国会質問

● ● ● ● 大門みきし Daimon Mikishi ● ● ● ●


■2022年3月16日 財政金融委員会 超富裕層に資産課税せよ 導入求める
<赤旗記事>

2022年3月17日(木)

超富裕層に資産課税せよ
大門氏が導入求める
参院財金委

質問する大門実紀史議員
=16日、参院財金委

 日本共産党の大門実紀史議員は16日の参院財政金融委員会で、各国中央銀行の金融緩和で資産が膨張した富裕層が原油・食料への投資で現下の物価高に拍車をかけていると批判し、国際世論で高まる富裕層への資産課税導入を求めました。

 大門氏は、FRB(米連邦準備制度理事会)などが引き締め傾向にあるが、金融危機以来の金融緩和によって実体経済が不景気にもかかわらず株高となる「金融相場」は当面続く見込みだと指摘。10年あまりで世界でも日本でも富裕層が資産総額を倍加させており、富裕層が原油や小麦などリスクの高い投資を拡大し、「ウクライナ侵略やコロナ禍での物価高に拍車をかけてもうけを増やそうというのは醜悪だ」と批判しました。

 大門氏は、所得1億円を超えると所得税負担率が下がる「1億円の壁」に対し、金融所得課税の強化とともに、株式配当などへの分離課税をやめ、総合課税を導入するよう要求。また、富裕層への資産課税導入の声が日本の元政府税調委員から出ているとして、資産課税を真剣に検討すべきだと追及しました。

 鈴木俊一財務相の「一つの方法だ」との答弁に、大門氏は「国際的な税逃れ防止の課題だ」として導入を求めました。

<議事録>

○大門実紀史君 大門です。
 予算委員会で岸田総理と議論いたしましたが、格差是正ということを岸田内閣言われているわけですけれども、本気で格差の是正やるとすれば、やっぱり富裕層への課税というのは避けて通れないんじゃないかと。また、今や世界の流れにそれがなってきておりますので、その点を鈴木財務大臣に聞いていきたいというふうに思います。
 格差拡大の、つまり富裕層が拡大しているという方ですけれども、その背景の一つに、世界の中央銀行が進めてまいりました金融緩和があるというふうに思います。資料も今お配りしていってもらっていますが、特に二〇〇八年の金融危機、リーマン・ショック以降、緩和基調になりまして、低金利、巨額の資金が金融機関通じて金融市場に流れ込むと、それが資産価格を押し上げてきたという、そういうことがずっと基本的に続いております。
 この間、世界的なインフレーションの中で多くの中央銀行が一旦引締めの方向にかじを切り始めたんですけれども、ロシアのウクライナ侵略等々、世界情勢変わってきていますので、どうなるか分かりませんが、今のところFRBもECBも引締めを継続、やめるとは言っていないというような状況でございますが、いずれにせよ、巨額のマネーがいまだ市場にあふれている状況というのは変わっておりませんし、当面続くんじゃないかと思います。
 資料の一枚目に三井住友のDSアセットマネジメントの資料をお配りいたしましたけれども、中央銀行の資金供給、緩和による資金供給と株価の関係を大変分かりやすくまとめてくれている資料でございます。小さいですけど、下のグラフがそれを表しておりまして、アメリカのFRB、ECB、日銀など世界の五大銀行のバランスシートの合計と世界株式という世界全体の株価を反映した指数との関係です。要するに、中央銀行のバランスシートの拡大、つまり金融緩和が株価を強力にサポートしてきたと。更に言いますと、経済の実態以上に、この間言われていますけれど、金融マネーが膨らんで、株価は本来、実体経済の反映でなきゃいけないんですけれども、こういう金融の緩和マネーで引き上げられてきたというふうに、そういうことが示されているわけですけど。
 まず、鈴木大臣の御認識、こういう今の株価のこの間の上昇とかですね、は緩和マネーがかなり大きな役割を果たしているという御認識はいかがでしょうか。

○国務大臣(鈴木俊一君) 足下、アメリカなどにおきまして物価が上がっているということで金融緩和の見直しに向けた動きがあるわけでございますが、少し過去を振り返ってみますと、新型コロナ拡大が進んだ間においては日本を含め各国で金融緩和が行われたと、このように承知をいたしております。
 金融緩和が株価に与えた影響について具体的な評価は控えたいと考えておりますが、株価の動向につきましては、こうした金融政策以外にも、経済状況や企業の活動など様々な要因により市場において決まるものであると認識をいたしております。
 引き続き、市場動向を注目、注視していくとともに、経済財政運営をしっかりと進めていきたいと思っております。

○大門実紀史君 もちろん株価はいろんな要因でというのはそのとおりでありますが、これが示しているのは、リーマン・ショック以降はこの緩和マネーが大変大きなウエートを占めていますよということを客観的に示している資料でございますので、こういうことを含めて、このマネーが何なのかということですね。これをどうするのかということも含めて税の問題も考えていく必要があるというふうに思います。先ほど国際課税の問題がありましたけれど、世界的にこういう動きがですね、動いているところで各国の課税当局がどう考えるかということにも全部つながる話でございます。
 富裕層の話に戻りますけれども、先進国では一様にこういうふうに金融緩和がもう長期化しておりまして、株価はもう緩和政策で下支えされていると。いわゆる金融相場というふうになっているわけですね。つまり、今やもう株価というのは企業業績じゃなくて金融政策に反応すると、反応してトレンドが決まると、あるいは上がったり下がったりするということが続いている、いわゆる金融相場になっていると言われております。
 二枚目の資料が、そういうふうな株高の中で富裕層が資産を増やしてきていると。当然、株が上がりましたら富裕層の資産膨らむのは、みんな大株主でありますから、当然のことであります。
 この資料は、世界四大会計事務所の一つでありますプライスウォーターハウスクーパースが一昨年ですね、一昨年の二月に公表したものでありまして、その会計事務所のお客さん、顧客のデータということであります。投資家の資産総額の推移を推計したものということですね。あっ、その事務所だけのお客さんじゃないですよ。こういう人たちの、顧客になる人たちの資産総額の推計を試算したものですね。富裕層、準富裕層・中間層、あと年金基金、保険会社等々となっております。
 いわゆる富裕層ですね、これ百万ドル以上の資産を持っているという方々でありますが、二〇一九年に八十四・四兆ドル、約九千六百兆円というもう膨大な、巨額の、超巨額の資産を持っておりまして、これは二〇〇四年から比べると二倍に膨れ上がっているということでございます。金融の緩和があって、株価が上がって、ほかの金融商品の価格も上がって、それを持っている富裕層の資産が十四年間で倍以上に増えたというグラフでございます。
 こういう、ここまでの話は私も何度か委員会でさせてもらっていましたが、三枚目の資料が少し新しい話でございまして、富裕層というのは株高だけでもうけさせてもらってきたわけではないという資料でございます。これは世界の富裕層の資産の内訳、ポートフォリオの推移を示したものでございます。先ほどと同じく、資産百万ドル以上の富裕層の投資の中身が分かる資料であります。
 上のグラフでいきますと、現預金、下からいくと、現預金、債券、不動産、株式、オルタナティブ。このオルタナティブというのは何かというと、コモディティーが入っております。つまり、オルタナティブの中にはヘッジファンドも未公開株もあるんですが、コモディティーが入っております。コモディティーというのは、御存じのとおり、原油とか金属とか資源とか穀物とか大豆とか、そういうものですね。まあ食料、原油、食料、そういうものですね。
 右下が、日本の富裕層がどういう資産構成を呈しているかというと、現預金、債券、不動産、株式ありますが、このオルタナティブ、コモディティーを含むオルタナティブをこれだけ保有しているということでございます。
 何が言いたいかと申し上げますと、今世界は、いろんな経済情勢の結果、急速なインフレを拡大しておりますけれど、この富裕層の方々は、そこにも入り込んでコモディティー投資を拡大して、この物価が急騰する、原油価格や穀物急騰する、特に先物市場も含めてですね、そういう中で、またまた株高だけでなくて資産を増やしている、資産を増やそうとしていると。あるいは、逆に言えば、原油高、食料、物価高に拍車を掛けているというようなことがこの図から分かるわけであります。
 もちろん、全体の物価高は、コロナによる物流コストの上昇とか干ばつとか、加えてロシア情勢とか、いろいろあるんですが、そこに富裕層マネーが流れ込んで上昇幅を上げている、あるいはそこで更にもうけようとしてお金をつぎ込んでいるという構図が分かるわけでありまして、今、コロナに加えて、原油、ガソリン高、物価高、食料品高でみんなが困っているときに、更に富裕層はあり余ったお金を、このマネーをですね、コモディティーに投入してもうけようという、この貪欲さといいますか、ちょっと醜悪な気もするんですけれども、大臣、この構成を見ていかがお考えでしょうか。

○国務大臣(鈴木俊一君) 先生からお話がございましたオルタナティブに含まれる原油あるいは小麦等の穀物価格につきましては、原油価格はウクライナ情勢や需要回復などを受けて高水準にあるほか、小麦なども国際価格も上昇傾向にあると、そのように理解をしております。こうしたことを背景に、富裕層が利益を得ていると言えるかどうかについて断定的に申し上げることは困難でありますが、製品価格の上昇等も背景に、一部企業では高水準の利益を確保しているということ、これはまあ事実であると思います。
 一方で、原油等の原材料価格の高騰は国民生活や企業活動等に様々な影響を及ぼすものと考えております。

○大門実紀史君 この富裕層の方々というのは特別な情報を持って、どこに投資すればもうかるかというふうな、ヘッジファンドを含めてですね、いろんな情報を持ってやっておりますので、もうからないところにお金を動かすわけがないんですね。ですから、もうけるためにここにお金を動かしていると、当然リターンがあるからやっているということになりますので、もう少し、別にカバー、そんなカバーする必要ないですよ。ありのまま、ありのままやっぱり捉えるべきだと、この実態をですね、というふうに思います。
 ですから、もうここまで、ここまでそんなにお金が余って、みんなが困るような物価高にまで拍車が掛かるようなことまでやっているんですから、やっぱりちゃんと税金ぐらい払ってもらいましょうよという話でございまして。
 次のグラフですね、一億円の壁であります。これ、岸田総理が一億円の壁という名前を付けましたけど、鈴木大臣、このグラフ最初に作ったのは誰か御存じですか。

○国務大臣(鈴木俊一君) これは大門先生に版権があるということは承知しております。

○大門実紀史君 もうそう言ってくれたのは鈴木大臣だけでございまして、岸田さんは私の断りなしに使っておられましたけれども、まあいいんですけれども。
 これは、実は二〇〇七年の三月十四日、この参議院予算委員会で、当時、尾身大臣がおられまして、そのときはこんな精度のいいグラフじゃなかったんですね、途中から点々々みたいな、推測図みたいなものであったんですが。いずれにせよ、一億を超えると負担率が下がるということを不思議だなと思って作って、尾身大臣になぜか分かりますかとお聞きしたら、分からないとおっしゃるので、まあそのときは推測もありましたけど、やっぱり一億超えるところが、方々は、給料、給与じゃなくって株の取引で、それが分離課税になって、当時一〇%でしたからね、税率が、だから下がっているんじゃないでしょうかというようなことを問題提起させてもらったのがもう十五年前でございます。
 その後いろんな議論がありまして、繰り返し、一〇%というのは余りにも低過ぎるというので、本則の二〇%に最低戻すべきじゃないかというのをさんざん議論があって、私も何度も質問させていただいて、で、二〇%にまで戻ったんですよね。ただ、海外は三〇%水準ぐらいですので、まだまだ負担が低いということでこういうグラフがまだ続いているということでございます。
 もう長いこと、二〇%した、なった後も、長いこと長いことこの議論があって、与党税調、自民党の中でもやっぱり不公正じゃないかという提案が何度も何度もあったんですけれども、何度も議論されたと思うんですけれども、結局いまだ引上げが行われていないと。
 漏れ聞くところによると、これはもう自民党の皆さんというよりも官邸が、上げると株価が下がって政権にダメージがあるということを恐れているんではないかというようなことは何回も聞くわけですけれど、あれですかね、財務大臣のお部屋に株価の電光掲示板ありますよね。総理の部屋にもあるんですよね、あれは、たしかね。あれ、やっぱりよくないですよね。毎日あんなの見ていると、もう株価資本主義に毒されて、思い切った政策が打てなくなるんじゃないかと、びくびくしてですね。あれはもう取っ払った方がいいんじゃないかと思いますけれど。
 やっぱり政治家は一々その株価の動きなんか見ないで、やるべきときはやるということが大事だと思うんですよね。しかも、今株価はどんな材料でも上がったり下がったりしますから、何でもいいんですよね。下がったってもうける人いるんですよね、下げてもうける人もいるんですよね。そんなの気にしていたら、政策なんかね、改革なんか実行できないと思いますので、ちょっとそういう考え方じゃなくて、本来やるべき仕事として、この一億円の壁といいますかね、金融所得税の引上げ。
 総理は、来年度のとか言われましたけど、あれ、私は知っている、経過知っている私にとっては、来年検討することにしましたというよりも、先送りしたという印象なんですよね。わざわざ先送りされたという印象が強いんですね。もうやってもよかったんですね。やってもよかったんですね。
 そういう点でいきますと、もう次の税制改正には必ず金融所得税の引上げは入れるべきだと思いますけれど、鈴木財務大臣のお考えを聞きたいと思います。

○国務大臣(鈴木俊一君) 金融所得課税の在り方についてでありますが、令和四年度の与党税制改正大綱におきまして、高所得者層において所得税負担率が低下する状況を是正し、税負担の公平性を確保する観点から検討する必要がある、そして、一般投資家が投資しやすい環境を損なわないよう十分に配慮しつつ、諸外国の制度や市場への影響も踏まえ、総合的な検討を行うとされているところであります。
 今後、与党の税制調査会の場で議論が行われていくと考えておりまして、財務省としてもその議論に基づき対応をしてまいりたいと思っております。

○大門実紀史君 それで、このグラフ、最新のグラフを作ったらちょっと面白い現象が、今までにない現象が分かったんですね。一番最後の百億超えるところでぴょんと負担率上がっているんですよ。これちょっと初めてなんですね。百億超える人というのはそんな人数いませんから、何かがあったと思うんですけれども、財務省の参考人で結構ですけれど、何があって最後のところでぴょんと負担率上がったんでしょうか。

○政府参考人(住澤整君) お答え申し上げます。
 この申告所得税標本調査でございますが、この百億超のところになりますと非常にサンプル数も少なくなるということでございますので、やはりちょっと、何らか、異常値と言うとちょっと誤解を招くかもしれませんけれども、個別の要素によって変動する可能性もある数字ではなかろうかというふうには考えておりますが、具体的に何が要因なのかということについて現時点ではちょっと把握しておりません。

○大門実紀史君 考えられるのはもう一つしかないんじゃないかと思うんですけれども。その百を超える人というのはそう何百人、何千人いるわけではないですよね。その方々の中で、配当の中で総合課税になる部分が、所得があったんではないかと、何らかの形でですね。だから、総合課税だと最高税率が掛かりますので、ぴょんと上がったんではないかと。ほかにちょっと考えられないなと思うわけですね。
 そういう点でいきますと、我が党が、一億円の壁といいますか、この金融所得税を見直すべきだということで何度も申し上げてきたのは、あくまでこの富裕層に対する税制優遇でありまして、その高額所得者の、特にこの一億超える、この下がるのはおかしいということなんで、この部分を欧米並みの税率を適用する制度設計にしたらいかがでしょうと、幾らでもやり方あると思うんですけどね。例えば、株の配当が、譲渡益、分離課税とされております、住民税含めて二〇%ですよね。これは国際的にも低い。これは改めると。そのため、そして譲渡所得には高額部分に欧米並みの三〇%の税率を適用すると。そして、今回にも関わるか分かりませんが、このぴょんと上がったのに。株式の配当には少額の方もいますから、そういう方除いて、こういう高額所得者の場合は分離課税を認めないで総合累進課税を義務付けると。このことによって今回ぴょんと上がった部分が、このぴょんじゃなくて、ここがですね、ざあっと上がっていくというふうなことになるんではないかと思いますので、総合課税のところに、一定以上は総合課税にするということですね。
 先ほど一般の投資家の話が若干ありましたが、私たちはその一般の投資家の方々に課税強化すべきなどということは更々考えておりません。去年の総選挙のときに、橋下徹さんですかね、さんざん、これ見直すと一般の投資家が困るみたいなキャンペーン張られましたが、誰もそんなことは言っていないですよね。高額の部分だけと言っているわけでございまして、今、将来不安と、銀行に預金しても金利付かないから、若いサラリーマンの方も、ちょっとでもためたいと思って投資にお金を少しでも回す方はいらっしゃるわけですね。そんな方まで何か一律に税率上げて、分離課税で上げてなんということはもうやるべきじゃないというふうに思っておりまして、その高額の部分についてということでありますし、当然、NISAだ、NISAなんかの適用を受ける方々はもう除外して、こういう一億、もうこのラインを、ラインを上げていくと。アメリカよりもひどいですね。アメリカもちょっと下降ぎみですけど、日本はこんな下がるというのは、ちょっと先進国の中でも極端に下がっておりますので、是正すべきだというふうに思うところでございます。
 もう一つは、これは所得への課税の問題でございますが、資産への課税、いわゆる富裕税、富裕税というのは、主に資産に掛けようという話でございますが、これも実はアメリカ含めて、ヨーロッパ含めて今テーマになってきていますね。
 なぜかといいますと、前は資産に掛けるという考え方、掛けようとすると、富裕層は資産を海外に移しちゃうんじゃないかと。で、実際移すわけですね。それがあるので余り効果がないのではないかという話がありましたが、この間、国際課税、私も何回もこの委員会で取り上げてまいりましたが、BEPSの話もありましたけれど、国際的にもうその課税逃れを許さないという枠組みがだんだんできていますよね。
 だから、各国が資産に、富裕層の資産に税を掛けてもそう簡単に逃げられないという仕組みがだんだんでき上がってきているという環境変化もあって、また格差が余りにも拡大していると、両面があって、いろんな国で富裕税、資産に掛ける税というのがいろいろ今テーマになってきております。
 資料の五に、日本の富裕層の資産が今どうなっているかということで、データを、これは野村総研のデータですが、示してございます。
 日本の超富裕層の資産総額ですけれども、あと、一人当たり平均資産額、二〇〇五年から示させていただいております。この場合の超富裕層というのは、金融資産が五億円、五億円以上持っている方々のことであります。
 超富裕層の資産総額は、二〇〇五年の四十六兆から二〇一九年で九十七兆と拡大しております。世界の富裕層と同様に、大体十五年程度で二倍ぐらいに膨らんだ計算になります。
 世帯数も増えているので、一世帯当たりに直すとどうなるかというと、二〇一九年は十一・一億円。あのアベノミクスのときにわっと上がったんですけど、株価がまたちょっと落ち着いてきたので、下がって十一・一億円ですね、一人当たりですね。これも二〇〇五年から比べると増えていると、こういう状況になっております。
 こういう資産の方に課税しようという動きは、先ほど申し上げたとおり、アメリカでもヨーロッパでも今出ておりますが、我が党も既に、資産五億円以上の富裕層に対して、その五億を超える部分、五億に掛けないで、五億を超える部分にのみ課税するというふうな資産課税案をもう選挙のときも何回も提案しております、この野村総研の五億円以上と重なるわけですけれども。その税率も、一%から三%、資産に応じて引き上げる、累進税にすると、超富裕層と区別ができるということです。
 この富裕層への資産課税、今ちょうどさっき言いましたアメリカで民主党の議員の方が提案をして非常に注目を集めておりますけれど、実は共和党の中でもその資産に対する課税を支持するという動きが広がっております、世論調査ではですね。
 日本でも、経済、租税の専門家から導入を求める声がこの間上がってきております。政府税調の委員をされました佐藤主光さんと、有名なあの小林慶一郎慶應教授が資産税を提案する共同論文を出されて、一昨年ですかね、発表されておりますし、この前、予算委員会の公聴会で来ていただいた森信茂樹さん、大蔵省出身で政府税調も務められた方ですが、私の質問に対して、先ほど言いました国際環境も変わってきたから資産税も検討する、中長期的には検討する段階に入ったんではないかということを公述されておりました。
 日本でも、少なくとも研究、検討はもう入るべき段階に来ていると思いますけれど、財務省のお考えはいかがでしょうか。

○国務大臣(鈴木俊一君) 富裕層の資産に対する課税でございますが、いわゆる富裕税につきましては、資産の把握の問題に加えまして、資産の評価の問題など、富裕税を導入した諸外国でも多くの問題点が指摘をされております。また、日本でも、昭和二十五年に導入したものの三年で廃止されたと承知をいたしております。
 その上で、富裕層への課税を強化すべきというのは一つの考え方であると思いますが、富裕層への課税としては所得税や資産税について近年累次の税制改正を行ってきております。今後の税制の在り方については、これまでの税制改正や経済社会の情勢変化等を踏まえつつ、再分配機能などの程度を、再分配機能をどの程度発揮させるべきかという観点も含めまして検討をする必要があると考えております。

○大門実紀史君 この問題は、やっぱり国際課税、国際連帯して課税していくという考え方は非常に大事でございますので、資産を海外に逃がさない、タックスヘイブンに逃がさないということの国際環境も必要でありますので、逆に言うと、ほかの国がやろうというときに日本も構えていくということもまた求められる状況になってくるかと思いますので、是非、もう昔とは違いますので、検討をしていただきたいと思います。
 実は、次に、外国投信の問題、投資信託の問題、取り上げようと思いましたけど、時間がもうないので全部やれませんので、金融庁に、次回この問題やらせてもらいたいと思いますので、金融庁に一つだけお願いをしておきたいなと思うんです。何をやりたいかといいますと、公募の外国投信の、これをどうするかと、これに対する課税の問題等々を考えていく必要があるかなと思っております。
 中身は、もう時間ない、次回やりますが、一番最後の資料九というのがございます。いろいろ、この外国投資信託も、やっぱり富裕、ごめんなさい、金融、投機マネーがいろいろ入ってくるので問題になっているわけなんですけれども、その中身はもう次回やるとして、この九ですね。
 これは、実は五年前の、私、この問題質問したときに、金融庁が外国投信について、公募の外国投信ですけれども、それについてわざわざ調査をしてくれたんですね。こういう基礎資料がないと、どう課税していくかとか、実態が分かりません。
 この、お配りしたのは、五年前、二〇一六年に金融庁が作って、わざわざ作っていただいた資料なんですね。これで見ても、この時点でももう公募投信だけで、もうファンドが、契約型投信で二百四十一本とか、公募、金額にして五千三百五十八億とかですね、ようになっております。
 これは、金融庁の作業になるかと思うんですけれど、この議論をする上で、今どういう状況になったのか、ファンドの数とか総資産総額とかですね。公募の部分だけでも結構なんですけれど、すぐにとか今度の質問までにというんじゃないんですが、是非、基礎的な資料として調べてもらえないかと思いますが、いかがでしょうか。

○政府参考人(栗田照久君) お答え申し上げます。
 今御指摘のこの資料は、日本証券業協会が投資者保護の観点から定めた規則に基づきまして、各証券会社からの定期的な報告を受けておりまして、そのときに出てきた公募外国投資信託の純資産総額などを基に我々の方でその数字を適宜集計して作らせていただいた資料でございますので、この日本証券業協会自体の調査は続いておりますので、必要があればまた数字を作るということはできると考えております。

○大門実紀史君 もし可能ならば、あっ、でも大変ですよね、次の質問だとね。いいです。どこかの財政金融委員会でやりますので、是非資料をお願いしたいというふうに思います。この外国投信の問題も大きな問題を抱えておりますので、次回、詳しくやりたいと思います。
 今日はこれで終わります。ありがとうございました。

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