国会質問

● ● ● ● 大門みきし Daimon Mikishi ● ● ● ●


■2022年3月22日 財政金融委員会 男女賃金格差 有価証券報告書で開示/首相「この春をめど」
<赤旗記事>

2022年3月23日(水)

男女賃金格差 有価証券報告書で開示
首相「この春をめど」
大門議員に答弁

質問する大門実紀史議員
=22日、参院財金委

 岸田文雄首相は22日の参院財政金融委員会で、男女賃金格差を有価証券報告書の開示項目とすることについて「金融審議会で検討しており、この春をめどにとりまとめを目指したい」と表明し、初めて具体的な時期に言及しました。日本共産党の大門実紀史議員の質問に対する答弁。

 大門氏は、「ジェンダーギャップ指数」で12年連続1位のアイスランドが法律で女性の労働市場への参加や女性役員の比率を高め、男女賃金格差を縮小させてきたと指摘。同国のカトリン・ヤコブスドッティル首相が労働市場に女性が参加しないと女性が提供できる能力、発想、感性などのリソース(資源)を社会が失い、経済成長できないと述べていることを紹介し、「ジェンダー平等が経済成長につながるとの考えはEU(欧州連合)やIMF(国際通貨基金)にも広がっている」として、認識をただしました。岸田首相は「女性の社会進出が経済成長につながるとの考えに同感だ」と述べました。

 さらに大門氏は、マーケット(市場)も男女賃金格差のない企業ほど将来性があると見ており、投資家の重要な指標になっていると指摘。男女賃金格差の情報開示は「本来、企業が自らアピールすべきことだ」とした上で、政府による早急な開示義務付けを求めました。

<議事録>

○大門実紀史君 総理、お疲れさまでございます。
 税法については予算委員会で総理と詳しく議論させていただきましたので、せっかくの機会ですので経済全体の話をお聞きしたいと思います。ジェンダー平等と経済との関係でございます。
 この問題、二年くらい前に麻生大臣と議論したんですけれど、どういうわけかアマテラスオオミカミの話を延々とされて、あれはあれで勉強になったんですけど、一体何の議論したのか分からなくなった記憶がありますが、今日はかみ合う議論をしたいというふうに思っております。
 御存じのとおり、世界経済フォーラムが毎年公表するジェンダーギャップ報告書では、日本は百五十六か国中百二十位ということですね。G7では最下位で、先進国の中でも最低レベルということで、これは何度も言われている話でございます。特に、政治の順位が百四十七位、で、今日はちょっと経済の話をしたいんですが、経済の順位も百十七位ということですね。この理由は、日本は女性管理職の割合が低いと、パートタイムの職の女性が男性のほぼ二倍だということ、あとは女性の平均所得の低さ、格差があるという点が指摘されております。一位が十二年連続アイスランドなんですね。その一位の理由は日本と反対でございまして、今言ったことが最も進んでいるということになるわけなんですけれども。
 総理は、この百二十位の我が国と一位のアイスランド、なぜこれだけ差があるのか、国の考え方といいますか社会の考え方といいますか、どこに差があってこういう結果になっているのか、アイスランドとの違いといいますか、いかがお考えかお聞かせいただきたいと思います。

○内閣総理大臣(岸田文雄君) 委員御指摘のように、アイスランドと日本、その御指摘の順位において大きな差があるわけですが、アイスランドでは、男女の賃金を同一にすることを法律で定めるとともに、女性の労働参画が進んでいる、こういった指摘があります。他方、日本では、男女間の賃金格差の存在や固定的な性別役割意識など構造的な問題があると考えています。
 政府としては、男女間の賃金格差の是正に向けた企業の開示ルールの見直し、あるいは同一労働同一賃金の徹底など、女性の経済的自立ですとか、公共調達を活用した女性活躍企業の優遇やコーポレートガバナンス・コードの改訂など、女性の登用目標の達成など、各施策、着実に推進していくことで一つ一つ課題を解決していきたいと考えております。

○大門実紀史君 私伺ったのは、そういう差が生まれている根底にあるものは何なのかということなんですけど。いや、私も実は、なぜアイスランドと日本がこんなに違うのかなといいますか、アイスランドがなぜこんなにいろいろ進めているのかということで、私も分からなかったんですね。
 アイスランドというのは、北海道よりちょっと大きいぐらいの面積で、人口も少ないですし、歴史も違いますし、産業も違いますよね。水産業、観光、再生可能エネルギーというのが主ですから、日本と全然違うんです。いろんな面で違いますですね。で、歴史も違いますよね。一九七〇年代まではアイスランドというのはひどい男性中心の社会だったということでありまして、その反動もあって女性だけのストライキが起きるとかいろんなことがあって、こう起きて、おっしゃったように法律でばんばんと決めていくという、非常にドラスチックな改革をやっているんですね。
 なぜそれができるんだろうと、何が違うんだろうということで、実は、今年の一月の初めに「クローズアップ現代」というのがありまして、NHKで、そこでヤコブスドッティルさん、女性の首相がインタビューを受けていて、キャスターが、なぜジェンダー平等のために困難でも努力続けるんですかと、その原動力、何でしょうかと聞いたときに、ヤコブスドッティル首相は、アイスランドは人が大事な国だと、人材だと、そういう点で、労働市場において女性の参加率が世界的に見ても最も高い国の一つで、そのことは、女性が労働市場に多数、参加が多い、あるいは会社で女性の役員が多い、賃金格差が少ないということが経済にとって非常に有益だと思っていると、証明されているということをおっしゃっていますね。
 キャスターが、なぜジェンダー平等が経済が良くなることに結び付くんでしょうかと聞いたときに、このヤコブさんは、女性が提供できるリソース、つまり女性の能力、発想、感性、こういうものを使わないということは社会全体にとって損なんだと、ロスなんだと、女性が労働市場に参加していなければ彼女たちが提供できる多くのものをそのマーケットは失っているんだというふうなことをおっしゃっています。
 言い換えれば、男女が平等に働く環境になれば、賃金も格差もなくなっていけば、その社会は社会が持っている資源を、リソースを十分に生かしていけると、逆に言えば、それを生かさないのは経済成長につながらないんだというようなことをおっしゃっていまして、で、私もすとんと分かったんですけれども。要するに、女性が労働市場や企業経営に参加した方が経済も成長するということでございまして、特にアイスランドはこの点に国の生き残りを懸けているといいますか、命運を懸けているんで、社会的公正の意味からこの男女の格差、ジェンダー平等だけではなくて、むしろ国の経済的な将来を考えて非常に力を入れているというのが分かって、ああ、なるほどと、だから男性もそうだと思って、一緒に法律にも賛成しているんだなということがよく分かったわけです。
 ただ、これはアイスランドだけではなくて、今やEU、IMFも男女の格差の是正が経済成長の推進力になるとリポートを発表している。だんだんだんだん広がっている考え方だと思います。
 総理は、私、この点をいかがお考えになるか聞きたかったんですけど、やっぱりジェンダー平等が経済成長にもつながるんだと、この考えを持つかどうかで大きく国の在り方とかいろんな政策も変わってくると思うんですけれど、こういう考え方についていかが思われますか。

○内閣総理大臣(岸田文雄君) まず、私も、女性の社会進出を促進することが経済の成長につながる、あるいは社会の活性につながる、こうした考え方に同感であります。そうした考え方は重要であると認識をしております。
 御質問には、それでよろしいですか。

○大門実紀史君 この点で具体的に、この間、国会でも議論になっているのが有価証券報告書ですよね。これは、有価証券報告書というのは金融商品取引法、金商法で企業内容の外部への開示ということの資料でありますが、実はこの有価証券報告書は、一九九八年までは男女別の給与額とか従業員数とか平均年齢などの項目があったんですけれど、もう企業が負担だろうということでやめちゃったんですよね。その後、このジェンダーの問題が課題になってきて、二〇一四年に、積極的な改正だと思いますが、企業の女性役員の比率、数を開示するように義務付けたということであります。
 この背景にあるのは、先ほど申し上げました、女性が多く役員に占める企業ほど、あるいは女性の社員が多いほど、もちろん女性の方が多いというのは男性よりも多いという意味ではありませんよ、大体あの比率は同じようにするという意味での女性を増やすという意味ですけれども、あと、男女賃金の格差がない企業ほど将来性があると、将来性があるというふうな見方をマーケットがするんで、これはIMFも言っていますけど、今や投資家にとって企業の価値を判断するときに重要なんで、そういう指標を明らかにすべきだという考え方がずっとあるわけであります。
 内閣府も、資本市場での見える化ということで、この男女の格差を是正する努力をその企業がしているのかどうかということをはっきりさせる、明快にすべきだという報告も出しておられるところでございます。
 つまり、申し上げたいことは、本来なら、この有価証券報告書に書きなさいとか開示しなさいと言われるよりも、これからの企業であるならば自ら、うちは女性の賃金格差これだけなくしてきておりますとか女性の役員の数はこれだけ多いですとかそういうことを自分でアピールした方が、投資家は将来性があるといってその企業に投資をしてくれると。だから、本来は自らやればいいと思うんですよね、企業、自分たちでこういう努力をしていると。そういう時代が来るとは思うんですけれども、今のところ、まだまだ企業というのは男性中心の企業がたくさんあって、そういうことがよく分からないで、今のままでいいとか実力主義だとか、その古い、よく分かっていない、市場のリソースというのを分かっていない、そういう旧態依然とした経営者のいる会社が多いので、多いので、EUなんかはもうちょっと義務付けなきゃ駄目だと、その企業にとっての将来にとっても駄目だということで、EUは今、男女間の賃金格差解消に向けて、二百五十人以上の従業員抱える企業には賃金格差是正の情報を開示するように義務付ける法案を出そうかというふうな動きになっているわけです。
 そういう点でいきますと、この有価証券報告書の意味なんですけれど、何か隠したいものを出せとか、出せとかね、そういう意味ではなくて、そういうことがあなたの会社にとってもこれからいいことなんですよと、投資家はそれを見ているんですよという意味で、そういう意味で、この有価証券報告書にさらに男女賃金の是正状況とか努力している経過とかも含めて公表を義務付けていくということはその企業のためにもなるという意味で、この間、国会でも議論になっておりますけれど、できるだけ早くそういうふうに改善していただきたいと思いますが、総理のお考えをお聞きしたいと思います。

○内閣総理大臣(岸田文雄君) 御指摘のように、この男女間の賃金格差の解消を含め、全ての女性が活躍できる社会を実現していくこと、これは重要な課題であると思っています。
 そして、委員御指摘のその情報開示の部分ですが、この男女間の賃金格差の是正に向けて、有価証券報告書の開示項目、有価証券報告書の開示項目にすることについて現在金融審査会において具体的に検討していることであり、ところであり、この春をめどに取りまとめを目指したいと思っています。
 あわせて、上場企業以外の企業も対象となる女性活躍推進法においても、男女間賃金格差の開示を充実する制度の見直しについて具体的に検討し、速やかに着手してまいりたいと思います。
 こうした企業においても女性の賃金に関わる情報を開示することが重要であるという社会的な風土をつくるために、こうした有価証券取引、有価証券報告書、そして女性活躍推進法、こうした取組を進めていきたいと考えております。

○大門実紀史君 ありがとうございます。終わります。

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○大門実紀史君 日本共産党の大門実紀史です。
 反対の討論を行います。
 反対する最大の理由は、金融所得課税の見直しを先送りするなど、格差是正に背を向けていることです。金融所得課税の見直しは、格差是正の一丁目一番地です。こんなことにもすぐ手を着けられないで、新自由主義の弊害を是正するなどできるわけがありません。
 また、オープンイノベーション促進税制も、ベンチャー企業のためというより、出資する事業会社、主に大企業の都合による改正であり、過熱化するベンチャー投資に拍車を掛けるおそれがあります。そもそも、巨額の内部留保をため込んでいる大企業にこれ以上減税する必要はありません。
 また、今回の改正に盛り込まれた証拠書類のない簿外経費への対応策についても、悪質納税者以外に恣意的な適用がされないか、税務調査における税務署側の立証責任が免じられないか、推計課税において従来より納税者に不利にならないかという三つの懸念が払拭できません。
 本案にはコロナ関連の給付措置の非課税措置、差押禁止措置など改善点もありますが、以上の理由から全体として反対をいたします。

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