国会質問

● ● ● ● 大門みきし Daimon Mikishi ● ● ● ●


■2022年4月19日 財政金融委員会 資金洗浄対策を要求/ロシア制裁法案
<赤旗記事>

2022年4月20日(水)

資金洗浄対策を要求
参院財政金融委 ロシア制裁法案で大門氏

質問する大門実紀史議員
=19日、参院財金委

 日本共産党の大門実紀史議員は19日の参院財政金融委員会で、外為法等改定案(ロシア制裁法案)に基づく経済制裁にかかわって、ロシアの新興財閥「オリガルヒ」によるマネーロンダリング(資金洗浄)への対応を追及しました。

 各国の資金洗浄対策の点検を進める国際機関の金融活動作業部会(FATF=ファトフ)が昨年、日本の対策は不十分だとして、実質不合格の「フォローアップ国」に区分けしたことへの認識をただした大門氏に対し、鈴木俊一財務相は「(対策の)不断の見直しが必要だ」と答弁しました。

 FATFは3月に法人の実質的支配者の透明性向上のために国際基準を強化していますが、財務省の三村淳国際局長は、日本は「情報を一元管理する仕組みの構築を進めている」などと説明しました。

 大門氏は、FATFが対策を強化しているのは、資金洗浄の監視対象国「グレーゾーン」に指定したアラブ首長国連邦(UAE)でオリガルヒが不動産を買い占め、不正な資金移行をしている問題があるからだと指摘。「ロシアが一番嫌がるのが、タックスヘイブンでのマネロン対策だ」と述べ、国際協調をさらに強めていくよう求めました。

<議事録>

○大門実紀史君 日本共産党の大門実紀史です。
 会派を代表して、関税暫定措置法及び外為法の一部を改正する法律案について質問をいたします。
 ロシア・プーチン政権による残虐なウクライナ侵略を一刻も早くやめさせなければなりません。そのためには、国際社会が侵略やめよの世論を更に強め、プーチン政権を包囲することが何より重要です。
 政府は、ウクライナからの避難民への物資輸送のために自衛隊機の周辺国への派遣を検討していると聞きます。なぜ民間のチャーター機ではなく、自衛隊機でなければならないのでしょうか。日本は憲法九条を持つ国です。非軍事の人道的支援に全力を尽くすべきであります。
 経済制裁も重要ですが、真に実効性のある措置でなければ意味がありません。今回の改正案の柱の一つは、外為法の改正によるプーチン政権中枢への金融面からの制裁措置です。
 プーチン大統領を含む政権幹部と並んで制裁の対象となっているのが、ロシアの財閥グループ、オリガルヒです。オリガルヒとは、ギリシャ語で少人数が権力を握る政治体制、つまり寡頭支配を意味します。ロシアでは、ソ連崩壊後の一九九〇年代、国営企業が民営化される過程で巨万の富を築いた人たちが政治的にも大きな影響力を持ち、オリガルヒと呼ばれました。二〇〇〇年に大統領に就任したプーチンはオリガルヒの排除を進めましたが、自分に忠誠を誓う者には利権の継続を許し、見返りにプーチン政権を資金面で支えるよう求めたと言われています。
 オリガルヒの経済基盤を崩せば、プーチン政権に打撃を与えることは間違いありません。政府は既にオリガルヒとその家族を含む経済関係者四十九人に対し資産凍結などの経済措置を閣議決定しています。また、オリガルヒは、手持ち資金を仮想通貨など暗号資産に替えた上で海外の不動産を購入する動きを見せています。今回の外為法の改正で、暗号資産も凍結の対象にするのは当然のことです。
 一方、今週、四月十二日、国際調査報道ジャーナリスト連合、ICIJは、ロシアの富裕層が、タックスヘイブン、すなわち富裕層の税逃れや資金洗浄に悪用される租税回避地に資産を移動していることを明らかにしました。プーチン大統領を含む政権中枢や、オリガルヒの資産の多くはタックスヘイブンに存在すると考えられます。
 この間、タックスヘイブンに対しては、各国の税務当局間の情報交換やペーパーカンパニーへの不正などの対策が進められてきました。この点で日本も一定の役割を果たしてきたことは承知をしております。
 しかし、まだまだ抜け道だらけです。ロシアへの経済制裁を実効性のあるものにするためにも、鈴木財務大臣、G20において、タックスヘイブンにおける資産凍結を含め対策の強化を急ぐよう日本から各国に提案すべきではありませんか。答弁を求めます。
 急激な物価高騰が国民生活を直撃しています。
 物価の引下げに直接的な効果があるのは消費税の減税です。世界では既に八十三の国や地域が何らかの形で付加価値税の減税に踏み出しています。
 岸田総理は、社会保障の財源だからと消費税減税を拒否してきましたが、社会保障の財源は、所得の再分配という点からも、消費税ではなく、利益を拡大している大企業や富裕層に求めるべきです。今こそ消費税の五%への減税を決断すべきだと考えますが、総理の認識を伺います。
 中小企業の多くが苦境に追い込まれている中、インボイス制度の導入など、きっぱり中止すべきではないでしょうか。鈴木財務大臣の答弁を求めます。
 年金の減額も直ちに中止すべきではありませんか。総理の答弁を求めます。
 現在の物価高は、賃金が上がらないのに物価だけが上がる悪い物価上昇です。したがって、賃金引上げも急ぐ必要があります。中小企業への手厚い支援とセットにした最低賃金の大幅な引上げが急務だと考えますが、総理の認識を伺います。
 現在の物価高騰は、三つの要因が複合的に重なったものです。
 第一に、新型コロナからの経済回復に伴う世界的な需要増によって、原油や小麦など、穀物価格が上昇いたしました。
 第二に、ロシアのウクライナ侵略によって、エネルギーや小麦価格などが更に上昇しました。
 これらのことは、エネルギーや食料を外国に頼ることがどんなに危ういかを改めて私たちに示したのではないのでしょうか。
 今こそ、省エネルギー、再生可能エネルギーの大規模推進によるエネルギーの自給や食料自給率の向上に真剣に取り組むべきです。総理の認識を伺います。
 第三に、物価を押し上げる要因となったのが日本銀行による異次元の金融緩和政策です。円安を誘導したことによって輸入品の価格が上昇し、物価全体を押し上げました。一体いつまでこんな政策を続けるんでしょうか。
 二〇一三年の安倍政権と日銀の共同声明によってスタートした異次元の金融緩和政策は、二%の物価上昇目標を掲げ、日銀が大規模に国債を買い入れ、代わりに円を大量に世の中に供給する。そうすればデフレを克服して景気も良くなるだろう、そんなシナリオでした。しかし、金融緩和で大量に供給されたマネーは株式市場に流れ込み、株価をつり上げて大株主と大企業を大もうけさせただけで、実体経済は少しも良くなりませんでした。
 しかも、これ以上異次元の金融緩和に固執すると、今の物価高騰が一時的なものにとどまらず、経済停滞の下で物価だけが上昇し続ける悪性インフレにつながりかねません。今こそ異次元の金融緩和からの転換を明確にし、金融政策の正常化に踏み出すべきです。
 第一に、もはや何の意味もない二%の物価上昇目標を取り下げることです。第二に、日銀の国債保有残高を減少させる方向に明確にかじを切ることです。第三に、政策転換時に、国債の空売りなどでもうけを狙う海外投機筋の動きを牽制する特別措置をとることです。第四に、日銀が巨額に保有している国債などについては、長期的な市場への売却計画をはっきり示し、市場との意思疎通、理解の促進に尽力をすべきです。長期保有の投資家を優遇して国債などを購入してもらう措置も検討されるべきでしょう。
 これらのことは何度も日銀に提案してきましたが、もはや日銀は自分の判断では政策転換ができない行き詰まり状態に陥っています。
 そもそも、安倍元首相がわざわざ日銀総裁を代えてまで政治主導で始めた異次元の金融緩和政策です。岸田総理の責任で異次元の金融緩和政策を転換し、金融政策の正常化に踏み出すべきではありませんか。総理の答弁を求め、質問を終わります。(拍手)

   〔内閣総理大臣岸田文雄君登壇、拍手〕

○内閣総理大臣(岸田文雄君) 大門実紀史議員の御質問にお答えをいたします。
 ウクライナへの物資輸送のための自衛隊機派遣についてお尋ねがありました。
 今回のロシアによるウクライナ侵略に対しては、国際社会が結束して対応することが重要です。現時点で自衛隊機の派遣について具体的に決まったことはなく、御指摘の点についてお答えできる段階にはないということは御理解いただきたいと思います。
 いずれにせよ、我が国は合計二億ドルの緊急人道支援等を実施しており、今後も、G7を始めとする国際社会と連携しながら、ウクライナ及び避難民を受け入れる近隣国に寄り添った支援を実施してまいります。
 消費税、消費税減税等についてお尋ねがありました。
 消費税については社会保障の財源として位置付けられており、当面、消費税について触れることは考えてはおりません。
 また、公的年金制度については、将来世代の負担が過重なものとなることを避けつつ、長期的な給付と負担のバランスを確保する仕組みとしており、この仕組みの下で年金を支給してまいりたいと考えています。
 最低賃金については、賃上げ税制の拡充や下請対策の強化等により、中小企業・小規模事業者を含め、広く賃上げしやすい環境を整備しつつ、できる限り早期に全国加重平均千円以上となるよう取り組んでいきます。
 いずれにしても、現下のウクライナ情勢に伴う原油価格や物価の高騰等に対しては、総合緊急対策を四月中に取りまとめ、国民生活や経済活動への影響に緊急かつ機動的に対応してまいります。
 エネルギー自給率や食料自給率の向上についてお尋ねがありました。
 物価の高騰が続く中、省エネの推進や再エネの導入拡大を通じたエネルギー自給率の向上や、食料自給率の向上を図ることはますます重要です。
 このため、省エネについては、設備導入補助金などの支援措置や省エネ法による規制的措置を通じて、高効率な機器、設備の普及や、住宅、建築物のゼロエネルギー化を推進してまいります。
 また、再エネについては、国民負担の抑制と地域との共生を図りながら、住宅、建築物への太陽光の導入や洋上風力の案件形成などに官民が連携して取り組んでまいります。
 そして、食料を将来にわたって安定的に確保していくためには、国内で生産できるものはできる限り国内で生産していくことが重要であり、農林水産業の成長のための投資と改革を更に進め、国際競争や災害にも負けない足腰の強い農林水産業を構築し、食料自給率の向上を図ってまいります。
 金融政策についてお尋ねがありました。
 岸田内閣において、平成二十五年の政府、日銀の共同声明が再確認され、デフレ脱却と持続的な経済成長の実現に向け、今後とも緊密に連携して取り組んでいくこととしております。この共同声明の考え方に沿って、日銀の金融政策は二%の物価安定目標の実現のために行われており、為替を誘導するために行われているものではないと承知をしています。また、足下の物価上昇は、為替の影響もあるものの、主には原油を始めとする世界的な原材料価格の高騰等を背景としたものであると認識をしております。
 金融政策の具体的な手法については日銀に委ねられるべきであると考えておりますが、日銀におかれては、引き続き、経済、物価、金融情勢を踏まえつつ、物価安定目標の実現に向けて努力されることを期待しております。
 残余の質問については、関係大臣から答弁をさせます。(拍手)

   〔国務大臣鈴木俊一君登壇、拍手〕

○国務大臣(鈴木俊一君) 大門実紀史議員の御質問にお答えいたします。
 まず、いわゆるタックスヘイブンの対応策、対応強化についてお尋ねがありました。
 タックスヘイブンに限らず、制裁回避やマネーロンダリングといった不正な資金移動を防止するためには、法人に関する情報の透明性を向上させることが重要です。こうした観点から、本年三月にFATFの国際基準が強化され、法人の実質的支配者の透明性向上のため、法人自身にその情報を取得させ、公的機関に登録させることなどが各国に求められることとなりました。
 FATFの国際基準は、G20はもとより世界の多くの国に適用されるものであり、日本といたしましても、各国と連携しながら、実質的支配者の透明性向上のため、国際基準の実施推進を呼びかけてまいりたいと思っております。
 最後に、インボイス制度についてお尋ねがありました。
 インボイス制度は、複数税率の下で適正な課税を行うために必要なものと考えております。その上で、小規模事業者などの免税事業者については、いわゆるBツーC取引を行う事業者等に対してはインボイスの交付を求められることはなく、全ての免税事業者について影響があるわけではありません。
 また、制度の円滑な移行を図る観点から、十年間の十分な経過措置を設けているほか、インボイス制度の対応も見据えた中小企業のデジタル化や、インボイス発行の事業者となる免税事業者の販路開拓などを支援することといたしております。
 今後とも、制度の円滑な移行に向けて、関係省庁で連携しながら、これらの支援策や制度の周知、広報を始めとした取組を丁寧に進めてまいりたいと思います。(拍手)

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