● ● ● ● 大門みきし Daimon Mikishi  ● ● ● ●


■2011年11月29日 財政金融委員会 国税通則法の改正について。白色申告者に記帳を義務化する問題を取り上げる。
<赤旗記事>
納税者の権利保護を
国税通則法改定案ただす
大門議員


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質問する大門実紀史議員=29日、参院財政金融委員会
 日本共産党の大門実紀史議員は11月29日の参院財務金融委員会で、民主党が公約していた「納税者権利憲章の制定」が自民党の要求で国税通則法改定案から削除された問題をただしました。安住淳財務相は「法制化できるよう努力したい」と答弁。大門氏は、諸外国では当然のことであり、真剣に考えるべきだと強調しました。
 大門氏は、改定案が税務調査の事前通知を法定化する一方で、調査に支障を及ぼす「おそれ」のあるときは事前通知なしで行えることについて、「この例外規定については厳格な運用を徹底するべきだ」と要求。また、所得300万円以下の白色申告者にまで記帳義務を課す問題について、「記帳していないことを理由に、推計課税は行うべきではない」と求めました。国税庁の岡本栄一次長は「記帳が不十分な場合でも記録などにもとづいて行う」と答えました。
 大門氏は、家族の働き分を経費として認めない所得税法56条の廃止について質問。自民党政権時に与謝野馨元財務相が「研究する」と表明し、民主党政権下でも検討課題とされ、見直しを求める請願が338自治体まで増えてきたことも紹介し、早期廃止を求めました。
 安住氏は、個人所得税制全体を見直し税制大綱に盛り込む考えを示し、「きちっとテーブルに乗せて見直しを検討するよう与謝野大臣と同じ方向で省内を指導していきたい」と答えました。

≪議事録≫
○大門実紀史君 大門でございます。午前中は国税通則法の関連に絞って質問をいたします。
 今もお話あったところですが、納税者権利憲章の制定は民主党の政策の目玉でございましたし、野党のときは私たちも一緒に野党共闘で制定のための取決めもいたしました。今お話あったとおり、それが削除されたということでございます。
 これは、今、中西さんがお聞きされましたけれども、具体的に言えば自民党から削除の要求があったということでございますが、どういう理由をもって削除をしろという要求があったのか、その理由はどういうものだったんですか。
○国務大臣(安住淳君) 各党間協議の前段で、先生、与党側として正式な通告が自民党からあったわけではなくて、非公式な交渉の中で、この権利憲章はなかなか自民党さんの場合その合意に至るのは難しいよと、このままではというふうな感触を得ていたということであったので、そうであれば、ほかのものを生かすためにもこちらとして判断をしてほしいということだったものですから、我々としては、そうであれば、この憲章の策定については、残念ですけれども、今回は落とさせていただく決断をしたということでございました。
○大門実紀史君 私の方で聞いている理由は、一度衆議院でそういうこれについての議論を展開された自民党の議員もおられるわけですが、要するに、税務調査にいろいろ制約を付けると、実調率、税務署の実際に調査する率が下がるんじゃないかとか、あるいは憲法には納税者の義務は書いてあっても権利は書いてないので変じゃないかとか、言ってみればその程度の、何というか、時代遅れの話なんですよね。
   〔理事大久保勉君退席、委員長着席〕
 この外国の例見ても、納税者の権利書いているのは当たり前の話で、今どきですね、これで税務署の実調率が下がるなんて、はっきり申し上げて政府が出したあの法案、当初の法案というのは、私たちはもう少し厳格なものを求めましたけれども、はっきり言ってあの程度のもので税務署の調査が足を引っ張られるとか、そういうふうなレベルでもないわけですよね。なぜこんなものを自民党が修正要求したのかと、何か急に税務署の味方みたいになって、非常に理解できないところあるわけですけれども。
 要するに、たかがその程度の修正要求をなぜあれだけ政策の目玉に掲げた民主党が簡単にのんでしまうのかと。今おっしゃったような程度の政治的な妥協の産物かも分かりませんが、もう少し真剣にこの納税者権利憲章というのは考えるべきだと。
 大臣は、安住さんは、この修正は衆議院の答弁で大変残念であるということと諦めたわけではないということをおっしゃっていただいていますけど、今ちらっと最後にこれからどうするかということで御答弁ありましたけど、もう少し、これからどうしていくのか。やっぱり政治家ですから信念を持ってほしいんですよね。ちょっと、きちっとお答えいただきたいと思います。
○国務大臣(安住淳君) 衆議院でのことや各党協議のことは先生も御存じの、御指摘のとおりでございますが、私としては納税者の権利擁護を過度にやるということでは全くないと思っておりますので、今、今回提案をさせていただいたことについては何とか御理解を得て、法制化をできるような環境づくりと努力というものを私としてはやっていきたいというふうに思っております。
○大門実紀史君 その点で、私たちも法制化できるように引き続き一緒に努力はしたいと思っております。
 中身の問題で幾つか今回の改正の心配なところを質問いたしますが、一つは税務調査の場合の事前通知の問題ですけれども、税務調査というのは、もう言うまでもございませんが、納税者の理解と協力を得て行う任意調査でございます。調査するというときはちゃんと調査いついつ伺いたいという予告をするのはこれは当たり前のことなんですが、今回、一応その事前通知が法制化ということですけれども、ただ例外規定というのが書かれておりまして、いろいろおそれがあるときは事前通知はしなくていいと。
 そのおそれの中身は二つございまして、一つは、納税者の申告内容、過去の調査結果、事業内容に関する情報等に鑑み、違法又は不当な行為を容易にし、正確な課税標準等の把握を困難にするおそれがあるときと、もう一つは、その他国税に関する調査の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがあるところと、この例外を設けているわけですね。
 このおそれがあるというのは、実はこれを誰が判断するかというと税務署が判断するわけですから、この間いろいろ個別の相談の事例からいっても、予告しないで突然行って、営業妨害にもかかわるようなことをやっている事例として個別に来ておりますので、このおそれが恣意的にあるいは主観的に判断されて濫用されることは絶対あってはならないというふうに思いますので、この例外規定は厳格の上にも厳格に運用するようにきちっと徹底してもらいたいと思いますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(岡本榮一君) お答え申し上げます。
 現在におきましても、実地調査に際しましては、通達に基づきまして、原則として調査対象者及び関与税理士に対しまして事前通知を行うこととしております。
 国税庁といたしましては、今回の法制化は、調査の手続の透明性と納税者の予見可能性を高めるという今般の改正の趣旨を踏まえまして、事前通知を行うかどうかは、法令に従いまして、個々の事案に則し、無予告調査の必要性、十分に検討した上で判断してまいりたい、より適正な執行に努めてまいりたいと考えております。
○大門実紀史君 もう一つは、白色申告者の記帳義務ですが、今まで所得三百万円以下の方には記帳の義務を課していなかったわけですけれども、今回課すということなんですが、これは何度も国会でも議論になってきた話ですが、要するに、当時、八四年改正のときは、三百万円以下の零細事業者まで記帳を課す必要も特にないのではないか、記録の保存があればいいのではないかということがあったわけですけれども、今回わざわざ三百万以下にも課すという理由は何でしょうか。
○副大臣(藤田幸久君) 御承知のとおり、申告納税制度ということで、自分で確定をして自分で申告をするということなんですが、昭和五十九年の段階で三百万円以上の方はそういうふうに義務を課されることになったわけですが、それ以下の方は、当時の状況でいうと、なかなか負担感もあるのではないかということで当時は外していただいたと。今回は、今パソコンとかいろんな形でどういう方々であってもそんなに負担感がなくそういう記載ができるだろうということで、今回は三百万以下の方もやっていただくということになったわけです。
 私は実際その紙見ましたけど、簡単な売上げと仕入れだけ書くものになっておりまして、青色と違って白色の場合には本当に簡単なもので、小遣い帳みたいなものでございますので、やはりそういう義務を課すことによって、簡単な形で記載をしていただく方が経営管理上もいいのではないかということで今回はお願いをするようになったと。
 実際にスタートするのは四年先、平成二十六年一月でございますから、それまでに十分に周知徹底をして説明をして、それから導入をするというふうに準備をしております。
○大門実紀史君 これはもうパソコンの問題とかじゃないんですよね。一々国から義務化されるという筋合いのものではなくて、帳面付ける人はもう既に付けておりますし、中にはやっぱり付けられないと、ましてやパソコンも打てないという方もいらっしゃるわけですし、事業の形態なんかでいっても、建設関係で一人親方で、手間請中心にたまに材料を使うなんという方は、もう収入はぼんぼんと入って、あと車代と道具代と時々材料費ですから、もう帳面付けるのじゃなくて、資料を取っておきゃ申告できるという程度の方もいらっしゃるわけですから、こんな改正わざわざ必要ないというふうに申し上げておきたいと思います。
 心配なのは、これも、記帳していないじゃないかということで急に税務署が入って、記帳していないということを理由に、じゃもう推計課税でやりますというような形で、これも実例としていろいろ既にあるわけですけれども、そういうことが濫用されると、横行すると大変困ることになるわけでありますので、記帳義務といって、もしも記帳していない場合でも、あくまで実態とか事実とかちゃんときちっと調べて課税額をはじき出すべきで、この推計課税を濫用するということは絶対ないようにしてもらいたいと思いますが、いかがですか。
○政府参考人(岡本榮一君) お答え申し上げます。
 国税当局といたしましては、各種の広報や個別の記帳指導の実施等を通じまして、新たに記帳が義務付けられる事業所得者等の方々が改正内容を十分に理解して適正な記帳ができるよう努めたいと考えております。
 また、税務調査におきましては、記帳が不十分な場合でございましても、納税者からの聞き取りや請求書等の原始記録の確認、反面調査などにより実額の把握に努めておるところでありますが、納税者や取引先などの協力が得られず実額の把握が不可能又は著しく困難な場合には、所得税法第百五十六条の規定に基づき、やむを得ず推計課税を行っているところであります。この場合においても、取引先等から得られた資料等を基礎に、その納税者の所得をできるだけ正確に計算できる方法を選択して所得金額を推計することとしております。
 引き続き、このような方針に基づきまして、適切に執行してまいりたいと考えております。
○大門実紀史君 最後に、白色申告者の記帳義務との関係で、この委員会で何度も何度も取り上げてまいりましたが、所得税法五十六条、白色申告者も家族従業員の給与を認めろというようなことでございますが、これは、自民党政権のときの与謝野大臣が、長年一切財務省はやらないと言っていたんですけれども、与謝野大臣のときに研究をいたしますというところから始まって、民主党政権になっても各大臣にも伺ってきましたし、副大臣、政務官、尾立委員長のときですね、あと峰崎さんもそうですね、野田大臣にも伺いました。今のところ、この五十六条の見直しはやる方向で手のひらに乗っけているということでございますけれども、今、自治体請願、もう三百三十八自治体まで増えてきておりますし、強い要望になっております。
 安住大臣、もう大分たっておりますが、もう早くこれ実現してもらいたいと思いますが、今のところどうなっているか、教えてください。
○国務大臣(安住淳君) この五十六条の見直しについては、私も事務方にはこれまでの経緯もあってきちっとテーブルにのせて見直しを検討するようにということなんで、個人所得税全体の議論の中で、税制大綱の中でしっかりと今の方向に沿って、先生に納得していただけるところまで行くかどうか分かりませんが、ただ、これについては与謝野大臣と同じような方向で省内をしっかり指導していきたいというふうに思っております。
○大門実紀史君 もう時間が来たので終わりますが、とにかくもう二年以上たっておりますので、早く実現していただくよう努力をお願いして、質問を終わります。
 ありがとうございました。
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