国会質問

● ● ● ● 大門みきし Daimon Mikishi ● ● ● ●


■2022年3月15日 財政金融委員会 ベンチャー投資減税について

<議事録>

○大門実紀史君 大門でございます。
 今日は、オープンイノベーション促進税制、いわゆるベンチャー投資減税について質問をいたします。
 今回の改正で、今資料を配ってもらっていますけれど、延長、拡充されたオープンイノベーション促進税制でありますが、これ岸田総理が施政方針演説の中で、本年をスタートアップ創出元年として五年計画を策定して大規模な、企業の、起業ですね、スタートアップの創出に取り組みと、戦後の創業期に次ぐ日本の第二創業期を実現するというふうに意気込みを述べられて、このオープンイノベーション税制もその一つの、スタートアップの一つの政策の一環というふうに考えられるわけでありますけれど、オープンイノベーションというのは、まあベンチャー企業と特に大企業が協働していろんな仕事をやっていく、開発していくという、そういうことでありますが、それに関する減税措置でありますけど、資料配っていただいていますが、一応、まず改めて、このオープンイノベーション促進税制について簡単に説明をしてもらえますか。

○政府参考人(住澤整君) お答え申し上げます。
 今回のオープンイノベーション促進税制の改正でございますが、このオープンイノベーション税制は二年前に創設をしたものでございまして、事業会社による一定のベンチャー企業への出資に対しまして、出資の一定割合の所得控除を認めるという措置でございます。
 さらに、今回、スタートアップとこの既存企業の協働によるオープンイノベーションを促進していく観点から、設立十年以上十五年未満の研究開発型のスタートアップを適用対象に追加するとともに、取得した株式の保有期間を五年から三年に短縮するなどの拡充を行った上で、適用期限を二年間延長することといたしております。

○大門実紀史君 この図のとおりでありますけれど、要するに、事業会社が、既存の事業会社がベンチャー企業に出資する際に減税を行うということでありまして、二年前もこの委員会で議論をいたしましたけれども、税改正がされて今度は適用期限が延長するということも含めて改正されるわけですけれども。
 この図の、配付資料の出し手の要件というところがありますが、ここにベンチャー企業に直接又はCVCを通じて出資を行うとなっております。CVCというのはコーポレートベンチャーキャピタルでありまして、要するに、ベンチャー企業に出資するファンドをつくって、そのファンド、CVCを通じて出資を行うという形でありますが、いずれについても出資額の二五%を所得控除をしましょうという制度であります。
 今回、制度が拡充されたというその一つが、事業会社からベンチャー企業への出資期間の短縮というのがございます。現行制度は出資期間は五年以上と、五年間は出資しておいてくださいと。この上の方の枠のところに書いてある特定期間、出資後五年間というのがありますが、これを今回三年間に短縮するということであります。今までは五年以上出資は引き揚げないでくださいよとありましたけど、それを三年でいいよと、引き揚げていいよとなるわけでありますけれども、今回の改正でこれを五年から二年間短くして三年にすると、この意味はどういうことがあるんでしょうか。

○政府参考人(住澤整君) お答え申し上げます。
 この税制、二年前に創設をいたしまして、実際に執行いたします中で、ベンチャー企業とこの事業会社などがスピード感を持って協業すると、協力して業務を遂行するという流れが加速している中で、事業会社とベンチャー企業のこの実際の協業実務を踏まえますと、五年間の協業期間を前提とする、そういった必要性は必ずしもないのではないかといった声があったものと承知をいたしております。
 具体的には、五年以内でこのシナジーがそもそもこの二つの会社の間に存在しないと。協業を進めていく意味が余りないであろうということを双方が了解したような場合に、双方了解の上でこの出資を引き揚げるということが、なかなか、この税制の、今の従前の仕組みですと障害になるといったような声がございまして、こうした声を踏まえまして、オープンイノベーションを一層促進する観点から、この保有期間を五年から三年に短縮するという改正にいたしておるものでございます。

○大門実紀史君 そういう声があったということなんですけれども、そもそも今回の改正は誰の要望なのかということなんですが、これ出資を受ける側、まあ何かちょっとベンチャー企業も言っているような話がありましたけれど、実際には今回の改正要望出したのは経団連などの十五の経済団体、つまり出資する方、ベンチャーじゃなくて出資する方の大企業の、まあ十五ですから全部言いませんけど、経団連や、商工会議所も入っていますが、各地の経済連合ですね、あと石油連盟とか日本自動車工業会等入っていますが、出資する側の要望があって改正になったんではないんですか。

○政府参考人(龍崎孝嗣君) お答え申し上げます。
 委員御指摘のとおりでございまして、今回のこの制度でございますけれども、御要望は出資する事業会社側からの、事業会社側の業界団体からは御要望いただいておりますけれども、スタートアップ企業側からは特段の御要望も、他方、反対の御意見もなかったというものと承知をしてございます。

○大門実紀史君 今説明あったとおり、この出資する側の大企業の要望で五年を三年にということでありますけど、実は二年前、ここの委員会で、三月十八日のこの財政金融委員会でこれが議論になりまして、この出資期間とは何だろう、何で五年にしたんだろうというのがあったんですね。
 これは、ベンチャー企業にとっては安心できる株主に最低五年は持ってほしいと、持っていてほしいと、途中で売買するようなことじゃなくてですね。そういう基本的な要望があって五年にしたんですよね。そういう議論をしたわけであります。普通は、新しい挑戦的なことを非常に頑張ってもらわなきゃいけないんですけど、そういうベンチャー企業は見通しが見極めにくいし、そう簡単に答えが出ないという面もありますので、そういう、何というか、ちょっと時間が掛かるけどやってみたいんだという企業ほどやっぱり五年ぐらいは支えてほしいというのがあって五年ということになったわけですね。
 もちろん、中には株をもう、もうここまで来たんで早く売りたいというような企業も中にはあるかも分かりませんが、そもそも、この税制の最初五年にしたのは、そういう企業をきっちり育てようというのがあって五年にしたんだと思うんですね。そういう議論したわけですね。大体、スタートアップ、ベンチャーファンド出資の契約期間というのは通常十年ぐらいが普通になっておりますので、五年が決して長いとは思わないんですよね。
 ちょうど、さっき言いました、二年前この委員会でどんな議論があったかというと、先ほどから話題の矢野さんですね、今事務次官の。矢野さんがそこで主税局長だったんですが、私の質問に対してこう答えておられます。
 この制度は検討の過程で、まあ私がちょっとこれ、ベンチャーが過熱ぎみで、マネーゲームでベンチャーの売買が過熱になっていますよということをちょっと申し上げた上だったんですけど、その矢野さんが、この制度を検討する上で私が指摘したような懸念が与党の中にもあったと、このマネーゲームにね、企業の売買に使われるんじゃないかと。その結果、要件を課してオープンイノベーション性がしっかりあるということを事前にチェックするという仕組みを入れると。あるいは出資期間を五年間しっかり抱えて、いわゆるハゲタカ的な、買って売り抜けるというようなことがないように五年というものを課したというふうに、課したと。で、五年未満で転売等などした場合には恩典をゼロにするという仕組みにしたというふうに当時、矢野さんがここでお答えになっているんですね。
 まだ二年しかたっていないんですね。その矢野さんの答弁といいますか、あのときの認識がそんなに変わるわけが、状況が変わるわけないと思うんですけれども、なぜ二年でこの矢野さんの答弁が変わるんでしょうか。

○国務大臣(鈴木俊一君) 今般の税制改正におきましては、事業会社とベンチャー企業の協業実務を踏まえ、オープンイノベーションを一層促進する観点から、取得した株式の保有期間を五年から三年に短縮したところでございます。
 委員御指摘の、二年前、創設時の議論では、取得した株主の保有期間を五年間とし、五年以内に株式譲渡した場合などは税制の恩典を受けられなくすることで投機目的のような投資が本税制の対象とならないようにしている、そういう御議論であったと承知をしております。
 で、二年経過したわけでありますが、この点に関しましては、出資する事業会社にとっての革新性や出資を受けるベンチャー企業の成長への貢献など、オープンイノベーション性の要件を既に設けていることを踏まえれば、保有期間を三年間に見直したとしても投機目的のような投資は排除できると考えております。
 今般の改正により、引き続き、投機目的のような投資が本税制の対象となることを防ぎつつ、よりスピード感のある投資により、オープンイノベーションが一層促進されることを期待をしているところでございます。

○大門実紀史君 基本的に、もちろん大企業の方も大事にベンチャー企業を育てている場合もあると思うんですね。協力している場合もあると思うんです。それが多いと思いますよ。
 ただし、今の状況はそう甘くはなくって、この資料でいくと一番最後の資料六に、今何が起きているかということで資料を付けてありますけれど、実はもう、そのベンチャー企業と事業会社、大企業の間でも優越的地位の濫用に関わるようなことがもう、前からありましたけど、ちょっと顕在化しているんですね。要するに、出資者ですから大企業が出資すると、その出資引揚げを、引き揚げるぞというようなことを言って特許などの無償譲渡を求めるといった例が増えていて、で、公取も乗り出して経産省と一緒に指針を作ろうということ、こういう動きになってきているわけですよね。つまり、そうきれい事ばかりじゃなくって、そもそもこの出資する方もいろんなこと考えて出資をしていると。
 で、守らなきゃいけないですね、やっぱり日本経済のためには、こういうベンチャー企業の技術なんか。ところが、こういうことが起きているという、基本的にこういう泥臭い世界があるということはまず考えておく必要があるんですね。
 その上で、先にちょっとこの、何といいますか、この税制そのものが必要なのかどうかという点で申し上げたいんですけど、要するに、このことを促進する、国が減税して促進する必要があるのかということも一つ申し上げておきたいんですけど。
 資料二枚目で、物すごく増えているんですよ、今、スタートアップに対する投資というのはですね。事業会社からの投資、CVCからの投資合わせると、この一番右側、青い部分で、三千二百十四億ですから、ずうっと伸びているんですね。つまり、ちょっと過熱化しているわけですね。二年前と同じですね。過熱化していると、もっと過熱化しているということであります。
 で、日経新聞によりますと、去年十月に行った大企業百社へ日経がアンケートして、取っておりますが、このスタートアップ投資、ベンチャーへの投資というのは急速に拡大して、投資予算額は約六千億と、去年に比べて三割増えているというような状況になっていて、とにかくもう今急速にこの投資が伸びているということなんですね。
 で、正確な数字分からないんですけど、ネット上ではこのCVCファンド二百以上のリストなどが出ていますけど、これも急増、数が急増しておりますし、事業会社から直接の投資も増えているし、ファンドCVCを通しての投資も急増しているというんで、今非常に、何ですかね、ここの分野は過熱して投資がうわっと膨らんでいるということでございます。
 で、こういう、特にもう大企業が中心がなんですけれど、どれくらいの減税措置あるいは適用額になっているかということなんですが、これは法人税の租税特別措置でありますので、その実績が公表されることになっております。
 ちょっと教えてほしいんですけれど、確認のために。二〇二〇年度分については今年の一月に公表されていると思います。二〇二〇年度分の実績について、その適用した総額と、そのうち上位十社、上位十社の適用額と、あと大企業ですね、資本金十億円以上の大企業に対する適用額、それぞれ教えていただけますか。

○政府参考人(住澤整君) 令和二年度、二〇二〇年度の租特透明化法に基づく適用実態調査におけるこの適用実績のお尋ねでございます。
 適用件数は全体として五十三件で、適用額、これは所得控除による損金算入額の数字でございますが、全体で約五十六億円でございます。それで、上位十社につきましては三十三億円となっております。

○大門実紀史君 何といいますかね、ほとんど大企業が利用しているということで、これはこの前この委員会でも申し上げたとおり、今大企業は利益を積み上げていて内部留保が膨らんでいて、私たちはそれ返せと、還元しろと言っているぐらいのときに、こういう、さっき言ったように、ほっておいても、ほっておいても今物すごく過熱しているんですよね。促進しなくても、促進しなくてもみんなやっているわけですね。それにわざわざこういう大企業が投資するために減税してあげるというのがなぜ必要なのかと、このときにですね。
 だから、この制度そのものがまだ要らないんじゃないかと。ほっておいたってこれだけ、さっき言った、伸びているわけですよね。みんな、それぞれの企業の将来を考えてやっているわけじゃない。なぜこんな、これを促進する必要があるのか、促進までしなきゃいけないのか、なぜ減税する必要があるのかと、これはいかがですか。

○政府参考人(住澤整君) 大門委員御指摘のとおり、こういったスタートアップに対する投資というのが、まさにその事業会社そのものの経営判断によって行われていくというのが本来のこの経済の中の姿であろうということは、我々もそのように存じております。
 ただ、今回このオープンイノベーション税制を二年前に創設いたしましたときに、先ほど御紹介いただきましたような様々な議論がございまして、当時の矢野局長からも答弁申し上げましたように、単なるMアンドAのような投資、単にお金が投資されるということだけではなくて、やはり事業会社とそのスタートアップ企業の間のそのシナジーを追求するための協業というのがきちんと進んでいくということに着目した制度として設計するということでオープンイノベーション性のこの要件というのを課しているわけでございます。
 先ほど大臣からの御答弁にもございましたように、特にこのスタートアップ企業の成長に貢献するような取組が行われていることというのが第三の要件として課されてございまして、これは、例えばで申し上げますと、自動運転用のOSを開発しているようなスタートアップが存在した場合に、それに対して自動車会社が出資をする、この税制の適用をするというときに、例えばその自動車会社が蓄積している走行データ、このビッグデータをそのスタートアップ企業に利用させることによって、スタートアップ企業の単なる財務的な面の支えだけではなくて実質的な成長につながるような取組が行われている、こういったような要件が課されているということで、単にこの金額の拡大だけを目的とした制度ではないということでございます。

○大門実紀史君 だから、それはほっておいてもやりますよと言っているんですよ、要らないですよと、こんな減税は。この減税しなきゃ今言ったようなことをやらないわけじゃないんですよね。既にやっているわけですよ。だから、これ全く必要のない減税だというふうに思うんですよね。
 今、先ほど言いましたとおり、非常に過熱しておりますし、逆に言うと短期でその企業の株を売買したいと、ちょっと見込みがあるとそれで高く売れたりしますから。そういうことが過熱しているんで、五年じゃなくて三年という要望が出資する方から、株を持っている方から出てきたんではないかというのは色濃く感じるんですよ、その上にですね、減税する必要がない上にですね、思います。
 そうですね、今の現状をよく財務省も、経産省に言われて、そうですかじゃなくて、見てほしいんですけれどね。
 例えば、資料四なんか、もういろんなことを報道されているんで、財務省も、経産省言うことだけじゃなくて、ですけど、これがもうヘッジファンド、今やベンチャーキャピタルとかCVCだけじゃなくて、ヘッジファンド、プライベート・エクイティー・ファンド、未公開株ですね、要するにね、未公開株に投資するようなファンドがここにどんどんどんどん入ってきていて、その過熱感がむしろ心配されているという状況になっておりますし、この左の小さなグラフですけど、一件当たりの投資額も平均五億八千万、去年に比べても四割増というふうに超過熱状態に入ってきているわけでございます。
 もう一枚めくってもらって、資料五は、海外マネーがここに入ってきているということで、これも日経新聞でありますけれども、巨額の海外マネーが流入していると。
 世界的に、確かにスタートアップ投資、これ怖い部分もあるんですよね。アマゾンとか大きな、フェイスブックとか大きな企業がちょっと、ちょっと何か開発するとすぐ買っちゃうといって、もう独占ですよね。という面もあるんですけれども、もうそういうことも、そういう可能性があるんで、ちょっといいところがあれば目を付けて、買ってすぐ売るというようなことで過熱して、決して本当の意味のベンチャー企業を育成するのに貢献していない、今の状況はそうなっていないというのが、この世界の投機マネーが入ってきていると。
 逆に言うと、本当の企業価値以上に株価が上昇して売買されている場合も考えられるわけですね。ちょっと実態を懸け離れた企業売買がされている可能性もあるぐらいの膨張、超過熱状態ということになるわけであります。
 やっぱり、ちょっと改めて原点に戻って、これは経産省なのか財務省なのかってありますけれど、本当の意味で、二年前のここでの議論にもありましたが、このベンチャーバブルとか投資の過熱とかじゃなくて、大事にベンチャー企業を育てるということを改めて、政府として今改めて考え直す必要があると思いますが、いかがでしょうか。

○政府参考人(住澤整君) お答え申し上げます。
 確かに、そのスタートアップ育てていく上で、このスタートアップを含む中小企業に対して支援を行っていくということも重要でございますし、大企業のその内部留保の活用を促していくということも重要な観点であろうと考えております。
 内部留保の活用という観点では、このオープンイノベーション促進税制の拡充もそうですし、賃上げ促進税制の抜本的な強化といったようなことで取り組まさせていただいております。また、スタートアップを含むこの中小企業に対する対応という意味では、中小企業投資促進税制でありますとか中小企業経営強化税制などの中小企業税制によりまして積極的な投資を促すという枠組みはあるわけでございます。
 ただ、いかんせんスタートアップ企業、赤字の場合が多うございますので、こういった税制、御活用いただけない場合もあるということで、事業会社側からのハンズオンの意味のある経営支援も含めた、あるいはその経営資源の提供も含めた支援を促していくという観点から、このオープンイノベーション税制、促進税制を位置付けて取り組まさせていただいているということでございます。
 三年にこの投資期間縮めたことによって、その転売がより簡単になるんではないかといったような御懸念もあろうかと思うんですが、ここは、聞いておりますところでは、本税制の対象となるこの非上場のベンチャー企業の株式については、その株式譲渡の際にスタートアップ側の同意が必要となる譲渡制限の条項が設けられることが一般的というふうに聞いておりますので、出資をしている事業会社側の都合で、このスタートアップ企業の意に反して株式を売却するということは簡単にはできない仕組みになっているとは聞いてございます。

○大門実紀史君 それで先ほど申し上げたんですよね。優越的地位の、出資引き揚げるから云々というようなことをやられているわけで、そんなに守られていないんですよ、そういうことが、実態として。非常に貪欲な世界になっているということをやっぱり知っておかないと、知っておかないと、そんなきれい事では今済んでいないから申し上げているわけですね。
 今の話、経済産業省、何かございますか。

○政府参考人(龍崎孝嗣君) 委員御指摘の買取り請求権の件でございますけれども、スタートアップ企業と出資者との契約の適正化に向けまして、公正取引委員会と経済産業省におきまして新たなガイドラインを策定中でございます。
 本ガイドライン策定の過程におきまして、出資企業がスタートアップ側にとって不利益な要請をして、これに応じない場合には株式の買取り請求権を行使すると示唆されたような事例が実際にあったものとは承知をしておりません。
 一方、本税制でございますけれども、出資する事業会社の経営資源を活用したスタートアップ企業の成長を後押しするものでございまして、事業会社によるスタートアップへの貢献など、オープンイノベーション性の要件を確認することで担保してございます。
 その際、私ども、その証明を求められてございますけれども、投資契約におきまして、スタートアップの成長を著しく阻害するような買戻し条項が含まれている場合には、本税制の趣旨に反するものとして税制活用に必要となるその証明書を交付しないこととしてございます。
 したがいまして、現行制度におきましても、大企業に一方的に有利な買取り請求権が付与されている場合には本税制を活用できないことに加えまして、今般、さきにお話をした新たなガイドラインを策定することで万全を期すことから、今回の株式保有期間要件の短縮化がこうした買取り請求権を助長するようなことになるとは考えてございません。

○大門実紀史君 そのガイドライン含めて、ベンチャーの大事な企業をきちっと育てていくというのはもう頑張ってもらいたいと思うんですけれども。
 もう一つは、今議論しているのは、そうはいっても、若干、若干ちょっと大きな規模のベンチャーなんですが、これから、日本経済とか、今までの日本経済もそうですけれども、余り大きな規模じゃなくても、これから大きく貢献する、いろんな、AIとかバイオとかフィンテックとか、いろんな新しい分野での本当の小規模のベンチャーも考えられるわけですけど、そういうところもきちっと支援していくことが日本経済の発展につながると思うんですが、そういう点で、税制でもそういう面は、それこそそういう促進税制みたいなものを考えていただきたいというふうに思いますけれど。
 この点で実はいい制度があったんですけれど、廃止されたんですね。創業補助金というのが、これは中小企業庁所管の国の制度ですけど、二〇一八年度を最後に廃止されました。これは、まさに起業、創業、会社をつくって、やろうというようなところに対する創業補助金だったんですけれども、これは経産省、なぜ廃止したんでしょうか。

○政府参考人(佐々木啓介君) お答え申し上げます。
 御指摘いただきました創業補助金でございますけれども、行政事業レビューにおきまして、一つは、補助金と融資の性質の違いを考慮し、補助金投入の必要性があるものに限定して実施すべきという御指摘、それから二点目といたしましては、開業率の安定的な増加のためにも民間を活用した資金調達の仕組みを検討すべきという指摘をいただいたところでございます。
 このような指摘も踏まえまして、創業支援につきましては、創業後直接的に補助する創業補助金という形ではなく、民間資金を活用した支援策に取り組んでいるところでございます。

○大門実紀史君 これは二〇一八年に廃止しましたけれど、今年、二〇二二年度の商工会議所の要望で復活を求めておられますね。なぜ日本商工会議所は復活を求めているんでしょうか。

○政府参考人(佐々木啓介君) お答え申し上げます。
 日本商工会議所からこの創業補助金についての復活の御要望いただいているところでございます。この点につきましては、やはりこれまでの議論でもございましたけれども、この起業、創業が非常にこの日本の構造改革を進める上で重要だということで、その中で一つのツールとして産業界側としてはこの創業補助金について言及をされているということだと思っております。
 他方で、この創業補助金という形ではございませんけれども、例えば中小企業庁で行っております小規模事業者持続化補助金につきましては、令和三年度補正予算におきまして、創業間もない企業が活用する場合には補助上限額を引き上げる創業枠を設ける予定となっておりまして、創業後の企業を支援する政策も進めてきているところでございます。
 さらに、これらの措置に加えまして、この資金供給を促すための個人投資の優遇税制、それから政府系ファンドによる出資、日本政策金融公庫の低利融資、さらには知識、ノウハウ取得等の支援など、予算措置だけではなく事業者のニーズに合わせた重層的な支援を行っているところでございまして、経済産業省といたしましては、引き続き、様々なツールを活用することによって創業支援にしっかり取り組んでまいりたいというふうに考えてございます。

○大門実紀史君 そういうのを全部分かった上で、商工会議所は改めてこの創業支援金を復活してほしいという要望が出されているわけです。
 この創業補助金はどういう意味があるかというのは、経済産業省そのものがこれを廃止させようというふうな変な有識者との議論の中ではっきりとおっしゃっているんですよね。もちろん、利子補給とか有償資金とか融資というのは大事だけれども、日本人が創業するというときは、自己資金のみで、いわゆる融資に頼らないで創業される方が八割だと。これは日本人の気質も反映していると思いますけれど、融資だけで創業率というのは一〇%しかないと。
 やはり、これはいろんなケースあると思うんですけれど、やっぱり商売始めるときにできるだけ自己資金でやりたいと、借金で始めるんではなくてね。もちろん商売始めてから運転資金借りたりあるわけですけど、始めるときはやっぱり自己資金でやりたいというのが日本の起業の特色だというのは経産省自身がおっしゃっていて、ですから廃止しないでほしいということを当時反論としておっしゃっていて、それが当たっているんですよね。二年間たって、いろいろ、ばらばらでいろんな制度ありますとおっしゃいますけど、やっぱりストレートに創業補助金というのを復活してほしいというのが商工会議所の皆さんの要望だと思うんですよね。
 そういう点はやっぱり大きな意味で検討していく必要があると思いますけれど、これは税制のことじゃないかも分かりませんが、最後に、鈴木大臣、全体としてこういう方向を強めてほしいと思いますが、いかがでしょうか。

○国務大臣(鈴木俊一君) これからの日本の国の経済の成長につながるのは、やはり一つはイノベーションだと思いますし、その担い手の一つがスタートアップ企業だと、こういうふうに思いますので、総合的に、今回税制でこれお願いしていますが、これも含めて、またその他の補助金もございますが、こうしたスタートアップ事業を、これからも企業を育てていっていきたいと、そのための方策、しっかりやっていきたいと思います。

○大門実紀史君 ありがとうございました。終わります。

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