国会質問

● ● ● ● 大門みきし Daimon Mikishi ● ● ● ●


■2022年3月31日 財政金融委員会 ファンド規制を要求 米は実態把握し情報開示
<赤旗記事>

2022年4月7日(木)

ファンド規制を要求
大門氏 米は実態把握し情報開示

質問する大門実紀史議員
=3月31日、参院財金委

 日本共産党の大門実紀史議員は3月31日の参院財政金融委員会で、世界的な金利上昇の中で不安定化している国債市場とヘッジファンドなど投機マネーの問題を取り上げました。

 大門氏は、氷見野良三前金融庁長官が経済誌で、コロナ感染拡大当初の2020年3月にアメリカ国債市場などが動揺した問題をめぐり、世界の中央銀行と金融規制当局の間で議論が続いていると発言していることを紹介しました。この問題で中央銀行側は世界金融資産の半分に膨れあがったヘッジファンドなどノンバンクセクター(銀行以外の金融仲介機関)の世界共通の規制を求める一方、規制当局側は反対しています。

 大門氏は「日本でも20年3月にヘッジファンドによる国債の急速な売却、金利高騰が起きた」と指摘。アメリカ当局が国債市場でヘッジファンドの動向を含むノンバンクセクターの実態を把握し情報開示しているのに対し、日本では「ファンドモニタリング調査の公表を17年にやめた」と批判しました。

 鈴木俊一財務相は、ファンドに関する調査や公表について「金融機関の負担やコストなども考慮しつつ、国際的なファンド規制に関する議論なども踏まえて引き続き検討したい」と答弁しました。

<議事録>

○大門実紀史君 大門です。
 今回は、また政府補助を延長しようという法案ですけれども、今ですね、保険会社や保険業界が求められているのは、こういうものを延長するとか政府補助云々の前に、保険会社、業界自身が破綻しないようにもっとちゃんとリスク管理をきちんとすることが先ではないかと、話はそれからだというふうに思いますが、その点で、まず資料の、お配りいたしました一枚目ですけれど、これ三月十五日の日経新聞ですが、まあいろいろ背景はあるんですけれども、保険会社がかなりリスクの高い資産の保有を増やしているということをFRBが指摘しているということを報じた記事であります。格付の低い社債なども買っておりますんで、今後、金利上昇による価格下落とか大きな損失が出る可能性があるわけなんですけれども、そういうリスク資産に投資を増やしているということであります。
 背景には、この記事にもありますけれど、国債だけでは運用利回りが高まらないと、だからリスク投資せざるを得ないというようなことがあったのかも分かりませんが、ただ、この資料、記事の中にあるとおり、そうはいってもですね、政府資産の規模の、資本の十一倍台、生保の資本の十一倍台にまでレバレッジで膨らましていると。このレバレッジはリーマン・ショック以降最高に膨らんでいるということで、国債の、だけでは運用利回りが高まらないという理由を超えて、かなりもうリスク投資にのめり込んでいるんではないかというふうに思います。
 そういう中で、またこの今回の改正で政府補助を延長するというようなことは本当に、この法案は、最初から私たちは業界のモラルハザード、利己的な規律を失わせてモラルハザードを生むんではないかと言ってまいりましたけど、今ここまで危ないところに自らのめり込んでいると思うと、こういうやっぱり政府補助が良くない役割を果たしているんじゃないかと思いますが、まず、いかがでしょうか。

○政府参考人(栗田照久君) お答え申し上げます。
 御指摘の記事につきましては、昨年十一月に米国のFRBが公表いたしました金融安定報告におきまして、米国の生命保険会社がCLO等のリスクが高い資産への投資の割合を増加させているという内容のものであると承知をしております。一方で、日本の生命保険会社は、この超長期の保険負債に対応するために日本国債を中心とした運用を行っておりまして、CLOといったようなリスクの非常に高い資産での運用は限定的であるというふうに承知をしております。
 いずれにいたしましても、この生保会社におきましてはリスクに応じた運用体制の整備が重要であるということでございまして、我々といたしましては、生命保険会社に対してリスク管理と一体となった資産運用の高度化に取り組むなど、モニタリングをしっかりしていきたいというふうに考えております。

○大門実紀史君 資料にもありますとおり、日本もですね、日本もそのリスクの高いところを増やしているというのはもう事実でありますので、その点を申し上げているわけでございます。
 リーマン・ショックの後、やっぱりリスク投資への厳しい監視、規制の流れがこう強まったんですけれど、この間、次第にちょっと緊張感が薄れていっているんではないかというのが資料の二枚目にございます。
 前金融庁長官の氷見野さんが「金融財政事情」にコラムを書かれておりまして、大変参考になるコラムだと思って読みました。「「三月事件」の後始末」と書かれておりますが、タイトルですが、三月事件というのは氷見野さんが命名されたんだと思いますけれど、要するに、二〇二〇年三月ですね、コロナの感染拡大で市場参加者がパニックに陥って、三月の中旬以降ですかね、安全資産のはずの米国債とか金とか円とか、円を売ってアメリカのドルの現金に、現金に換金しようとしたという現象ですね。いわゆる市場型の取付け、ダッシュ・フォー・キャッシュということですね。そういうちょっと事件と呼ぶようなことが起きたと。その二〇二〇年三月のときには、社債の発行が止まって、ファンドの償還資金も底をつきかけるというようなことまで行って、これに対してFRBは機敏に対応して、二か月で三百兆円ですかね、のマネーを市場にぶち込んだということで混乱を収めたということが書かれております。
 問題は、氷見野さんが紹介されているのは、このことを通じて世界の金融当局の間で論争が起きていることを紹介されております。
 記事をちょっと読みますと、この二〇二〇年三月の市場型の取付け騒ぎですね、ダッシュ・フォー・キャッシュが起きた後、世界の金融当局ではずっと論争が続いていると。多くの中央銀行は、この三月事件と呼ばれるようなことで、例外的な対応が今後も繰り返されるようなことがあってはならないと。しかも、今は金融資産の半分は銀行じゃなくてファンドなどのノンバンクセンターにあるんだから、二度とこういう資金繰りで問題起こさないように、世界共通の規制を導入すべきだという中央銀行の意見があると、主張があると。一方、多くの資本市場当局は、そうじゃなくって、そんなことはもう中央銀行で対応しろと、そんなことがあったらですね、市場を規制するなというような一方の論があるということがこの三月事件以降、世界の中央銀行と資本市場当局との間の論争があるということが書かれておりまして。
 これ、やっぱりリーマン・ショックの後いろんなことありましたけれど、このコロナの通じてのパニックとか、通じた新たな段階での規制が必要、あるいは必要じゃないという議論が起きていると思うんですけれど、こういう議論があることそのものを日本の金融庁はどのように捉えておられますか。

○政府参考人(有泉秀君) お答え申し上げます。
 ただいま委員御指摘のとおり、二〇二〇年三月の市場の混乱を受けまして、金融システムの安定、それから金融市場機能の発揮との関係をどのように考えるかと、この件について国際的な金融規制の課題として議論されているものと認識しております。
 この点、金融庁といたしましては、金融システムの安定を維持しつつ、ノンバンクセクターがその役割を適切に発揮するようにするためには、国際的に共有された一定の目線に沿って、他方で、各国の市場の特性あるいはノンバンクセクターの役割の違いなどを踏まえた規制、監督を行うことが重要だと考えております。
 このような考え方に沿いまして、私どもとしましては、FSB、金融安定理事会あるいはIOSCO、証券監督者国際機構、こちらにおいてノンバンクセクターの構造的な脆弱性への対応などの作業に参画してきたところでございます。
 金融庁といたしましては、引き続きこうした国際的な議論や分析の作業に貢献しつつ、この問題にどのように対応していくか検討していきたいと考えております。

○大門実紀史君 そういう認識を深めていただきたいと思うんですけれども。
 とにかく、氷見野さんが、前金融庁長官が指摘されているように、今やファンド、ノンバンクセクターですかね、が金融資産の半分を持っているという状況ですので、この状況に対応した中央銀行や金融当局の政策が求められますし、やっぱり二〇二〇年のこのときは、三月のときは国債市場も不安定化、株が暴落しただけじゃなくて国債市場も不安定化して、そこにノンバンクセクター、シャドーバンクとも言いますけれど、非常にいろんな動きをしたというのがあるわけですね。
 日本でも同様の問題が起きたということは、この短期筋による国債の急速な売却、金利の高騰が起きたということは、日銀のスタッフも一昨年八月に発表した論文で指摘をされているところでございます。
 私も四年前にこの委員会で、日本国債をめぐる、これは海外ですけど、のヘッジファンドが投機的な空売りも含めていろんな仕掛けをして、悪さをしたといいますか、ということを指摘いたしましたけれど、そういうことがどんどんどんどん起きる可能性が強まっているわけですね。
 日本銀行がこの前、指し値オペ開始して金利の上昇を抑えようということなんでしょうけども、なかなか世界の流れがありますんでそう簡単にいかないと思いますが、この金利の上昇とか、国債価格が下落するというか、そういう瞬間とかそういう隙間を狙って仕掛けてくるのがヘッジファンドというのはもう世界の常識でありますので、やはりきちっと警戒も監視もしておく必要があると思うんですよね。
 その点で、国債、特に国債市場がどうなるかというのは国民生活に大きく影響しますんで、国債市場におけるヘッジファンドの動きを金融当局としてどのように把握してモニタリングされているでしょうか。

○政府参考人(栗田照久君) お答え申し上げます。
 金融庁では、国内のヘッジファンド等の資産運用業者につきましては事業報告書の提出を求めておりまして、必要に応じて事業者にヒアリングを行うなどによりまして実態把握に努めているところでございます。
 海外のヘッジファンドにつきましては、我々、直接的な権限があるわけではございませんけれども、国債発行当局であります財務省あるいは日本銀行とも密接に連携しまして、市場動向ですとか金融システムの影響についてできるだけよくモニタリングするようにとやっておるところでございます。

○大門実紀史君 資料の三枚目なんですけど、これは、二〇一七年まで金融庁としてヘッジファンドのいろんなデータを示しておられましたけど、これはもうやめてしまわれたんですよね。ただ、まあ別の活動報告書とかありますんで、「金融庁の一年」とかいろんなもので、こういうものを見られなくなったというわけではないんですけれど、こういうまとまった形での情報提供ですね、これはやめてしまわれたわけですけど、こういうものも含めて、やっぱりもっとみんなが分かるようなまとまった資料で示していかれるべきではないかと思います。
 で、その参考までに、資料の四でありますけれど、これはアメリカですけど、資産五億ドル以上の米国債の取引をやっているヘッジファンドの取引の推移であります。右側がヘッジファンドのレポ取引ですね。レポ取引というのは、ヘッジファンドが国債を担保に資金を調達したり、逆に国債を担保に資金を貸し付けたりするのがレポ取引ですけども、その推移ですけど、これずっと増えております。左のグラフは、国債市場におけるヘッジファンドの売りの持ち高と買いの持ち高、ポジションですね、その推移であります。
 ついでに、資料の五番目ですけど、これはまさにSECの、アメリカ証券取引委員会、SECの資料で、ファンドの資料でありまして、様々な金融商品の取引の状況が、推移が載っております。上から、これだと五番目ですかね、五番目に米国債の取引、ファンドが米国債を取引している状況も記載されております。
 で、アメリカのファンドと日本のファンドはちょっと違うというのは分かっておりまして、規模も違えばパフォーマンスも違えば、いろいろ危ないことをやるのもアメリカがすごいというのは分かっておりますけど、ただ、日本も、ここまでいきなりとは言いませんが、やはりファンドの状況について把握をきちっとしておく必要があると思いますが、まあアメリカのSECのやり方も含めて参考にしながら状況把握に努めていくべきだというふうに思いますが、これはもう最後の質問にしますので、鈴木金融担当大臣からその方向だけ伺えればと思います。

○国務大臣(鈴木俊一君) ファンドのモニタリング調査に関しましては、ファンドに関する販売、運用の実態を把握するため、対象業者より毎期報告を求める形で二〇一〇年より始めたものでございます。その後、各金融機関により金融庁に提出される事業報告書の内容を拡充したことや、事業報告書に加えまして、ファンドモニタリング調査を行うことによる各金融機関の負担等も考慮して二〇一八年に廃止をしたところでございます。
 また、金融庁では、「金融庁の一年」において、ファンドの運用、販売状況について一定の公表をしておりまして、日本証券業協会を含む各協会においても各種の統計情報が公表されているところでございます。
 ファンドに関する更なる調査や公表の在り方につきましては、金融機関の負担やコスト等も考慮しつつ、国際的なファンド規制に関する議論等も踏まえて引き続き検討してまいりたいと思います。

○大門実紀史君 終わります。ありがとうございました。

    ─────────────

○大門実紀史君 本法案に反対の討論を行います。
 破綻に伴うコストは、国民負担ではなく、最終的には保険業界の責任負担で行うべきであり、業界にはその体力も十分にあります。したがって、政府補助の仕組みは必要ありません。にもかかわらず、政府の補助制度を用意し、延長することは、業界の自己規律の確立を阻害し、モラルハザードを助長するだけです。
 今求められていることは、まず保険会社、業界自身にリスク管理をきちんとさせることです。そんなときに政府補助制度を延長することは、業界のリスク管理意識を弱めるだけで、必要はありません。
 以上のことから、本法案に反対をいたします。

戻る▲