● ● ● ● 大門みきし Daimon Mikishi  ● ● ● ●


■2012年3月24日(土) 消費者問題に関する特別委員会
<赤旗記事>
業界誌対談に消費者庁長官 まるでマルチ広告塔 大門氏追及
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大門実紀史議員が示した全国直販流通協会「直販協マガジン」のコピー

 消費者庁の福嶋浩彦長官が、多重債務者を生むなど深刻な社会問題となっているマルチ商法業者が集まる全国直販流通協会の宣伝誌で、亀岡一郎理事長と対談していたことが23日の参院消費者問題特別委員会で明らかになりました。日本共産党の大門実紀史議員がとりあげました。
 対談は「直販協マガジン」(2010年12月号)に掲載。「石ころでもビジネスが成り立ってしまう」という亀岡氏に対し、福嶋氏は「法律でどう線を引くかはとても難しい」と言及。また亀岡氏が「貢献できる業種なんだが、マルチ商法というところがどうしても引っかかってしまう」と述べると、福嶋氏は「きちんとした安心な販売であるという実績を積み重ねて」と激励。“自分達はいいマルチ”と述べる亀岡氏に対し、“頑張ってください”と激励しているのです。
 大門氏は、同協会には山岡賢次前消費者担当相との関係で問題となった法違反企業がいることを指摘し、「安心してマルチをやってくださいと、マルチ宣伝の広告塔に使われた。なぜこんなものに出たのか」と追及。福嶋氏は「業界としてコンプライアンスを高めていくことに取り組んでくださいと申し上げた」と釈明しました。
 大門氏は、マルチ業界は「良いマルチ、悪いマルチがいる」と言って法規制を逃れようとしてきたことを批判。「責任をとって辞めるべきだ」と迫りました。福嶋氏は「問題のある事業者も加わっていることを認識してなかった。反省している」と答えました。
 大門氏は、マルチ商法は会員を広げることでもうける仕組み(連鎖販売取引)に問題があると強調。マルチ商法の規制を検討するよう求めました。松原仁消費者担当相は「法に違反した事業者は厳正な対応をしている」と述べるとともに「(消費者から)寄せられる相談の実態や海外における規制状況などを調査しながら、とりくみを検討していきたい」と答えました。

≪議事録≫
○大門実紀史君 日本共産党の大門です。
 マルチ商法について質問をいたします。
 山岡大臣は辞められましたけれども、山岡さんが辞めたからといって何かマルチ商法対策が進んだわけではございません。これから何回かに分けて質問をしたいと思いますが、今日はその一回目ということでお聞きいただきたいと思います。
 私は二〇〇八年からこの問題を国会で取り上げてまいりましたけれども、マルチ商法は、この間も言われておりますとおり、法律的に言えば連鎖販売取引でございます。現代用語といいますか、今の言い方で言えば、言われているネットワークビジネスということでございまして、会員をネズミ講式に拡大していって、物品販売ですけれども、それで頂点はどんどんもうかるけれど、末端に行くほど、何というか、負債がたまって、在庫がたまって、借金を増やして、多重債務とか家庭崩壊とか自殺とか起きているという社会問題になっているわけでございます。
 ただ、問題は、複雑なのは、このマルチ商法というのは、ほかの悪徳商法と違いまして会員を増やしていくわけですけれども、会員を増やした途端、その人も加害者になってしまうと。加害者であり被害者でありという関係になりますから、なかなかこの問題が顕在化しにくいといいますか、裁判とか訴訟になりにくいわけでございます。したがって、何といいますか、水面下でずっと解決されないで進んできているという問題ですが、いつも被害は起きているということでございます。
 元々、連鎖販売取引は一九七四年の、当時は経済企画庁だったと思いますが、国民生活審議会とか七五年の産構審ですね、産業構造審議会、当時通産省ですか、そういうところでかなり議論をされまして、全面的な規制もしようかという議論まであったんです。国会でもそういう議論があったんです。
 まあいろいろありまして、結果的には特商法で、勧誘の仕方が悪ければ摘発しようというふうなところで、まあ取りあえずそういう形にしようということになったわけですが、一度は国会で、霞が関で、全体で規制をしようかという俎上に上ったテーマであるということは、よく今の方々に知ってほしいなというふうに思います。
 その後、マルチ業界に、アメリカから、アメリカはマルチ、野放しですので、アメリカで飽和状態になったアメリカの企業がどんどんどんどん日本に入ってきて、そのときにネットワークビジネスという名前を使って、ずっとやり始めたと。同時に、いいマルチ、悪いマルチというような、そういう論も、そういうアメリカ系の企業はどんどん打ち出して、いいマルチと悪いマルチがあるんだと、自分たちはいいマルチなんだということをどんどんどんどん、そういう論を展開したわけでございます。
 ただ、このマルチというのは、名前がどう変わろうと、連鎖販売取引というのはいいも悪いもないんです。仕組みそのもの、増やしていって、会員を増やすことで利益を上げる、利益を集中すると、この仕組みそのものに問題があるわけでございまして、いいもの悪いものがあるわけではございません。仕組みそのものに問題があるということですね。
 ヨーロッパではこの仕組みが規制されております。アメリカと日本が野放しになっていると。今規制されていないから、合法だからいいんだということにはならないんです。立法府ですから、規制する法律を作る方向で考えなければいけないテーマだということでございます。
 この間、いいマルチ、悪いマルチ論に乗せられて政治家も動いちゃって、前だったら民主党の前田雄吉議員が展開したり、最近では山岡さんがそういうことに乗っかっていろいろ動いたということで問題になったわけでございます。
 ただ、少なくとも国会、霞が関のレベルで申し上げますと、二〇〇八年に当時の自民党の甘利経済産業大臣は、これだけの被害が起きているので何らかの規制について考えなければいけないということを答弁されておりますし、二〇一〇年は福島みずほ消費者担当大臣も、消費者庁ができたんだから、一歩進んだ形で何かできることを検討しなきゃいけないというふうになっているわけでございます。
 私は、こういう歴史的な経過のある国会の議論を霞が関でも、特に経済産業省の場合は、もうちょっとちゃんと規制しようと思っていたとか、こういう歴史的な到達点を踏まえて、このマルチの問題は、ネットワークビジネスの問題はとらえる必要があると思います。
 新しく大臣になられましたので、まず御認識、あるいは取組の姿勢について、お考えを伺いたいというふうに思います。
○国務大臣(松原仁君) 今委員御指摘のように、今までの経過があったということであります。
 昭和四十九年七月には、国民生活審議会の答申において、まあ幾つかポイントはありますが、一つには、この法的規制は不十分であり早急に予防的な規制が必要というのと同時に、消費者利益を必然的に害することになる販売方法、すなわちマルチレベルの販売、SF商法などは、社会的に無価値であり、直ちに禁止すべきという議論も、この答申の中に盛り込まれていることは承知をいたしております。
 また、同時に、昭和四十八年の十一月の産業構造審議会答申においても様々な議論があって、より厳しい、マルチ商法については、その活動を実質的に禁止するよう厳しい規制を行うべきであるというのも箇条の中に入っていることも承知をしているところであります。
 そうした今までの経緯を含めてでありますが、このマルチ商法については、様々な問題の起こり得る商法と私も認識をしておりまして、これまで国民生活センターはホームページやパンフレットを通じて消費者に対する注意喚起を継続的に実施をしております。まあ継続的に実施をしているという、そういった事柄であるというのも、こういったことで申し上げているわけであります。
 このほか、消費者庁で作成した高校生向け消費者教育用教材に、違法な連鎖販売取引による消費者被害について掲載するなどの取組を進めております。また、厳正な法執行ということで、特定商取引法における連鎖販売取引の規制に違反する行為があれば、当該事業者に対する業務停止命令も含め、厳正に対処していきたいというふうに思っております。
 これ勧誘のときに、損することはありません、必ずもうかりますと言えば、これはもう完全に違反でありますから、そういったことも含め、啓蒙を含め、きちっと厳正にしていきたいと思っております。
○大門実紀史君 この間、この山岡さんがいたときにはマルチの議論が相当ありましたけれども、率直に申し上げて、このマルチ、連鎖販売取引についての問題意識は、消費者庁になって、経済産業省の時代、いろいろ私かかわってきましたけれども、消費者庁になってからの方が弱くなったと。特に事務方の取組というか意識が、もうちまちましたことばっかりやっていて、基本的に何か具体的な検討に入っておりません、何度聞いても、半年たっても。山岡大臣のときにあれだけの問題になっても、ほとんどその昔のことも知らないというような担当者がやっているような状況でございます。
 どこに原因があるのかといいますと、実は山岡前大臣だけではなくて、来てもらっていますけど、消費者庁の事務方のトップに私は最大の問題があると思っております。
 山岡大臣が一段落したらこの問題を取り上げようと思っていましたので、今日取り上げますけれども、資料を配付いたしました。これは、直販協マガジンと言いまして、二〇一〇年十二月号でございます。
 これは、福嶋長官と全国直販流通協会理事長が特別対談をしておりますが、この直販流通協会とは、何のことはない、ネットワークビジネスの企業の協会でございます。会員企業には例の山岡大臣のときに問題になったナチュラリープラスがありますし、業務停止命令を受けた企業が幾つもございます。
 このマガジンは何なのかということなんですけれども、これは会員向けの、このネットワークビジネス業界の会員向けの雑誌でございます。マルチにとっては、ネットワークビジネスにとっては、会員イコールお客さんです、会員イコールお客さんです。つまり、お客さん向けの宣伝資料。つまり、ネットワークビジネスというのは安心してやってもらって結構なんですと、広げてもらって結構なんですという宣伝をするためのマガジンでございます。
 それに福嶋長官がのこのこ出てきて、もう一個一個紹介しませんけど、もう引用するにもいっぱいありますけど、要するに、さっき言ったいいマルチ、悪いマルチ論に乗せられて、理事長が要するに言いたいのは、自分たちはいいマルチですと言ったのに対して、福嶋長官は、何のことはないですよ、頑張ってくださいと、のうてんきな受け答えをしているわけですね。これがマルチ宣伝の広告塔に使われたんです、あなたは、あなたがこれに出ることによって。これを、この業界はマガジンを配っているわけですよ、安心してマルチやってくださいと。それにあなたは広告で使われたわけですよね。
 何でこんなものに出たんですか、あなた。
○政府参考人(福嶋浩彦君) この協会、マルチを含む、マルチというかネットワークビジネスの、連鎖取引の業者を含む訪問販売、直販流通の協会というふうに理解をしております。ですから、御指摘のように、マルチの事業者も参加をしているというのは今認識をしております。
 この対談の中身がそうなんですけれども、協会として、協会というのはマルチだけではありませんが、その訪問販売の協会としてのコンプライアンスを自主的に高めていく、浄化を自律的にやっていくという取組を強化していきたいということでしたので、そういう立場で対談をしたというふうに考えております。ですから、ネットワークビジネスに頑張ってくださいということではなくて、ちゃんと違法なものは自主的に規制をしていく、浄化をしていく、コンプライアンスを業界として高めていくということに是非取り組んでくださいということで申し上げたつもりです。
○大門実紀史君 だから、それがいいマルチ、悪いマルチ論に乗っけられているということなんです。あなたの立場はそうじゃなくて、連鎖販売取引という仕組みに問題があると、そういうことをしっかり認識しなきゃいけないのに、業界と一緒に、いいものがあれば悪いものもあると、いいものにしてくださいと、こんなレベルでやっているわけでしょう。
 私、福嶋長官ね、今日、国センの問題もありましたけれども、あなたもう、その国セン問題での独断専行もかなり責任あるわけだから、もうこういうことも含めてそろそろお辞めになるべきですよ、責任取って。辞めたらどうですか、これ。だって、山岡大臣、これで辞めたんでしょう。何であなたは辞めないの、これ。辞めたっていいじゃないか、これぐらいのことをやって。こんな宣伝やっていいのかよ、長官が。辞めなさいよ、あなたは、本当に。
○政府参考人(福嶋浩彦君) ネットワークビジネスの宣伝をやっているということではないと理解しておりますが、そういう誤解を受けるということは反省をしたいと思います。
 対談をした時点で、そういう問題がある事業者もこの協会に加わっているということを率直に申し上げて認識していませんでしたので、その辺の調査、把握が不十分だったということは反省をしております。
○大門実紀史君 反省してもらうのはいいんですけれども、相当宣伝に使われましたからね。消費者庁の長官が頑張れと言ってくれている、いろいろ言ってくれているということは、あなたのこれが、みんなこれで自信持ってどんどんどんどん会員広げているわけですよ。ちゃんとそういうことを自覚しなきゃ駄目だよ。
 ちょっと時間が余りないんで、大臣に聞きますけれども、問題はそういうことにあるわけです。問題はそういうことにあるわけでございまして、連鎖販売取引そのものの仕組みにあるということでございます。私は、このネットワークビジネスの企業を全部すぐ営業停止にしろなんて言っているわけではありません。この連鎖販売取引、商品を販売しているわけですけれども、いい商品もあります、中には。何も商品の販売を駄目とか、いい商品、商品力のある企業は商品の販売で頑張ればいいわけですね。会員を広げることでもうける仕組み、これはもう自制して余り広げないという企業も出てきているぐらいですけれども、まだやっているところいっぱいあるわけですよね。この仕組みが問題なわけですね。
 ここのところ、ちゃんと認識してもらって、甘利大臣、福島大臣がちゃんと方向は考えると、検討するとおっしゃっている方向で松原大臣もしっかりと取り組むように。事務方は全く駄目ですから。昨日、夕方レクしてもさっぱり分からないんですよ、歴史的なことも、問題点も。ちょっときちっとした指示を大臣からして、具体的な、どうすれば被害をなくせるかということをしっかり取り組むように指示をしていただけませんか。
○国務大臣(松原仁君) マルチ商法をもっと厳しく規制するべきだということも含めての御議論だろうと思っております。
 特定商取引法では連鎖販売取引について、書面交付を義務付けすること、人を威迫して困惑させる行為を禁止すること、誇大広告を禁止すること等が規定されております。従前から、連鎖販売取引において特定商取引法の規制に違反する行為があれば、当該事業者に対する事業停止命令も含め、厳正に対処してきておりまして、過去五つの企業が該当して処分業者となっております。
 消費者庁としては、今後も特定商取引法に基づき、違反行為をした連鎖販売取引事業者に対し、厳正に対処してまいります。さらに、消費生活相談情報データベース、PIO―NETに寄せられる相談の実態や、現行法に基づく行政処分の状況、海外における規制状況などを調査しながら取組を検討してまいりますが、今委員御指摘の部分では、冒頭言ったように常に絶えずそういったものの警告を発しなければいけないということ自体が極めてそういったリスクが高いということも踏まえ、更に検討をしていきたいと、このように思っております。
○大門実紀史君 終わります。

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