● ● ● ● 大門みきし Daimon Mikishi  ● ● ● ●


■2011年3月29日 参議院予算委員会 福島原発事故は「想定外」ではなく人災、首相の認識をただす/原子力政策は転換を
○委員長(前田武志君) 次に、大門実紀史君の質疑を行います。大門実紀史君。

○大門実紀史君 昨日のこの委員会で報告されました福島原発事故報告書の二枚目なんですけれども、そこに想定外の津波により今回の事故が起きたという記載がございます。
 そこで伺いますけれども、一号機から四号機が想定していた津波というのは何メーターなんでしょうか。

○国務大臣(海江田万里君) これは、福島の第一の原子力発電所の設置許可時の安全審査においてでございます、昭和四十一年から四十七年にかけてでございますが、ここでは、小名浜湾の平均潮位でありますOPというのがございます。プラス三・一二二メートルということですから、その意味ではいつもと比べて三・一二二メートルと御理解いただければよろしいかと思います。

○大門実紀史君 今回観測された津波は何メーターでしょうか。

○国務大臣(海江田万里君) 今回は、東京電力が、これはその第一発電所の敷地の中の、例えば車が、駐車場の車が標高十四メートルのところに駐車場がございまして、そこの車が冠水をしておりますので、その意味では十四メートル程度はあったかと思っております。

○大門実紀史君 先ほど言われた三・一メートルの想定というのは、今から何年前に想定したものですか。

○国務大臣(海江田万里君) 先ほどお答えをいたしましたが、昭和四十一年から四十七年でございます。
 ただ、その後、幾つか独自にこの見直しを行っております。それは、平成十四年の二月に土木学会において当時の最新の知見を基に原子力発電所の津波評価技術がまとめられたわけでございますから……(発言する者あり)はい、それは東京電力が津波高を先ほどのOPプラス五・四から五・七メートルと再評価して対策を講じたということでございます。元々の建設の時期は、先ほどもお話をしましたけれども、三・一二二ということでございます。

○大門実紀史君 何年前ですか。

○国務大臣(海江田万里君) これが先ほどもお話しした昭和四十一年から四十七年ということでございます。

○大門実紀史君 要するに、四十五年前の甘い想定のまま現在まで放置されてきたということでございます。
 今まで我が党の、資料を配りましたけど、地元の共産党の県委員会、あるいは、国会では吉井英勝衆議院議員が繰り返し繰り返し、また市民団体も、要するにチリ地震、あの津波のレベルが起きたら危ないよと、今回のことは起きるよということをずばりいろんなところが指摘したにもかかわらず、東京電力はそれを拒否して、経産省、原子力保安院も無視し続けてきたわけでございます。今回の事故は、東電と政府がもう絶対日本ではそんな重大事故は起きないという安全神話に乗っかっちゃってもう安全対策を怠ってきた、その結果起こったものだと言わなければなりません。
 この点では、自民党政権が長かったわけですから、私は自民党の責任は大変大きいと思っているところでございますが、とにかく想定外という話はすべきじゃないと、これは指摘されてきた話であります。したがって、私はこれはもう明確に人災だと言っていいと思いますが、総理のお考えを聞きたいと思います。

○内閣総理大臣(菅直人君) 当時の津波に対する認識が結果として大きく間違っていたということは、これはもう否定しようがないと思っております。そういう意味で、どこまでの予測をするか、あるいはそれに、よく言われるように何年に一度の津波というようなことがありますけれども、いずれにしても、予測の基準が低過ぎてこうしたことを招いたと。チリ地震の水準をも満たしていなかったとすれば、私はそれはかなり、五十たしか一年前でしょうか、チリ地震がありましたので、その後にできた原子炉でありながらもしチリ地震の基準も満たしていないとすれば、それは相当問題だと。これから若干落ち着いた段階での原因究明にはしっかりとそのことも検証しなければならないと、こう思っております。

○大門実紀史君 これだけの大事故が起きたわけですから、この原発推進、安全軽視の今までの原子力行政そのものを抜本的に転換すべきだと思いますが、総理、いかがですか。

○内閣総理大臣(菅直人君) いずれにいたしましても、大きな事故でありますので、今申し上げたような原因を含め、しっかりと検証する必要がある。また同時に、このエネルギー政策全般の中でも我が国は太陽エネルギーあるいはバイオマスエネルギーなどクリーンなエネルギーについてもかなり力を入れてまいりましたので、そういうものも併せてどう日本のエネルギー政策を取っていくべきか、これはまた改めて議論が必要だろうと、こう思っております。

○大門実紀史君 海江田大臣にお願いしたいんですけれども、もう全国にある原発も決して安全とは言えないと思いますので、この機会に総点検をしてほしいと思いますが、いかがですか。

○国務大臣(海江田万里君) 総点検ということになりますと、止めての点検ということをおっしゃっているのかと思いますが、それは、御案内のように今大変電力の需要が厳しい折柄でありますから、それはいたしますということは言えません。
 しかし、今回のこの津波あるいは大きな地震から学び取れる点、幾つかございます。緊急にやっぱり今私どもはそれをまとめておりまして、特に今実は、定期検査などでストップをしている、そしてもう間もなくこれを、あるいはもう既に日程的には再稼働の時期が迫っている発電所に対して、まずこれだけはやりなさいよと、そしてしっかりとした報告を出しなさいと、保安院などでもしっかりとチェックすると、こういう運びにはしております。

○大門実紀史君 復興財源どうするかという話でございますが、経団連の会長が昨日、もう法人税減税はやめてもらって結構と、復興財源に充ててほしいとおっしゃいました。この際、もうはっきり、大企業向けの法人税減税きっぱり中止すべきだと思いますが、野田大臣からは伺ったことがございますので、総理から伺いたいと思います。

○内閣総理大臣(菅直人君) この法人税減税につきましては、従来いろいろお答えしたように、大企業を応援するというよりも、海外に移転することを、国内での立地を促進する、それによって雇用を維持確保するという、そういう側面から提案をさせていただいているわけであります。
 しかし同時に、今回の、もちろん予期することは誰にもできませんが、大震災というものを踏まえて、どういう対策に対してどういう財源を優先させるのか、このことは、今日、来年度の予算を成立させていただいたとしても四月には補正予算等も当然考えなければならない状況でありますので、その中で与野党間での政策の優先付けの議論なども踏まえて考えるべきだろう、考えていきたいと、こう考えております。

○大門実紀史君 いや、その中の一つじゃなくて、はっきり経団連会長までおっしゃっているんだから、この法人税減税についていかがですかと、これをどうするんですかと伺っていますけど。

○内閣総理大臣(菅直人君) 法人税減税を含め全てのことについて、予算の中には元々防災とかそういうものに入るものもありますけれども、そうでないものについてどうあるべきか、法人税減税も含めて優先すべきものは何なのか、そういうものも含めて補正予算の議論の中ではしっかりと議論してまいりたいと思っております。

○大門実紀史君 また、こういうときですから、特に株取引で大資産家ほど優遇されるあの証券優遇税制ですね、これも見直すべきだというふうに思います。そんなお金があれば、とにかく本当被災者支援に回すべきだと、株取引している人だってこんなときに税金まけてくれなんて言わないと思いますよ。要求されてきた金融庁、いかがですか。

○国務大臣(自見庄三郎君) 大門先生にお答えをいたします。
 上場株式等の配当所得及び今お話がございました譲渡所得について、厳しい今本当にデフレ脱却、どうするのかということが大変国家の大きな問題でございますし、たくさんの被災者も出られたわけでございますけれども、まず人命救助、それから生活支援と、こうなってくれば、やはり経済の方が活性化しないとなかなかそれも難しいわけでございますから、そういった意味で金融市場を活性化させる観点から、平成二十三年から、デフレずっと長く続いておりますから、これ二〇%を一〇%にずっと今軽減されておるところでございまして、証券税制それから金融市場というのは極めて資本主義経済の基本でございますから、そういったところを活性化させるためにも、この厳しい経済金融情勢に鑑みて延長することが適当であると、こう思っています。
 今先生から、一番大事な点でございますが、金持ち優遇税制ではないかという話がございましたが、もうこれは小さいことは言いませんけれども、非常に大口の投資家にはこの優遇税制は適用されておりません。これもまた厳しく五%以上の大口投資家ということで三%以上にしますし、それからまた、株式といいますと非常に金持ちの方が持っていると一般的に思われがちでございますが、三世帯に一世帯、千六百五十万世帯の方が持っておりまして、平均年収五百万以下の方が七割の株を持っておられまして、そういった意味で、マクロ統計によりましても、軽減税率導入後、株式、株式投資信託の保有額の伸びが高いのは高所得者でなくて中低所得者ということになっておりまして、したがって、今回の延長については金持ち優遇税制ということは私は当たらないのではないかというふうに思っております。

○大門実紀史君 ちょっと自見さん、もうちょっと浮いていますよ。もうそんなことを今誰も言っていないですよ。経団連だって競争力と言っていたのが、もうこのときだからといって復興財源に使ってくれと言っているんでしょう。あなた、政治家として判断しなさいよ、そんなの読まないで。国民新党は何のために与党に入ったんだよ。読まなくていいでしょう、そんなもの。昔の答弁書じゃないか、そんなもの。

○国務大臣(自見庄三郎君) 違いますよ。全然、全く違います。
 私たち国民新党としてきちっと、やっぱり私は金融大臣としてマーケットを預かっている、それから資本主義の基本的なところが金融資本でございますから、そこを、(発言する者あり)いいえ、違いますよ。非常時には非常時の考え方がありますから、金融市場をやっぱりそこを活性化しないと、ほかの景気や経済が良くならないと被災者の方も救われないわけですよ。
 ですから、そういった意味で、決して、今さっき言いましたように、多くの方が、今一般庶民の方が株式を持っておられる、そして、減税をしてもむしろ金持ち寄りの方よりも株式を持っておられる中あるいは低所得者の方に利益があるということでございますから……

○委員長(前田武志君) 時間が迫っておりますので、おまとめください。

○国務大臣(自見庄三郎君) 我々は決してそういうふうには思っておりません。

○大門実紀史君 復興してこそ金融市場も活性化するんですよ。復興が先なんですよ。何でそんなことも分からないんだ。
 幾ら言っても分からないみたいですから。元々財務省はこの証券優遇税制の延長に対して否定的でございました。政府税調もほとんどやめるべきだと言っていたわけですね。ここはもう財政当局が判断すべきときに来ていると思いますが、野田大臣、いかがですか。

○国務大臣(野田佳彦君) 震災からの復旧と復興が最優先だと思います。最優先をする上でどういう財源を確保するか、これはまさに与野党で合意できるものが私は必要だと思います。
 歳出面においても歳入面においても、これまでは正しいと思ってきたこと、御提起をしたことも含めて、私は全て見直しの対象になるというふうに思います。

○大門実紀史君 総理、民主党政権は格差を縮小するというのもテーマで政権を取られたわけですけれども、これ非常に格差を広げている原因だと、この証券優遇税制はね。これは財務省も認めてきたことなんですね。是非、その点もありますから、総理としてもこれは見直しの対象に入れてもらいたいと思いますが、いかがですか。

○内閣総理大臣(菅直人君) 今財務大臣から言われたように、まさにこういう未曽有の大震災に対していかに、どうした財源で対応していくか、こういう中には当然全てのことが入る中でこの問題も入っていくと、検討の材料になっていくと、このように申し上げていいと思います。

○大門実紀史君 もう一つ、昨日のこの予算委員会で取り上げたんですが、資料の二枚目なんですけれども、要するに、もう時間がないので簡潔に言いますと、福島原発の事故の損害賠償責任は第一義的に東京電力にあるわけですけれども、実質的な仕組みとしては、政府が補償契約を結んで国民の税金で先に支払われると、こういう仕組みになっております。法律の問題ではございません。実質的にはそういうことになっております。政府が国民の税金で先に損害賠償をするというのは、国民感情からいってこれはおかしいと、東電にまず払わせるべきだと、これはそういうことになるというふうに思います。もちろん、これだけの規模でございますから国が最終責任を持つと、国民の税金、補正予算を組むということは避けられないと思いますが、その場合でも東京電力にまず責任を果たさせるというのが当たり前だというふうに思います。
 これは、昨日はもういろんな大臣に、もう時間ないから、あなた分かってないからいいですよ、総理に伺いたいんですけど、東電にまず責任を持たせるという点、総理に伺いたいと思います。

○内閣総理大臣(菅直人君) 我が国の原子力損害賠償制度では、原子力損害が発生した場合、一義的に原子力事業者がその賠償責任を負うことになっていると、このように認識をしておりまして、一義的には当然東電の責任だと、こう考えております。

○大門実紀史君 まあ分かりました。終わりますけれども、そういう仕組みになってない、実質的になってないということ、これは当該委員会でも引き続き追及していきたいと思います。
 ありがとうございました。

○委員長(前田武志君) 以上で大門実紀史君の質疑は終了いたしました。(拍手)
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