当然処分の対象にもなると思いますが、きちっとそこやってほしいと思いますが、みずほ銀行についてやってほしいと思いますが、いかがですか。

○政府参考人(畑中龍太郎君) 個別の金融機関についてああするこうするというのは、私の立場から申し上げられないんでございますが、この種の商品を取り扱っておりますあらゆる金融機関に対しまして、御指摘のように今回の監督指針に沿った対応がきちっとなされているかどうか、これを引き続ききちっとフォローをしてまいりたいと。その上で、もし法令等事実に即して問題があれば厳正な対応を行ってまいりたいと考えております。

○大門実紀史君 そうですね、ここでみずほをやりますとは言えないと思いますけれども、組織的にやってきたというのはもう明らかでございますので、厳正な対処を求めておきたいと思います。
 最後に亀井大臣にお聞きいたしますけれども、これは、みずほは特に組織的にやったということが明らかになっているんですけれども、ほかの銀行でもあるいは地銀でも、金融危機の前ですけれども、大量にこの通貨オプション契約が結ばれておりまして、中小企業に対して売りまくりました。中には、今もありましたけど、貸し手という立場を利用する、優越的利用、立場を利用して売りまくったという点もございます。全体として数千件とか何万件というオーダーでこの契約が結ばれておりますし、今考えますと、ほとんどが相当の損害金、金額がかなり何千万という単位で中小企業は払わされるわけなんですけれども、被害が出ているというふうに思います。
 是非、これ大きな問題になってくると思いますので、みずほだけではなくって、畑中さんおっしゃったとおり、全体でどれぐらいの被害とか実態になっているか、金融庁として是非、問題意識持って調べてもらいたいと思いますが、大臣に一言いただければと思います。

○国務大臣(亀井静香君) 私は、着任以来、かねがね現在の金融機関が、残念なことでありますけれども、もう長い期間にわたってそうした本来の社会的責任、それをどうも忘れているんじゃないかと思われるほどのそうしたマターが私は本当に目立ち過ぎている。それについて、金融庁が力でこれを監督検査という形でやっていくだけではなくて、金融機関自体がやっぱりこれを反省をして本来の姿に立ち戻っていただくことをしなければ、私はどんなに金融界から批判されようとも、今の金融界の体質を変えていくことに対して私は全力を挙げていきたいと思っております。

○大門実紀史君 是非、次の社会問題になりつつありますので、大臣が言われたような姿勢で取り組んでいただきたいと思います。
 これで質問を終わります。

○大門実紀史君 大門でございます。
 白川総裁、久しぶりの国会でお疲れだと思いますので、山口副総裁だけにお聞きしたいと思います。
 あのリーマン・ショックから一年半ということでございますけれども、あのときは金融の大崩壊、世界同時不況ということでもう大変なことでございましたので、世界各国の首脳も政府機関も中央銀行もそれなりに反省をしたり、教訓を引き出したわけでございます。
 ところが、日本の当時の自公政権は余りその反省がなく、日本は余り関係なかったみたいな、金融庁もそういうところがございましたけれども、それで、この間株価がちょっと戻ってきたと。もうのど元過ぎればといいますか、また行け行けどんどんみたいな今日も発言がありましたけれども、日銀に対してもあれやれこれやれと。金を買えですか、金を買えとか土地を買えとか、もうしまいには原油を買えと言い出すんじゃないかと思うぐらい、もうむちゃくちゃな話ですよね。ああいう意見には耳を貸さないようにしてもらいたいというふうに思います。
 やっぱりきちっと、のど元過ぎればじゃなくて、あのときの教訓をきちっと引き出さなきゃいけないと。大体、この間もお話ししたことあるんですけれども、あれやれこれやれと言う人に共通しているのは結構資産家の方が多いですね。自分の資産がかなり目減りした、何でもいいから増やしてくれ、戻してくれと、そんな人が中心に言っていることでございますので、世のため人のためなんて、もうちゃんちゃらおかしい話でございますので、その辺も正確に聞いてもらいたいなと思います。
 私は、そういう疑問を持ったときに山口副総裁の講演録を読んで大変興味深かったわけでございます。これ、「ユーロマネー」というのはイギリスの雑誌か何かですかね。これ、講演されたのは去年の九月ということですが、私が読んだのはもうちょっとその後なんですけれども、ユーロマネー日本資本市場コングレスにおける講演ということで、金融危機一年、若干の感想ということで、私は今日はちょっと時間がないので、全部私が紹介するわけにいきませんけれども、特にこの中で山口副総裁が言われている、政策当局と市場参加者との間でこれまでの金融危機から得られた教訓を一つの常識として広く共有することができれば、このインセンティブの在り方が変わって市場参加者の行動の行き過ぎを小さくすることができるというふうなことも書かれておられます。
 とにかく規制とか金融技術だけではなくて、もっと、何といいますか、人間が懲りもせず同じ失敗を繰り返すというか、どうしても欲に目がくらんでしまうというか、こういう部分について非常に示唆に富んだことを言われておりますので、大変私興味を持って読ませてもらいました。
 山口副総裁として、あのような金融危機を二度と繰り返さないためにどういうことが重要かという点を二分ぐらいでしゃべってもらえればというふうに思います。

○参考人(山口廣秀君) お褒めの言葉をいただきまして、ありがとうございます。
 多分、先生自身、金融危機を二度と起こさないということ自体が非常に難しいテーマだということは十分御理解された上での御質問かというふうに思っております。
 実は、金融危機あるいは信用バブルの生成と崩壊というようなことをどう防いでいくのかということについては、二つ観点を持って今議論されていると思います。一つは金融機関に対する規制、監督の在り方、それから、それと重なる部分はありますが、マクロプルーデンス的視点の踏まえ方、こういったことを含めて、現在、各国政策当局それから国際機関などで鋭意検討が進められているということでございます。この点は御承知のとおりであります。
 世界的に見てみますと、金融危機は姿や形を変えながらこれまでも繰り返し発生してきております。今回の金融危機ということに即して考えてみますと、実はその前段として非常に重要なことが起きておりました。グローバルに見てみますと、高い経済成長が続いたということであります。それから低い物価上昇も続いた、それから金融緩和が長く続いたと、この三点セットが存在したわけであります。
 こうした中で様々な過剰ですとか行き過ぎの蓄積が行われたということでありますが、こうしたことを人々の行動様式といった切り口で見てみると何が言えるかということでありますが、やはり良好な経済金融環境が続く下では、各経済主体において過剰な自信、自信過剰と言ってもいいんであろうと思いますが、あるいは慢心といったことが生ずるおそれがあると。これが結果として経済全体の大幅なリスクテークにつながったということであったように思っております。
 したがって、問題の一つは、こうした人々の行動をいかに制御していくかということになるんだろうと思っておりますが、先生御想像付くとおり、非常に答えを出すのは難しいところであります。
 ただ、幾つかの点は今の時点においても頭に置いておく必要があるかというふうに思っております。三つあるんじゃないかと思っています。
 一つは、良い経済金融環境が続くと、そのこと自体に将来に向けての落とし穴あるいは不均衡が潜んでいるということであります。これをひとつ頭にきちっと置いておく必要があるということであります。
 二つ目は、良好な金融経済環境というのは永遠に続くことはないということであります。いずれかの時点で必ず終えんを迎えるということが二つ目であります。
 それから三つ目は、良いそうした経済環境の下では危険な落とし穴が先々待ち構えていることについて警鐘を鳴らしても、警鐘を鳴らす勇気を持った人がいたとしても、それが無視されがちだというのが三つ目であります。
 今申し上げたような三点を、政策当局者とかあるいは市場参加者を含めて多くの人々の間で常に忘れない常識として持っておくことが大事だというふうに思っておりますし、それができれば人々の行動のコントロールという点でもこれから先何がしか有益なものがあるのではないかというふうに思っております。
 簡単ですが、以上であります。

○大門実紀史君 いいお話をありがとうございました。
 もう今日はいろんな議論ありましたので、個別のことはお聞きいたしません。
 ちょっと抽象的な議論が今日は一日続きましたので、ちょっと生々しい話を質問したいというふうに思いますが。
 この間私が取り上げてきた問題で、第一生命の不払隠し関連でございますが、亀井大臣、わざわざありがとうございます。最初に第一生命の不払隠しを取り上げて二週間がたちました。途中、決算委員会でも一度やらせていただきまして、今日が三回目ということになります。
 今日は国会の運営にかかわる重大な問題として取り上げたいと思いますが、その前に、この間、第一生命の不払隠しのその後のことについて若干お聞きしておきたいと思います。
 この前は別病院の事案について第一生命が個別の請求案内をしていないということを指摘しました。これだけで二万件以上、二十億から三十億の不払隠しになります。
 前回の質問で、質問するときに朝日の報道があったものですから、第一生命が既にホームページで、朝日新聞の報道は事実無根だと、我が社は支払総合システムで全部案内していますと、公表していると。それを私、この委員会でそれはうそだと、そのシステムでは別病院について検索ができない、別病院検索は手作業、目視だと、だから第一生命のホームページにはうそが書いてあるという指摘をしたら、すぐ削除をいたしました、第一生命のですね。
 これは、一般契約者には分からないだろうと思って、うそを堂々とホームページで載せていて、指摘されたらすぐ削除するということでございまして、いかに契約者をばかにした会社かというのが分かるかと思いますけれども。その削除したことそのものが指摘どおりだということ、つまり個別の請求案内はしていなかったことを自ら告白するようなことにもなるわけでございます。
 この問題は、全体として、亀井大臣にも大塚副大臣にも厳正に対処するというふうにおっしゃっていただいて、具体的にいろいろやっていただいているのはもう承知しておりますので、全体としては信頼しております。
 ただ、このホームページが削除されたということからすると、もし大臣、報告を受けておられたら教えてほしいんですけれども、この別病院について請求案内を私はしていないという指摘をしたわけですけれども、結局、請求案内していなかったのか、していたのかということは、どうでしょう、それぐらいは二週間あったら確認できたと思うんですが、大臣、報告受けておられますか。

○国務大臣(亀井静香君) 委員から具体的な御指摘をいただいておりますが、委員御指摘のように、契約者との関係また社会との関係、誠実に業務をやるのは当たり前の話でありますが、いろいろ問題があるということを深刻に金融庁としても受け止めておりまして、現在鋭意もう全力を挙げて調査中でございます。私が怠けておるわけじゃございませんが、そういう具体的な問題についてまだ詳細に承知しておる状況ではございません。

○大門実紀史君 更にございまして、私の知り合いで第一生命の保険に入っている者がおりまして、彼が第一生命に対して、朝日新聞やあるいは大門議員が指摘したことは本当かということを直接第一生命に問い合わせたら、あれは事実無根ですということを答えております。全面否定しているわけですけれども、その一方で、金融庁から聞いたら、第一生命は、私が指摘した点について、部長を交代させて新たなチームをつくって過去にさかのぼって検証するという体制を新たにつくったそうでございます。
 私、このこと自体ちょっと気を付けなきゃいけないなと思うのは、第一生命の今までのやり方でいきますと、よくこういうことやるんです。アリバイづくり的にチームをつくったりして、責任者を替えてトカゲのしっぽ切りみたいにやってですね。
 実際には、この不払隠しを一貫して陣頭指揮を執ってきたのは、上場した今の社長の渡邉光一郎、当時の常務、専務でございますから、その体制を変えるとか、下だけ何か替えたからって、陣頭指揮を執っているのは彼なんですから、彼が責任を取らない限り何も変わらないわけでございまして、したがって、前の責任者の責任にするとか、改めて、知らなかった、検証するというのは、そういう言い訳は通らないということを指摘した上なんですけれども、いずれにしても、国会で私が指摘した別病院とか入院中の請求、あるいは病院で死亡したケース、この一連の請求案内をしない、言ってきたものだけ払うという案内漏れ、支払漏れですね、これをもう何か今後請求案内をするという方向に第一生命の中でなってきているようでございます。
 国会で指摘したり朝日新聞に取り上げられたりして、これから案内を出す、支払漏れを払っていくというのは、それそのものは結構なことなんですけれども、私は、それだけで済むのかと。つまり、意図的に不払を隠しておいて、その責任を隠ぺいしたまま、言われたら払いましょうといって案内を出すと、こういうことが許されていいのかなと、こんなみっともないことが、一部上場した第一生命でこんなことをやっていていいのかなというふうに思います。
 それで、行政上の問題点としては何が問題かといいますと、二〇〇七年の二月に、つまり金融庁から、生保がいろんな不払を起こしているというので報告を出せという報告命令を出して、そしてその十月に各大手生保が報告を出したわけでございます。この時点で、第一生命は、別病院は個別に案内をしております、そしてホームページに載っけたようにシステムをつくって検索できるから大丈夫ですと、漏れはありませんという報告を金融庁にしております。
 これは、なぜそういうことをやったかというと、当時、前回この委員会で指摘したように、第一生命はそもそも請求したものだけ払うという請求主義を会社の方針としてやっていましたので、たくさんの支払漏れがあったわけです。社会問題になったからといって、ちゃんと報告しろと言われると、第一生命だけが物すごい多い数字になってしまうと。数字を減らすために、こういうものを意図的に除外したということでございます。
 それが指摘されたからといって今から払いますというのは、払うのはいいんですけれども、この報告は第百二十八条に基づく報告でございますので、これに対して虚偽の報告をしたということは、これは大変重い罰でございます、虚偽報告というのは。これは業務停止処分に該当すると思います。私は、きちっと、今調査に入ってもらっていますけれども、その結果、この報告が虚偽だったらば、間違いなく第一生命を業務停止処分にすべきだと、法律的にいえばそういうことになるわけですから、是非そういう厳正な処分まできちっとしてもらいたいと思いますが、亀井大臣、いかがでしょうか。

○国務大臣(亀井静香君) 現在、金融庁としては、これは当然の話でありますけれども、全力を挙げて調査しております。その結果については、責任を持って適正な対応をしてまいります。今調査中でありますから、その結果を推測してどうこうするというようなことを私は今申し上げるわけにはまいりません。

○大門実紀史君 それで結構です。事実が明らかになったときには、きちっとした処分をお願いしたいと思います。
 私は、質問しているのは、別に第一生命をどうこうしてやろうと思っているわけではありません。第一生命というのは、元々、一番契約者に親切な会社だったんですね、昔は。途中で方向として請求主義でやると決めてからおかしくなって、それを更に隠そうとするからどんどんどんどんうその上塗りが続いていると。是非、上場した機会に、きちっとうみを出して、責任を取る人は取って、再スタートを図ってもらいたいと。このままうやむやにして、黒々としたまま行くべきではないという点で、特に上場した会社ですので、そういう意味で、自浄能力を発揮してもらいたいという意味で質問しているわけでございます。
 そういう意味で、許せないのはこの第一生命の社長、渡邉光一郎さん、もうテレビにしょっちゅう出てきて時の人ですけれども、このままいくと七月に生命保険協会の会長になるということになります。こんな会社の社長が、この不払隠しの、しかも陣頭指揮を執ってきた人物が生保業界を代表するなんということは、もう国民、契約者、株主をばかにした話だと思います。これはもう、金融庁の指導で問題の白黒が七月だとまだはっきりしない可能性がありますけれども、少なくともこの渡邉社長が生保協会の会長就任するのはストップさせるべきだということを申し上げておきたいと思います。これも多分、亀井大臣は、そういう結果が出たら厳正なる対処をしてもらうと思うので、今の時点ではそれだけ申し上げておきます。
 それで、本題に入りますけれども、この生命保険協会なんですけれども、そもそも、これは金融庁所管の公益を目的とした社団法人でございます。本来は生命保険業の健全な発展、信頼性の維持、そのための必要な行動を行うということになっていますけれども、ところが、とんでもない政治工作、国会議員工作をやってまいりました。
 生保業界から自民党国民政治協会へは毎年合わせて約五千六百万円の献金がなされてまいりました。これはもう衆議院で我が党の佐々木憲昭議員が取り上げたことがございます。その献金も、各大手生保で割り振りを決めて、あんたのところは幾らというふうに割り振りを決めてやっておりますし、パーティー券も相当購入しているだろうという、そういう可能性がございます。
 何を目的にお金をばらまいたのかというのは、実は生命保険協会の内部資料を入手をいたしました。その時々いろんなことをやっていますので、その状況に合わせて目的はいろいろでございますけれども、その都度、生保各社で役割分担まで決めてやっております。今日はそのうちの一つを明らかにしたいと思いますけれども、これが国会運営にかかわる重大問題でございます。
 先ほどの申し上げました不払の問題が社会問題になってきたのは二〇〇五年から二〇〇六年辺りでございまして、先ほど申し上げましたとおり、二〇〇七年二月に金融庁から生保各社に報告を出しなさいという命令が出ました。そういう中での二〇〇七年五月十八日に、衆議院財務金融委員会でこの生保問題、不払問題の参考人質疑が行われることになりました。
 この内部資料によりますと、協会の資料によりますと、生保業界あるいは生保協会そのものが、この参考人質疑の時間を短くしてもらいたい、厳しく追及されたくないと、そういう目的で、当時の自民党の金融関係の有力者そして衆議院財務金融委員会の理事メンバーに要請を行ったという資料がございます。これも各生保、特に大手四社ですね、第一生命、日本生命、住友、明治安田が中心に分担をしております。
 その内部資料によりますと、要請先議員と担当会社ですが、その資料に出ているのは、尾身幸次さん、当時の財務大臣でございます。この担当は第一生命が要請をすると。石原伸晃さん、当時は自民党幹事長代理、党金融調査会顧問でございます。担当は、これは生命保険協会が担当と。次が金子一義さん、当時の自民党の金融調査会会長でございます。担当は住友生命が担当すると。そして、山本明彦さん、衆議院議員ですね、当時財務金融委員会の自民党の筆頭理事でございます。担当は、これは生命保険協会が担当と。
 どういう要請を行ったかはちょっとまだ私の方で分かりません。名前が内部資料で、生命保険協会の資料で出ているわけですから、各議員が自ら明らかにされればいいと思いますけれども、要するに自民党金融関係の重鎮ばかりでございます。ただ、実際に財務金融委員会で参考人質疑の時間とか何かを決めるのは理事懇で決めるわけでございまして、今申し上げた中の与党筆頭の山本明彦氏の役割は決定的であったというふうに推測をされます。
 そして、実際に五月十八日の衆議院財務金融委員会の参考人質疑は、大変不思議なことに、わざわざ午前中に明治安田生命のコールセンターの視察を入れて、質疑そのものは午後の短い時間でやる、しかも損保と合わせてやるということで、生命保険、生保が一時間、損保が一時間だけの短い質疑となりました。もしも生保業界の要請にこたえて国会の運営が、委員会の運営がゆがめられたとしたら、これは大問題だというふうに思います。
 まず、金融庁のかかわりで亀井大臣にお願いをしたいのは、大手生保各社だけではなくて、生保協会そのものがこういう政治工作で動いていると。これは生保協会の定款には一切ない、こんな政治行動をするということは一切書いておりません。裏の行動でございます。この生保協会というのは、金融庁から指導、改善命令を受ける公益の社団法人でございます。隠れてこういう政治工作をやっちゃいけないところですね、生保協会というのは。是非検査、調査をしてほしいと思いますが、いかがでしょうか。

○国務大臣(亀井静香君) 私は、今委員の御指摘の関係、初めて私お伺いするわけでございまして、事実関係がどういうことなのか、一般的に国民の一人一人あるいは業界団体等が政党なり国会議員に対してそれぞれの立場から要請行動をやるということはあるわけでございまして、その内容が、これが適切であるかどうかということであろうと思います。
 委員御指摘の内容がどういうことであるかということがやはり私は問題であろうと思いますので、内容が不確実なもので、それが適切であったかどうかということを私はここで申し述べるわけにはまいらないと思います。

○大門実紀史君 必要があればこの資料お渡しいたしますので、検査をしてもらえればと思います。
 こういう各生保が、国会の委員会の運営を動かしてもらいたいということで、さっき言ったように献金をしている政党の議員を中心に動いていると。パーティー券だって恐らく買ってもらっている可能性があるわけですけれども、そういう関係は明らかにきちっとすべきだということを申し上げておきます。
 また、このときの生命保険の参考人というのは、斎藤勝利当時生命保険協会会長、これ第一生命の社長でございます。質疑で、山本明彦衆議院議員はその参考人質疑のときに、これ議事録にはっきりと出ておりますけれども、意図的な不払と請求漏れ、支払漏れは違うんだとか、あるいは第一生命の取組は大変よく頑張っているというふうな持ち上げの質問をやっております。まさに、生命保険協会の要請の意図にこたえているということが言えます。これは、そういう要請で質問したら請託に当たりますし、もしどこかでお金をもらっていたら収賄の疑いが大変濃いということになるわけでございます。
 その山本明彦衆議院議員は、その年の八月二十九日に金融担当副大臣に就任をいたします。ついでに言えば、九月十八日の金融審議会でも保険の窓販問題で生保の立場に立って発言をしております。そして、二〇〇八年の大手生保が横並びの業務改善命令を受けるわけです。このときの金融担当副大臣も山本明彦氏でございます。このときは外資系一社、第一生命が特にひどかったということがあったにもかかわらず、大手横並びの処分になったわけでございます。つまり、第一生命が目立たないようになったと。これ、第一生命にとっては不幸中の幸いでございまして、あのときに第一生命だけ特に厳しい処分があったら今回の上場はなかなか難しかっただろうということでございます。また、山本副大臣が当時盛んに金融庁に対していろいろ発言していたというのはマスコミ関係者の中でも大変有名な話でございます。
 こういう生保業界から国会議員が工作を受けるということがベースにあって、国会参考人質疑が短縮される、不払隠しがうやむやになる、金融庁が甘い処分をする、公益通報者が命懸けで身の危険を賭してした通報を無視をすると、立入検査でもおとがめなしになると。そしてその結果、無事第一生命が株式上場したというようなことだとすれば、これ大変大きな黒々としたやみの世界だと、やみがあるというふうに思います。
 私、政権が替わった今こそこの一連の流れを解明してほしいというふうに思いますけれども、亀井大臣、どうでしょうね。政権替わったんだからこういうことはもう全部解明するという点でいかがでしょうか。

○国務大臣(亀井静香君) 私は東京地検特捜部に籍を置いておるわけじゃございませんので、そうした事案の内容を調査するとか捜査するとか、そういうことができる立場ではございません。議員がそれぞれ議員の良識において行動しておるわけでありますから、金融庁の立場においては、今委員が御指摘のことについての調査をするといいましても、それは金融庁の立場からの調査にこれは限られるわけでございます。

○大門実紀史君 是非、金融庁がやれることは最大限やってもらえれば、私も最大限やれることはやります。
 是非、これは保険業界と財政金融委員会、財務金融委員会、国会の委員会との関係も出てくる大問題でございますので、委員長にお願いしたいんですけれども、このすべてを知る人物というのは第一生命社長の渡邉光一郎氏でございますので、委員会に参考人として呼んでいただくように理事会で協議をしてもらいたいと思います。

○委員長(大石正光君) 理事会で協議をさせていただきます。
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