● ● ● ● 大門みきし Daimon Mikishi  ● ● ● ●


■2011年7月27日 東日本大震災復興特別委員会 二重債務解消の党の緊急提案を示し、意欲あるすべての事業者を対象にすること、自公日改案の発議者「第三者機関を設置」することを答弁させる。
○大門実紀史君 日本共産党の大門でございます。
 まず、今回の法案の策定に参加されました議員の皆さんに心から敬意を表しておきたいというふうに思います。なかなかよくできた法案だというふうに思っております。大変御苦労さまでございました。まだ賛成と決めたわけではございません。何かこれから修正が行われるというような話がありますので、ちょっと最終的にそれを見てから判断ということになると思いますが。
 いずれにせよ、私も早くから予算委員会等で公的な買取りスキームの提案をしてまいりましたし、民主党のチームの責任者の方とも何度かお話をしましたし、中小企業庁とは随分早くからこの議論をしていたところでございます。当初、中小企業再生ファンドというものを出して、それじゃ駄目だということの議論もして委員会でも取り上げて、ようやく一応、いろいろ批判ありますが、公的な買取りスキームという形で政府が出してきましたけれども、まだまだ不十分といいますか、大変心配される点が多いわけでございます。
 そこで、昨日、実は、こういう法案審議にもかかわりますので、我が党として今まで国会で提案してきたことも含めて緊急提言ということで、配付していただきましたけれども、まとめました。是非、政府も野党の皆さんも参考にしていただければと思いますが、今日は若干この観点で質問させていただきますので、少しだけ紹介をさせていただきたいと思います。
 三枚目にスキーム図がありますので、その方が分かりやすいかと思いますが、要するに、絵にかいてみると、自公案と似ているところはございますが、中身的にはうちの方が先に打ち出していたということもありますので、御理解いただきたいと思いますけれども、まず違いだけ申し上げます。
 一つは、黄色いところですが、各県被災事業者支援委員会、ここのところが、恐らく自公案も考えておられると思うんですが、踏み込んで書いてございます。金融機関がやっぱり、市場経済ですから、力関係でいろいろ思うとおりにやってしまうということがないように、被災事業者の立場で支援する、相談を受ける、あるいは金融機関とも交渉、調整するというふうなところがどうしても必要じゃないかということが一つです。
 二つ目には、後でも質問いたしますが、要するにどこまで債務免除するのかと。被災者の事業者の立場に立ちますと、要するに、いろんな機構がありますが、機構から離れたときに、自立するときに、その後の事業計画で返済できる金額まで債務免除してもらわないと、そこでがばっと後から負担しろということになると、また倒産とか廃業が生まれるわけですから、返済可能額まで、軌道に乗った段階の時点で返済可能額まで、どこが債務免除の負担を受けるかは別として、するべきだということを明確にしたと。
 三つ目は、左上の預金保険機構の部分ですけれども、これは自公案もかませると、出資というのは同じですが、我が党の場合は、後々もし国民の負担、損失が負担と出た場合、やはり預金保険機構の資金を活用すべきじゃないかと。
 この三つの点が、少し踏み込んだといいますか、特徴かというふうに思います。
 今日はその点で質問させていただきたいんですけれども、まずその入口の話で、黄色い部分ですけれども、どんなにいいスキームを作っても、結局入口で、金融機関の判断、いろんなものがあって、そこで排除されると後のスキームが幾ら良くても救われないということになるのが現実の問題でございまして、実際には民事のルールでございますから、あるいは市場原理が働きますので、そこで金融機関が意図的に支援を拒否したり、あるいはもう売っちゃうと、売っ払っちゃおうとか、いろんなことが起こるわけですね。
 そういう点で、金融機関任せにしない、こういう第三者機関をつくって、中身的には、私は地方自治体が絡んだ方がいいとか、あるいは日弁連なども参加してもらったり、いろんな専門家の第三者的な方々でこういう委員会をつくって、具体的に被災事業者といろいろ一緒になって取り組むという形が現場的には実際問題最も大事なことではないかなと思いますので、載せました。
 今日は日弁連の新里先生に来てもらっていますけれども、まず、この点で日弁連のお考えをお聞きしたいというのと、せっかくですので、この我が党の案についても一言、御感想あれば聞かせてもらいたいと思います。

○参考人(日弁連副会長新里宏二君) 御質問をいただきまして、ありがとうございます。
   〔理事藤原良信君退席、委員長着席〕
 日弁連として今、公式な見解ではございませんけれども、個人版私的整理ガイドラインの中でも、各自治体単位で運営委員会をつくる、そして、その中に法律家、それから公認会計士、それから税理士さん、不動産の鑑定の業務を行う方、そのような専門家の方が入って調整作業をする、なるべくワンストップ型できちっと受け止めるような組織をつくるべきだということで、もう既に動いております。その支部も各沿岸部に十五か所ぐらいつくったらどうだろうかということで今動いているところでございますので、そのやり方は参考になると。
 私的整理ガイドラインの場合については、債務免除の申立てが、一つのコースは金融機関、一つのコースはこの第三者委員会を通じて免除ができるという格好になっておりますので、そういう仕組み自体が今回も参考になるのではないか。十分御検討して、やっぱり被災地で使われない仕組みではない、やっぱり寄り添うような格好で、専門家が優しく相談に応じられるような仕組みから入っていくのが極めて重要だろうというふうに思っております。
 その意味で、大門先生がいろんな形で二重ローン問題について国会で御質問をしていただいていて、各党も取り組んでいただくという格好の中で提言をまとめられたということについて、非常に熱心にやられていただいたということが種が広がっているというふうに思っておりますので、大変評価しております。
 以上でございます。

○大門実紀史君 それでは、この点、こういう、まあ名前はともかく、第三者的な支援体制、これについて発議者の皆さんはいかがお考えか、お聞かせください。

○委員以外の議員(提案者片山さつき君) ありがとうございます。
 予算委員会等様々な場で大門先生始め御党の先生方がこの問題につきましていち早く御指摘をされて、何段階かこの図がどんどん変わっていって、その質問のときには私どもも含めて全党から拍手が出ておりましたのを記憶しておりまして、私どももこういった御指摘を参考にさせていただいてこの法案を作っているという心がございまして、当然こういう第三者委員会のようなものがないとうまく機能いたしませんので、法律の上でも協力機関のようなものについて全てそれが対象になるようにしておりますし、現実にも日弁連さんからも何度も我々もヒアリングをさせていただいておりますし、およそこういった問題に関係ある全ての士業ですね、それから商工会議所、商工会、それから各種業界団体、もう何とかこの二重債務をしてくれ、その代わり我々も徹底的にその相談で付き合うよというお話をいただいているので、何とか御理解いただいて法案が成立したら直ちに、県ごとにと言わずにもっと細かい単位で、あるいはその業種も変えてもいいと思うんですね。やっぱり農業と商工業ではちょっと違うんで、第三者委員会をつくって円滑に動くようにやってまいりたいと思っております。

○大門実紀史君 ありがとうございます。
 もう一つの点、先ほどスキームで言いました、要するに、支援した後、機構を離れて自立していただくときに、返済可能額でなければ、全部支払うとかいろいろありますけれども、要するに御本人が返せる金額で再出発してもらうということが重要だと思いますが、その点でこの債務免除額は、簿価とか買取り価格とかいろんな前段であるんですけれども、最終的に御本人の何年かの事業計画の中で返済可能額のところまでいろんなところが協力して債務免除をしなきゃいけないというふうに思いますが、この点、自公案ではいかがお考えですか。

○委員以外の議員(提案者片山さつき君) 被災した事業者の再生でございますから、私どもは買取りについて五年、それから皆さん最長だったら十五年ということを考えているんで、かなりスパンが長いんでその辺は無理せずいけるんですが、そこでしっかりと見通しを持って返せる額ということを考えておりますし、そのために、債権を債権として持つだけではなくて、会社だったら株式なんですが、そうじゃなくても劣後債とか持分とか出資分とかそういった形で事実上凍結して、その間、その復旧や復興がしっかり見えてくるまで待って、そこから現実味を持って返していくというようなこともできるようにして、ですから、債権の放棄につきましても事実上法律でしっかりと言及してあると、これは非常に大きいと思うんですね。それがないとなかなか動けないということもありますし、第三者保証等につきましても外すような方向をしっかり書いておりますので、それは現実的に返せる額ということで間違いなくやってまいりたいと思っております。

○大門実紀史君 この問題は結構、自己責任論が出てきたりモラルハザード論とかいろいろ出てきて、いろんな話がすぐごっちゃになるんですけれども、これはやっぱりこれだけの大震災でございますから、個人の責任がそもそもない話から出発しているというのと、何度も片山先生からあったように、そういう方々がそこで仕事をやってもらわないと面としての地域が復興できないという点で、本当にそういう位置付けで考えなきゃいけない、債務免除額もそういうことだというふうに思います。
 この点で、今のところ中小企業庁が中心になっているスキームでございますけれども、政府案、基盤機構を使った政府案では再出発の返済可能額まで減額するという想定があるのかどうか、長官、お願いします。

○政府参考人(中小企業庁長官高原一郎君) お答え申し上げます。
 結論から申し上げますと、ございます。今般、新しい政府案による機構は、被災事業者の方々の債権を買い取ってから一定期間の経過後に、事業の状況を踏まえて一部の債権放棄を行うことにいたしております。ただ、ここで再建に十分な期間が確保されなかったり、あるいはまた債権放棄の額が不十分だったといったようなことで被災事業者の方々の再建に支障を生ずることがないように対処するということにいたしております。
 以上でございます。

○大門実紀史君 つまり、自立したときに返せない金額をおっかぶせたら倒産してしまいますから、そこは基本的にそう違わないという解釈を今させてもらいました。
 ただ、そうなるかどうかとか、いろいろ仕組み上問題点があって、先ほどからちょっと指摘されていて、私は中小企業庁の肩を持つわけではありませんが、もう少し中小企業再生ファンドとは違う形で、投資事業有限責任組合ではありますけれども、もう少しそうではない、いわゆる投資会社が入ってちょっともうけようという形ではないものとして今回打ち出されたというふうに与党の責任者からも聞いておりますけれども、ちょっとその辺どうなんですか。

○政府参考人(中小企業庁長官高原一郎君) まさに御指摘のとおりでございます。新たな機構の運営に関しましては、まさに被災地の事業者の方々の早期復興ということが最大の眼目でございますので、通常のファンドに想定されますような利益を上げるとかそういうことを目的としたものではない、全く新しいものとして設計をいたしておるというところでございます。
 以上でございます。

○大門実紀史君 もう一つは、先ほどの三つ目ですけれども、最終的な国民負担が出た場合のその国民負担を最小化するという努力は当然政治の責任でしなければなりません。幾ら国民に負担を掛けてもいいというわけにはまいりません。そういう点で、この自公日改の案は預金保険機構をかませておられます。我が党もそう思っております。
 問題は、将来の国民負担というか、機構に損失が出てその最終負担をどうするかと、どこがどう負担するかというときに、私は、預金保険機構にも今一兆数千億の余剰資金もありますし、これは地域金融機関を一定支援するという側面も間違いなくあるわけですから、この預金保険機構が持っているお金を使うことは十分理屈が通ると思っております。
 もちろん今法律によって勘定が設けられている関係があって、例えばこの自公日改が提案されている法案が通ったらそれに伴う勘定がつくられるわけですから、もちろん法改正が必要とか、何々勘定の勘定間の整理は必要なんですけど、それは分かってはおりますが、趣旨として預金保険機構が持っている資金を国民負担を最小に抑えるために使うことは十分あり得ると思いますが、検討すべきだと思いますが、自公案はいかがお考えですか。

○委員以外の議員(提案者片山さつき君) 異様に厳しい財政の中で、しかもその復興に要する資金の全体が幾らになるか、復興債の年限が幾らになるかという議論を今政府の方でしている中でやっていくということを考えると、私どもは最初から、返ってくる可能性のものを買い取るのは、借入れに政府保証を付けるか、あるいは交付国債という形でずっと財政上やっておりまして、私も法律のチェックをする仕事を政府でしておりましたが、その二種類以外の例外というのは見たことがありません。なぜかというと、一般会計でも特別会計でも、買い取った上でそれが返済されたり、あるいは場合によっては収益を生むこともロスを生むこともあるというようなものの場合に、その返済がどうなるかを受けるという部分がないんですよ。
 ですから、千五百億円の余剰金をお使いになる、これは本来は一般会計に戻るものだったものを使っているというわけですから、これは税外収入の減収に立ちますので、それだけで財政赤字に貢献しちゃうわけですが、それでは足りないというのはほとんど全員の共通認識ですから、毎年のように一般会計に政府予算で要求していくわけですね。場合によっては何千億円要求する。
 その要求自体が我々はやり方としては適当ではないと思っていますが、それが仮に返ってきても、新しい投資事業法を使った新手のファンドですか、そこから必ず中小基盤機構に返納され、あるいは中小基盤機構から必ず一般会計に、政府に戻ってくるという保証が一切ありません。
 ですから、出し切ったものは返ってこない、財政赤字がその分悪化するというスキームにしかなり得ないわけなので、今まで、大門先生も財政金融委員会からずっと、大蔵委員会から長いですが、この手のものを買い取るときには、全て借り入れ、それを返すことでやっているわけで、そのことのメリットとしては、十五年前に住専が起きたときに、いわゆる二次ロス問題として兆円単位のロスが出るだろうと言われておりました。私は担当課長で大変な国会審議を乗り切りましたけれども、そのときに金融安定化基金とかいろいろつくった上で、さらに、最終的にはこれは金融システムの安定化になるものなので、今回の国会で、預金保険機構の方から出したので追加的な財政赤字の悪化に資するような支出は一切なかったんですよ。そういったことも当然視野に入りつつ、預金保険機構が出資し、金融システムの安定化、この地域の金融システムの安定化にひいては資するからやっているということでございますので、当然、先生がおっしゃったようなことを考えながら国民負担を最小化する努力をしてまいりたいと考えております。

○大門実紀史君 どうもありがとうございました。
 あとは買取り規模の問題で中小企業庁長官にお聞きしますが、今日もお話があったとおり、被災地の被災債権というのは、当面は少なくとも数千億オーダーで救済を考えなきゃいけないと私は思っておりますけれども、政府案は基盤機構が一千五百億、それが八割で、地域金融機関が二割ですから、せいぜい二千億弱の規模であります。そうすると、数千億の被災債権を二千億ぐらいで買うということは、三分の一の値段で買いたたくかしかないということになりますよね。さっき平均半分というお話がありましたが、それ以下でないとなかなかその規模では買い取れないということになって、これは大変難しいことを生むと思います。金融機関が売るインセンティブが働かない、三分の一で売らせるためには相当時間が掛かる、結果的に被災者が救われない、小零細が救われないという可能性があるわけですね。
 この少なさについては、実は高原さんとも何度か議論したと思うんですけれども、少ないと思いますが、これは中小企業庁としてやっぱり財政当局に増やすように要求されるべきじゃないかと思いますが、いかがですか。

○政府参考人(中小企業庁長官高原一郎君) 先ほど来審議の過程で出ておりますとおり、一体どのぐらいの規模の買取り価格が実際に起こるかということについてはまだ不明確な点が多うございます。かつ、他方で、同様に重要なことは、被災地における中小企業の方々を中心として、事業者の方々が新たな歩みを始められるということに十分な体制をしくことだと思っております。
 したがいまして、機構が必要な資金の規模につきましても、今被災県などとも調整をいたしておりますけれども、今後もし更に必要だということになれば、必要な支援のための財源につきまして財政当局としっかりと議論をし、相談をして対応していきたいというふうに考えております。
 以上でございます。

○大門実紀史君 もう質問はいたしませんが、中小企業庁とは当初からいろんな相談をして、彼ら非常に熱心にいろいろ考えたのは事実でございまして、それにストップを掛けようとしているのが財務省であり、一部の与党の政治家の皆さんでございますので、本丸はそこにあるということを思いますし、あしたは財務省を呼んで詰めたいということを申し上げて、今日は質問を終わります。
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