国会質問

● ● ● ● 大門みきし Daimon Mikishi ● ● ● ●


■2022年3月24日 財政金融委員会 格差是正 未分配利益 課税せよ/早急に議論求める
<赤旗記事>

2022年3月31日(木)

格差是正
未分配利益 課税せよ
大門氏、早急に議論求める

大門実紀史議員

 日本共産党の大門実紀史議員は24日の参院財政金融委員会で、富裕層マネーが流入している外国投資信託で租税回避にもまわる未分配利益に日本が課税しないのは「甘すぎる」と批判し、課税を求めました。

 大門氏は、外国投資信託への日本からの投資額は安倍政権下で急拡大したと指摘。全世界で110・7兆円、うちタックスヘイブン(租税回避地)のケイマン諸島とルクセンブルクで87・2兆円に上り、投機マネーの拠点になっていると述べました。

 大門氏は、欧米主要国が外国投信の未分配利益に課税している理由をただし、財務省の住澤整主税局長は「未分配段階での租税回避のリスクが一定程度ある」と認めました。

 大門氏は、日本での私募の外国投信が「全体の資産総額さえ正確なデータがなく実態が不明だ」と指摘し、欧米のような未配当利益への課税導入を要求。住澤局長は「引き続き検討する」と答弁しました。

 大門氏は、自身が2017年にも課税導入を求め、当時の麻生太郎財務相が「検討」に言及したと紹介。「5年たっても『検討』では遅すぎる。国際課税強化は主要国の議論になっている。早急に検討すべきだ」と主張しました。

<議事録>

○大門実紀史君 大門でございます。
 関税定率法改正案は賛成でございますので、今日は、前回の富裕層への課税の問題の続きを議論させていただきます。
 この間、委員会でも本会議でも、税制優遇を受けている日本の富裕層のマネーが、株式だけじゃなくてコモディティーにも投入されて利ざやを稼いでいるということを指摘しましたが、今日は、その日本の富裕層のマネーがもう一つ流入していっている、流入先であります外国投資信託、そこでの課税問題について質問したいというふうに思います。
 外国投資信託というのは、海外の、外国の法律に基づいて海外で設立された投資信託のことであります。ただ、日本の資産を、日本の資産を対象にした投資信託であっても、運用対象が日本の資産であっても、海外で、海外の法律に基づいて設立されると外国投資信託という分類になります。
 資料の一枚目に、その外国投資信託が、外国投資法人への投資の推移を見たものでございますけれど、安倍政権で急に急拡大しておりまして、今数字入っていなくて申し訳ありませんが、一番右のところでいくと、全世界で百十・七兆円の投資額になっております。そのうち、ケイマン諸島、ルクセンブルクが合わせてこれ八十七・二兆円になります。
 つまり、全世界のうちケイマンとルクセンブルクで八割を占めております。御存じのとおり、ケイマン諸島、ルクセンブルクは言うまでもなく税率の低いタックスヘイブンでありますので、そういうところに租税回避も含めて投資をされていると。タックスヘイブンというのは元々こういう数多くのファンドの所在地にもなっておりまして、そのことそのものがずっと問題になってきているという、それが大きなベースにあるんですけれども。
 この外国投信に対する課税制度、これが資料二枚目にありますが、日本とここに挙げたアメリカやイギリス、ドイツ、フランス、ちょっと違うんですよね。この違い、簡潔に説明をまずお願いしたいと思います。

○政府参考人(住澤整君) お答え申し上げます。
 我が国におきましては、この外国投資信託に投資を行う場合には、一般的には投資家が分配金を受領したときに課税を行うこととされております。他方、お示しいただいているこの諸外国の例におきまして、財務省として把握している範囲で申し上げますと、外国ファンドのこの未分配利益に対して課税する仕組みも存在していると承知をしております。
 例えば、米国、英国、フランスにおきましては、一定の要件を満たす外国投資ファンドにおいて未分配の利益がある場合に、実際に投資家に分配が行われる前の段階であっても、投資家段階で課税を行う制度が一部存在すると承知をいたしております。
 また、ドイツにおきましても、外国投資ファンドに未分配の利益があった場合に、当局があらかじめ定める計算式を使用して課税対象となる投資家の所得金額、投資収益に当たるものを算出して課税する制度があると承知をいたしております。

○大門実紀史君 ありがとうございます。
 日本は、そういうファンドから配当金を受け取る、分配金を受け取ったときに課税をされるんですけれども、ここに挙げたほかの国は、分配される前、未分配でも各投資家の持分に応じて課税をするという仕組みになっているわけですね。
 これは、なぜこういう国々はまだ分配していないのに課税する仕組みをつくったんでしょうか。

○政府参考人(住澤整君) お答え申し上げます。
 こういった投資につきましては、恐らくですけれども、租税回避のリスクが一定程度存在するといったことが背景かと存じます。

○大門実紀史君 そういうことなんですね。日本は甘いんですよね。
 分配していなくてためている段階で様々な租税回避が行われているということで、私も三年ぐらい前ですかね、決算委員会だったと思いますが、こういうタックスヘイブンのところにため込まれた利益が課税逃れする仕組み、複雑でいろんなものあるみたいですけど、その一つであります、何でしたか、チャリタブルトラストというのをちょっと紹介したことありますが、様々な方法で課税逃れを、分配しないで置いておいたまま課税逃れをしてずっと持って利益を受け取る複雑な闇の仕組みが様々あるので、ほかの国はもうその分配する前に掛けちゃおうと、税掛けちゃおうということに踏み出しているんですけれど、日本はもう甘々で、配当されたときに掛けましょうということをまだやっているということであります。
 資料の三枚目なんですけれども、これは公募、私募と公募というのがございます、外国投資信託ですね、これは公募の資料でありまして、これはちょっと細かい数字でございますが、一番、あれですね、例えば二〇二〇年末の時点で、先ほどの資料一と併せて、二〇二〇年末の時点で見ますと、六・六兆円という数字になります。先ほど外国投資信託全体が百十・七兆という御紹介いたしましたので、この六・六兆との差額でいくと百四兆円もあります。つまり、公募でない部分が百四兆、全てが私募とは言いませんが、プライベートとは言いませんが、かなりの部分が私募の、プライベートの投資信託と考えられます。
 この私募の投資信託というのは、何といいますかね、超富裕層に特別に提供する投資信託で、大変リターンの高いものを用意するわけなんですけど、プロの投資家向けの特別なものが私募の投資信託でございます。もちろん年金基金なども私募の投資信託、外国投信やっておりますが、超富裕層が主な顧客だということが言えるというふうに思います。
 資料の四枚目ですね、これが前回の委員会の最後に金融庁に最新の資料を調べてもらえませんかというふうにお願いしたら、すぐ頑張って作成していただきました。栗田局長に感謝をいたします。すぐ作ってもらいました。
 これ見ますと、例えば右側の、昨年十二月末の実績では、これは公募なんですけど、契約型の公募投信については金額ベースで総額六兆四千二百十八億円となっております。分配を行う予定がない、予定のないファンド、分配をする予定がないのが九千九百七十五億円。まあ一六%ぐらいが分配する予定はないと。つまり、配当しているのは八割ということになります。これは公募は、これを一つ参考として私募の、プライベートの外国投信を考えてみたいということで、これは一つ参考なんですけれど、つまり、公募の場合は八割以上が配当をされています、課税をされるということですね。
 問題は、先ほど言いました私募の方なんですけど、これは全体の資産総額とか正確なデータがありません。巨額な金額の投資信託なんですけど、実態が不明なので、かなりの税逃れのことを行っているということが考えられます。だから、いろんな国は未配当でも掛けようとなっているわけですが。相当配当せずにため込みながら、課税逃れをあの手この手でしているんではないかということが考えられるわけであります。
 こういった富裕層マネーの課税については、外国投信への課税については、これは二〇一七年の三月の財政金融委員会で、やっぱり欧米のような未配当、配当する前の利益に課税する仕組みが必要じゃないかということを麻生大臣に御質問させていただいたときに、麻生さんからは、諸外国の例参考にしながら、ちょっと対応を検討させていただきたいという御答弁が二〇一七年にありました。
 その後、検討はどうなっているか、教えていただけますか。

○政府参考人(住澤整君) お答え申し上げます。
 今御紹介いただきましたような諸外国における制度につきましては、外国投資ファンドに長期にわたって利益を留保し、課税を繰り延べるといった一定の租税回避行為を防止する効果があるというものでございます。したがいまして、検討する価値はあるものと存じております。
 他方、こうした課税をこの日本でも実際に採用すべきかどうかという点の検討につきましては、投資信託には今御指摘の公募、私募など様々な種類が存在するだけでなく、また非常に柔軟な契約形態でございますので、その投資目的も様々であること、それから、未分配の利益に対して課税を行う場合、それぞれの投資家におきまして未実現の利益の金額を確定するための事務負担、これは投資家サイドとファンドを運用しているこの受託者サイド、両方の事務負担がございます。そういった面、そして、投資にこの一定の影響を与えるおそれがあるといったようなことなどを踏まえて検討する必要があると考えております。実務面も含めた検討が必要だと考えております。
 こういった検討に当たりまして、租税回避リスクの高い外国投信としてどのようなものがあるかという実態に関する情報が現在十分にあるわけではないということもございますので、なかなか検討が進んでいないというのも事実でございますが、今後とも、諸外国の例も参考にしつつ、引き続き対応を検討してまいりたいと考えております。

○大門実紀史君 非常に対応が遅いと思うんですよね。もう五年たっていて、まだ、要するにほとんど検討していなかったんじゃないかと思うんですよね。
 この問題は、もう次回、また引き続きやろうと思うんですが、国際課税といいますか、国際的な富裕層がタックスヘイブンにいろいろ資産を移して課税逃れをあの手この手でやってきたというのが、もう批判が高まって、G7でもG20でももうどうやってみんなで防ごうかという国際的な議論になっている中で、各国は踏み出して、分からない部分は分からぬのあると思うんですよ、彼らも次から次からいろんな手法を繰り出しますから。それにしたってやっぱり、基本的にこの配当していない、まだ配当していないものに掛けるということは別に技術的にはそう難しくないんで、あれこれ、あれこれじゃなくて、あれこれ言っている場合じゃないと思いますので、少しといいますか、もうちょっと真剣に踏み込んで検討されるべきではないかと思いますが、いかがですか、主税局。

○政府参考人(住澤整君) お答え申し上げます。
 御指摘はごもっともな面があると思いますけれども、他方、例えばアメリカの制度などを見ましても、一定の場合にそのファンドで実現した所得に対して投資家側にパススルーして、その所得の性質に応じて課税をするといったような形態が含まれているわけですが、実際にそれを課税実務としてどのように実現をしているかといった点についてはなかなか難しい面もございますので、そういった外国の事例の実態把握なども含めて今後とも検討を続けてまいりたいというふうに考えております。

○大門実紀史君 最後に鈴木大臣にお聞きしますけど、麻生さんいらっしゃったら、もうぐだぐだ言わないで調べろとはっきり言われると思うんですね。もうここまで来て、五年もたっていてね。鈴木大臣、一言いかがでしょうか。

○国務大臣(鈴木俊一君) 外国投資信託につきましては、先ほど来御答弁を住澤局長からしているところでございますが、局長からも検討に値するものではないかと、こういうような答弁もあったところでございます。
 それから、富裕層への課税強化につきましても、これまで所得税や相続税につきまして所得再分配機能の回復などの観点から最高税率などの見直しを行ってきているところでございますが、いずれにいたしましても、今後とも税制の在り方につきましては、今日先生からいろいろ質疑であった点も踏まえまして、も含めまして、経済社会の構造変化も踏まえながら引き続き検討してまいりたいと思います。

○大門実紀史君 通告していて、あとできなかった問題、次回やりたいと思うんですけど、これに関連して、一人、プライベート、一人私募。一人で私募、外国投信をというちょっとイレギュラーな形が実際に行われておりまして、これは富裕層マネーの究極の、究極のもう闇の世界、暗部の世界だと、違法行為ではないかと言われる問題が実際行われているということが専門家からも指摘されております。中身は次回やりたいと思いますが、是非次回までにこの一人私募について、主税局としてできるだけ調べてきていただいて、また御答弁をいただきたいというふうに思います。
 今日は時間が来ましたので、これで終わります。ありがとうございました。

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